流星のクオバディス

三島幸一

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パープルリキッド・上原優一はどこへ行く

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 上原優一は浮かれていた。知らず知らずの内に自転車をこぐ足に力が入ってしまい風を切るようにして走っている。黒のプリントシャツの上から羽織ったネイビーカラーのパーカーのフードが宙で踊った。
 明日が楽しみで仕方ない。理由は簡単。永目奈瑞菜とのデートの約束を取り付けたからだ。
 大学1年生になってから始めたアルバイトは優一にとって恋の始まりだった。カウンター席7の二人がけテーブル席3の小さなイタリアンレストランだが、駅の近くということもあってピークタイムの時はそれなりの混み具合をみせる。そこで出会った同じバイトの先輩が奈瑞菜だった。
「君が店長が採用した新人くんだね。私は永目奈瑞菜。よろしくね」
 第一印象は柔らかな笑顔とポニーテール。それとビーグル犬のアップリケのついた赤いエプロンだった。
 奈瑞菜は優一より3つ年上らしくバイトに入りたての優一によくしてくれた。
「今の接客よかったよ。お客さん嬉しそうだった」
 接客が上手くできた時は褒めてくれたし、
「忙しかったしねえ。大事なお店のお金だから、気にしないでっとは言わないけど注意しようね」
 レジスターでの打ち間違いでその日の売上金が合わなくなってしまった時はフォローをしてくれた。
 背が低く童顔のはずなのに奈瑞菜には年上としての魅力があった。成功を褒めてくれて、失敗を受け止めてくれる大人としての器量である。
 可愛くて美人な上に自分に優しくしてくれる。優一が奈瑞菜に惹かれるのに時間は掛からなかった。
 大学生となれば高校生の頃以上に友達づきあいが増えて何かとお金が掛かる。遊ぶ金欲しさで始めたはずのバイトは気がつけば奈瑞菜に会うことが目的に変わっていた。優一と奈瑞菜はアルバイト先の後輩と先輩というあまり深い関係といえなかったが関係は良好であった。
 奈瑞菜に褒められたくて接客やレジ打ちや清掃を必死にやった。
 店長はそんな優一の気持ちを知ってか、単に奈瑞菜のことをスタッフとして信頼しているからか、早上がりが増えてクローズ作業は優一と奈瑞菜の二人きりでやることが多くなった。
 約束を取りつけたのはそんないつものクローズ作業をしている時だった。
「今日の優一くん、スゴかったね。接客全部ひとりで回してた」
 奈瑞菜は顔いっぱいに笑みを浮かべて、優一を褒めてくれた。テーブルを拭いていた優一は花のような笑顔に一瞬見とれてしまう。慌ててなんでもないように取り繕い作業を進めた。
「俺、簡単な料理の盛り付けくらしかできなくて前でしかちゃんと働けないから」
 奈瑞菜は接客も料理も担当してるのだが、優一はまだキッチンでほとんど作業をしたことがない。元々はホールのアルバイト1人の募集だったから当然なのだが。
 自分と奈瑞菜は違う。そうは分かっていても自分が足を引っ張っているような気分は抜けなかった。
 ならば、せめて前での作業は自分が……という優一なりの努力だった。
「優一くんはすごく頑張ってるよ。入って半年しか経ってないのにもう私や店長も安心して任せられるし」
 努力は奈瑞菜に確かな好感を与えていた。
 半年。6ヶ月。2シーズン。
 地元の大学の入学に合わせてバイトを始めたから季節は春から秋になっていた。
「そっか。俺、ここで働いてもうそんなに経つんですね。10月、もう冬になるのか」
「最近は夏の名残で秋でも暑かったりするけど、冬になればそういう日もなくなって寒い日が続くね……でも」
 奈瑞菜はそこで言葉を区切ると小さく笑った。優一には何がおかしいのか分からなかった。
「優一くんには関係ないかも」
「どういう意味です?」
「だって優一くん年中パーカースタイルでしょ。たぶん冬になってもパーカーは着てるんだろうなって思うと季節感も何もないじゃない?」
「そりゃあないですよ!」
 優一はおもわず大きな声をあげた。確かに通年で着れる上に楽というジャージにも似た理由でアウターがパーカーメインなのはその通りだ。だが奈瑞菜の言うように季節感を無視しているつもりはなかった。
 今日はたまたまネイビーだったが、秋という季節柄に合わせてオレンジや赤、黄のパーカーを使ったりする。
「奈瑞菜さんの中では俺・イコール・パーカーですか?」
