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5話:ギルドに行こう!
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さぁ、今日は朝から畑を耕しているよ!
と、言っても、俺は大したことをしていない。
何故なら・・・
「はぁ⁉ この畑を手で耕す?」
「おう、もちろん!当たり前だろ。」
「日が暮れるぞ、何日掛けるつもりだ。」
「…2、3日?いや、4、5日かな。」
早朝、ローレンスを無理矢理に起こして、この話をしたらクソでかい溜息を吐いて明らかにうんざりされた。ローレンスの感情は、基本表情じゃなくて尻尾に現れる。そのとき尻尾は、ゆらゆら揺れていて、ああ、これ苛ついてんだなぁと察した。今日は溜息付き。
「いい、任せろ。」
そう言って、ベッドから出たローレンスは畑に出ていった。早朝は冷えるというのに、薄いパジャマで外に出たローレンスにブランケットを持って追いかける。
「ヘクシュン…、ずびっ、寒い…。」
ほら、やっぱ寒いじゃん。
そんなんやってると、また風邪引くんだぞ。
ローレンスにブランケットを掛けようとすると、手でせいされた。
「じゃま、少し下がってろ。」
えーーー、俺、主なんだけど…。
と思いながらも、素直に下がってローレンスの様子を伺う。
ローレンスが何やら指を組んで祈りはじめた。すると、ローレンスの周りにキラキラ綺麗なものが集まってくる。その光がどんどん一つになって、寝起きでも美しいローレンスを更に神々しくさせた。
「えっ、え、、えーー!」
驚きの光景。一瞬で、雑草だらけの畑が綺麗になり、ふわふわの土に変わったのだ。
「おい、育てるモンの種はあるのか?」
その光景をぼんやり見ていると、ローレンスがこちらに手を差し出して聞いてくる。俺は、慌てて家に戻り、買ってあった種をローレンスに渡した。そしたら、その種を空中に浮かべて、雨のように植えると、今度はニョキニョキ芽吹き始める。あっという間に畑は大豊作になった。
「うそ、だろ、こんな一瞬で…。何日も待って収穫する予定だったのに。」
唖然としていると、ローレンスが仕事は終わったとばかりに、さっさと家へ戻っていく。そうしてローレンスは、湯浴び場へ消えていった。
「すっっごっっ……。魔族、恐るべし。」
3800万ピラールじゃ安かったかもしれない。
湯浴びから上がったローレンスを捕まえて、俺は称賛の嵐を浴びさせた。
「すごい、すごすぎるぞ! ローレンス! お前は天才なのか⁉ いや、もしや神なのか⁉ 素晴らしいよ! ありがとう!ありがとう!」
「……うるさい」
手を握って誠心誠意、感謝。
いやぁ、俺、ホント最近、良いことばかり。
そろそろ悪いことが起こるんじゃないかって不安になるよ。
それから俺も湯を浴びて、軽い朝食を作り、二人で食べた。
朝活っていいね、気分爽快!
予定変更、今日はギルドに向かいます!
■
「この間の話、ローレンスが自分でベッドを買うにはどうすれば良いか。その答えがギルドだ。」
「……?」
「金を作るには、働く必要がある。」
俺がドヤ顔で言うと、ローレンスは相変わらず眉一つ動かさず、冷えた視線を向けてきた。
「ちなみに、俺はもう働きたくない。」
「……何の話だ。」
お、食いついた食いついた!
「ローレンス、お前は一応、俺の奴隷だ。分かっているな。」
小声で耳打ちした『奴隷』という言葉にローレンスの視線が威圧的なものに変わる。僅かだが、眉間に皺が寄った。
尻尾を隠してしまえば、ローレンスはエルフにしか見えない。希少種であるエルフ、そしてローレンスの美貌も相まって、多くの視線がこちらに集まっていた。ちなみに今日のローレンスの服装は、半袖の白いハイネックに黒いパンツだ。シンプルな服が彼の美しさを際立たせ、最上級の美を生み出している。
「でも特別にローレンスは俺の旦那にしてやる! 一家の大黒柱だぞ、しっかり働けよ! あははーっ! 俺は、ローレンスのお嫁さんなので大人しくお家で待っていることにします♡ 一生懸命、働いて稼いできてね♡」
「ああ゙?」
おお、怖い…。とんでもなく冷たい視線が俺を射抜く。
だが、ここは譲れない。俺は、もう働きたくない。
食い扶持に困るのも嫌だ。毎日、ゴロゴロしていたい。
趣味に没頭してみたい!
