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【最終話】身代わりの元伯爵令息は最愛の公爵に寵愛される
いい事って続くもので、フローラ様が第一子である王子を産んだあと、西の国から今度はアンジェラ様のご懐妊の報せが届いた。
それから僕のお腹にも二人目が来てくれて、ルディウス様が話しかける習慣にセルティスも加わり毎日夜が賑やかだ。これだけ愛情を与えられて、この子は産まれる前から幸せだね。
あっという間に時が過ぎて、僕が公爵家に来て十五年が経った。
セルティスが九歳になり、五年前に産まれた次男―エリオスも五歳になってお屋敷はさらに賑わいを増してる。
あと数ヶ月もすればもう一人産まれるし、また忙しくなるだろうな。
「アルシエ」
テラスで庭を眺めながら大きくなったお腹を撫でていたら、仕事を終えたらしいルディウス様が来て僕の顔を覗き込んできた。
御歳四十二歳になるけどまだまだ現役で、少し皺は増えたものの見た目だってまったくと言っていいほど変わってない。むしろ渋さが加わってよりカッコよくなったと思う。
だから相変わらずモテモテだそうで、フローラ様が言うには城内や街でルディウス様ファンの集いなんてものが出来てるらしい。実際に見た事はないけど、奥さんとしてはあんまりいい気分はしないよね。
なんて考えながらルディウス様を見てたら、僕の頬に触れて眉を顰めた。
「冷えてる。この時期は、テラスやバルコニーに長居はするなと言っただろう? 腹の子にも良くない、部屋に戻ろう」
「はい」
そんなに長い時間いたつもりはないんだけど、心配性なルディウス様にそう言われたら頷かないわけにはいかない。
ルディウス様の手を借りて立ち上がると軽く引かれ、ちゅっと唇が重なる。
「今日は何をしていたんだ?」
「朝はエリオスと絵を描いたり本を読んだりして、さっきまではセルティスが剣の稽古をしていたので見てました」
「そうか」
「セルティス、父様みたいな強い騎士になるんだって張り切ってますよ」
まだ木の剣での稽古しか出来ないけど、セルティスはルディウス様に憧れていて将来は王国騎士になりたいそう。
日に日にルディウス様に似ていくセルティスは、八歳になったら行われる魔力値測定では群を抜いていて、さすがは公爵家だって言われるほど高かった。髪と瞳の色がルディウス様と同じだから強いだろうなとは思ってはいたけどね。
属性も炎だったから、聞いた時は本当にホッとした。
色んな人からあんなに言葉を貰ったものの、やっぱり不安はあったから。
「講師からも聞いている。負けん気が強く、どれだけ尻餅をつこうとめげずに向かってくる気概は素晴らしいと。本気でそう思ってくれているなら、私の隊で稽古をつけてやるのもありかと思ってるよ」
「凄く喜ぶと思います」
「十三になれば、入隊試験も受けられるからな」
僕の知る限り、セルティスは毎日の素振りを欠かさないし体力作りだって頑張ってる。騎士になる事はそんなに簡単じゃないだろうけど⋯叶って欲しいな。
「⋯っくしゅん!」
「おいで」
鼻がムズムズしてくしゃみをしたら、ルディウス様に抱き寄せられて外套に包まれる。寒いって訳じゃないんだけど、温かいなって腰元に腕を回したらふっと笑われた。
「?」
「いや、エリオスも抱き上げればすぐにしがみついてくるなと」
「だ、だってルディウス様とくっついてると落ち着くから⋯」
まさか子供と同じと言われるとは思ってなくて、ちょっとだけ顔が熱くなるのを感じながら言えばルディウス様は顔を寄せ今度は優しく微笑む。
「君はいくつになっても可愛らしいな」
「⋯⋯子供っぽいって事ですか?」
「違う。愛しいからこそそう思うんだ。その可愛らしさに欲情するくらい」
「⋯⋯!」
口付けられるって思ってたら擦り抜けて耳に触れ、囁くように言われてゾクッとする。妊娠期間はしないようにしてるから、こういう事をされるとどうしてもお臍の下が疼いてしまう。
