73 / 123
お城って凄いですね
しおりを挟む「本当マナちゃんって天然垂らし!
今は素顔も晒してないのに、あの無愛想な護衛騎士のマテリオールまで落としちゃってさ…」
「え???」
さっきから私の手を引きながら、シャルさんは苛立ったように何かブツブツ文句を言っている
一瞬聞こえたマテリオールって、さっきの騎士さんの事かな…
あれ?
マテリオールって名前なんか知ってる気がする
確かラブマジに出てきたような…
でもメインヒーローとかなら絶対覚えてるはずなんだけど、全然思い出せない…
まぁ、そんなに気にする事ないかな?
「あ、そういえば何でシャルさんがお城にいるんですか!?」
「あー、その…ちょっと仕事を掛け持ちしてて…」
「掛け持ちなんてできるんですか!?」
「あ…なんていうか……
元々王宮に居たんだけど男の人口のが多いじゃん?
男手は足りてるからって、入れる日を減らされちゃって…
そしたら俺の知り合いの人がクロムハート家の当主と偶然知り合いで掛け合ってくれてさ
稼げるし、住み込みじゃなくても空いてる日だけでいいよって、言ってくれたんだよね…」
あ、なるほど
掛け持ちしてるから最近シャルさんが見当たらなかったんだ…
しかもクロムハート家の当主って…
息子のアルディス様に仕事を押し付けて、絶賛浮気相手の家でイチャイチャしてる、まだ一回も会ったことないあの最低な旦那様のことだよね…
「あ、あと王子様が待ちくたびれてるって…
挨拶だけなのになんでそんなに私を待ってるんですか?」
「マナちゃんが殿下の身の回りのお世話をする、王太子付き侍女になったからだよ」
「へ…?」
王子様付きの侍女って…
「ななななんでそんな大役!?
王子様のお世話なんて新人の私にはできません!!」
無理無理無理!!
それもし何かやらかしちゃったら一発で本物の首が飛ぶやつですよね!?
「もうそれで決定みたいだし、今更変えられないはずだよ」
「そ、そんな…
だって王子様に何かやらかしちゃったら死罪とか、良くても多分国外追放とかになっちゃいますよ!?」
「ぶはっ、マナちゃんの中の殿下のイメージ酷すぎない?
しかもやらかす前提だし…
流石にそんなちょっとやそっとで死罪とかにはならないし、最悪でも解雇ぐらいでしょ」
「うぅ……」
でもまだクロムハート家でも働き出したばっかりなのに、いきなり王子様のお世話って…
「それに殿下がマナちゃんにそんな事するわけないじゃん…」
「へ…?」
「あ、ここが城だよ」
話を遮られ、顔を上げて見えた景色に驚いた
「す…ごい………」
来る途中だいぶ前に馬車で城門を通ったのに、そこから更に歩くなんて、物凄く長い道のりだなとは思ってたけど、まさかこんなに凄い所だなんて思ってなかった
広い敷地の真ん中にはでかい綺麗な噴水があって、両サイドには手入れが行き届いた迷路みたいな薔薇園
そのさらに奥の真ん中には、見た事もないぐらい豪華な造りをしたでかいお城がありました
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
455
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる