32 / 59
驚きの事実(志摩視点)
初めて真那に会った時、何て綺麗な子なんだろうと思った。
日に透けてキラキラと輝く蜂蜜色の髪、薄く緑がかった瞳。陶器のようなシミ一つない白い肌に均整の取れた体躯。何より背が高く、見るもの全てを魅了するほどその存在感は圧倒的だ。
そして彼は歌声も素晴らしかった。バラード向きの声ではあるけど、曲に合わせて歌い方を変えどんな曲でも歌いこなしてしまう。
物凄く多才な子だと感心したものだ。
けれど彼は、幼馴染みへの愛が深すぎるが故に、幼馴染みの子にしか感情を出せない少し変わった子だった。
取っ付き難い子かとも思ったけど、話しかければちゃんと答えてくれるし、本番前までぼーっとしていてもカメラが回れば【soar】の真那になる。
同じメンバーの風音は裏表がなくて遠慮もないから真那にもグイグイいってて少し心配していたけど、嫌がると思っていた真那は案外平気なのか普通だったのが意外だった。
風音のおかげで打ち解け始めた真那は、俺たちを信頼してくれたのか今度は事ある毎に幼馴染みの陽向くんの話をするようになった。
「ヒナの作る料理が世界一美味しい」
とか。
「ヒナが可愛過ぎて心臓止まりそう」
とか。
挙句には陽向くんと少しでも仲良くしてる子がいれば
「俺のヒナに馴れ馴れしい」
って。本当に陽向くんの事が好きで堪らないんだろうなって言うのは端々から伝わって、どんな子なんだろうって興味が湧いた。
実際に会ってみると本当にいい子だし礼儀正しくて、最初は戸惑っていた様子だったけど俺たちにも普通に接してくれて…だから、他人になんて微塵も興味ありませんって態度の真那が自分を曝け出せるんだろうなと思った。
陽向くんを中心に真那の世界は回ってる。そう言っても過言ではないくらい陽向くんを一途に想い続ける真那の愛の深さを、俺たちは甘く見ていた。
「ヒナとの事を公表させて」
まさか、スキャンダルが出たその日に社長に直談判しにいくとは思わなかった。いつも冷静沈着な社長が珍しく目を丸くしていたくらい唐突で、秘書の高橋さんが見て分かるくらい狼狽えてるのに真那は引かなくて。結局、今は何もせず大人しくしろと再三言われて引かざるを得なかったけど、陽向くんとの連絡も取れなくなってしまい目に見えて憔悴していく真那を見るのは辛かった。
それでも収録や撮影はちゃんとするんだから、プロだなと思ったよ。
陽向くんを真那の部屋に連れて行ったのはただのお節介だけど、今の真那を見ればそれで良かったって心底思う。
「真那くん、目線こっちに。…うん、いいよ」
今日は【soar】が二周年を迎えたという事で初の写真集を出す事が決まり、その為の撮影をしに都内のスタジオに来ていた。今は真那がピンで撮ってるところだ。
コンセプトが〝素顔〟らしく、今回はいつもの完璧王子様メイクではなく普段通りの真那として今はセット内にあるソファで雑誌を広げていた。
それにしても足が長い。俺も180は超えてるけど、真那は190近いんだもんな。ちなみに風音は180なくて、確か176だったはず。
「うわ、真那おるやん」
待っている間、椅子に座って撮影風景を眺めていたら廊下の方で声が聞こえた。扉の方を見れば、あからさまに嫌そうな顔をして真那を見ている男の子が立っていて俺は首を傾げる。
確か、モデルの日下部紫苑くん…だったかな。顔を合わせるたびに突っかかってくるって真那が言ってたっけ。しかも陽向くんと同じクラスで陽向くんにちょっかいをかけてるらしいから、真那も嫌ってるみたいだ。
「隣のスタジオとか聞いてへんで、マネージャー」
「我儘言わない。大体、紫苑くんより真那くんの方が先輩なんだからね」
「先輩とか知らん。ほんま気に食わんわ」
ずいぶんな言われようだ。
そもそも真那は人に嫌われるほど関わるタイプじゃないし、何より仕事には真面目だしスタッフにもちゃんと挨拶するから今のとこ嫌われる要素はないんだけど……真那は一体彼に何をしたんだ?
