お飾りは花だけにしとけ

イケのタコ

文字の大きさ
4 / 17
1

4話 新聞部

しおりを挟む
  生徒会室の扉を開けば、いつものようにお茶を出して出迎えてくれる閑静な静さんは、そこにいなかった。

「あの、クソガキ共がっ」

 静は紙を持って机に項垂れていた。やるせ無い思いは持っている紙に深い皺を作る。

 今にも破きそうな勢いだった。

長いため息を吐く静は、入ってきた桃谷に気づき顔をのそりと上げた。

「おはようございます、桃谷さん。愁から会議資料受け取りましたか」
「はいちゃんと受け取りました。いつもありがとうございます。あの、どうしたんですか。もしかして、日頃のストレスが爆発しそうとか」
「違います。そうですね、話して置いた方がいいですね」

 心配そうに桃谷が周りをソワソワとしていると、静の方から先程持っていた紙を渡された。
 紙を見れば、最初に目に入るのは学園新聞と書かれた文字、そして『衝撃スクープ生徒会会計!浅木倫太郎!』という見出し。
 新聞に載るほど人気な人なんだと驚きを交えて、内容を読み込む程に、桃谷も頭を抱えたくなる。

「らっ」
「声に出すのはやめなさい」
「どうしてこんな記事書かれてるんですか、ていうか、ここ男子校ですよ!」
「出来るから書いてあるんです。会議に参加させようとした寸前にこんな記事が出たとなる、新聞部も中々やりますね」
「えっまじで、どうやってするんですか」
「自分で調べろ。そこが論点じゃないです。私が悩んでいるのはデカデカと『生徒会会計』と書かれている事です」

 生徒会会計と書かれた見出しに、新聞の内容はまるで生徒会がやっているかのようだ。

「これだと不味いじゃ。評価ただ下がりじゃ無いですか」
「ええ、不味い所の話では無いです。こんなバカみたいな話が広がれば、去年と全く同じになります。」
「出回る前に新聞部を口止めするとか」
「残念ながら、もう早朝に発行されました。すぐに辞めさせましたが、何人かの生徒の手に渡っています。変に噂が広がればもっとややこしくなります」

 現状を淡々と話す静さんが先程まで頭を悩ましていたのが、痛いほど分かる。動けば噂が立つし、動かなければ事実だと周知してしまう。
 桃谷は頭を捻るが答えは一つしかない。

「その会計、浅木さんに会って事実かどうか確認するしかないですね。」
「まぁ、そうなりますね。」
「俺が話し合ってきます。それで公表できる場、会議までに誤解を解くが一番いいかな」
「はい、よろしくお願いします。解雇という手段もあるのですが、それは最終手段にしましょう」

 事が決まった静は迅速に携帯で浅木倫太郎のデータを桃谷に送る。

「生徒会の信頼を回復を目指す以上、人の集約は必要。人気である彼に抜けられては困ります。
 ご存じだと思いますが呼んでも来ないような面倒な人物です。十分気をつけてください。
私はあいつら、新聞部のねじ伏せるために動きますので」
「はい……よろしくお願いします。」

 携帯をそっと伏せる静さんの目を異様に冷たかった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い

八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。  11/21 登場人物まとめを追加しました。 【第7回BL小説大賞エントリー中】 山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。 この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。 東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。 風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。 しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。 ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。 おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!? そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。 何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから! ※11/12に10話加筆しています。

先輩たちの心の声に翻弄されています!

七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。 ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。 最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。 乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。 見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。 **** 三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。 ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️

聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。 生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!? 聞いてた話と何か違うんですけど! ※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。 他のサイトにも投稿しています。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

ひみつのモデルくん

おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。 高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎ 主人公総受け、総愛され予定です。 思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。 後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

処理中です...