「まあ、否定はできないかな? 夏場もパーカー着てたしね。青い花柄のやつ」
 見てたのかつーかそういうの覚えててくれたんだ、と少し嬉しくおもいつつ優一は口を尖らせた。
「俺だってパーカー以外のものだってありますよ」
「でもパーカーは着るんでしょう?」
「まあ、そうですね」
 否定できなかった。
 疑問形でいかにも自覚してないかのように「俺・イコール・パーカー」と言ったが優一自身それを意識してやっている。パーカーは愛用していく内に上原優一というパーソナリティに対するキャラ付のようなものとして定着していった。自分のアイデンティティのひとつだと優一は考えていた。
 冬場にもなれば寒くてジャケットやコートを羽織るときはある。それでも下にはパーカーを着ていた。襟元から飛び出てるフードが、フォーマルの中に混ざるカジュアルさを感じて優一にはオシャレでかっこよく思える。
「たまにはパーカー以外もいいと思うけどな。普段の自分から少し変化をつけるって楽しいし」
「だったら奈瑞菜さんが俺の服見繕ってくださいよ~~」
 どうせ断られるのは分かっていたので冗談っぽく語尾は伸ばして言った。想いを伝えらない意気地なしの優一にはこうやって冗談にして好きな人との会話を楽しむことが精一杯だった。哀れな片想いの道化芝居。だが奈瑞菜の返答は意外なものだった。
「いいよ。私もそろそろ冬服買いたいなって思ってたし」
「えっ! いいんですか!?」
 憧れの女性にまさかのOKをもらい優一は驚きの声を隠せない。
「どうして? 優一くんは私に服を見繕ってほしいんでしょ」
 優一の反応を見て、奈瑞菜はどことなく楽しげに声を弾ませている。首をかしげたときにポニーテールが可愛く揺れた。一方で優一は頭を混乱させながらも口早に言葉をつなぐ。
「いやそうなんですけど予想外の展開というかネタ振りに対してガチな返しがくるとは思わなかったというか」
「優一くん、私が断ると思ったんだ。ひどいな」
 慌てる優一に奈瑞菜は残念そうにため息をつく。可愛い後輩をからかう為の演技だった。
「奈瑞菜さん! 今のは言葉と言葉の悲しいすれ違いであって俺が奈瑞菜さんを信じてなかったとかそんなんじゃなくてですね!」
 後輩は簡単に引っかかってしまい更に慌ててしまう。奈瑞菜はあどけない顔立ちの中に慈しみのある大人っぽい表情を浮かべた。
「分かってるよ。誘ってくれて嬉しいよ優一くん。明日は平日だけど空いていたりする?」
「二限終わりなんで午後からいけます!」
 この時点で優一は一限、二限の講義を代返してもらおうと考えていた。朝から準備をしたかったからだ。最もこの安直な考えを奈瑞菜はお見通しでちゃんと出席するように釘を刺されてしまった。
 クローズ作業を終えた二人は明日の待ち合わせ場所を決めて別れた。
「それじゃあ、また明日ね」
 別れ際に奈瑞菜の桜色の唇から出た言葉は優一を蕩けさせた。
 明日。明日になれば奈瑞菜とデートできる。
 その事実が優一の気持ちをはやしたてる。早く明日になってほしかった。いっそこっちから迎えに行きたい。
 自転車を漕ぎながら優一は明日のデートに奈瑞菜がどんな服装で来るのか思い描いた。
 今日は白のロングシャツに黄色のレモンイエローの鮮やかなカーディガンを羽織りブルーのスリムパンツだった。店で別れる時に街灯に照らされれシャツの下からうっすらとグレーが透けていた。おそらくブラトップだ。
 明日でそこまで行けるわけがないと分かっていても透けたグレーの向こうにある奈瑞菜のほっそりとした裸身を想像するとデニムパンツに突っ張りを覚えた。
 熱くなる部分を大人しくさせるために夜空を見上げると一筋の光が走った。優一は生まれて初めてこの目で流れ星というものを見た。暗幕に散りばめられた宝石のように輝きを放つ星の海の中から落ちていった流星は一瞬のことで感動を得る間もなかったが、心に何も残らなかった訳ではなかった。それはふと湧き上がった疑問だった。
 あの流れ星はどこへ行くのだろうか? 
 スマホで検索してしまえば何かそれっぽい答えが載ってるのかもしれないが別にいまやるほどのことじゃない。どうせ直ぐに忘れてしまうだろう。
 それより自分は運がいいと優一は思った。あの流星を見たのは自分だけかも知れない。そう考えるとただの一瞬の煌きにしか残さない儚い流星が吉兆の星に変わった。きっと明日のデートは上手くいく。流れ星はもう消えてしまったが優一は願いごとをすることにした。おまけで叶えてくれるかもしれない。
 優一は願いを唱えた。

