電車物語

油そば

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いつもの電車

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「ストーリーがない人間などこの世のには
いない、世の中の人間、昨日今日お前がすれ違った人には、必ずストーリーがあるんだ。そのためにお前はよく観察しろ」
私の父はこの言葉をよく使ってたいた。
幼い時、だいたい私が5歳くらいの時
父は失踪した。
父が失踪した時、私の母や妹は父を必死に血眼になりながら探していたのを思いだす。
妹に至っては、絶対に入ることができないであろう、筆箱の中、私の机の中まで隅々まで探していた。 
あれから、15年経ち、母や妹は父のことなどすっかり忘れ、父が使っていた部屋も物置となっている。
私は、専門学校を卒業し、今日から社会人となった。
家から職場まで、1時間半かかり、仕事が始まるが、9時なのでいつも大体家を7時に出て、7時半までに駅につき、いつもの7時15分の電車に乗るようにしている。
しかし、今日は寝坊してしまったのだ。
何故寝坊したのかという理由は、一つ
単純に深夜、無断で転載された違法動画を見たからなのだ。
見るだけなら、大丈夫、犯罪じゃないという、誘惑に囚われ、私は違法アップロードされたここ最近自分の中で1番好きなバラエティ番組の動画を見ていたからだ。
うぅ、、こんなことになるなら、動画など見ずに眠っておけばよかった。
未だに眠い、そして、体が重い
ベットから起きれなさそうだ。
「こらぁぁぁ!ゆかり!早く起きなさい!」
一階にいる母の怒号が飛び交い私は、パジャマのまま下に降りた。
「早くご飯食べちゃいなさい!あんた
今日から働くんでしょ!新人が遅刻してどうするの!?」

「ごめんなさい、お母さん!」

私は母が作ってくれたサンドイッチをリスのように口に放り込み、そのまま牛乳を一気飲みしながら無理やり喉の奥へと流した。

「急がないと!
私は急いで、母に買ってもらった、一式のオーダーをスーツを着け、靴下を履いた。
鏡を見ると、そこにはまだお子ちゃまな自分が写っていた。
スーツが似合う女になるのは当分先だろうか、、、
私は、急いで軽めのメイクをし、そのまま玄関を飛び出した。
玄関から飛びだすと
高校生らしき、男女が2人お互い尻餅をついていた。
私は、心配してかけつうと思ったのだが、
少し違和感を覚えた。
「いててて、、どこ見て歩いてるんだ!」

「あんたこそどこ見てるのよ!」

女の手元には、大量に塗られた苺ジャムの食パンがあったのだ。

対して、男の手にもまた大量に塗られた葡萄ジャムがそこにあったのだ。

これが、青春というものなのか、、、
突如私の体に、レモン顔負けの甘酸っぱさが身体中を駆け巡ったのだ。

「甘酸っぱいなー!!ヒューヒュー!!」

私は彼らを見て冷やかさずにはいられなかったのだ。
すると、彼らは顔を赤らめ同じ方向へと走っていった。
私は、若人の青春の手助けをしてやったと思い、満足気味にスキップをした。
ルン!ルン!ルン!!

駅に着くと、時刻は8時をすぎていた。
初日から遅刻は流石に脳に欠陥があると思われるかもしれない。
私は会社に遅れるという謝罪メールだけ送りそのまま電車に乗った。
電車に乗ると、やはり早朝いうこともあり
多くの会社員や、高校生が電車に乗っていた。
幸い私は、1番最初の先頭の列にいたので、
乗客達が降りていくなか、席を確保することができた。
私が席に座ると、大勢の会社員や、高校生がズラズラと電車の中に入って行った。
ふう、、さて席には座れたはいいもの、することがないな、寝るか?
いや、
さっきの高校生達の甘酸っぱい青春ショーを見れたおかげで、眠気は吹っ飛んだ。
そうだ、人間観察でもしてやろうか
失踪前父が私達によく言ってた、観察というものを、やってみようと思った。
まずは、私の目の前に立っている汗だくのサラリーマンを観察対象としてやろうか。
歳は大体25歳くらいだろうな。
見た目は、だいぶガタイがよく、大学でラグビーや柔道部をやっていただろうな
入社して3年目って感じがするな、いや浪人や留年をしていたら、2年の可能性も捨て切れないな
おっと、スマホを取り出して、何やら深刻そうな顔で画面をポチポチ売ってるぞ
もしかして、、あなたも遅刻仲間ですか?
いや、そうに違いない、、この焦り具合
遅刻に違いない。
だって、、あなたこの電車に乗る時
急ぎまくって、目の前にいたおばあちゃん
倒したでしょう、、
私忘れてないんだからなね
おばちゃん痛そうにしてたわよ
ん???
いや待てよ、、
走ってきて乗れたのだったら?遅刻ではなさそうだ。
いや、おかしい、頭がこんがらがってきた。
ん??
まてよ、このリーマン腕に高そうな時計をつけているぞ
ロレックスか?
パテックか?それとも100均か?
この男もしかして、詐欺師?
時計🟰詐欺師はあまりにも偏見がすぎるな
「次は下滴平駅下滴平駅~」
2回ほど駅の名前がリピートされた。
わたしの目の前にいた男は、その駅で降りた。
さて、あと3駅
次は誰が乗ってくるのやら、私を少し誰か変な奴が乗ってこないか期待した。
ピエロのお面を被った男が乗ってきたら面白いだろうな。
カーネルサンダースのコスプレをしたjkが乗ってきても面白いだろうな。
私は、そんなことを思いながら爪を触っていると、今度は屈強な外国人が電車に乗り
私の目の前に立っていた。
おっとぉぉ!強そうだぁ!
これは!ちょっとこれは期待できぞ!
私は両手を組み臨戦体制をとむたあ。
パッと見て、彼の身長は2メートルをギリ越えるか、超えないかの体型に加えて
彼の腕は筋肉のせいかゴツゴツしていた。
うっわぁ、すっごい
彼は、黒マスクポケットから取り出して
つけた。
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