100 / 133
花祭り③
たくさん口付けて、ヘロヘロになった僕を抱き上げたルディウス様はまだ盛り上がってる広場を抜けて宿に戻ると、外が暗くなるまで部屋で休んだあと店主さんの許可を貰って屋根に上がり、広場がある方を向いて腰を下ろした。
僕が落ちないようしっかりとお腹のところを抱いて、貰った焼き菓子の封を開けてくれる。クッキーとフィナンシェと⋯これなんだろ。
「ルディウス様、これは何ですか?」
「カヌレだ」
「カヌレ⋯初めて食べます」
「酒が入っているが、大丈夫か?」
「お酒は飲んだ事ないですけど、きっとお菓子なので大丈夫です」
「ならいいが⋯」
子供だって食べられるお菓子ばかりのはずだから、そんなに量は入ってないと思うんだよね。だからたぶん平気。
でも一応、最後に食べようかな。
「ところでルディウス様、どうして屋根に来たんですか?」
「もうじき分かるよ」
「?」
何かがあるって事なのかな。もうすぐなら、食べて待ってよう。
それから五分くらい他愛ない話をしてたら、不意に笛のような音と一緒に何かが空へと上がっていったのが視界の端に見えた。得体が知れなくて戸惑ってたら、それが消えたあと身体の底に響くくらい大きな音がして星空に光が広がる。
あまりにも爆音でびっくりして心臓がドキドキしてるけど、まるで夜空に花が咲いたみたいで僕は一気にテンションが上がった。
また高い音がして、ドーンって光が散る。
「ルディウス様、あれ凄いです! 空に花が咲いてます!」
「〝花火〟だから、あながち間違いでもないな」
「はなび⋯音にはびっくりするけど、綺麗ですね」
「そうだな」
そっか、ルディウス様、これを見せてくれる為に屋根に上がったんだ。
世の中には本当に、僕の知らない事がたくさんあるんだなぁ。
それにしても、ルディウス様の腕の中で焼き菓子を食べながら〝はなび〟を見るって、何て幸せなんだろう。
次から次へと上がる〝はなび〟には色んな形もあって、色がついてるのもあった。
「⋯⋯⋯」
あっという間に最後のカヌレも食べ終わったんだけど、甘さがあんまり感じられなくて苦手な味しかしなかった。
しかもどうしてか顔とか身体がポカポカしてきたし、頭もふわふわしてる。
「⋯? アルシエ?」
ぼんやりとまだ上がってる〝はなび〟を見てたら、異変に気付いたルディウス様が顔を覗き込んできた。
見上げるとちょっとだけ目を見瞠ったあと苦笑する。
「もしかして、カヌレで酔ったのか?」
「変な味の方が強くて、あんまり好きじゃなかったです」
「ラム酒多めか⋯アルシエにはまだ早かったようだな」
「ふわふわしてます⋯」
お酒多めなんて聞いてない。カヌレ、最初に食べれば良かった。
眉根を寄せてたら火照った頬にルディウス様の手が触れ、その心地良さに僕はホッとして目を閉じて擦り寄せる。
「ルディウス様の手、冷たくて気持ちいい⋯」
「そうか」
僕を抱き締めてくれる腕も、頬を撫でる手も、声も、全部優しい。
ずっとずっと、こうして僕だけに触れていて欲しいな。
背中を向けているのが嫌で、ルディウス様の膝の上で身体の向きを変えた僕は、両手で大きな身体に抱き着き顔を埋めた。
「ルディウス様、大好き」
「私もだよ」
「僕の方が好きです」
「アルシエを想う気持ちは負けられないな」
ルディウス様の好きもちゃんと感じられるけど、絶対僕の方が大きいのにルディウス様は対抗してくる。
それにムッとして顔を上げた僕は、腕を伸ばしてルディウス様の首に抱き着き軽く引いてみた。鼻先が触れるくらい近くなって、笑いながら擦り合わせたらルディウス様も困ったように笑う。
「酔っ払いめ」
「ふわふわしてるだけですよ?」
「それを酔ってると言うんだ。ほら、花火も終わったぞ」
「あれ、いつの間に⋯」
「部屋に戻るか」
「抱っこ」
「はいはい」
どうやらルディウス様とくっついて話してる間に終わってしまったらしい。
この状態で自分で降りるのは怖いからぎゅって腕の力を強めたら、ルディウス様は笑いながら抱き上げてくれて、屋根から借りている部屋のバルコニーへと飛び降りた。
そのまま部屋に入り、僕をベッドに下ろしてテーブルに置いてある水差しからグラスに水を注いで渡してくれる。
「ありがとうございます」
「危ないから、湯浴みはやめておくか」
「え⋯汚い⋯」
「倒れたり怪我をした方が大変だから諦めろ」
長い時間外にいたし、色んな人と身体が当たったりしてたから本当は入りたいけど、ルディウス様の言うように万が一があったら宿の人にも迷惑かけちゃうから今日は大人しくしておこう。
受け取った水を一口飲んでほっと息を吐く。
ルディウス様は湯浴みをする為の準備をしていて、ベッドの上に着替えを置くと僕の頭を撫でた。
