両腕のない義弟との性事情

papporopueeee

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後日夜

四人は集う

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「ジャジャーン。ここが今日みんなが泊まるロッジでーす」
「おー、こんなんテレビでしか見たことないな」
「そうでしょそうでしょー、すごいでしょー!」
「……何で一条さんが得意気なの?」
「うん……お姉ちゃんは予約しただけだよね?」
「……なんか、年少組が冷たい。何で?」
「朝早かったからじゃないか?」

 現在時刻は朝の9時。出発したのが3時間前で、起床したのは4時間前だ。朝に弱いカオルが不機嫌なのも仕方ないだろう。

「車の中でもずっと喋っててうるさかったし。後ろの座席なのに眠れないくらいに」
「えーっ、だってせっかくのみんなのドライブなんだから楽しみたいでしょ!? ねえ、あさひ?」
「私も眠かった」
「えーっ!!」

 早起きが辛かったのは一条も同じはずだ。一条が会話に積極的だったのは自身の眠気覚ましのためもあったのだろうが、子供たちにとっては知ったことではないのだろう。

「俺は退屈しなくてよかったぞ。一条の話は退屈しのぎにはちょうど良かった」
「鹿島くん……」
「それに、今回みたいな旅行も一条が企画してくれなかったら来ることなんてなかっただろうし。色々とありがとうな」
「うう、そう言ってくれると報われるよ……」

 人目に着くことを嫌がるカオルのために車で送迎。宿泊先は人気の無い自然に囲まれた貸しロッジ。その他諸々の準備をすべて一条が行ってくれている。
 大袈裟ではなく、一条はこの旅行における功労者だ。

 カオルも素直に口にはしないが、一条からの誘いを受け入れてここまで来ていることから感謝はしているはずだ。

「荷物は俺が運んでおくから、みんなは先に中見てていいぞ」
「ほんと? じゃあお言葉に甘えて、お風呂見に行こあさひ! ここ露天風呂あるんだってよ?」
「あっ、も、もう、そんなに押さないでよー」

 姦しくロッジに突入する一条姉妹を見送って、荷物を取り出すために車の後部に回る。
 するとカオルもとてとてとくっついてきた。

「どうした? 先に中入らないのか?」
「……言った」
「なんだ?」
「退屈って言った……」
「……ああ」

 先ほど言った、一条の話は退屈しのぎにはちょうどよかったという言葉。これは裏を返せば一条の話がなければ退屈だったということだ。道中、俺と一緒に後部座席に座っていたカオルはこれが気に食わないのだろう。

「何だ、ヤキモチか?」
「そんなんじゃ無いもん」
「眠気で不機嫌なカオルに代わって、一条が退屈を紛らわしてくれたってだけだ。そんなに気するなって」
「……」

 気にするなと言われたくらいで機嫌が治るのなら、最初からロッジの見学に行っているだろう。まだカオルの顔は不満気だ。

 どうしたものかと考えようとしたところで、カオルの唇が少し尖っていることに気づいた。まるで何かを待ちかねているように。

「……やれやれ」

 あの日から、カオルの甘えん坊振りには磨きがかかった気がする。多分、基本的にワガママを放任している俺の責任なのだろうが。

「ほら、カオル」
「っ!」

 名前を呼ぶと、カオルが身を硬くして目を閉じた。

 無抵抗なまま唇を差し出すカオルのおでこに、俺は軽く唇でキスをしてやる。

「え?」
「まだ朝だからな。これくらいで勘弁してくれ」
「……朝じゃなかったらどうしてたの?」
「さあな。ほら、体冷やさないように中入ってろ」
「はーい♪」

 カオルは軽い足取りでさっさと離れていった。素直で愛らしいとは思うが、何とも現金すぎる気もする。

 ともあれ、こうして俺たち四人の旅行は幕を開けた。
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