元はと言えば、そのために俺は奴隷を買ったんだ。
「ふざけんなよ…。」
「ふざけてないよ。」
静かに怒るローレンスに、俺は指先を見せた。くっつきあった指の形態にローレンスは明らかにうろたえた。そんな青年の耳に俺は腰を屈めて、唇を寄せた。
「奴隷紋のこと忘れたか…? くふふっ、破棄して欲しい?
良いよぉ…、そのうち飽きたら、だけど。」
胸ぐらを掴まれ、屈んだ状態から戻れない。あれ…、結構、力強いな。煽りすぎちゃった…? ちょっとだけ焦って、俺は指先を軽く2、3度擦った。音は鳴らないけれど、奴隷紋が少しだけ光ったのが見えた。あ、傷は付けたくないのに…。まだ、加減がよくわからない。が、そのおかげかローレンスの手が緩んで開放される。
「決まりだな。」
「…クソッ。」
静かになったローレンスを連れ、俺はギルドの受付嬢に話しかける。
「おはようございます、お久しぶりですね。ミールさん。」
「お、はよう、ございます…。えっと、どちら様ですか?」
「あはは、やだね。忘れられちゃいましたか、ゼンですよ。」
「ゼン? ふふっ、あんな小汚い男の名を出すなんてお兄さんおもしろい。貴方みたいな、素敵な男存じ上げませんわ。お連れのエルフのお兄さんも素敵ね。本当は、なんてお名前なのかしら…」
おいおい、新手の嫌がらせかと思ったら、この女マジで分かってないのか? いつもとはまるで違う態度。身なりを変えただけでこんなにも違うのか。髪型なんて、そのまんまだぞ。まぁ、前よりは少し髪がサラサラしてる気がするけど。あ、ローレンスを連れているせいもあるのか。
「いえいえ、本当に私ですよ。ゼンです。声で分かりませんか?」
「えっ、まさか、本当に…?」
ちなみに自分で言うのも何だが、俺は外面が非常に良い。でないと仕事が回ってこないからというのもあるし、色々とその方が生きやすい。
ようやく、目の前の男が邪険に扱っていたゼンだと気が付いたミール。だが、以外なことに、その態度は変化したままだった。
「な、なんだか素敵になっちゃったのね! なぁに? アタシになんの用かしら。」
椅子に座り、机に乗せた俺の手にミールが突然、自分の手を乗せてきた。げっ、こいつ、まじか。女って怖いな。てか、俺、女は無理なんだけど。胸の中で悪態をつき、顔には笑みを浮かべる。そっと彼女の手を避け、腕組みする。
「ツレの銀行口座とギルド登録をしたい。」
「あ、あら、そう! 分かったわ。では、まず魔力鑑定をいたしますのでコチラへどうぞ。」
そう言って、ローレンスは言われるがまま魔力鑑定室に入っていった。その際、ミールはローレンスに躓いたフリでくっつき、胸を押し付けた。おい、ふざけんな! 俺のだぞ、くそ女! 苛立ちが湧き上がるのを感じていると、ローレンスが張り付くミールを強引に引き剥がした。
「気安く触るな。」
「きゃっ……♡ カッコいい。」
美形の力恐るべし。
魔力鑑定が終わり、ローレンスが戻ってきた。
結果は『S級』
いつでも好きなダンジョンに行ける最上ランクだった。
「ローレンス…お前…、稼ぎたい放題だな‼」
俺は、感動と喜びのあまりローレンスの頭をよしよしと撫で、ぎゅっと抱きしめた。魔力鑑定でいきなりS級がでるのは珍しいらしく、ギルドの役人たちまでやいのやいの出てきた。エルフのS級という言葉を聞きつけ、おまけに客や冒険者までローレンスを見ようと集まってきた。
おい!見るな‼俺のだぞ‼
「ねぇ、君、名はなんていうの?」
「おい、今度、手合わせしてくれよ!」
「お兄さん、あたいとお茶でもいかない?」
「君、本当にエルフなの?綺麗だね。」
ああ、大変だ!
