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14話:伸ばした手
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ツェルダの手が伸びて、俺の首を締めた。
ギリギリと気道を押さえ込まれ息ができなくなる。
苦しい、苦しい、苦しい…。
段々と視界の端が暗くなっていくのを感じ耐えることなく目を閉じた。
だがすぐに首を絞める手が緩み、意識が再び浮上する。
数度の瞬きで輪郭を捕えたツェルダの表情は意外にも歪んでいた。
男の顔は、みるみるうちに色が悪くなってくる。
そして、手が首元を探るように藻掻き、かくんっと落ちた。
「……か……は……ッ……」
同時に眼球がぐるんっと上を向き、だらしなく開いた口から唾液が垂れて俺の腹に溜まった。
あっという間に動かなくなってしまったツェルダ。
何が起きているのか、さっぱりわからない。
意識を確認しようと恐る恐るツェルダの肩に手を伸ばした。
「帰るぞ、ゼン」
背後から覚えのある声が聞こえて、手が止まった。
透き通った水のような、ささやかな旋律のような声。一度も名を呼ばれたことなどないその声が俺の名を呼んだ。
「ゼン…」
優しい声が俺を呼ぶ。それから、そっと頬を撫でた。
ああ、愛しい俺の魔物。
安堵と共に止めどなく涙が溢れてくる。
小刻みに震える身体が恐ろしかったことを体現させた。
「…ローレンス」
名を呼んで手を伸ばそうとしたとき、俺の腹の上でピクリと何かが動いた。視線をやると、ツェルダの手がまだ苦しげに藻掻いている。
「あっ…、ダメだ、殺すな!ローレンスっ」
「何故だ。ゼンだって憎いだろう、生かす必要はない。」
「…でも、殺したらこの街に居られなくなっちまうぞ。きっと死罪は免れない。それに…、そういう恨みのはらし方は好きじゃないんだ。」
そういうと、張り詰めていた見えない糸のようなものが切れ、がくんっとツェルダが身に降ってきた。だが、俺の上に乗る前にツェルダの身体はローレンスによって乱雑に投げ飛ばされる。俺が安心して息を吐くと、ローレンスはまだ不思議そうな顔していた。何故、殺してはならないのか分からないといった様子。ぱっぱと手を払ったローレンスは下半身が裸のままの俺をベッドシーツで包んで抱き上げた。シーツの擦れる感覚や抱き上げる腕すら肌に刺激を感じる。
「はっ……ぁ、ま、待って、、大丈夫なのか、ツェルダを放置して…」
「……」
「死なない、よな?」
「エルフの血が流れているんだ。普通の人間よりは生命力が強い、この程度じゃ死ねないだろう」
「そ、うか」
ほっとしていると、ローレンスが睨むような視線を俺に送ってきた。
顎を掴み、親指で唇をなぞられる。
「二度とこの口で此れの名を呼ぶな。」
それは苛立ちを含んでいたが、それ以上に甘さがあった。
紫色の宝石みたいな瞳がジっと此方を見つてくる。
自分が弱ってるせいか、勘違いしそうになる。
俺は無言で頷き、シーツの中に埋もれた。
抱き上げられたと思ったら、またベッドへと戻される。だが、そのベッドは先程と違いふかふかと柔らかい。そう、まるでいつも寝ている我が家と同じ心地……。埋まっていたシーツをローレンスに剥がさる。見覚えのある天井だ。あれ、ここって、まさか。
「転移魔法だ。」
俺の疑問にさらっと何気なく答えるローレンス。
えっ、転移魔法?
魔法の使えない俺でも知ってるぞ、それって結構高度な魔法じゃないか?
色々、突っ込んで聞きたくなるが我慢する。
ああ、そうだ。まず言わなきゃならないことがある。
「…助けてくれて、ありがとうな」
無言のローレンスを前に居た堪れない気持ちになって。俺は、ベッドから這い出る。湯浴び場に行きたかった。このままじゃ休めない。身体が色々な粘液でベタついて気持ち悪いのもあるが、何よりも身体が熱い。興奮なんてしていないはずなのに、陰茎が腹に付くくらい立ち上がってしまっている。おまけに後孔は濡れて、中を掻き回したくて仕方がない。きっと、何か変なものを飲まされたせいだろう。苦しいのに、身体が快楽を求めている。早く、発散したくて居ても立っても居られなかった。
フラフラと覚束ない足で、シーツを被ったまま部屋の扉へ向かう。いつもより、ずっと遠く感じる扉。やっとたどり着いたとドアノブに手を伸ばすが、それより先に他の手がドアノブを押さえた。
「何処に行く気だ。」
「へっ……?」
ローレンスが扉に触れると、光の模様が現れた。
魔法…、か?
