重槍士は褐色毒ショタに出会う

papporopueeee

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さあ、どうするレスト王?

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 状況は見た目ほどよくなってはいない。レスト王はもちろん、こんなに喜んでいるルカテにも言えないが、俺の肉体は毒に対して完全な耐性を持っているわけではない。

 死にはしないかもしれないが、意識を保っていられるかはわからない。死ななかったとしても、気絶なんてしてしまえば結局はルカテを守れない。

 正念場はここからだ。俺がルカテを守り切るためには、まだ気を抜いてはいられない。

「おっ、お前っ、何者だ!! 人間ではないのか!?」

 盾に隠れながら様子を窺う。どうやら、牽制は成功したようだ。兵士たちは王を守るように陣を敷いていて、こちらに攻め込んでくる気配はない。

 レスト王も、俺の決死の一撃にビビり散らかしている。

「あんたも知っての通り、彼の大帝国を追放されたしがない魔物ハンターだよ。ただ、毒に耐性があるだけだ」

「何だと!? 馬鹿なっ、そんな人間がいるはずがっ……クソっ! だがその力はなんだ! 尋常とは思えぬっ……やはりルカテ同様に魔物の類か!」

「恩寵って知ってるか? 俺はサーメル様を信仰していてな、毒の神様に愛されてるんだよ。俺の身体は毒に耐性があるだけじゃなく、毒を受けると活性化して暴走するんだよ。この力はその結果だ」

「ガルっ……すごいっ、すごいですっ!!」

 無邪気に喜ぶルカテの視線が突き刺さる。毒暴走とはいったものの、そんなに便利な恩寵じゃない。文字通り、俺の身体は暴走しているのだから。

 毒の耐性は大したことない。毒に蝕まれた身体は体力をどんどん消費し、毒暴走が更に拍車をかける。先ほどの一撃も一回限りの大技だ。

 サーメル様の恩寵の利点はあくまで悪食だ。毒性の弱い食材をエネルギーに変えることこそが真骨頂であり、俺もそれ目当てに信仰しているに過ぎない。

 レスト王にハッタリが効いている内はいいが、弱みを見せれば一気に勝負がついてしまうだろう。

「とりあえず、お開きにしないか? 俺もあんたに思うところはあるが、殺したいわけじゃない。ここは痛み分けにしようじゃないか」

「痛み分けだと? ……何が狙いだ」

「俺とルカテを見逃せ。今夜のことは無かったことにしといてやる。俺とルカテが無事に国を出るまで手を出さないと誓ってくれれば、俺もこれ以上は何もしない」

「……ふざけたことを抜かすな。その盾は所詮前方しか防げまい。騒ぎを聞きつけた兵士が駆けつければ、お前らは挟み撃ちだ」

「そうしたいなら、好きにするといい。この崩れかけの離宮で持久戦ができるならな」

「なんだとっ?」

「こっちには見ての通りデカい盾があるからな。天井が落ちてこようと、それなりに生き残れる勝算がある。お望みとあらば、すぐにでももう一発ぶちかまして、こんな建物ぶっ壊してやるよ!」

 脅しとばかりに床を小突いてやると、それだけで建物が悲鳴を上げるように揺れた。もう限界も近いようだ。

 周りの兵士たちもさすがに相討ちは避けたいのだろう。既に戦意を失っており、主からの敗北宣言を待ち望んでいるように見えた。

「さあ、どうするレスト王? 一国の主としての懸命な判断を聞かせて欲しいな」

 大見得を切ったものの、さすがに崩落する建物からルカテを無事に守り切れる自信は無い。レスト王には冷静になってもらいたいところではあるが――

「……全員、ボウガンを構えよ」

 ――レスト王がその内に秘めた暗い執念は、その命すらも呑み込もうとしているらしい。例え相討ちであっても、俺とルカテを逃がすことは我慢ならないようだ。
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