「志摩さん」
「ん? ああ、真那。お疲れ」
「次、志摩さん」
「うん、ありがとう」
一通り撮り終えたのか、そう俺に告げるとポケットから真新しいスマホを取り出して椅子に座る。恐らく陽向くんにメッセージでも送っているんだろう。
あの日以降、真那は前にも増して時間さえあれば陽向くんに連絡をするようになった。マメと言えば聞こえはいいけど、学校にいる陽向くんが見れる時間なんて限られてるから通知の数に驚いてるんじゃないかな。
心做しか横顔が緩んでいる真那に苦笑し、俺は服の襟元を正してセット内へと入って行った。
「まーなくーん!」
撮影後、控え室に戻る途中で後ろから甘えた声が聞こえて来た。無表情ながらピリッとした空気を纏った真那は足を早めるけど、走って来た子に追い付かれ腕を掴まれる。
「真那くんに会えるなんて、奏音ちょーラッキー」
「……離して」
「えー? せっかく会えたんだから、ちょっと話そうよー」
「嫌」
すごい、真那の無表情に拍車がかかってる。
この子、奏音ちゃんは最近人気が出始めたモデルで、真那が好きなのかこうして会うたびに声をかけてくる。というか、良くスキャンダルになった相手に話し掛けられるな。これが若さか。
「奏音、迷惑でしょ。行くわよ」
「やだやだ、連絡先教えてくれるまで行かない」
「あのねぇ。ただでさえ変な抜かれ方して今みんなピリピリしてるのに、これ以上問題を起こさないでちょうだい」
「何よ。いいじゃない、連絡先くらい」
マネージャーさんも大変だな。真那も真那で、別事務所の子だから振り払う訳にはいかないって分かってて我慢してる。
偉いぞ、真那。
真那の大人振りにしみじみと感動していると、後ろの方から今度はバタバタと慌ただしい足音が聞こえて真那と奏音ちゃんが引き剥がされた。
「何しとんねん、奏音!」
そこには、撮影を終えたらしい紫苑くんがいて、凄い顔で真那を睨んでる。奏音ちゃんの事呼び捨てにしてるけど、どういう関係?
真那は離れたのをいい事に踵を返して歩き出そうとして、紫苑くんに呼び止められた。
「おい、真那。お前ええ加減にせぇよ」
「……」
「無視すんな! 大体、陽向がおるくせに他にもええ顔するとか、八方美人にもほどがあるやろ!」
一番真那に当てはまらない言葉が聞こえて来た。むしろ陽向くん以外には無ですけど、彼は。
「ええか、俺は欠片も奏音との事認めてへんからな! 俺の大事な奏音に二度と触んな!」
いやいや、奏音ちゃんから触ってくるんだよ~。って、〝俺の大事な奏音〟? もしかしてこの二人、そういう関係なのか?
「もし奏音に手ぇ出したら、陽向にチューするからな!」
「は?」
「ひ…!」
今の今まで無反応だった真那がぐるりと振り向き紫苑くんを見下ろす。見るからに目に殺意が篭ってて紫苑くんが飛び上がった。
「俺の、ヒナに、何するって?」
「お、お前が手ぇ出さんかったら済む話やろ!」
「手を出す気なんて死んでもないけど。むしろ俺の方が迷惑被ってるのに俺の可愛いヒナの名前勝手に呼んだ挙句何するって言った?」
「……お、お前…」
聞いてるこっちまでゾワゾワするほどの怒りを含んだ声が一息で捲し立てる。真那の陽向くんへの愛情と執着は半端なくて、俺たちメンバーにさえヤキモチ妬くくらいなのにそれは駄目だ。
引き合いで陽向くんを出すのは真那の逆鱗に触れるのと一緒だから。
というか、ここでそんなに陽向くんの名前を連呼しない方がいいんじゃないかな。いくら顔見知りのスタッフさんが多いとはいえ、奏音ちゃんとか奏音ちゃんのマネージャーさんとかは知らないんだし。
「二度とヒナに触るなって言ったよね」
「い、いや…その……」
「もし本当にヒナに何かするつもりなら、お前のモデルとしての人生を終わらせてやる」
初めて見た、真那が本気の本気で切れてるところ。