「着替えて先にベッドに入ってろ」
「⋯ルディウス様」
そう言って浴室に向かおうとするルディウス様を呼び止め、両腕を伸ばすと目を瞬いたあと僕の足元に片膝をつき僅かに首を傾げる。ルディウス様の頬を挟んで笑えば、目を細めたルディウス様が腰を上げて口付けてきた。
唇を触れ合わせながらそのまま後ろに倒れ、ルディウス様の首に腕を回すとさらに深くなる。
「⋯⋯ルディウス様⋯もっと⋯」
「アルシエは口付けが好きだな」
「ん⋯好き⋯」
ただ唇と舌を触れ合わせてるだけなのに頭が蕩けそうなほど気持ちいい。
最初は耳奥で響くくらいドキドキしてたけど、今はルディウス様に触れられると幸せを感じられるまでになった。
全部全部、ルディウス様が教えてくれた事。
「ルディウス様⋯」
「ん?」
「たくさんたくさん⋯⋯触ってください⋯」
恥ずかしいけど、お酒とは違う身体の熱さを覚えてそうねだれば、ルディウス様は吐息で笑い僕の首筋に歯を立てた。
痛くはないけど、それだけでも熱が増す。
ルディウス様の手が胸元を這い、僕は小さく身体を震わせた。
「酔ったアルシエは、いつも以上に素直で可愛いな」
僕が落ちないようしっかりとお腹のところを抱いて、貰った焼き菓子の封を開けてくれる。クッキーとフィナンシェと⋯これなんだろ。
「ルディウス様、これは何ですか?」
「カヌレだ」
「カヌレ⋯初めて食べます」
「酒が入っているが、大丈夫か?」
「お酒は飲んだ事ないですけど、きっとお菓子なので大丈夫です」
「ならいいが⋯」
子供だって食べられるお菓子ばかりのはずだから、そんなに量は入ってないと思うんだよね。だからたぶん平気。
でも一応、最後に食べようかな。
「ところでルディウス様、どうして屋根に来たんですか?」
「もうじき分かるよ」
「?」
何かがあるって事なのかな。もうすぐなら、食べて待ってよう。
それから五分くらい他愛ない話をしてたら、不意に笛のような音と一緒に何かが空へと上がっていったのが視界の端に見えた。得体が知れなくて戸惑ってたら、それが消えたあと身体の底に響くくらい大きな音がして星空に光が広がる。
あまりにも爆音でびっくりして心臓がドキドキしてるけど、まるで夜空に花が咲いたみたいで僕は一気にテンションが上がった。
また高い音がして、ドーンって光が散る。
「ルディウス様、あれ凄いです! 空に花が咲いてます!」
「〝花火〟だから、あながち間違いでもないな」
「はなび⋯音にはびっくりするけど、綺麗ですね」
「そうだな」
そっか、ルディウス様、これを見せてくれる為に屋根に上がったんだ。
世の中には本当に、僕の知らない事がたくさんあるんだなぁ。
それにしても、ルディウス様の腕の中で焼き菓子を食べながら〝はなび〟を見るって、何て幸せなんだろう。
次から次へと上がる〝はなび〟には色んな形もあって、色がついてるのもあった。
「⋯⋯⋯」
あっという間に最後のカヌレも食べ終わったんだけど、甘さがあんまり感じられなくて苦手な味しかしなかった。
しかもどうしてか顔とか身体がポカポカしてきたし、頭もふわふわしてる。
「⋯? アルシエ?」
ぼんやりとまだ上がってる〝はなび〟を見てたら、異変に気付いたルディウス様が顔を覗き込んできた。
見上げるとちょっとだけ目を見瞠ったあと苦笑する。
「もしかして、カヌレで酔ったのか?」
「変な味の方が強くて、あんまり好きじゃなかったです」
「ラム酒多めか⋯アルシエにはまだ早かったようだな」
「ふわふわしてます⋯」
お酒多めなんて聞いてない。カヌレ、最初に食べれば良かった。
眉根を寄せてたら火照った頬にルディウス様の手が触れ、その心地良さに僕はホッとして目を閉じて擦り寄せる。
「ルディウス様の手、冷たくて気持ちいい⋯」
「そうか」
僕を抱き締めてくれる腕も、頬を撫でる手も、声も、全部優しい。
ずっとずっと、こうして僕だけに触れていて欲しいな。
背中を向けているのが嫌で、ルディウス様の膝の上で身体の向きを変えた僕は、両手で大きな身体に抱き着き顔を埋めた。
「ルディウス様、大好き」
「私もだよ」
「僕の方が好きです」
「アルシエを想う気持ちは負けられないな」
ルディウス様の好きもちゃんと感じられるけど、絶対僕の方が大きいのにルディウス様は対抗してくる。
それにムッとして顔を上げた僕は、腕を伸ばしてルディウス様の首に抱き着き軽く引いてみた。鼻先が触れるくらい近くなって、笑いながら擦り合わせたらルディウス様も困ったように笑う。
「酔っ払いめ」
「ふわふわしてるだけですよ?」
「それを酔ってると言うんだ。ほら、花火も終わったぞ」
「あれ、いつの間に⋯」