眉尻を下げてルディウス様を見上げたらぎゅって抱き締められた。
「あまりそういう目で見るな。我慢出来なくなる」
「誰のせいですか⋯」
「私だな。すまない」
どう考えてもルディウス様が囁いたせいなのにって返せば、苦笑を漏らして僕の頭に口付けてきた。
おでこから頬に唇が移動した時、遠くの方からバタバタと足音が聞こえて僕とルディウス様は顔を見合わせる。
少し先にある角から姿を現したのはエリオスで、僕たちを見るなりパッと表情を明るくした。
「とうさま! かあさま!」
短い足を一生懸命に動かして走ってくると、ルディウス様の足に抱き着き満面の笑顔で見上げる。普段はいない時間だから、いてくれて嬉しいんだろうな。
ルディウス様はそれを見て微笑み、エリオスを抱き上げる。
「エリオス、お勉強終わったの?」
「うん!」
「たくさん書けたか?」
「まるいっぱいだった」
「やるな」
褒められたと分かるのか照れくさそうなエリオスに笑みが浮かぶ。
セルティスもそうだったけど、ルディウス様に褒められると二人とも凄く誇らしげな顔をするんだよね。それが本当に可愛い。
大好きなんだなーって伝わってくる。
笑い合う二人を微笑ましく見てたら、今度は後ろから「父様!」って声が聞こえてきた。
振り向くと稽古着のままのセルティスがいて、目をキラキラさせて駆け寄ってくる。
「お仕事、終わったのですか?」
「終わったというか、休憩だな。アルシエがまだテラスにいると聞いたから、部屋に連れて行こうと思って」
「そうだったんですね」
「何か用だったか?」
「あ、いえ。お仕事があるなら大丈夫です」
そう首を振ったセルティスが一瞬残念そうな顔をしたのをルディウス様が見逃すはずもなく、苦笑混じりに僕を見たあと少し乱れた髪を撫でた。
「そういうところはアルシエにそっくりだな。言ってごらん」
「⋯⋯その⋯もしお時間があるなら⋯稽古をつけていただけないかなと⋯」
「したい事、して欲しい事があるなら遠慮するなといつも言ってるだろう。まったく⋯準備をしてくるから、庭で待っていろ」
「! はい!」
そっくりって名指しされた僕が言うのもなんだけど、セルティスは凄く遠慮しいだ。今みたいによく自分の中で話を完結させたりする。
そんな僕たちの気持ちを汲んでくれるのはいつもルディウス様で、こうして吐き出させてはそれにすべて頷いてくれてた。だからちゃんとルディウス様を知ってる人たちはみんな、ルディウス様は家族に甘いって言ってる。
でもそれで子供たちが笑顔になるんだからいいと思うんだ。
ルディウス様の返事にパッと笑顔になったセルティスは急いで踵を返し、元きた道を戻って行く。
これは泥んこになって帰ってくるかも。
「リーネ、エリオスを頼む」
「お任せください。エリオス坊っちゃま、お部屋でおやつを食べましょうね」
「おやつー!」
ナニーであるリーネさんに抱かれ、エリオスはおやつの歌を歌いながら普段過ごしている部屋へと向かって行った。
擦れ違う使用人がにこにこと見ているのが今のこのお屋敷の常だ。
それを見送りルディウス様を見上げようとしたら、唐突に抱き上げられて変な声が出てしまった。
「る、ルディウス様⋯」
「遠慮するなはアルシエにも言える事だからな」
「ぅ⋯」
「あの子たちを優先するのはアルシエらしいが、たまには甘えてくれないと私も寂しいよ」
出会って二、三年目よりは言えるようになったけど、やっぱりどうしても子供たちの事を考えてしまう。
だって僕は、あの子たちが産まれる前にたくさん甘やかして貰ったから。
でもルディウス様は甘えて欲しいんだ。しかも寂しいって。
「次の休みはみなに子供たちを任せて、久し振りにアルシエと過ごそうかな」
「⋯甘えていいんですか?」
「存分に甘えてくれ」
僕を横抱きにしたままルディウス様は歩き出し、部屋へと向かいながら僕の頬へと唇を押し当てる。
そうだよね。たまには僕が甘えたってバチは当たらないよね。
少し考えたあと、僕はルディウス様の首に腕を回すと数秒見つめて口付けた。
