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本当の恋人
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コンビニについてから少しして、汗だくの周防くんが駐車場を抜けて俺のところまで走って来た。ハンカチを出そうとポケットに触れた手が掴まれそのまま抱き締められる。
出入口から離れてるとはいえ店内の明かりに照らされてる場所にいるし、駐車場にも人はいるしで狼狽える俺の耳に掠れた声が聞こえた。
「さっきの…ホント?」
「え?」
「俺の事好きって…」
感情に任せて言ってしまった事を改めて確認され冷めていた熱が一気に頬に集まる。でも本当の事だから頷きで答えると、周防くんは長い長い息を吐いて腕の力を強めてきた。
「マジか……やべぇ、どうしよ。すっげぇ嬉しい」
「周防く…」
「湊…」
ぎゅーってされて痛いくらいになのに、俺の名前を呼ぶ周防くんの声が震えてて苦しいって言えなくなった。
でもコンビニから出て来た人や入る人がチラチラ見て来ているのが分かり、恥ずかしくなった俺は周防くんの背中側の服を掴んで軽く引っ張る。
「す、周防くん」
「ん?」
「ち、近くに公園があるから、そこ行こ…?」
「……そうだな」
おずおずと提案すれば数秒黙り込んだ周防くんの腕が緩み少しだけ距離が出来る。それに寂しさを感じていると今度は包むように手を握られ引かれるようにして足を出した。
周防くんと繋いだ手、あったかい。
住宅街の一角にあるここは、近所に住む子供たちが良く遊んでいる公園で、中には幼児向けの遊具がいくつかと、点在してるベンチや街灯、時計があるくらいの小さなものだ。
その公園の一番奥まった場所にあるベンチまで行った周防くんは、先に座ると俺に向けて腕を広げてくる。首を傾げると膝を示され「え?」と声が出た。
「ほら、ここ座って」
「や、でも、俺重いし…」
「重くないから」
握られたままの手が引かれ横向きで座らされる。これ以上ないくらいドキドキしてると、大きな手が頭に触れまた抱き締められた。
「…夢、じゃないよな?」
「……」
不安そうな声がポツリとそう零し、俺は躊躇いがちに手を上げて周防くんの頬を軽く抓った。痛くはないかもしれないけど、摘まれてる感覚とか指の感触とかは分かるはず。
「夢じゃない、よ?」
「……ホントだ、夢じゃないな」
「うん」
抓っていた手に周防くんの手が重なり今度は頬を包むように押し当てられる。俺とは全然違うシャープなフェイスラインに大人っぽさを感じてまたドキドキが振り返してきた。
パチッと目が合った周防くんが優しく微笑む。
「湊、もっかい言ってくんね?」
「え?」
「好きって、ちゃんと聞きたい」
「ちゃ、ちゃんと……」
ずっと悠介が好きだった俺は告白をする前に失恋が確定したから当たり前だけど好きなんて言葉にした事がなかった。さっき言ったのだって思わず口から出ただけで、改めて面と向かって言うのは恥ずかしい。
でも周防くんは俺の言葉を待ってるようで、もう一度「聞きたい」と言って額を合わせてきた。
「……あ、の…俺……す、周防、くん、が…好き、です…」
「俺も好きだよ、湊」
「……」
「ここに、キスしていい?」
俺の告白に間髪入れずに返してくれて胸がぎゅってなる。真っ赤になってるだろう顔を見られたくなくて伏せてると、周防くんの手が頬に触れて親指が下唇をなぞった。
ここって、ここだよね。
言葉で返す事も頷く事も出来なくて、肯定の意味を込めて目を瞑ったら小さく笑われる。ふわっと周防くんの香りが広がり、あっと思った時には唇に何かが触れてた。
すぐに離れたけど、俺はなかなか目を開けられない。
初めてなのに緊張したままで終わっちゃった。
「耳まで真っ赤。可愛いな、湊は」
これ以上ないくらい赤いんだろうなってのは自分でも分かる。目を瞑ったまま俯くと髪を撫でられて肩に抱き寄せられた。
さっきからずっと周防くんの声が優しい。
「……周防くん」
「んー?」
「あの、どうして今までは口じゃなかったの?」
「何……ああ、キスの話か。まぁいくら好きな子でも、勝手にすんのは駄目だよなって思って……でもどこだろうと、してる時点で同じだよな」
そう言って苦笑した周防くんの灰色の髪を柔らかく吹いた心地良い風が靡かせる。街灯に反射して、キラキラして綺麗だなって見てると触りたくなって、無意識に手を伸ばして毛先に触れると周防くんが小さく笑った。
「俺、あんま髪触られんの好きじゃないけど……湊なら平気かも」
「ほ、ほんと?」
「ん。だから、もっと触って」
声も、表情も、雰囲気も、何もかもが甘い。何度かこういう空気感になった事はあるけど、ここまで甘いのは初めてだ。
これが両想いで、恋人。
目を閉じる周防くんを見てるともっと触れたくなる。毛先を弄っていた手を頭に当てて思い切って撫でてみたら周防くんが擦り寄せてきたからキュンってなった。
犬みたいで可愛いって思ったら失礼かな。
「……そろそろ帰んないとな」
「え? あ、もうそんな時間…」
「送る」
楽しかったり幸せに思う時間ってどうしてこうも過ぎるのが早いんだろう。
しゅんとする俺を膝から降ろして立ち上がった周防くんは、来た時と同じように手を繋いで歩き出した。
「湊、早く入んないと」
「うん……」
家まで送って貰い、門の前でお礼を言って別れるはずだったのに、俺の手は周防くんの手を離そうとしなくてそろそろ五分が経とうとしてる。
まだ離れたくない、一緒にいたい。
でも時間は無情にも過ぎていくばかりで、あと少しで門限だ。
「湊、明日用事あるか?」
「え? う、ううん」
「じゃ、十時に迎えに来るからデートするか」
「デート?」
「そ。だから今日は家に入って、風呂入って早く寝な」
もしかして、俺がもだもだしてたからそんな提案してくれたの?
