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以外と紳士なんですか?

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ちゃぷちゃぷと水音がする


ふへぇ…疲れた時はやっぱりお風呂だよね…

そう言えば仮にも雇い主の兄のアルディス様に変態貴公子だの、嫌いだの言っちゃったけど大丈夫かな?
冷静になって考えると最悪クビになったりとかしちゃう!?

でもいくらなんでもセクハラが酷すぎるというか、私のご主人様でもないのに俺のものとか勝手に言っちゃったりして… 
まぁ今の父親不在のクロムハート家を仕切っているのはアルディス様だから、この屋敷にいる者は俺のもの…みたいな考えになっちゃったのかな?

それに、シャルさんもシャルさんで最初は「マナちゃんのが先輩だし、シャルでいいよ~」とかチャラいけど良い人そうだなと思って案内してたのに…
ヴィヴィお嬢様と付き合ってんのかとか…私となんて本人に聞かれてたら侮辱罪で訴えられるレベルだって!
前世では陰キャだった私からすると、正直シャルさんみたいな陽キャは苦手だ


「まっ、今後あんまり関わらないようにしよっと」


ガチャッ


「何々?何に関わらないようにすんの?」

「へ…?」


お風呂のドアを開けたらシャルさんがいました


あれ?ここって私の部屋だよね?
なんでシャルさんがベッドに寝転がって…


「あれ…?だれ君…俺部屋間違った!?」


てか私…今ってタオルしか巻いてない状態じゃ…


「きっ…んぐっ!?」


叫ぼうとしたら思いっきりシャルさんに口を塞がれました



「ちょっと叫ばれるのは困るんだよね~」

「んーんー!!(離して!!)」


バタバタ暴れようとする身体を羽交い締めにされる


「おかしいな?ここマナちゃんの部屋のはずだけど…」

「んーんんんん!!(私がマナだってば!!)」

「あれ?でもクロムハート家で黒髪って1人しか…」

「んーん!!(私だって!!)」

「うそ…まさか…マナちゃん?」


私はコクコクと頷いた


「嘘だろ?詐欺じゃん!?」

「んん?(はい?)」


さっきからこの人は何を言ってるんですかねぇ?
てかいい加減この手を離してほしいんですが!?


「あ…ごめんごめん…離すけど、叫ばないって約束してくれる?」


コクコクと頷く


「はい」


ぱっとシャルさんの手が離される


「なんでシャルさんが私の部屋にいるんですかねぇ?」


あまりにも散々な出来事に怒気を含んで話す


「……」

「シャルさん…?」


さっきまであんなにベラベラと喋ってたくせに…
黙りこくってしまったシャルさんを不審に思ってじっと見つめる


「ちょ、あのこれ着て話そ…」

「へ…?」


そうだった、私身体にタオルしか巻いてない状態だったの忘れてました!?
カァッと顔が熱くなる

そっと上着を差し出すシャルさんの顔は伏せられたままだけど、よく見ると耳が赤いような…

あらららら?
なんかシャルさんってもしかして以外と紳士なのかな?

私はその場でシャルさんの執事服用の上着を借りて着ることにした







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