紫苑くんはアワアワしながら後退るけど、それを押し退けたのは奏音ちゃんだった。
「もう、いい加減にしてよ! お兄ちゃん!」
「何でや、俺はお前の事を思って…」
「いつまでも子供扱いしないで!」
「……え?」
「お兄ちゃん?」
聞き捨てならない単語が聞こえて、俺も風音も目を瞬いた。でも真那はムスッとしたまま何かに気付いてスマホを取り出し、画面を見た瞬間一気にご機嫌になって控え室へと入って行く。
あれは陽向くんから連絡が来たな。あれだけ怒ってたのに凄いな、本当。
それよりこの現状をどうしようか。
「あ、お兄ちゃんのせいで真那くん行っちゃったじゃん!」
「あんな奴やめとけ! アイツは幼馴染みしか見てへんのや!」
「大丈夫、私が本気になればきっと真那くんは私を見てくれるから」
「見てくれたとしてもアイツはアカン!」
「何でよ!」
周りにいるスタッフさんたちがザワザワし始めた。兄妹喧嘩は他所でやってくれないか。
収拾がつかなくなりそうで奏音ちゃんのマネージャーさんを見ると、行って下さいとジェスチャーを頂いたから、俺は風音に声をかけて控え室へと入る。
部屋の中では、真那が陽向くんにしか向けない甘い声で電話してた。
「俺らって何なんだろうな」
「……気にしたら負けだよ、風音」
俺たちは所詮【soar】の一メンバーだ。
それにしても紫苑くんと奏音ちゃんが兄妹だなんてびっくりだな。俺たちが知らないって事は公表してないんだろうし、聞いても良かったんだろうか。
もしかして紫苑くんが真那を嫌いなのって、大事な妹が真那の事を好きだから、なのかもな。
「不憫だ」
逆恨みにも近い感情を持たれて気の毒な真那の肩を叩き、俺は衣装を着替えるべくハンガーラックへと近付いた。
日に透けてキラキラと輝く蜂蜜色の髪、薄く緑がかった瞳。陶器のようなシミ一つない白い肌に均整の取れた体躯。何より背が高く、見るもの全てを魅了するほどその存在感は圧倒的だ。
そして彼は歌声も素晴らしかった。バラード向きの声ではあるけど、曲に合わせて歌い方を変えどんな曲でも歌いこなしてしまう。
物凄く多才な子だと感心したものだ。
けれど彼は、幼馴染みへの愛が深すぎるが故に、幼馴染みの子にしか感情を出せない少し変わった子だった。
取っ付き難い子かとも思ったけど、話しかければちゃんと答えてくれるし、本番前までぼーっとしていてもカメラが回れば【soar】の真那になる。
同じメンバーの風音は裏表がなくて遠慮もないから真那にもグイグイいってて少し心配していたけど、嫌がると思っていた真那は案外平気なのか普通だったのが意外だった。
風音のおかげで打ち解け始めた真那は、俺たちを信頼してくれたのか今度は事ある毎に幼馴染みの陽向くんの話をするようになった。
「ヒナの作る料理が世界一美味しい」
とか。
「ヒナが可愛過ぎて心臓止まりそう」
とか。
挙句には陽向くんと少しでも仲良くしてる子がいれば
「俺のヒナに馴れ馴れしい」
って。本当に陽向くんの事が好きで堪らないんだろうなって言うのは端々から伝わって、どんな子なんだろうって興味が湧いた。
実際に会ってみると本当にいい子だし礼儀正しくて、最初は戸惑っていた様子だったけど俺たちにも普通に接してくれて…だから、他人になんて微塵も興味ありませんって態度の真那が自分を曝け出せるんだろうなと思った。
陽向くんを中心に真那の世界は回ってる。そう言っても過言ではないくらい陽向くんを一途に想い続ける真那の愛の深さを、俺たちは甘く見ていた。
「ヒナとの事を公表させて」
まさか、スキャンダルが出たその日に社長に直談判しにいくとは思わなかった。いつも冷静沈着な社長が珍しく目を丸くしていたくらい唐突で、秘書の高橋さんが見て分かるくらい狼狽えてるのに真那は引かなくて。結局、今は何もせず大人しくしろと再三言われて引かざるを得なかったけど、陽向くんとの連絡も取れなくなってしまい目に見えて憔悴していく真那を見るのは辛かった。