「部屋に戻るか」
「抱っこ」
「はいはい」
どうやらルディウス様とくっついて話してる間に終わってしまったらしい。
この状態で自分で降りるのは怖いからぎゅって腕の力を強めたら、ルディウス様は笑いながら抱き上げてくれて、屋根から借りている部屋のバルコニーへと飛び降りた。
そのまま部屋に入り、僕をベッドに下ろしてテーブルに置いてある水差しからグラスに水を注いで渡してくれる。
「ありがとうございます」
「危ないから、湯浴みはやめておくか」
「え⋯汚い⋯」
「倒れたり怪我をした方が大変だから諦めろ」
長い時間外にいたし、色んな人と身体が当たったりしてたから本当は入りたいけど、ルディウス様の言うように万が一があったら宿の人にも迷惑かけちゃうから今日は大人しくしておこう。
受け取った水を一口飲んでほっと息を吐く。
ルディウス様は湯浴みをする為の準備をしていて、ベッドの上に着替えを置くと僕の頭を撫でた。
「着替えて先にベッドに入ってろ」
「⋯ルディウス様」
そう言って浴室に向かおうとするルディウス様を呼び止め、両腕を伸ばすと目を瞬いたあと僕の足元に片膝をつき僅かに首を傾げる。ルディウス様の頬を挟んで笑えば、目を細めたルディウス様が腰を上げて口付けてきた。
唇を触れ合わせながらそのまま後ろに倒れ、ルディウス様の首に腕を回すとさらに深くなる。
「⋯⋯ルディウス様⋯もっと⋯」
「アルシエは口付けが好きだな」
「ん⋯好き⋯」
ただ唇と舌を触れ合わせてるだけなのに頭が蕩けそうなほど気持ちいい。
最初は耳奥で響くくらいドキドキしてたけど、今はルディウス様に触れられると幸せを感じられるまでになった。
全部全部、ルディウス様が教えてくれた事。
「ルディウス様⋯」
「ん?」
「たくさんたくさん⋯⋯触ってください⋯」
恥ずかしいけど、お酒とは違う身体の熱さを覚えてそうねだれば、ルディウス様は吐息で笑い僕の首筋に歯を立てた。
痛くはないけど、それだけでも熱が増す。
ルディウス様の手が胸元を這い、僕は小さく身体を震わせた。
「酔ったアルシエは、いつも以上に素直で可愛いな」
あなたにおすすめの小説
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。
夏笆(なつは)
BL
公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。
ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。
そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。
初めての発情期を迎えようかという年齢になった。
これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。
しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。
男性しか存在しない、オメガバースの世界です。
改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。
※蔑視する内容を含みます。
何もしない悪役令息になってみた
ゆい
BL
アダマス王国を舞台に繰り広げられるBLゲーム【宝石の交響曲《シンフォニー》】
家名に宝石の名前が入っている攻略対象5人と、男爵令息のヒロイン?であるルテウスが剣と魔法で、幾多の障害と困難を乗り越えて、学園卒業までに攻略対象とハッピーエンドを目指すゲーム。
悪役令息として、前世の記憶を取り戻した僕リアムは何もしないことを選択した。
主人公が成長するにつれて、一人称が『僕』から『私』に変わっていきます。
またしても突発的な思いつきによる投稿です。
楽しくお読みいただけたら嬉しいです。
誤字脱字等で文章を突然改稿するかもです。誤字脱字のご報告をいただけるとありがたいです。
2025.7.31 本編完結しました。
2025.8.2 番外編完結しました。
2025.8.4 加筆修正しました。
2025.11.7 番外編追加しました。
2025.11.12 番外編追加分完結しました。
第13回BL大賞で奨励賞を賜りました。お読みくださった方、投票してくださった方、本当に、本当にありがとうございます。
2026.1.11 ムーンライトノベル様に投稿しました。細かい箇所は改稿しているので、アルファポリスとは多少内容が変わっています。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。