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放浪準備編
21.アウトプットを再確認するよ
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翌日、俺たちは夕べ設定した目標を達成すべく他のギルドの登録申請に向かった。とはいえ、のべつ幕なしに色々なギルドに登録したのでは結局無駄骨なんてことになりかねないので、その辺は優先順位を考える必要があるけど。
というわけでこの街にはどんなギルドがそもそもあるのか、そこから調べるところから始まったわけだ。
「総合職ギルドで聞いたところでは、木工、製薬、鍛冶、製本、服飾、それと冒険者は少なくともギルドがあるらしいけど……他ありそうな職業としては……?」
「あの、服飾の中に紡織は含まれるんでしょうか? デザインや裁縫だけだとすると、生産はまた別にありそうな気もしますけど……」
「ああ、確かに。それを考えると鍛冶にも製錬関係で同じような問題がありそうだね……あとそうだ、魔導工学を忘れてた。あれがないと魔動車が作れない」
「あ、そういえばこの間お買い物していた時に食器のエンブレムを掲げている建物がありました。店というよりホールっぽかったですけど、料理人ギルドとかですかね?」
「どうだろう、陶磁器か、それでなければ食器ギルドの可能性もありそうだけど……それも調べなきゃダメか」
こんな具合にある程度職業に関する予測を立てて、実際に存在するか調べた上で取捨選択をしていくことにしたわけだけど……リストをメモ帳にリストアップする段になって、今回の件とは全く関係ないものの非常に重要なことが気になった。
「……エリナさん、俺の書いたもの読める?」
「え? それはトーゴさんの能力を考えれば読めて当然……あれ? 何て書いてあるんですかコレ? マンガに使われてたからひらがなだってことはわかるんですけど……」
「……漢字とカタカナだな。慣れなきゃ区別つかなくてもしょうがないけど」
っていうか、ああ、やっぱり。何で気付かなかったんだろう。
確かにこの多方向翻訳認識能力というのは、読んだり聞いたりする所謂インプットだけでなくアウトプット、つまり話す際にも不自由のないように作られてはいる。
しかし同じアウトプットでも、書かれるものを介して他人の視覚にインプットさせる――平たく言うと書いて読ませることに関しては今まで実験したこともなかったので、可能かどうか判断してこなかった。
エリナさんの反応からすると、普段の俺は多方向翻訳認識能力を使っていたとしても日本語を書いてしまっているみたいだ。これはどうにかならないものか、スキル一覧の方もあまり確認してなかったから見てみるか……
「お」
「どうかしましたか、トーゴさん?」
「いや、それに関してはもしかしたら解決出来そうだ」
スキル一覧を試しに開いてみると、リストの最初に項目が分かりやすく存在していた。そしてその詳細を確認してみると、こんな表示が浮かび上がってきた。
多方向翻訳認識能力
インプット・アウトプット問わず伝達する相手との使用言語の齟齬を解消する能力。
オートモードとロジカルモードが存在する。
……この上なく簡潔かつ分かりやすい文章だけど、オートモードとロジカルモードって何だ? 何となく予想はつくけど確認はしておかないと……
オートモード
全ての言語が使用者の母語としてインプットされ、伝達相手の母語としてアウトプットされる。ただし筆記言語は使用者の母語に固定される。
ロジカルモード
全ての言語が使用者の母語と同等に意思疎通可能状態になる。筆記言語も各言語を使用可能になるが、母語の違う人間で構成された集団への伝達には向かない。
デフォルト:オートモード
ロジカルモードに変更しますか? はい/いいえ
……何というかこう言うところは現代のコンピューターライクだな。どっちにしてもこういうモードが最初から設定されていたことも、スキル確認の時にモードを簡単に変更出来そうなのも俺にとっては助かる話だ。
ローカルモードに変更して、っと……
「んー?」
モード変更をしてすぐ手元のメモを読んでみたものの、もともと日本語で書いてあるものを読んでも実感が沸かない。モード変更時に何かエフェクトがあったわけでもなし。
と――
「トーゴサン? オレトゥコ クンノッサ?」
「エリナさん?」
――驚いた。エリナさんの言葉ががっつりフィンランド語になってる。しかも何が凄いって、全く馴染みがないにもかかわらずフィンランド語だということを内容も含めて母語のように理解出来たのが信じられない。
……これ、便利だな。今のところ大勢を前に何かを伝達するっていう機会はないから、何もなければこっちのモードにするか。
「ああ、大丈夫だよ。おそらくこれで問題ないと思う。メモもフィンランド語に書き直したから、ちょっと確認してくれる?」