何でそんなに優しいの、周防くん。
堪らず抱き着くと周防くんの腕が背中に回り抱き締められる。
「ごめんね…」
「謝るような事じゃないって。それに、俺も離れたくないって思ってるし」
「周防くんも?」
「ああ。湊といる時ずっと思ってる」
今までもバイバイする時そんな事を思ってくれてたのかな。
周防くんも同じなんだって分かって嬉しい。
「色んなとこ一緒に行こうな」
「うん」
「じゃあまた明日」
「…また明日」
宥めるように髪を撫でられ周防くんの唇が目蓋から頬に触れて、最後に俺の唇に重なる。二回目はちゃんと感触まで感じる事が出来た。
柔らかく微笑んだ周防くんの手が肩に触れ回れ右させられてトンっと背中を押される。一歩出て門に手を掛けると足音が聞こえ、振り向いた時には周防くんは少し離れた場所に立ってた。
「中入るまで見てるから」
「う、うん」
このままじゃ俺が家に入らないって思ったからだと思うけど、それでも最後まで見えるところにいてくれる周防くんに抱き着きたくなる気持ちを抑え、門を通って玄関まで一気に歩く。
扉を開ける前に顔を向けて手を振ると周防くんも振り返してくれた。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
家に入るまで凄く時間が掛かったけど、今度こそ玄関を開けて身体を滑り込ませた俺はふーっと息を吐く。
まだ心臓ドキドキしてる。周防くん、カッコよかったなぁ。
しばらく玄関扉に寄り掛かかってたんだけど、ふと顔を上げたら薫がいて俺は飛び上がるくらい驚いた。
「……!!」
「遅い。何してたの?」
「……び、びっくりした…別に何もしてないけど…」
「湊が門限ギリギリなんて初めてでしょ。それに、神薙くんと一緒だったのは知ってるんだから」
そういえば周防くんが俺と食べるって薫に言ってたんだ。
本当に付き合う事になったなんて言うと今までは何だったのって言われるからこれは内緒にして、周防くんと一緒にいても当たり障りない事って何かを考える。
「湊?」
「…ご飯食べたあと、まだ一緒にいたかったから話してただけだよ」
「……そう」
「心配掛けてごめん」
「いいわよ、別に。神薙くんが送ってくれるのも分かってたし……でも、夜は危ないから気を付けて」
「うん、分かった」
いつもならうるさいくらい聞いてくるのに、今日の薫はずいぶんと大人しい。それに戸惑いながらも頷くと、薫の両手が伸びて頭を乱暴に撫でられた。
「私だって湊を困らせたい訳じゃないのよ。ただ神薙くんに湊を取られたってのが気に食わないだけで、湊を大事にしてくれるならそれでいいの」
「薫……」
「湊が幸せなら、全然いい」
数分早く生まれただけなのに、薫はずっとお姉ちゃんでいてくれた。普段は我儘だしゴーイングマイウェイだし俺の話を聞いてくれないけど、薫が俺を大切な弟だって思ってる事ちゃんと分かってる。
いい事を言ってくれてるのにぶすっとしてるからおかしくて、つい吹き出すとさらに臍を曲げた薫は顔を背けて二階へと上がって行った。
「ありがとう」
ああいうところが悠介も好きなんだろうな。もし叶うなら、悠介の気持ちが薫に通じればいいのに。
「よし、明日に備えてお風呂に入って寝ないと」
寝不足だと周防くんが心配するかもしれない。
声に出して気合いを入れた俺は、まずは着替えを取りに行こうと二階にある自分の部屋へと向かった。
出入口から離れてるとはいえ店内の明かりに照らされてる場所にいるし、駐車場にも人はいるしで狼狽える俺の耳に掠れた声が聞こえた。
「さっきの…ホント?」
「え?」
「俺の事好きって…」
感情に任せて言ってしまった事を改めて確認され冷めていた熱が一気に頬に集まる。でも本当の事だから頷きで答えると、周防くんは長い長い息を吐いて腕の力を強めてきた。
「マジか……やべぇ、どうしよ。すっげぇ嬉しい」
「周防く…」
「湊…」
ぎゅーってされて痛いくらいになのに、俺の名前を呼ぶ周防くんの声が震えてて苦しいって言えなくなった。
でもコンビニから出て来た人や入る人がチラチラ見て来ているのが分かり、恥ずかしくなった俺は周防くんの背中側の服を掴んで軽く引っ張る。
「す、周防くん」
「ん?」
「ち、近くに公園があるから、そこ行こ…?」
「……そうだな」
おずおずと提案すれば数秒黙り込んだ周防くんの腕が緩み少しだけ距離が出来る。それに寂しさを感じていると今度は包むように手を握られ引かれるようにして足を出した。