「ルディウス様のおかげで、僕はずーっと幸せです」
「私も幸せだ。愛してる、アルシエ」
「僕も⋯愛してます」
いつだって真っ直ぐに気持ちを伝えてくれて、大切にされてるって分かるから僕もこうして素直に言葉を返せる。
顔中に口付けを浴びながら部屋に入り、ルディウス様が着替えの合間にも唇を合わせてくるからちょっと時間はかかったけど、日が落ちるまでルディウス様とセルティスは稽古をし何があったのか二人して泥んこになってた。
でも楽しそうだったから、きっと凄く有意義な時間を過ごせたと思う。
この光景が当たり前に見られるなんて、本当に僕は幸せ者だな。
僕はあのままずっと、誰にも必要とされないんだと思ってた。
姉様の代わりだったから公爵家での暮らしも一時のもので、辺境の農村で生涯を終えるんだって。
でもルディウス様が僕と向き合ってくれて、好きになってくれて、気が付けばたくさんの愛情と幸福に囲まれてた。
こんな人生が待ってるなんて、予想も想像もしてなかったのに。
いろいろあったけど、リトルハイムに来れて良かった。ルディウス様に出会えて本当に良かった。
もし来世があるとしたら、またルディウス様と出会いたいって思ってる。
それから二月後、月が丸く輝く真夜中に、公爵家にとっては初めての女の子が産まれた。
この子もきっと、みんなから愛されてすくすく大きくなるだろうな。
どんな子に育つかなってシェリアの未来に思いを馳せ、僕は産まれたばかりの子の頬へと口付けたのだった。
FIN.
✧• ───────────────────── •✧
【身代わりの伯爵令息は冷徹公爵の寵愛を得る】、これにて本編完結となります!
お気に入り登録、エール、いいね、感想、たくさんいただけて本当に嬉しかったです♪
今作はBL大賞にもエントリーした作品なので、とても思い入れ深く完結が寂しいですが、番外編をいくつか作成予定ですのでそちらも読んでいただけたら嬉しいです😊
アルシエを愛してくださりありがとうございました!
それでは、また番外編でお会いしましょう✨
それから僕のお腹にも二人目が来てくれて、ルディウス様が話しかける習慣にセルティスも加わり毎日夜が賑やかだ。これだけ愛情を与えられて、この子は産まれる前から幸せだね。
あっという間に時が過ぎて、僕が公爵家に来て十五年が経った。
セルティスが九歳になり、五年前に産まれた次男―エリオスも五歳になってお屋敷はさらに賑わいを増してる。
あと数ヶ月もすればもう一人産まれるし、また忙しくなるだろうな。
「アルシエ」
テラスで庭を眺めながら大きくなったお腹を撫でていたら、仕事を終えたらしいルディウス様が来て僕の顔を覗き込んできた。
御歳四十二歳になるけどまだまだ現役で、少し皺は増えたものの見た目だってまったくと言っていいほど変わってない。むしろ渋さが加わってよりカッコよくなったと思う。
だから相変わらずモテモテだそうで、フローラ様が言うには城内や街でルディウス様ファンの集いなんてものが出来てるらしい。実際に見た事はないけど、奥さんとしてはあんまりいい気分はしないよね。
なんて考えながらルディウス様を見てたら、僕の頬に触れて眉を顰めた。
「冷えてる。この時期は、テラスやバルコニーに長居はするなと言っただろう? 腹の子にも良くない、部屋に戻ろう」
「はい」
そんなに長い時間いたつもりはないんだけど、心配性なルディウス様にそう言われたら頷かないわけにはいかない。
ルディウス様の手を借りて立ち上がると軽く引かれ、ちゅっと唇が重なる。
「今日は何をしていたんだ?」
「朝はエリオスと絵を描いたり本を読んだりして、さっきまではセルティスが剣の稽古をしていたので見てました」
「そうか」
「セルティス、父様みたいな強い騎士になるんだって張り切ってますよ」
まだ木の剣での稽古しか出来ないけど、セルティスはルディウス様に憧れていて将来は王国騎士になりたいそう。