それでも収録や撮影はちゃんとするんだから、プロだなと思ったよ。
陽向くんを真那の部屋に連れて行ったのはただのお節介だけど、今の真那を見ればそれで良かったって心底思う。
「真那くん、目線こっちに。…うん、いいよ」
今日は【soar】が二周年を迎えたという事で初の写真集を出す事が決まり、その為の撮影をしに都内のスタジオに来ていた。今は真那がピンで撮ってるところだ。
コンセプトが〝素顔〟らしく、今回はいつもの完璧王子様メイクではなく普段通りの真那として今はセット内にあるソファで雑誌を広げていた。
それにしても足が長い。俺も180は超えてるけど、真那は190近いんだもんな。ちなみに風音は180なくて、確か176だったはず。
「うわ、真那おるやん」
待っている間、椅子に座って撮影風景を眺めていたら廊下の方で声が聞こえた。扉の方を見れば、あからさまに嫌そうな顔をして真那を見ている男の子が立っていて俺は首を傾げる。
確か、モデルの日下部紫苑くん…だったかな。顔を合わせるたびに突っかかってくるって真那が言ってたっけ。しかも陽向くんと同じクラスで陽向くんにちょっかいをかけてるらしいから、真那も嫌ってるみたいだ。
「隣のスタジオとか聞いてへんで、マネージャー」
「我儘言わない。大体、紫苑くんより真那くんの方が先輩なんだからね」
「先輩とか知らん。ほんま気に食わんわ」
ずいぶんな言われようだ。
そもそも真那は人に嫌われるほど関わるタイプじゃないし、何より仕事には真面目だしスタッフにもちゃんと挨拶するから今のとこ嫌われる要素はないんだけど……真那は一体彼に何をしたんだ?
「志摩さん」
「ん? ああ、真那。お疲れ」
「次、志摩さん」
「うん、ありがとう」
一通り撮り終えたのか、そう俺に告げるとポケットから真新しいスマホを取り出して椅子に座る。恐らく陽向くんにメッセージでも送っているんだろう。
あの日以降、真那は前にも増して時間さえあれば陽向くんに連絡をするようになった。マメと言えば聞こえはいいけど、学校にいる陽向くんが見れる時間なんて限られてるから通知の数に驚いてるんじゃないかな。
心做しか横顔が緩んでいる真那に苦笑し、俺は服の襟元を正してセット内へと入って行った。
「まーなくーん!」
撮影後、控え室に戻る途中で後ろから甘えた声が聞こえて来た。無表情ながらピリッとした空気を纏った真那は足を早めるけど、走って来た子に追い付かれ腕を掴まれる。
「真那くんに会えるなんて、奏音ちょーラッキー」
「……離して」
「えー? せっかく会えたんだから、ちょっと話そうよー」
「嫌」
すごい、真那の無表情に拍車がかかってる。
この子、奏音ちゃんは最近人気が出始めたモデルで、真那が好きなのかこうして会うたびに声をかけてくる。というか、良くスキャンダルになった相手に話し掛けられるな。これが若さか。
「奏音、迷惑でしょ。行くわよ」
「やだやだ、連絡先教えてくれるまで行かない」
「あのねぇ。ただでさえ変な抜かれ方して今みんなピリピリしてるのに、これ以上問題を起こさないでちょうだい」
「何よ。いいじゃない、連絡先くらい」
マネージャーさんも大変だな。真那も真那で、別事務所の子だから振り払う訳にはいかないって分かってて我慢してる。
偉いぞ、真那。
真那の大人振りにしみじみと感動していると、後ろの方から今度はバタバタと慌ただしい足音が聞こえて真那と奏音ちゃんが引き剥がされた。
「何しとんねん、奏音!」
そこには、撮影を終えたらしい紫苑くんがいて、凄い顔で真那を睨んでる。奏音ちゃんの事呼び捨てにしてるけど、どういう関係?
