身代わりの伯爵令息は冷徹公爵の寵愛を得る

ミヅハ

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いつ欲しい?※

「アルシエは、子供について何かルディウスと話したりしたの?」

 肌寒くなってきたある日、歓談室でお茶会を開いて談笑していたら、ふとアンジェラ様が思い出したように聞いてきた。
 途端にフローラ様も興味津々で、カップを置いて身を乗り出してくる。
 最近はこうして三人でお茶会をする事も増えて、より会話のテンポが上がってた。おかげで聞いてる事の方が多いけど、アンジェラ様と話すフローラ様が楽しそうなのは嬉しい。
 僕は紅茶を一口飲んでからその問い掛けに頷いた。

「はい、お父さんの血をどうやって引くのか教えて貰いました。あと、子供がどうやって出来るのかも。最初はちょっと変な感覚だったけど慣れてきたし、知識はもうバッチリですよ」
「その言葉で察してしまう自分が嫌だわ」
「ラブラブなんですもの、だってしますわよね」
「そういう事⋯?」

 って、どういう事だろう。
 首を傾げる僕にフローラ様はにこにこするだけで教えてはくれず、ならばとアンジェラ様の方を向けば肩を竦めて頭を撫でられた。
 こうやって返される時は、僕は知らなくてもいいって事で、どれだけ聞いても教えてくれないって分かってるからすぐに諦める。
 何が教えて貰えて何がダメなのか、今だに分からないんだよね。

「何歳までには産みたいとか、ありますの?」
「何歳まで? えっと、ルディウス様が望むならいつでも」
「でもまだ二人の時間は欲しいでしょ?」
「そうですわよね⋯まだまだ蜜月ですもの」
「ナニーはリーネあたりでしょうけど、アルシエが子供にかかりっきりになると、ルディウスは妬きそうよね」
「愛ですわね」
「重いにもほどがあるわ」

 実際、みんなどれくらいで子供を産んでるんだろう。
 父様と母様の年齢を知らないから、セレーナ姉様が何歳の時に産まれたのかも分からないし他に聞ける人もいない。
 考え込む僕に二人の話は入ってこなくて、少しして答えが出た僕は両手をパチンと合わせた。

「やっぱり、ルディウス様が望んだらですね」
「今すぐ欲しいって言われても?」
「はい」

 目を瞬くアンジェラ様に大きく頷いたらどうしてか二人は顔を見合せたけど、フローラ様はにこにこでうんうんと首を縦に振ってる。
 アンジェラ様は自分の膝に頬杖をついて苦笑した。

「アルシエも大概、ルディウス主義よねぇ」
「愛ですわ」
「貴女、そればっかりね」
「愛し合う男性とは尊いものなのです」
「⋯⋯そう」

 フローラ様のキラキラした瞳とは対照的に、アンジェラ様はどこか呆れた様子で息を吐く。
 バチバチしてた時はどうなるかと思ったけど、この二人、案外相性がいいのかもしれない。



 ルディウス様と一緒にベッドに入る夜は今だに緊張する。
 お腹を這う大きな手に身体を震わせながら、今日アンジェラ様たちと話した事を思い出して肌に吸い付いているルディウス様に聞いてみる事にした。

「ルディウス様」
「ん?」
「ルディウス様は、子供はいつ欲しいですか?」

 顔を上げ、サイドテーブルの上に置かれた箱から香油を取り出しながら、ルディウス様は「そうだな」と考える。
 香油を手の平に出し、指先まで絡めると僕の足を広げて奥に触れてきた。

「いつ、とは明確に考えていないが、あと二、三年はアルシエと二人だけでいいと思ってる」
「ん⋯っ」
「本当なら向こう十年と言いたいところだが、私ももう三十だからな。子供としても、あまり歳のいった父親など嫌だろうし」
「⋯っ、ルディウス、様は⋯何歳になっても、素敵です⋯っ」
「ありがとう」

 中に入ってきた指が動きながらだから、気を抜けば話が聞けなくなるって思って意識しないようにしてたんだけど、お礼を言ったルディウス様が一番気持ちいいところを押してきて僕は堪らず声を上げた。
 そこを刺激されると頭の中が真っ白になる。

「ん、んん⋯っ」
「中で感じるの、上手くなったな」
「ぁ、や⋯」

 ルディウス様の唇がおでこや頬に触れ、最後に僕の唇と重なる。
 厚みのある舌が入ってきて、僕のと絡み合わせて吸われると首の後ろがゾクゾクしてしまう。おまけに中心も一緒に握られて、僕は思わずルディウス様の肩を押し返した。
 でも口付けは終わらないし、中心も奥の気持ちいいところもされて、僕は呆気なく限界を迎える。
 上がった息を整えてる間も中にはルディウス様の指があって、イタズラするみたいにツンツンしてくるから落ち着かない。

「ん、ゃ⋯だ、め⋯っ」
「そうは言っても、離してくれないのはアルシエなんだがな」
「そ、んな事⋯あ、あ⋯っ」

 指が増やされて届く範囲を全部擦られる。
 気持ちいいけどもっと奥の方が足りなくて、ウズウズしてる僕はルディウス様の腕に触れ緩く首を振った。

「ルディウス様⋯」
「苦しいか?」
「そ、じゃ⋯なくて⋯⋯も、指や、です⋯」
「ん?」
「ルディウス様のが⋯いい⋯」

 中をルディウス様でいっぱいにして欲しい。奥の奥までルディウス様を感じたい。
 そう思ってねだれば、ルディウス様は驚いた顔をしたあと何かに堪えるように眉を顰め、指を抜いて僕に覆い被さってきた。

「⋯どこでそんな誘い方を覚えてくるんだ⋯まったく」
「あ⋯ゃ、んんっ」
「欲望に忠実なのは嬉しいんだがな」

 太くて大きいものがゆっくりと押し拡げるように入ってくるのはちょっとだけ苦しいけど、欲しかった奥までくるとそれもすぐになくなる。
 中にルディウス様がいる事が嬉しくてついお腹の下を撫でたら、ルディウス様がクスリと笑って腰を揺らし始めた。いつもたくさん香油を使ってくれるから、抜き差しされるたびに恥ずかしい音がする。

「ぁ、あ、ん⋯っ」
「子供はアルシエが欲しいと思ったらでいい。どのみちすぐに出来るとは限らないのだから」

 僕を突き上げながらそう言ってくれるルディウス様に、同じ事言ってるってぼんやりした頭で思う。
 何かの本で見た似た者夫婦って、僕たちみたいな夫婦の事を指すのかな。
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