このままじゃ、ローレンスがいろんなやつに食われちまう!
俺は、さっさと銀行口座とギルド登録を済ませ、ローレンスの腕を掴んで立ち上がった。ついでに、ギルドの説明冊子を貰っていく。人がどんどん増える。まずいな、早く撤退しないと。さすがのローレンスも困惑しているし…。
「ローレンス、登録はできたから一度帰るぞ。」
「…っ、わかった。」
「ごめん、ローレンス。俺は、お前の魅力を侮っていたようだ。天使をこんなむさ苦しい悪魔たちの中に放り込んだらどうなるか、分かっていなかった。」
「あ?オレは天使じゃねぇよ。」
「例えだ!お前は綺麗なんだよ!わかれ!」
「…意味分かんねぇ。」
「話してる場合じゃないな、逃げるぞ。」
ローレンスを連れて、人混みを掻き分ける。その間にも人々は追いかけてくる。このままじゃ埒が明かない。俺たちは一旦、武器庫に隠れて落ち着くのを待つことにした。近くにあった、ちょうどいい布を拝借し、ローレンスの顔を隠す。どうやら、うまく撒けたようだ。警戒しながら武器庫からそっと顔を出した。うん、誰も居ないな。さぁ、夕飯のパンを買って帰ろう。
「よぉ、でくの棒。久しぶりだなぁ。」
ああ、最悪だ。
一番会いたくないやつに、捕まった。
「…やぁ、ツェルダくん。」
と、言っても、俺は大したことをしていない。
何故なら・・・
「はぁ⁉ この畑を手で耕す?」
「おう、もちろん!当たり前だろ。」
「日が暮れるぞ、何日掛けるつもりだ。」
「…2、3日?いや、4、5日かな。」
早朝、ローレンスを無理矢理に起こして、この話をしたらクソでかい溜息を吐いて明らかにうんざりされた。ローレンスの感情は、基本表情じゃなくて尻尾に現れる。そのとき尻尾は、ゆらゆら揺れていて、ああ、これ苛ついてんだなぁと察した。今日は溜息付き。
「いい、任せろ。」
そう言って、ベッドから出たローレンスは畑に出ていった。早朝は冷えるというのに、薄いパジャマで外に出たローレンスにブランケットを持って追いかける。
「ヘクシュン…、ずびっ、寒い…。」
ほら、やっぱ寒いじゃん。
そんなんやってると、また風邪引くんだぞ。
ローレンスにブランケットを掛けようとすると、手でせいされた。
「じゃま、少し下がってろ。」
えーーー、俺、主なんだけど…。
と思いながらも、素直に下がってローレンスの様子を伺う。
ローレンスが何やら指を組んで祈りはじめた。すると、ローレンスの周りにキラキラ綺麗なものが集まってくる。その光がどんどん一つになって、寝起きでも美しいローレンスを更に神々しくさせた。
「えっ、え、、えーー!」
驚きの光景。一瞬で、雑草だらけの畑が綺麗になり、ふわふわの土に変わったのだ。
「おい、育てるモンの種はあるのか?」
その光景をぼんやり見ていると、ローレンスがこちらに手を差し出して聞いてくる。俺は、慌てて家に戻り、買ってあった種をローレンスに渡した。そしたら、その種を空中に浮かべて、雨のように植えると、今度はニョキニョキ芽吹き始める。あっという間に畑は大豊作になった。
「うそ、だろ、こんな一瞬で…。何日も待って収穫する予定だったのに。」
唖然としていると、ローレンスが仕事は終わったとばかりに、さっさと家へ戻っていく。そうしてローレンスは、湯浴び場へ消えていった。
「すっっごっっ……。魔族、恐るべし。」
3800万ピラールじゃ安かったかもしれない。
湯浴びから上がったローレンスを捕まえて、俺は称賛の嵐を浴びさせた。
「すごい、すごすぎるぞ! ローレンス! お前は天才なのか⁉ いや、もしや神なのか⁉ 素晴らしいよ! ありがとう!ありがとう!」
「……うるさい」
手を握って誠心誠意、感謝。
いやぁ、俺、ホント最近、良いことばかり。
そろそろ悪いことが起こるんじゃないかって不安になるよ。
それから俺も湯を浴びて、軽い朝食を作り、二人で食べた。
朝活っていいね、気分爽快!
