14 / 133
雨の中での邂逅
この世界では二つの季節が交互に訪れるんだけど、温暖期には雨季というものがありおよそふた月ほど雨が降る時期がある。
降雨量はまちまちなものの、この期間は一日中雨が降りしきり太陽は姿を見せない。
でも小雨程度の時には声が聞こえてくるし、オルウェンさんが雨具を用意してくれたから多少なら降っててもみんなと話をしに行ってる。
今日も今日とて、雨具を着て庭へと向かった僕は雨に濡れる花たちへと挨拶をして少し話したあと、フラワーアーチをくぐりガゼボの方へと向かった。散歩の許可を貰ってからはもう何度もここに来てて、中のベンチに座って聞こえて来る音にじっと耳を傾けるのが日課になってる。
晴れの日は吹き抜ける風が気持ちいいし、雨の日は雨の日で雨粒が草や屋根に当たる音が心地いい。
雨具を脱いで腰を下ろし目を閉じて静かな雨の音を堪能してたら、草を踏む音がして誰かがガゼボの入り口に立った気配がした。
「この雨の中、良く飽きもせず庭に来るな」
聞き知った低い声が聞こえてパチッと目を開けると公爵様がいて、雨の中傘も差さずに僕を見下ろしてる。でも不思議と濡れてないのは、公爵様の周りに膜のようなものが張られているからだろう。
魔力が高いと、ああして雨風を凌げるから便利だ。
どうしてここに公爵様がいるのか、驚いて呆けていた僕は慌てて立ち上がり頭を下げる。
「こ、こんにちは⋯!」
「⋯⋯ここには何もないだろう」
「い、いえ⋯植物がいますから⋯」
「そうか、話が出来るんだったな」
「はい」
僕の能力は口外されていないけど、さすがに公爵様には伝えられていてそれはオルウェンさんも知ってる。だから素直に頷いたら、公爵様は辺りを見回しながら中へと入ってきた。
話題が途切れてどうしようか考えてた僕は、公爵様に言わなければいけない事を思い出し顔を上げる。
「あ、あの、お庭をお散歩する許可を下さりありがとうございます。それに、あんなに素敵な紅水晶のお花も⋯凄く嬉しかったです」
「オルウェンに頼まれたからな」
「分かってます。でも、本当に嬉しかったから⋯大切にします」
もちろん、公爵様が自ら僕に贈りたいと思って選んでくれた物でない事は分かってる。それでも受け取った時に感じた喜びは確かだし、あれがあるおかげで頑張る気持ちが湧いたのも確かだ。
しみじみと零す僕をしばらく見ていた公爵様は、不意に逸らすと踵を返してガゼボから出た。でも直ぐに立ち止まり、雨空を見上げる。
「⋯⋯⋯いろいろとすまなかった」
「え?」
雨音に掻き消されるほど小さな声だったから僕は聞こえなくて、聞き返すべきかと目を瞬いてる間に公爵様は歩いて行ってしまった。
何て言ったんだろう。
分からないけど、ちゃんと公爵様にお礼が言えたから僕は満足だ。
再びベンチに座り、空からひっきりなしに落ちてくる雨を眺め息を吐く。
伯爵家にいた頃はこんなに穏やかな時間を過ごせる事はなかったから、数ヶ月経った今でも不思議な気持ちだ。
いつまでもこうしていられたらいいのにな。
「⋯そろそろ戻ろうかな」
少しだけ肌寒さを感じ、腰を上げて雨具を身に着けガゼボから出た僕は、何となく手の平を上に向けて差し出してみた。ポツポツと雫が当たり、ちょっとずつ水溜まりを作っていく。
そういえば伯爵家にいた時、あまりにもお腹が空いて辛くて、バケツに溜まった雨水を飲もうとした事あったっけ。寸前で堪えたけど、飲んでたらどうなってたんだろう。
さすがにお腹は壊してたかもしれない。
そんな事を思い出しつつ一番小さい硬貨が浸るくらい溜まった水を数秒見てからパッと散らし、屋敷内に入れる扉の前で雨具を脱いで軽く払ってから裏返しで畳み、水滴が落ちないよう抱えて部屋へと向かう。
濡れた雨具は浴室に置いておけばオルウェンさんが乾かしてくれるから、棚へと置いて手を拭き部屋へと戻るとちょうど扉がノックされ、オルウェンさんが入ってきた。
「お帰りなさいませ、奥様」
「た、ただいまです」
まるで見ていたかのように、僕が散歩から帰るとオルウェンさんは部屋へと訪れこうして言ってくれる。でも僕は言われ慣れていないからいつもどもってしまってた。
それを気にした様子もなく、ワゴンを押してテーブル近くまで来たオルウェンさんは手早くソーサーやティーカップ、お茶菓子を用意してくれるんだけど、その日は見た事ないお菓子がお皿に乗ってて僕は首を傾げる。
「本日はモンブランをお持ちしました」
「もん、ぶらん⋯」
「栗のケーキです。甘くて美味しいんですよ」
僕が唯一知ってるケーキは、スポンジに生クリームが塗られてて、さらに平らな面に一箇所盛られそこにイチゴが一粒乗っているものだ。こんな、細い紐みたいなものが何重にもかかって山状になってるものじゃない。
でも、オルウェンさんがそう言うなら食べてみようかな。
「い、いただきます⋯」
「はい」
どうやって食べればいいのか、右や左から見たり覗き込んだりして考えた僕は側面にフォークを刺し、紐みたいな部分と隠れてたクリームとスポンジを一緒に掬い口へと運ぶ。