周防くんと繋いだ手、あったかい。
住宅街の一角にあるここは、近所に住む子供たちが良く遊んでいる公園で、中には幼児向けの遊具がいくつかと、点在してるベンチや街灯、時計があるくらいの小さなものだ。
その公園の一番奥まった場所にあるベンチまで行った周防くんは、先に座ると俺に向けて腕を広げてくる。首を傾げると膝を示され「え?」と声が出た。
「ほら、ここ座って」
「や、でも、俺重いし…」
「重くないから」
握られたままの手が引かれ横向きで座らされる。これ以上ないくらいドキドキしてると、大きな手が頭に触れまた抱き締められた。
「…夢、じゃないよな?」
「……」
不安そうな声がポツリとそう零し、俺は躊躇いがちに手を上げて周防くんの頬を軽く抓った。痛くはないかもしれないけど、摘まれてる感覚とか指の感触とかは分かるはず。
「夢じゃない、よ?」
「……ホントだ、夢じゃないな」
「うん」
抓っていた手に周防くんの手が重なり今度は頬を包むように押し当てられる。俺とは全然違うシャープなフェイスラインに大人っぽさを感じてまたドキドキが振り返してきた。
パチッと目が合った周防くんが優しく微笑む。
「湊、もっかい言ってくんね?」
「え?」
「好きって、ちゃんと聞きたい」
「ちゃ、ちゃんと……」
ずっと悠介が好きだった俺は告白をする前に失恋が確定したから当たり前だけど好きなんて言葉にした事がなかった。さっき言ったのだって思わず口から出ただけで、改めて面と向かって言うのは恥ずかしい。
でも周防くんは俺の言葉を待ってるようで、もう一度「聞きたい」と言って額を合わせてきた。
「……あ、の…俺……す、周防、くん、が…好き、です…」
「俺も好きだよ、湊」
「……」
「ここに、キスしていい?」
俺の告白に間髪入れずに返してくれて胸がぎゅってなる。真っ赤になってるだろう顔を見られたくなくて伏せてると、周防くんの手が頬に触れて親指が下唇をなぞった。
ここって、ここだよね。
言葉で返す事も頷く事も出来なくて、肯定の意味を込めて目を瞑ったら小さく笑われる。ふわっと周防くんの香りが広がり、あっと思った時には唇に何かが触れてた。
すぐに離れたけど、俺はなかなか目を開けられない。
初めてなのに緊張したままで終わっちゃった。
「耳まで真っ赤。可愛いな、湊は」
これ以上ないくらい赤いんだろうなってのは自分でも分かる。目を瞑ったまま俯くと髪を撫でられて肩に抱き寄せられた。
さっきからずっと周防くんの声が優しい。
「……周防くん」
「んー?」
「あの、どうして今までは口じゃなかったの?」
「何……ああ、キスの話か。まぁいくら好きな子でも、勝手にすんのは駄目だよなって思って……でもどこだろうと、してる時点で同じだよな」
そう言って苦笑した周防くんの灰色の髪を柔らかく吹いた心地良い風が靡かせる。街灯に反射して、キラキラして綺麗だなって見てると触りたくなって、無意識に手を伸ばして毛先に触れると周防くんが小さく笑った。
「俺、あんま髪触られんの好きじゃないけど……湊なら平気かも」
「ほ、ほんと?」
「ん。だから、もっと触って」
声も、表情も、雰囲気も、何もかもが甘い。何度かこういう空気感になった事はあるけど、ここまで甘いのは初めてだ。
これが両想いで、恋人。
目を閉じる周防くんを見てるともっと触れたくなる。毛先を弄っていた手を頭に当てて思い切って撫でてみたら周防くんが擦り寄せてきたからキュンってなった。
犬みたいで可愛いって思ったら失礼かな。
「……そろそろ帰んないとな」
「え? あ、もうそんな時間…」
「送る」
楽しかったり幸せに思う時間ってどうしてこうも過ぎるのが早いんだろう。
しゅんとする俺を膝から降ろして立ち上がった周防くんは、来た時と同じように手を繋いで歩き出した。
「湊、早く入んないと」
「うん……」
家まで送って貰い、門の前でお礼を言って別れるはずだったのに、俺の手は周防くんの手を離そうとしなくてそろそろ五分が経とうとしてる。
まだ離れたくない、一緒にいたい。
でも時間は無情にも過ぎていくばかりで、あと少しで門限だ。
「湊、明日用事あるか?」
「え? う、ううん」
「じゃ、十時に迎えに来るからデートするか」
「デート?」
「そ。だから今日は家に入って、風呂入って早く寝な」
もしかして、俺がもだもだしてたからそんな提案してくれたの?