予定変更、今日はギルドに向かいます!
■
「この間の話、ローレンスが自分でベッドを買うにはどうすれば良いか。その答えがギルドだ。」
「……?」
「金を作るには、働く必要がある。」
俺がドヤ顔で言うと、ローレンスは相変わらず眉一つ動かさず、冷えた視線を向けてきた。
「ちなみに、俺はもう働きたくない。」
「……何の話だ。」
お、食いついた食いついた!
「ローレンス、お前は一応、俺の奴隷だ。分かっているな。」
小声で耳打ちした『奴隷』という言葉にローレンスの視線が威圧的なものに変わる。僅かだが、眉間に皺が寄った。
尻尾を隠してしまえば、ローレンスはエルフにしか見えない。希少種であるエルフ、そしてローレンスの美貌も相まって、多くの視線がこちらに集まっていた。ちなみに今日のローレンスの服装は、半袖の白いハイネックに黒いパンツだ。シンプルな服が彼の美しさを際立たせ、最上級の美を生み出している。
「でも特別にローレンスは俺の旦那にしてやる! 一家の大黒柱だぞ、しっかり働けよ! あははーっ! 俺は、ローレンスのお嫁さんなので大人しくお家で待っていることにします♡ 一生懸命、働いて稼いできてね♡」
「ああ゙?」
おお、怖い…。とんでもなく冷たい視線が俺を射抜く。
だが、ここは譲れない。俺は、もう働きたくない。
食い扶持に困るのも嫌だ。毎日、ゴロゴロしていたい。
趣味に没頭してみたい!
元はと言えば、そのために俺は奴隷を買ったんだ。
「ふざけんなよ…。」
「ふざけてないよ。」
静かに怒るローレンスに、俺は指先を見せた。くっつきあった指の形態にローレンスは明らかにうろたえた。そんな青年の耳に俺は腰を屈めて、唇を寄せた。
「奴隷紋のこと忘れたか…? くふふっ、破棄して欲しい?