「それならよかったですけど。ええと……ほんとだ! 凄い! ちゃんとフィンランド語になってますよ!!」
そりゃ、モードを変更したからな。それが証拠に今話しているこの言葉も全部フィンランド語だ。……エリナさんは興奮して気付かないのかと思ってたけど、考えたら彼女には最初から俺の言葉がフィンランド語に聞こえてたんだっけ。そりゃ文字に起こさないと実感が沸かないはずだ。
「……でもこれ、このモードにしてたら使えるかもしれない」
「え、何ですか?」
「ああ、このロジカルモード使えるかもしれないって……ああ、今日本語で言ってたか」
なるほど、オートにしないと意識して伝わる言語をしゃべらないといけないのか。書く時はともかく通常話す時には結構不便だな。さっきと言ってること違うけど、これをデフォルトにするのはやめておいた方がいいか……
「それで、何に使えるんですか?」
「ああ、言語の教材を作るのもアリかなって思ってさ……例えばこんな風に」
取り敢えず今はフィンランド語を意識して使うことにして……俺はイチゴを意味する3つの単語をメモ帳に書き出した。
マンシッカ
イチゴ
エーポル
「エリナさん、これ読める?」
「これですか? ……ああ、これは簡単ですよ、イチゴでしょ? 他の2つは……わかりませんけど。何て書いてあるんですか?」
「どれもイチゴで合ってるよ。ただし最初のはフィンランド語、2つ目が日本語、3つ目がマジェリア語で書いてあるんだ。マジェリア語はジェルマ文字だから、普通の転生者はそこから読めるようにしなきゃならないけど……」
そこまで言って、ようやくエリナさんは「使える」という意味を理解したみたいだった……けど、やっぱり難しい顔だ。
「エリナさん?」
「使えるかもしれませんけど……実用的ではありませんよね、これ」
「……まあ、そうだね」
分量も労力も製本ギルドとの兼ね合いも考えると、使えるかもしれないけどコストパフォーマンスとしては極めて悪い。
……まあ、最悪エリナさん専用のテキストだけ作るんでも、俺としては全然いいんだけどね。
---
新章:放浪準備編の始まりです。放浪準備編も最初異世界転生編と同じくらいの長さでやろうと思ったんですが、書いていくうちに冗長になりかねなかったので半分に減らしています。
多分放浪開始編も同じ感じかなあ……
フィンランド語の部分はアルファベット表記でもよかったかなと思ったんですが、それやるとジェルマ語の表記が訳わからなくなるので便宜上カタカナで表記しています。実際にエリナさんが読んでるのはちゃんとアルファベット表記ですよ?
次回更新は11/08の予定です。お楽しみに!
というわけでこの街にはどんなギルドがそもそもあるのか、そこから調べるところから始まったわけだ。
「総合職ギルドで聞いたところでは、木工、製薬、鍛冶、製本、服飾、それと冒険者は少なくともギルドがあるらしいけど……他ありそうな職業としては……?」
「あの、服飾の中に紡織は含まれるんでしょうか? デザインや裁縫だけだとすると、生産はまた別にありそうな気もしますけど……」
「ああ、確かに。それを考えると鍛冶にも製錬関係で同じような問題がありそうだね……あとそうだ、魔導工学を忘れてた。あれがないと魔動車が作れない」
「あ、そういえばこの間お買い物していた時に食器のエンブレムを掲げている建物がありました。店というよりホールっぽかったですけど、料理人ギルドとかですかね?」
「どうだろう、陶磁器か、それでなければ食器ギルドの可能性もありそうだけど……それも調べなきゃダメか」
こんな具合にある程度職業に関する予測を立てて、実際に存在するか調べた上で取捨選択をしていくことにしたわけだけど……リストをメモ帳にリストアップする段になって、今回の件とは全く関係ないものの非常に重要なことが気になった。
「……エリナさん、俺の書いたもの読める?」
「え? それはトーゴさんの能力を考えれば読めて当然……あれ? 何て書いてあるんですかコレ? マンガに使われてたからひらがなだってことはわかるんですけど……」
「……漢字とカタカナだな。慣れなきゃ区別つかなくてもしょうがないけど」
っていうか、ああ、やっぱり。何で気付かなかったんだろう。
確かにこの多方向翻訳認識能力というのは、読んだり聞いたりする所謂インプットだけでなくアウトプット、つまり話す際にも不自由のないように作られてはいる。
しかし同じアウトプットでも、書かれるものを介して他人の視覚にインプットさせる――平たく言うと書いて読ませることに関しては今まで実験したこともなかったので、可能かどうか判断してこなかった。
エリナさんの反応からすると、普段の俺は多方向翻訳認識能力を使っていたとしても日本語を書いてしまっているみたいだ。これはどうにかならないものか、スキル一覧の方もあまり確認してなかったから見てみるか……
「お」