真那は離れたのをいい事に踵を返して歩き出そうとして、紫苑くんに呼び止められた。
「おい、真那。お前ええ加減にせぇよ」
「……」
「無視すんな! 大体、陽向がおるくせに他にもええ顔するとか、八方美人にもほどがあるやろ!」
一番真那に当てはまらない言葉が聞こえて来た。むしろ陽向くん以外には無ですけど、彼は。
「ええか、俺は欠片も奏音との事認めてへんからな! 俺の大事な奏音に二度と触んな!」
いやいや、奏音ちゃんから触ってくるんだよ~。って、〝俺の大事な奏音〟? もしかしてこの二人、そういう関係なのか?
「もし奏音に手ぇ出したら、陽向にチューするからな!」
「は?」
「ひ…!」
今の今まで無反応だった真那がぐるりと振り向き紫苑くんを見下ろす。見るからに目に殺意が篭ってて紫苑くんが飛び上がった。
「俺の、ヒナに、何するって?」
「お、お前が手ぇ出さんかったら済む話やろ!」
「手を出す気なんて死んでもないけど。むしろ俺の方が迷惑被ってるのに俺の可愛いヒナの名前勝手に呼んだ挙句何するって言った?」
「……お、お前…」
聞いてるこっちまでゾワゾワするほどの怒りを含んだ声が一息で捲し立てる。真那の陽向くんへの愛情と執着は半端なくて、俺たちメンバーにさえヤキモチ妬くくらいなのにそれは駄目だ。
引き合いで陽向くんを出すのは真那の逆鱗に触れるのと一緒だから。
というか、ここでそんなに陽向くんの名前を連呼しない方がいいんじゃないかな。いくら顔見知りのスタッフさんが多いとはいえ、奏音ちゃんとか奏音ちゃんのマネージャーさんとかは知らないんだし。
「二度とヒナに触るなって言ったよね」
「い、いや…その……」
「もし本当にヒナに何かするつもりなら、お前のモデルとしての人生を終わらせてやる」
初めて見た、真那が本気の本気で切れてるところ。
紫苑くんはアワアワしながら後退るけど、それを押し退けたのは奏音ちゃんだった。
「もう、いい加減にしてよ! お兄ちゃん!」
「何でや、俺はお前の事を思って…」
「いつまでも子供扱いしないで!」
「……え?」
「お兄ちゃん?」
聞き捨てならない単語が聞こえて、俺も風音も目を瞬いた。でも真那はムスッとしたまま何かに気付いてスマホを取り出し、画面を見た瞬間一気にご機嫌になって控え室へと入って行く。
あれは陽向くんから連絡が来たな。あれだけ怒ってたのに凄いな、本当。
それよりこの現状をどうしようか。
「あ、お兄ちゃんのせいで真那くん行っちゃったじゃん!」
「あんな奴やめとけ! アイツは幼馴染みしか見てへんのや!」
「大丈夫、私が本気になればきっと真那くんは私を見てくれるから」
「見てくれたとしてもアイツはアカン!」
「何でよ!」
周りにいるスタッフさんたちがザワザワし始めた。兄妹喧嘩は他所でやってくれないか。
収拾がつかなくなりそうで奏音ちゃんのマネージャーさんを見ると、行って下さいとジェスチャーを頂いたから、俺は風音に声をかけて控え室へと入る。
部屋の中では、真那が陽向くんにしか向けない甘い声で電話してた。
「俺らって何なんだろうな」
「……気にしたら負けだよ、風音」
俺たちは所詮【soar】の一メンバーだ。
それにしても紫苑くんと奏音ちゃんが兄妹だなんてびっくりだな。俺たちが知らないって事は公表してないんだろうし、聞いても良かったんだろうか。
もしかして紫苑くんが真那を嫌いなのって、大事な妹が真那の事を好きだから、なのかもな。
「不憫だ」
逆恨みにも近い感情を持たれて気の毒な真那の肩を叩き、俺は衣装を着替えるべくハンガーラックへと近付いた。
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
番に囲われ逃げられない
ネコフク
BL
高校の入学と同時に入寮した部屋へ一歩踏み出したら目の前に笑顔の綺麗な同室人がいてあれよあれよという間にベッドへ押し倒され即挿入!俺Ωなのに同室人で学校の理事長の息子である颯人と一緒にα寮で生活する事に。「ヒートが来たら噛むから」と宣言され有言実行され番に。そんなヤベェ奴に捕まったΩとヤベェαのちょっとしたお話。
結局現状を受け入れている受けとどこまでも囲い込もうとする攻めです。オメガバース。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?