良いよぉ…、そのうち飽きたら、だけど。」
胸ぐらを掴まれ、屈んだ状態から戻れない。あれ…、結構、力強いな。煽りすぎちゃった…? ちょっとだけ焦って、俺は指先を軽く2、3度擦った。音は鳴らないけれど、奴隷紋が少しだけ光ったのが見えた。あ、傷は付けたくないのに…。まだ、加減がよくわからない。が、そのおかげかローレンスの手が緩んで開放される。
「決まりだな。」
「…クソッ。」
静かになったローレンスを連れ、俺はギルドの受付嬢に話しかける。
「おはようございます、お久しぶりですね。ミールさん。」
「お、はよう、ございます…。えっと、どちら様ですか?」
「あはは、やだね。忘れられちゃいましたか、ゼンですよ。」
「ゼン? ふふっ、あんな小汚い男の名を出すなんてお兄さんおもしろい。貴方みたいな、素敵な男存じ上げませんわ。お連れのエルフのお兄さんも素敵ね。本当は、なんてお名前なのかしら…」
おいおい、新手の嫌がらせかと思ったら、この女マジで分かってないのか? いつもとはまるで違う態度。身なりを変えただけでこんなにも違うのか。髪型なんて、そのまんまだぞ。まぁ、前よりは少し髪がサラサラしてる気がするけど。あ、ローレンスを連れているせいもあるのか。
「いえいえ、本当に私ですよ。ゼンです。声で分かりませんか?」
「えっ、まさか、本当に…?」
ちなみに自分で言うのも何だが、俺は外面が非常に良い。でないと仕事が回ってこないからというのもあるし、色々とその方が生きやすい。
ようやく、目の前の男が邪険に扱っていたゼンだと気が付いたミール。だが、以外なことに、その態度は変化したままだった。
「な、なんだか素敵になっちゃったのね! なぁに? アタシになんの用かしら。」
椅子に座り、机に乗せた俺の手にミールが突然、自分の手を乗せてきた。げっ、こいつ、まじか。女って怖いな。てか、俺、女は無理なんだけど。胸の中で悪態をつき、顔には笑みを浮かべる。そっと彼女の手を避け、腕組みする。
「ツレの銀行口座とギルド登録をしたい。」
「あ、あら、そう! 分かったわ。では、まず魔力鑑定をいたしますのでコチラへどうぞ。」
そう言って、ローレンスは言われるがまま魔力鑑定室に入っていった。その際、ミールはローレンスに躓いたフリでくっつき、胸を押し付けた。おい、ふざけんな! 俺のだぞ、くそ女! 苛立ちが湧き上がるのを感じていると、ローレンスが張り付くミールを強引に引き剥がした。
「気安く触るな。」
「きゃっ……♡ カッコいい。」
美形の力恐るべし。
魔力鑑定が終わり、ローレンスが戻ってきた。
結果は『S級』
いつでも好きなダンジョンに行ける最上ランクだった。
「ローレンス…お前…、稼ぎたい放題だな‼」
俺は、感動と喜びのあまりローレンスの頭をよしよしと撫で、ぎゅっと抱きしめた。魔力鑑定でいきなりS級がでるのは珍しいらしく、ギルドの役人たちまでやいのやいの出てきた。エルフのS級という言葉を聞きつけ、おまけに客や冒険者までローレンスを見ようと集まってきた。
おい!見るな‼俺のだぞ‼
「ねぇ、君、名はなんていうの?」
「おい、今度、手合わせしてくれよ!」
「お兄さん、あたいとお茶でもいかない?」
「君、本当にエルフなの?綺麗だね。」
ああ、大変だ!
このままじゃ、ローレンスがいろんなやつに食われちまう!
俺は、さっさと銀行口座とギルド登録を済ませ、ローレンスの腕を掴んで立ち上がった。ついでに、ギルドの説明冊子を貰っていく。人がどんどん増える。まずいな、早く撤退しないと。さすがのローレンスも困惑しているし…。
「ローレンス、登録はできたから一度帰るぞ。」
「…っ、わかった。」
「ごめん、ローレンス。俺は、お前の魅力を侮っていたようだ。天使をこんなむさ苦しい悪魔たちの中に放り込んだらどうなるか、分かっていなかった。」
「あ?オレは天使じゃねぇよ。」
「例えだ!お前は綺麗なんだよ!わかれ!」
「…意味分かんねぇ。」
「話してる場合じゃないな、逃げるぞ。」
ローレンスを連れて、人混みを掻き分ける。その間にも人々は追いかけてくる。このままじゃ埒が明かない。俺たちは一旦、武器庫に隠れて落ち着くのを待つことにした。近くにあった、ちょうどいい布を拝借し、ローレンスの顔を隠す。どうやら、うまく撒けたようだ。警戒しながら武器庫からそっと顔を出した。うん、誰も居ないな。さぁ、夕飯のパンを買って帰ろう。
「よぉ、でくの棒。久しぶりだなぁ。」
ああ、最悪だ。
一番会いたくないやつに、捕まった。
「…やぁ、ツェルダくん。」
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