 ☆

 自宅の10階建てマンションについた優一は自転車を駐輪場に運んだあとにエレベーターに乗り込んだ。実家暮らしとはいえ父はサラリーマンとして単身赴任だし母親は看護師として病院での夜勤が多い。月のほぼ半分は優一の一人暮らしのようなものだった。
 7階へのボタンを押すと扉がしまりエレベーターが昇り始めた。1階、2階、3階と上へ向かうエレベーターのガラスから見えるマンションの廊下がかわるがわる映る。
 8度目の廊下が見えた。
 しかし優一は異変に気づくことなく立っていた。その間もエレベーターは無音で動き続ける。
 扉が開くのが遅いと感じて顔を上げた。
 15度目の廊下だった。エレベーターは動き続ける。
 おかしい、と異変に気づくと同時に猛烈なGが優一を襲った。エレベーターの上昇する速度が凄まじいことになった。立っていられることすらできなくて四つん這いの姿勢になってしまう。
 視界の隅で電光掲示板が現在の階数を示していた。
 5632、5633、5634、5635……狂ったように数字が増え続けていく。
 ガラスの向こうに見える景色は見慣れたマンションの廊下ではなく一面の暗黒に点在する白い光。
 星?
 意識を失いそうになりながら優一は自分が宇宙にいる事実を認識して受け入れていた。エレベーターは上原優一を地球から人類の知覚できない領域へと連れて行く。
 始まりが突然だったように終わりもまた突然やってきた。
 優一の意識が明瞭になり始める。全身の圧迫感が消えていく。エレベーターの速度が緩やかになった。
 優一は壁に手をついて吐きそうになりそうな体をよろよろと持ち上げると電光掲示板の数字を覗く。嫌気がさした。
 異変は外にもあった。ガラスから見えていた星空が消えている。代わりに見えるのは紫。気泡が浮かんでいるから液体だと直感した。ブドウ味の炭酸ジュースを思い起こされる。
 現実離れした現実に優一はただ呆然とするしかなかった。
 チンっと小気味良い音が鳴った。エレベーターのベル音だった。
 到着の音。789512357456369階。
 到着したならばエレベーターは乗客を下ろさなければならない。たとえ外がどうなっていようと。それがエレベーターの仕事だ。仕事を忠実にこなさなければ機械ではない。
 まもなく扉は開いた。紫色の液体が堰を切って流れ込んでくる。
 優一の体が紫の波に飲み込まれた。脳が焼かれそうな甘ったるい香りが全身を襲う。薔薇の香りだった。
 優一は必死に手足を動かしてエレベーターの外に出た。荷物を入れたバックが残されていたが無視した。
 甘い香りが満ちる水中で優一の存在が溶けそうになる。 
 上へ。紫で染まる視界の中央に白い光が見える。優一は紫水を切りさくようにして光を目指した。
 奈瑞菜の姿が浮かぶ。優一を何度も虜にしてきた穏やかな花のような笑顔、ポニーテールから覗く白いうなじ、折れてしまいそうな細い腕、程よくしまった腰、小ぶりなヒップライン。
 俺の行く場所はこんな訳のわからない場所じゃない! 俺の行く場所は決まっているんだ!
 溶けそうになる意識を一点に凝縮させることで形を保った。
『Quo Vadis?』
 優一とは別の意思ある声が優一に訪ねてくる。何かを期待する艶かしい女の声。
『Quo Vadis?』
 女の声が優一の脳髄をいやらしく打ち鳴らす。答えなければならない甘い誘惑の音色。
『Quo Vadis?』
 誘惑の音色は問いかける。あなたはどこへ行くの、と。
 俺の行く場所は……っ!
 その先を聞いた『声』は短く息を呑んだものに変わった。待ちわびたものを与えられた時の歓喜の吐息だった。
 優一は白い光の中に消えた。
 
 ☆

 進学塾からマンションへ帰ってきた男子中学生はエレベーターのボタンを押す。ボタン上の電光掲示板が7から順に減っていく。
 エレベーターが1階に降りると扉が開いた。男の子は顔をしかめた。エレベーターから強烈な香りが鼻を刺激したからだった。おばさんとかがつけてそうなきっつい香水と同じ。
 最悪と愚痴りながらエレベーターの中に入る。その時、視界の隅にバッグ置いてあった。容量の多そうな肩からかけるタイプの白のスポーツバッグ。
 水たまりをつくる程に濡れていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
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