日に日にルディウス様に似ていくセルティスは、八歳になったら行われる魔力値測定では群を抜いていて、さすがは公爵家だって言われるほど高かった。髪と瞳の色がルディウス様と同じだから強いだろうなとは思ってはいたけどね。
属性も炎だったから、聞いた時は本当にホッとした。
色んな人からあんなに言葉を貰ったものの、やっぱり不安はあったから。
「講師からも聞いている。負けん気が強く、どれだけ尻餅をつこうとめげずに向かってくる気概は素晴らしいと。本気でそう思ってくれているなら、私の隊で稽古をつけてやるのもありかと思ってるよ」
「凄く喜ぶと思います」
「十三になれば、入隊試験も受けられるからな」
僕の知る限り、セルティスは毎日の素振りを欠かさないし体力作りだって頑張ってる。騎士になる事はそんなに簡単じゃないだろうけど⋯叶って欲しいな。
「⋯っくしゅん!」
「おいで」
鼻がムズムズしてくしゃみをしたら、ルディウス様に抱き寄せられて外套に包まれる。寒いって訳じゃないんだけど、温かいなって腰元に腕を回したらふっと笑われた。
「?」
「いや、エリオスも抱き上げればすぐにしがみついてくるなと」
「だ、だってルディウス様とくっついてると落ち着くから⋯」
まさか子供と同じと言われるとは思ってなくて、ちょっとだけ顔が熱くなるのを感じながら言えばルディウス様は顔を寄せ今度は優しく微笑む。
「君はいくつになっても可愛らしいな」
「⋯⋯子供っぽいって事ですか?」
「違う。愛しいからこそそう思うんだ。その可愛らしさに欲情するくらい」
「⋯⋯!」
口付けられるって思ってたら擦り抜けて耳に触れ、囁くように言われてゾクッとする。妊娠期間はしないようにしてるから、こういう事をされるとどうしてもお臍の下が疼いてしまう。
眉尻を下げてルディウス様を見上げたらぎゅって抱き締められた。
「あまりそういう目で見るな。我慢出来なくなる」
「誰のせいですか⋯」
「私だな。すまない」
どう考えてもルディウス様が囁いたせいなのにって返せば、苦笑を漏らして僕の頭に口付けてきた。
おでこから頬に唇が移動した時、遠くの方からバタバタと足音が聞こえて僕とルディウス様は顔を見合わせる。
少し先にある角から姿を現したのはエリオスで、僕たちを見るなりパッと表情を明るくした。
「とうさま! かあさま!」
短い足を一生懸命に動かして走ってくると、ルディウス様の足に抱き着き満面の笑顔で見上げる。普段はいない時間だから、いてくれて嬉しいんだろうな。
ルディウス様はそれを見て微笑み、エリオスを抱き上げる。
「エリオス、お勉強終わったの?」
「うん!」
「たくさん書けたか?」
「まるいっぱいだった」
「やるな」
褒められたと分かるのか照れくさそうなエリオスに笑みが浮かぶ。
セルティスもそうだったけど、ルディウス様に褒められると二人とも凄く誇らしげな顔をするんだよね。それが本当に可愛い。
大好きなんだなーって伝わってくる。
笑い合う二人を微笑ましく見てたら、今度は後ろから「父様!」って声が聞こえてきた。
振り向くと稽古着のままのセルティスがいて、目をキラキラさせて駆け寄ってくる。
「お仕事、終わったのですか?」
「終わったというか、休憩だな。アルシエがまだテラスにいると聞いたから、部屋に連れて行こうと思って」
「そうだったんですね」
「何か用だったか?」
「あ、いえ。お仕事があるなら大丈夫です」
そう首を振ったセルティスが一瞬残念そうな顔をしたのをルディウス様が見逃すはずもなく、苦笑混じりに僕を見たあと少し乱れた髪を撫でた。
「そういうところはアルシエにそっくりだな。言ってごらん」
「⋯⋯その⋯もしお時間があるなら⋯稽古をつけていただけないかなと⋯」
「したい事、して欲しい事があるなら遠慮するなといつも言ってるだろう。まったく⋯準備をしてくるから、庭で待っていろ」
「! はい!」
そっくりって名指しされた僕が言うのもなんだけど、セルティスは凄く遠慮しいだ。今みたいによく自分の中で話を完結させたりする。
