転生したらモブ侍女のはずが…どうしてこうなった！？

お城って凄いですね2

ふぉおおおお！？
やばいやばいやばい、転生してから1番の興奮かもしれない！

まさか生のラブマジのお城がこんなに素敵な所なんて…

クロムハート家もかなり立派なお屋敷だったけど、比べ物にならないくらいの広大な敷地と豪華さだ

前世の日本じゃ絶対見られないヨーロッパ風の造りだし、あの噴水も、迷路みたいな綺麗な薔薇園も近くで見てみたい！！


「マナちゃん…？」

「噴水に行きたいです！」

「え、ちょ！？」


私は手を繋いだままのシャルさんを引っ張って噴水の近くまで行く


「すっごく綺麗！！」


噴水の真ん中にはどでかい王家の紋章である金色のライオンのシンボル像があって、その口から水が湧き出ていた
綺麗なハスの花みたいなのもお飾り程度にちょこちょこ浮いている

あぁ、スマホが手元にあったら絶対写真撮りまくるのに…
こんな所が前世にあったら間違いなく映えスポットになってると思う！

　
「ちょっとマナちゃん、こんなの見てる場合じゃないって！
早く殿下のとこ行かなきゃ、俺が怒られちゃうよ」

「へ？」


そうだ…
私、お仕事しにきたのに何しちゃってるの！？

興奮しすぎて何もかも忘れちゃってた…

身を乗り出して噴水を見ていた身体を、すぐにもどそうと手に力を入れた瞬間…


ズリッー…


「きゃっ！？」

「危ない！！」


手元が水で滑りやすくなっていて、噴水に落ちる間一髪の所で背後からシャルさんが支えてくれた


「本当気をつけてよ、マナちゃん…」

「あんっ♡」

「え……？」

「シャルさ…手が…んっ…」


せっかく助けてくれたのに、シャルさんの手がおもいっきり私の左胸を鷲掴みにしてて変な声がでちゃう


「わ、ちょ、ごめん！？」

「やっ！シャルさん今離したら…！？」


シャルさんが慌てて手を離した事で、グラグラと体勢がおもいっきり崩れる


「あ…マナちゃん！！」


バシャーンッ……


とうとう噴水に落ちてしまった


底は浅かったから服がびしょ濡れになっただけで済んだ

泳げないから浅くて助かった…


「マナちゃん大丈夫！？」

「大丈夫です…」


シャルさんが私をすぐに噴水から引っ張り上げてくれた

今が春ぐらいの暖かさで本当良かった
これで真冬だったら風邪ひいちゃってるよ
　　
顔も濡れちゃったし、眼鏡も拭かないと…


「ごめん、俺が手を離しちゃったから…」

「私の方がごめんなさい！
興奮してはしゃいじゃったから…私が悪いんです…」


眼鏡をスカート部分で拭きながらシャルさんを見上げると、顔を真っ赤にして固まってた


「シャルさん…？」

「……」


あれ？
どうしたんだろ…


「あの、シャルさーん？」


あまりにも返事がないので、意識があるか目の前で手をふってみる


「え……マナちゃん…？」

「あ、良かった」


やっと喋ってくれた


「あ……とりあえず俺の上着着て！！」

「で、でもシャルさんの服が濡れちゃいますよ？」


何故かこっちを見ないで上着を渡される


「いいから！
その…服が透けちゃってるから早く！」

「へ？」


そう言われて自分の服を見ると…
薄い生地の真っ白なワンピースが水のせいで身体に張りついて、下着の線がくっきり見えていた


「ひ……う………」


恥ずかしすぎて声にならない声がでる


「あああありがとうございます！！」


すぐにシャルさんから上着を受け取って羽織った


「と、とにかく風邪ひいたら大変だし、どうせ侍女服に着替えないといけないから早く行こ！」

「は、はい！」


またシャルさんに手を引かれて、城の中へと連れて行かれた