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突然の訪問

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「マナ…」

「きゃっ…アルディス様!?」


まただ…
もう、誰かなんとかしてほしい!

ここ数日アルディス様のあの告白以来、仕事の合間にその辺の空き部屋にひっぱり込まれてはこうして抱き締められる  

最後までするわけじゃないんだからこれぐらい許せとか、栄養補給?だとかなんとか言ってもうやりたい放題だ
 
アルディス様にとっては一時期の気の迷いなのに…
どうやら私は面食いだったようで、正直前世でも出会えないようなこんな美形に抱きしめられて嫌なわけないし、心臓がドキドキしすぎて持たないし、免疫ないから本当に勘違いしてしまいそうになるのでやめてほしい

クロムハート家の侍女の平均年齢が20代っていうのも問題なのかも、10代は珍しく、私が1番最年少で若いみたいだし歳もアルディス様と近い
多分年上の人はアルディス様の趣味ではなかったんだと思う、ヒロインちゃんも私と同い年のはずだし
それで私みたいなのにも魔が差してきっと手が出ちゃったんだろうな…


「マナ、俺といるのに考え事か?」

「へ?」


パッと顔を上げると、不機嫌そうに眉間に皺をよせるアルディス様の顔が目に入った


「いい度胸だな?」

 
あ、あれ?
なんか顔がだんだん迫ってきてるような…



コンコンッ………



突然ドアのノックが鳴った


誰??
って、ちょ、ちょっと待って、こんな密室でアルディス様と2人っきりの所見られたらやばくないですか!?  

私が1人あわあわしていると


「アルディス様、早急に鍵を外して出てきてください」


外から聞こえたのはセバスチャンさんの声だった


「…ちっ」


ひぃいい、アルディス様思いっきり舌打ちが聞こえてますよ!!


ガチャッ


「なんのようだ?」


私を残してアルディス様だけ扉からサッと出て行きました


「第ニ王太子殿下がこれからいらっしゃるようです」

「は?こないだ来たばかりのはずだが?」


たしかに、王子様が来たのはつい1週間ぐらい前のことだ


「なんでもヴィヴィアンヌお嬢様に用があるとか」

「あんだけ愚妹を苦手としていたのに…用だと?」

「そうですね、こんな短いスパンでいらっしゃるのは初めてなので、とりあえず屋敷の者みなで早急にお出迎えの準備にあたっております」

「はぁ…面倒だが仕方ない、俺も行こう」


スタスタとアルディス様の足音が遠ざかる


ガチャッ


「ひゃいっ!?」


いきなり扉を開けられて間抜けな声が出てしまった


「ウェルスニード様も行きますよ」

「は、はい…」


さすがセバスチャンさん、私がいる事も気づいてたんですね…


私もセバスチャンさんと共に準備へと向かった





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