そんな僕たちの気持ちを汲んでくれるのはいつもルディウス様で、こうして吐き出させてはそれにすべて頷いてくれてた。だからちゃんとルディウス様を知ってる人たちはみんな、ルディウス様は家族に甘いって言ってる。
でもそれで子供たちが笑顔になるんだからいいと思うんだ。
ルディウス様の返事にパッと笑顔になったセルティスは急いで踵を返し、元きた道を戻って行く。
これは泥んこになって帰ってくるかも。
「リーネ、エリオスを頼む」
「お任せください。エリオス坊っちゃま、お部屋でおやつを食べましょうね」
「おやつー!」
ナニーであるリーネさんに抱かれ、エリオスはおやつの歌を歌いながら普段過ごしている部屋へと向かって行った。
擦れ違う使用人がにこにこと見ているのが今のこのお屋敷の常だ。
それを見送りルディウス様を見上げようとしたら、唐突に抱き上げられて変な声が出てしまった。
「る、ルディウス様⋯」
「遠慮するなはアルシエにも言える事だからな」
「ぅ⋯」
「あの子たちを優先するのはアルシエらしいが、たまには甘えてくれないと私も寂しいよ」
出会って二、三年目よりは言えるようになったけど、やっぱりどうしても子供たちの事を考えてしまう。
だって僕は、あの子たちが産まれる前にたくさん甘やかして貰ったから。
でもルディウス様は甘えて欲しいんだ。しかも寂しいって。
「次の休みはみなに子供たちを任せて、久し振りにアルシエと過ごそうかな」
「⋯甘えていいんですか?」
「存分に甘えてくれ」
僕を横抱きにしたままルディウス様は歩き出し、部屋へと向かいながら僕の頬へと唇を押し当てる。
そうだよね。たまには僕が甘えたってバチは当たらないよね。
少し考えたあと、僕はルディウス様の首に腕を回すと数秒見つめて口付けた。
「ルディウス様のおかげで、僕はずーっと幸せです」
「私も幸せだ。愛してる、アルシエ」
「僕も⋯愛してます」
いつだって真っ直ぐに気持ちを伝えてくれて、大切にされてるって分かるから僕もこうして素直に言葉を返せる。
顔中に口付けを浴びながら部屋に入り、ルディウス様が着替えの合間にも唇を合わせてくるからちょっと時間はかかったけど、日が落ちるまでルディウス様とセルティスは稽古をし何があったのか二人して泥んこになってた。
でも楽しそうだったから、きっと凄く有意義な時間を過ごせたと思う。
この光景が当たり前に見られるなんて、本当に僕は幸せ者だな。
僕はあのままずっと、誰にも必要とされないんだと思ってた。
姉様の代わりだったから公爵家での暮らしも一時のもので、辺境の農村で生涯を終えるんだって。
でもルディウス様が僕と向き合ってくれて、好きになってくれて、気が付けばたくさんの愛情と幸福に囲まれてた。
こんな人生が待ってるなんて、予想も想像もしてなかったのに。
いろいろあったけど、リトルハイムに来れて良かった。ルディウス様に出会えて本当に良かった。
もし来世があるとしたら、またルディウス様と出会いたいって思ってる。
それから二月後、月が丸く輝く真夜中に、公爵家にとっては初めての女の子が産まれた。
この子もきっと、みんなから愛されてすくすく大きくなるだろうな。
どんな子に育つかなってシェリアの未来に思いを馳せ、僕は産まれたばかりの子の頬へと口付けたのだった。
FIN.
✧• ───────────────────── •✧
【身代わりの伯爵令息は冷徹公爵の寵愛を得る】、これにて本編完結となります!
お気に入り登録、エール、いいね、感想、たくさんいただけて本当に嬉しかったです♪
今作はBL大賞にもエントリーした作品なので、とても思い入れ深く完結が寂しいですが、番外編をいくつか作成予定ですのでそちらも読んでいただけたら嬉しいです😊
アルシエを愛してくださりありがとうございました!
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三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。