「そんな顔して何処へ行く。」
「湯浴び、したくて。」
「ああ、そうか。それなら必要ない。」
そう言って、ローレンスはまた魔法を展開した。俺の身体をキラキラとした光が包み、消えていく。気がつけば、身体はスッキリとしていた。ただ、熱だけを残して。
「……っ、はっ、、ぁ」
「魔物の体液で作った媚薬か。悪趣味だな。」
ニットに手を突っ込み、俺の腹の上をローレンスの指先がすっと通っていく。それだけで、ぴくぴくと震えて、声が漏れてしまう。
後孔からは、じんわりとまた愛液が溢れ腿を伝った。
それは、まるで発情期のよう。
「なぁ、ゼン。その熱は、精液を注がない限り治まらないぞ…?」
「せ、いえき……?」
うっそりと笑ったローレンスは、再び俺をベッドの上に戻し、ゆったりと服を脱ぎはじめた。
ギリギリと気道を押さえ込まれ息ができなくなる。
苦しい、苦しい、苦しい…。
段々と視界の端が暗くなっていくのを感じ耐えることなく目を閉じた。
だがすぐに首を絞める手が緩み、意識が再び浮上する。
数度の瞬きで輪郭を捕えたツェルダの表情は意外にも歪んでいた。
男の顔は、みるみるうちに色が悪くなってくる。
そして、手が首元を探るように藻掻き、かくんっと落ちた。
「……か……は……ッ……」
同時に眼球がぐるんっと上を向き、だらしなく開いた口から唾液が垂れて俺の腹に溜まった。
あっという間に動かなくなってしまったツェルダ。
何が起きているのか、さっぱりわからない。
意識を確認しようと恐る恐るツェルダの肩に手を伸ばした。
「帰るぞ、ゼン」
背後から覚えのある声が聞こえて、手が止まった。
透き通った水のような、ささやかな旋律のような声。一度も名を呼ばれたことなどないその声が俺の名を呼んだ。
「ゼン…」
優しい声が俺を呼ぶ。それから、そっと頬を撫でた。
ああ、愛しい俺の魔物。
安堵と共に止めどなく涙が溢れてくる。
小刻みに震える身体が恐ろしかったことを体現させた。
「…ローレンス」
名を呼んで手を伸ばそうとしたとき、俺の腹の上でピクリと何かが動いた。視線をやると、ツェルダの手がまだ苦しげに藻掻いている。
「あっ…、ダメだ、殺すな!ローレンスっ」
「何故だ。ゼンだって憎いだろう、生かす必要はない。」
「…でも、殺したらこの街に居られなくなっちまうぞ。きっと死罪は免れない。それに…、そういう恨みのはらし方は好きじゃないんだ。」
そういうと、張り詰めていた見えない糸のようなものが切れ、がくんっとツェルダが身に降ってきた。だが、俺の上に乗る前にツェルダの身体はローレンスによって乱雑に投げ飛ばされる。俺が安心して息を吐くと、ローレンスはまだ不思議そうな顔していた。何故、殺してはならないのか分からないといった様子。ぱっぱと手を払ったローレンスは下半身が裸のままの俺をベッドシーツで包んで抱き上げた。シーツの擦れる感覚や抱き上げる腕すら肌に刺激を感じる。
「はっ……ぁ、ま、待って、、大丈夫なのか、ツェルダを放置して…」
「……」
「死なない、よな?」
「エルフの血が流れているんだ。普通の人間よりは生命力が強い、この程度じゃ死ねないだろう」
「そ、うか」
ほっとしていると、ローレンスが睨むような視線を俺に送ってきた。
顎を掴み、親指で唇をなぞられる。
「二度とこの口で此れの名を呼ぶな。」
それは苛立ちを含んでいたが、それ以上に甘さがあった。
紫色の宝石みたいな瞳がジっと此方を見つてくる。
自分が弱ってるせいか、勘違いしそうになる。
俺は無言で頷き、シーツの中に埋もれた。
抱き上げられたと思ったら、またベッドへと戻される。だが、そのベッドは先程と違いふかふかと柔らかい。そう、まるでいつも寝ている我が家と同じ心地……。埋まっていたシーツをローレンスに剥がさる。見覚えのある天井だ。あれ、ここって、まさか。
「転移魔法だ。」
俺の疑問にさらっと何気なく答えるローレンス。
えっ、転移魔法?
魔法の使えない俺でも知ってるぞ、それって結構高度な魔法じゃないか?
色々、突っ込んで聞きたくなるが我慢する。
ああ、そうだ。まず言わなきゃならないことがある。
「…助けてくれて、ありがとうな」
無言のローレンスを前に居た堪れない気持ちになって。俺は、ベッドから這い出る。湯浴び場に行きたかった。このままじゃ休めない。身体が色々な粘液でベタついて気持ち悪いのもあるが、何よりも身体が熱い。興奮なんてしていないはずなのに、陰茎が腹に付くくらい立ち上がってしまっている。おまけに後孔は濡れて、中を掻き回したくて仕方がない。きっと、何か変なものを飲まされたせいだろう。苦しいのに、身体が快楽を求めている。早く、発散したくて居ても立っても居られなかった。
フラフラと覚束ない足で、シーツを被ったまま部屋の扉へ向かう。いつもより、ずっと遠く感じる扉。やっとたどり着いたとドアノブに手を伸ばすが、それより先に他の手がドアノブを押さえた。
「何処に行く気だ。」
「へっ……?」
ローレンスが扉に触れると、光の模様が現れた。
魔法…、か?
「そんな顔して何処へ行く。」
「湯浴び、したくて。」
「ああ、そうか。それなら必要ない。」
そう言って、ローレンスはまた魔法を展開した。俺の身体をキラキラとした光が包み、消えていく。気がつけば、身体はスッキリとしていた。ただ、熱だけを残して。
「……っ、はっ、、ぁ」
「魔物の体液で作った媚薬か。悪趣味だな。」
ニットに手を突っ込み、俺の腹の上をローレンスの指先がすっと通っていく。それだけで、ぴくぴくと震えて、声が漏れてしまう。
後孔からは、じんわりとまた愛液が溢れ腿を伝った。
それは、まるで発情期のよう。
「なぁ、ゼン。その熱は、精液を注がない限り治まらないぞ…?」
「せ、いえき……?」
うっそりと笑ったローレンスは、再び俺をベッドの上に戻し、ゆったりと服を脱ぎはじめた。
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