瞬間、鼻から抜ける初めての風味と濃密な甘さに目を見瞠った。
「⋯⋯⋯美味しい⋯」
「お口に合って何よりです」
「公爵様もお召し上がりになるんですか?」
「いいえ。旦那様は焼き菓子はお好きですが、ケーキは甘過ぎるとお口にされません」
「そう、なんですか⋯」
だとしたら、このケーキは僕の為に用意されたという事になる。思わず、そんなのもったいないですって口をついて出そうになった。
オルウェンさんはいろいろしてくれるけど、僕はどうしたって申し訳ないって気持ちが出てきてしまう。だって、今僕に使われているお金はセレーナ姉様の為に仕分けられているものなんだって公爵様は言ってたから。
僕に使って貰う資格はない。
でもオルウェンさんにそれを言うと、悲しそうな顔をするから言えなかった。
オルウェンさんは本当に優しい人だから。
「明日は奥様の好きなお菓子をご用意致しますね」
こうして向けられる笑顔や言葉も、姉様が戻ってくれば姉様のものになる。
その時がくるのを心のどこかが嫌がってる事に気付き始めてる僕は、それを振り払うようにモンブランに意識を向けた。
欲張ったって自分が後悔するだけだ。今まで通り僕は役割を果たす。
その為にここにいるんだから。
降雨量はまちまちなものの、この期間は一日中雨が降りしきり太陽は姿を見せない。
でも小雨程度の時には声が聞こえてくるし、オルウェンさんが雨具を用意してくれたから多少なら降っててもみんなと話をしに行ってる。
今日も今日とて、雨具を着て庭へと向かった僕は雨に濡れる花たちへと挨拶をして少し話したあと、フラワーアーチをくぐりガゼボの方へと向かった。散歩の許可を貰ってからはもう何度もここに来てて、中のベンチに座って聞こえて来る音にじっと耳を傾けるのが日課になってる。
晴れの日は吹き抜ける風が気持ちいいし、雨の日は雨の日で雨粒が草や屋根に当たる音が心地いい。
雨具を脱いで腰を下ろし目を閉じて静かな雨の音を堪能してたら、草を踏む音がして誰かがガゼボの入り口に立った気配がした。
「この雨の中、良く飽きもせず庭に来るな」
聞き知った低い声が聞こえてパチッと目を開けると公爵様がいて、雨の中傘も差さずに僕を見下ろしてる。でも不思議と濡れてないのは、公爵様の周りに膜のようなものが張られているからだろう。
魔力が高いと、ああして雨風を凌げるから便利だ。
どうしてここに公爵様がいるのか、驚いて呆けていた僕は慌てて立ち上がり頭を下げる。
「こ、こんにちは⋯!」
「⋯⋯ここには何もないだろう」
「い、いえ⋯植物がいますから⋯」
「そうか、話が出来るんだったな」
「はい」
僕の能力は口外されていないけど、さすがに公爵様には伝えられていてそれはオルウェンさんも知ってる。だから素直に頷いたら、公爵様は辺りを見回しながら中へと入ってきた。
話題が途切れてどうしようか考えてた僕は、公爵様に言わなければいけない事を思い出し顔を上げる。
「あ、あの、お庭をお散歩する許可を下さりありがとうございます。それに、あんなに素敵な紅水晶のお花も⋯凄く嬉しかったです」
「オルウェンに頼まれたからな」
「分かってます。でも、本当に嬉しかったから⋯大切にします」
もちろん、公爵様が自ら僕に贈りたいと思って選んでくれた物でない事は分かってる。それでも受け取った時に感じた喜びは確かだし、あれがあるおかげで頑張る気持ちが湧いたのも確かだ。
しみじみと零す僕をしばらく見ていた公爵様は、不意に逸らすと踵を返してガゼボから出た。でも直ぐに立ち止まり、雨空を見上げる。
「⋯⋯⋯いろいろとすまなかった」
「え?」
雨音に掻き消されるほど小さな声だったから僕は聞こえなくて、聞き返すべきかと目を瞬いてる間に公爵様は歩いて行ってしまった。
何て言ったんだろう。
分からないけど、ちゃんと公爵様にお礼が言えたから僕は満足だ。
再びベンチに座り、空からひっきりなしに落ちてくる雨を眺め息を吐く。
伯爵家にいた頃はこんなに穏やかな時間を過ごせる事はなかったから、数ヶ月経った今でも不思議な気持ちだ。
いつまでもこうしていられたらいいのにな。
「⋯そろそろ戻ろうかな」
少しだけ肌寒さを感じ、腰を上げて雨具を身に着けガゼボから出た僕は、何となく手の平を上に向けて差し出してみた。ポツポツと雫が当たり、ちょっとずつ水溜まりを作っていく。
そういえば伯爵家にいた時、あまりにもお腹が空いて辛くて、バケツに溜まった雨水を飲もうとした事あったっけ。寸前で堪えたけど、飲んでたらどうなってたんだろう。
さすがにお腹は壊してたかもしれない。
そんな事を思い出しつつ一番小さい硬貨が浸るくらい溜まった水を数秒見てからパッと散らし、屋敷内に入れる扉の前で雨具を脱いで軽く払ってから裏返しで畳み、水滴が落ちないよう抱えて部屋へと向かう。
濡れた雨具は浴室に置いておけばオルウェンさんが乾かしてくれるから、棚へと置いて手を拭き部屋へと戻るとちょうど扉がノックされ、オルウェンさんが入ってきた。