「どうかしましたか、トーゴさん?」
「いや、それに関してはもしかしたら解決出来そうだ」
スキル一覧を試しに開いてみると、リストの最初に項目が分かりやすく存在していた。そしてその詳細を確認してみると、こんな表示が浮かび上がってきた。
多方向翻訳認識能力
インプット・アウトプット問わず伝達する相手との使用言語の齟齬を解消する能力。
オートモードとロジカルモードが存在する。
……この上なく簡潔かつ分かりやすい文章だけど、オートモードとロジカルモードって何だ? 何となく予想はつくけど確認はしておかないと……
オートモード
全ての言語が使用者の母語としてインプットされ、伝達相手の母語としてアウトプットされる。ただし筆記言語は使用者の母語に固定される。
ロジカルモード
全ての言語が使用者の母語と同等に意思疎通可能状態になる。筆記言語も各言語を使用可能になるが、母語の違う人間で構成された集団への伝達には向かない。
デフォルト:オートモード
ロジカルモードに変更しますか? はい/いいえ
……何というかこう言うところは現代のコンピューターライクだな。どっちにしてもこういうモードが最初から設定されていたことも、スキル確認の時にモードを簡単に変更出来そうなのも俺にとっては助かる話だ。
ローカルモードに変更して、っと……
「んー?」
モード変更をしてすぐ手元のメモを読んでみたものの、もともと日本語で書いてあるものを読んでも実感が沸かない。モード変更時に何かエフェクトがあったわけでもなし。
と――
「トーゴサン? オレトゥコ クンノッサ?」
「エリナさん?」
――驚いた。エリナさんの言葉ががっつりフィンランド語になってる。しかも何が凄いって、全く馴染みがないにもかかわらずフィンランド語だということを内容も含めて母語のように理解出来たのが信じられない。
……これ、便利だな。今のところ大勢を前に何かを伝達するっていう機会はないから、何もなければこっちのモードにするか。
「ああ、大丈夫だよ。おそらくこれで問題ないと思う。メモもフィンランド語に書き直したから、ちょっと確認してくれる?」
「それならよかったですけど。ええと……ほんとだ! 凄い! ちゃんとフィンランド語になってますよ!!」
そりゃ、モードを変更したからな。それが証拠に今話しているこの言葉も全部フィンランド語だ。……エリナさんは興奮して気付かないのかと思ってたけど、考えたら彼女には最初から俺の言葉がフィンランド語に聞こえてたんだっけ。そりゃ文字に起こさないと実感が沸かないはずだ。
「……でもこれ、このモードにしてたら使えるかもしれない」
「え、何ですか?」
「ああ、このロジカルモード使えるかもしれないって……ああ、今日本語で言ってたか」
なるほど、オートにしないと意識して伝わる言語をしゃべらないといけないのか。書く時はともかく通常話す時には結構不便だな。さっきと言ってること違うけど、これをデフォルトにするのはやめておいた方がいいか……
「それで、何に使えるんですか?」
「ああ、言語の教材を作るのもアリかなって思ってさ……例えばこんな風に」
取り敢えず今はフィンランド語を意識して使うことにして……俺はイチゴを意味する3つの単語をメモ帳に書き出した。
マンシッカ
イチゴ
エーポル
「エリナさん、これ読める?」
「これですか? ……ああ、これは簡単ですよ、イチゴでしょ? 他の2つは……わかりませんけど。何て書いてあるんですか?」
「どれもイチゴで合ってるよ。ただし最初のはフィンランド語、2つ目が日本語、3つ目がマジェリア語で書いてあるんだ。マジェリア語はジェルマ文字だから、普通の転生者はそこから読めるようにしなきゃならないけど……」
そこまで言って、ようやくエリナさんは「使える」という意味を理解したみたいだった……けど、やっぱり難しい顔だ。
「エリナさん?」
「使えるかもしれませんけど……実用的ではありませんよね、これ」
「……まあ、そうだね」
分量も労力も製本ギルドとの兼ね合いも考えると、使えるかもしれないけどコストパフォーマンスとしては極めて悪い。
……まあ、最悪エリナさん専用のテキストだけ作るんでも、俺としては全然いいんだけどね。
---
新章:放浪準備編の始まりです。放浪準備編も最初異世界転生編と同じくらいの長さでやろうと思ったんですが、書いていくうちに冗長になりかねなかったので半分に減らしています。
多分放浪開始編も同じ感じかなあ……
フィンランド語の部分はアルファベット表記でもよかったかなと思ったんですが、それやるとジェルマ語の表記が訳わからなくなるので便宜上カタカナで表記しています。実際にエリナさんが読んでるのはちゃんとアルファベット表記ですよ?
次回更新は11/08の予定です。お楽しみに!
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