何でそんなに優しいの、周防くん。
堪らず抱き着くと周防くんの腕が背中に回り抱き締められる。
「ごめんね…」
「謝るような事じゃないって。それに、俺も離れたくないって思ってるし」
「周防くんも?」
「ああ。湊といる時ずっと思ってる」
今までもバイバイする時そんな事を思ってくれてたのかな。
周防くんも同じなんだって分かって嬉しい。
「色んなとこ一緒に行こうな」
「うん」
「じゃあまた明日」
「…また明日」
宥めるように髪を撫でられ周防くんの唇が目蓋から頬に触れて、最後に俺の唇に重なる。二回目はちゃんと感触まで感じる事が出来た。
柔らかく微笑んだ周防くんの手が肩に触れ回れ右させられてトンっと背中を押される。一歩出て門に手を掛けると足音が聞こえ、振り向いた時には周防くんは少し離れた場所に立ってた。
「中入るまで見てるから」
「う、うん」
このままじゃ俺が家に入らないって思ったからだと思うけど、それでも最後まで見えるところにいてくれる周防くんに抱き着きたくなる気持ちを抑え、門を通って玄関まで一気に歩く。
扉を開ける前に顔を向けて手を振ると周防くんも振り返してくれた。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
家に入るまで凄く時間が掛かったけど、今度こそ玄関を開けて身体を滑り込ませた俺はふーっと息を吐く。
まだ心臓ドキドキしてる。周防くん、カッコよかったなぁ。
しばらく玄関扉に寄り掛かかってたんだけど、ふと顔を上げたら薫がいて俺は飛び上がるくらい驚いた。
「……!!」
「遅い。何してたの?」
「……び、びっくりした…別に何もしてないけど…」
「湊が門限ギリギリなんて初めてでしょ。それに、神薙くんと一緒だったのは知ってるんだから」
そういえば周防くんが俺と食べるって薫に言ってたんだ。
本当に付き合う事になったなんて言うと今までは何だったのって言われるからこれは内緒にして、周防くんと一緒にいても当たり障りない事って何かを考える。
「湊?」
「…ご飯食べたあと、まだ一緒にいたかったから話してただけだよ」
「……そう」
「心配掛けてごめん」
「いいわよ、別に。神薙くんが送ってくれるのも分かってたし……でも、夜は危ないから気を付けて」
「うん、分かった」
いつもならうるさいくらい聞いてくるのに、今日の薫はずいぶんと大人しい。それに戸惑いながらも頷くと、薫の両手が伸びて頭を乱暴に撫でられた。
「私だって湊を困らせたい訳じゃないのよ。ただ神薙くんに湊を取られたってのが気に食わないだけで、湊を大事にしてくれるならそれでいいの」
「薫……」
「湊が幸せなら、全然いい」
数分早く生まれただけなのに、薫はずっとお姉ちゃんでいてくれた。普段は我儘だしゴーイングマイウェイだし俺の話を聞いてくれないけど、薫が俺を大切な弟だって思ってる事ちゃんと分かってる。
いい事を言ってくれてるのにぶすっとしてるからおかしくて、つい吹き出すとさらに臍を曲げた薫は顔を背けて二階へと上がって行った。
「ありがとう」
ああいうところが悠介も好きなんだろうな。もし叶うなら、悠介の気持ちが薫に通じればいいのに。
「よし、明日に備えてお風呂に入って寝ないと」
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