「お帰りなさいませ、奥様」
「た、ただいまです」
まるで見ていたかのように、僕が散歩から帰るとオルウェンさんは部屋へと訪れこうして言ってくれる。でも僕は言われ慣れていないからいつもどもってしまってた。
それを気にした様子もなく、ワゴンを押してテーブル近くまで来たオルウェンさんは手早くソーサーやティーカップ、お茶菓子を用意してくれるんだけど、その日は見た事ないお菓子がお皿に乗ってて僕は首を傾げる。
「本日はモンブランをお持ちしました」
「もん、ぶらん⋯」
「栗のケーキです。甘くて美味しいんですよ」
僕が唯一知ってるケーキは、スポンジに生クリームが塗られてて、さらに平らな面に一箇所盛られそこにイチゴが一粒乗っているものだ。こんな、細い紐みたいなものが何重にもかかって山状になってるものじゃない。
でも、オルウェンさんがそう言うなら食べてみようかな。
「い、いただきます⋯」
「はい」
どうやって食べればいいのか、右や左から見たり覗き込んだりして考えた僕は側面にフォークを刺し、紐みたいな部分と隠れてたクリームとスポンジを一緒に掬い口へと運ぶ。
瞬間、鼻から抜ける初めての風味と濃密な甘さに目を見瞠った。
「⋯⋯⋯美味しい⋯」
「お口に合って何よりです」
「公爵様もお召し上がりになるんですか?」
「いいえ。旦那様は焼き菓子はお好きですが、ケーキは甘過ぎるとお口にされません」
「そう、なんですか⋯」
だとしたら、このケーキは僕の為に用意されたという事になる。思わず、そんなのもったいないですって口をついて出そうになった。
オルウェンさんはいろいろしてくれるけど、僕はどうしたって申し訳ないって気持ちが出てきてしまう。だって、今僕に使われているお金はセレーナ姉様の為に仕分けられているものなんだって公爵様は言ってたから。
僕に使って貰う資格はない。
でもオルウェンさんにそれを言うと、悲しそうな顔をするから言えなかった。
オルウェンさんは本当に優しい人だから。
「明日は奥様の好きなお菓子をご用意致しますね」
こうして向けられる笑顔や言葉も、姉様が戻ってくれば姉様のものになる。
その時がくるのを心のどこかが嫌がってる事に気付き始めてる僕は、それを振り払うようにモンブランに意識を向けた。
欲張ったって自分が後悔するだけだ。今まで通り僕は役割を果たす。
その為にここにいるんだから。
あなたにおすすめの小説
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。
夏笆(なつは)
BL
公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。
ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。
そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。
初めての発情期を迎えようかという年齢になった。
これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。
しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。
男性しか存在しない、オメガバースの世界です。
改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。
※蔑視する内容を含みます。
何もしない悪役令息になってみた
ゆい
BL
アダマス王国を舞台に繰り広げられるBLゲーム【宝石の交響曲《シンフォニー》】
家名に宝石の名前が入っている攻略対象5人と、男爵令息のヒロイン?であるルテウスが剣と魔法で、幾多の障害と困難を乗り越えて、学園卒業までに攻略対象とハッピーエンドを目指すゲーム。
悪役令息として、前世の記憶を取り戻した僕リアムは何もしないことを選択した。
主人公が成長するにつれて、一人称が『僕』から『私』に変わっていきます。
またしても突発的な思いつきによる投稿です。
楽しくお読みいただけたら嬉しいです。
誤字脱字等で文章を突然改稿するかもです。誤字脱字のご報告をいただけるとありがたいです。
2025.7.31 本編完結しました。
2025.8.2 番外編完結しました。
2025.8.4 加筆修正しました。
2025.11.7 番外編追加しました。
2025.11.12 番外編追加分完結しました。
第13回BL大賞で奨励賞を賜りました。お読みくださった方、投票してくださった方、本当に、本当にありがとうございます。
2026.1.11 ムーンライトノベル様に投稿しました。細かい箇所は改稿しているので、アルファポリスとは多少内容が変わっています。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。