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if story 断罪成功
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ここからのお話はフィアナが悪役令嬢のまま断罪され、追放されるという設定の下のお話です。
本編から離れ、多分に結論ありきの内容となることをご了承ください。
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「侯爵令嬢フィアナ=レディーン!妹であるアルマナへの度重なる悪逆な行為許されるものではない!このエディール=フリードリヒが裁いてくれる!!」
「殿下…。ここは殿下を初めとする卒業を祝う場ですわ。そのようないわれなき非難を糾弾する場ではないかと…」
「いわれなき非難だと?私が何も知らぬと思っておるのか!」
「エディール様。私は大丈夫ですから…。どうかこのままで。私一人が耐えればよいのです」ヨヨヨ
私はアルマナ=レディーン。レディーン侯爵家の次女だ。今はお姉さまの断罪イベントの真っ最中。これこそ私が待ち続けた瞬間だわ。10歳のころから前世の記憶が目覚めて早数年。ようやくこれで私の推しとの目くるめく幸せライフの始まりよ。会場ではエディール様の集めた証拠があれよあれよと山積みになっていく。お姉さまとお母様…あいつとばばぁの年貢の納め時ね。
ことあるごとにいじめてきたり、とうとう毒を盛るなんて侯爵家の恥だわ。私が十分な教育を受けられなかったのもあいつらが邪魔をしたからよ。特にあのばばぁは許せない!一度だけ部屋の奥を除いたら命令を聞かないあいつを鞭でぶっていた。娘すら道具扱い何てなんなのよ。
「その様な証拠で罪を認めさせようとは面白いですわね。それに、侯爵家のことに王家がわざわざ首を突っ込むなんてどうかと思いますわ」
「これを見てもそれが言えるかな?」
最後に皇子が出した証拠の物件こそ、隣国との密約だ。領地の一部を割譲する代わりに電撃作戦で皇都を落とし、各地を手中に収めるというものだ。その代わりに侯爵家は皇子を婿に迎え、領地の一部を割り増しして安堵するという覚書だ。ちゃんとカギのかかった金庫に入っていて、簡単には開けられないものだけど、記憶持ちの私の手には何の問題もなかったわ。
「そ、それは!お母様が厳重に保管していたはず…アルマナ!お前は家を売るのですか?」
「お姉さま。私はお母様とお姉さまにいじめられるだけでなく、昨日はとうとう毒まで盛られました。そんな私に家を大事にせよとどうして思えましょうか?」
物語が佳境に入っていく。そんな中、私が選んだ相手は…。
第1皇子エディールを選択しますか? → はい
「そ、そなたら母娘はそこまで腐っていたのか!証拠は十分だ!衛兵今すぐにフィアナをとらえよ。近衛よ!私についてこい。今すぐ侯爵家に行って賊を捕らえる!」
「はっ!」
すぐにお姉さまは衛兵に連れていかれ、皇子は邸に向かうため指示を出す。
「アルマナ少しだけ待っていてくれ。すぐに元凶は捕まえる。グラム!守りは任せる。皇城までお連れしろ!」
「命に代えても!さぁ、アルマナ様…」
私は騎士団長の息子のグラム様に連れられて皇城へと向かう。そこで、皇帝陛下に謁見することとなった。
「此度は家のこととはいえ、災難であったな。わしも、あのようなものを国母としようなどとは目が腐っておったわ」
陛下はわなわなと手が震えておられる。現皇帝陛下は身内に甘いが、それ以外のものには公平かつ容赦がないという噂だ。のちに家族となるお姉さまを大変かわいがっていらっしゃったから、裏切られた気持ちなのだろう。
「陛下、こうなった以上は新たな婚約者を見つけねばなりません」
「それはそうだが何もこの場で…」
「いいえ、同じだけの影響力できっと同じだけの才能を持つものがここにいるではいませんか」
そういって皇妃さまが私を見る。うんうん、シナリオ通りだ。
「ふむ…確かに。此度の件で侯爵家の影響は下がるが、むしろ大きすぎたことを思えば問題はないな。よし、アルマナ=レディーンよ。そなたが次のエディールの婚約者だ!」
「あ、ありがとうございます」
私は涙を流して陛下の声に応える。認められたうれしさからではない、シナリオ通りに進んで思いがかなったからだ。それから3日後、今日はとうとうお姉さまとお母様の処刑の日だ。処刑は公開で行われる。私は家族として最後の瞬間に立ち会うことに決めた。シナリオ通りに進めたかったという事もあるけれど、最後にお姉さまに聞きたいことがあったからだ。
「わ、私は侯爵家の夫人よ。レディーンの夫人と知っているの?」
「お母様、もうレディーンは子爵家ですよ。それにお父様も退かれて今は分家のものが継いでいます」
「お前の、お前の言うことなど信じるものか!」
その後もギャーギャー言っているお母様がうるさいのでさるぐつわがはめられる。私は最後という事でお姉さまに声をかけた。
「あなたは私のことが嫌いでしたか?」
「私には妹はいない。我が家には母と使用人と人形だけよ。私は人形を傷付けないと殺されるの」
ああ、やっぱり。姉はいつも私にいろいろなことをする。最初はすごく冷たい目でひどいことをやる人だと思っていた。だけど、記憶が手に入ってから違和感に気づいた。姉は感情をこめて私を見てなどいないと。そうすることが自分の役割なんだと。
「最後に話せてよかったわ」
「…一つだけお願いがあるの」
「かなえられることなら…」
いまさら何を望むのだろう?
「私の刑を先に執行してほしいの」
何がやりたいのか私にはよくわからなかったけど、陛下に確認して認めてもらった。そして、その時が来ると急にお姉さまは笑い出した。
「あはははは、お母様。これで私が地獄に先に行きますわ。あっちであったら慈悲のかけらもくれてやらないから!」
そのお母様を見る目は憎悪に彩られていた。まるで、お姉さまの生まれてから人形として生きてきた、感情の爆発のようだった。刑はそのまま執行された。お母様の時にはもはや口を開くものはどこにもいなかった。ただ、しめやかに行われたのだった。
「終わったね…」
「はい、殿下」
私はエンディングの通りに今はエディール殿下の婚約者として一緒に学んでいる。邪魔者もいなくなって清々したけど、お姉さまのことを未だに思い出すときがある。彼女はこのお話の一番の被害者かもしれない。あんな風に育つことのないよう私たちは頑張らなきゃ。
「どうしたんだい急に立ち止まって?」
「殿下とこれからのことを考えていたんです」
「ああ、来週の視察のこと?婚約発表して初めてだから緊張してるんだね」
「ちがいますよぉ!2人の子供の話ですよ」
「気が早いね、アルマナは。それにその言葉遣い」
「へーきです。今は二人っきりですし、それに2人なら時間なんてきっとあっという間に過ぎちゃいますよ」
こうして、私たちは結ばれ、皇国は更なる発展をといいたかったのですが、殿下は有能とまでは言えず領土は変わらず、幾度か隣国と小競り合いも起きました。しかし、グラム様やレングラン様をはじめとする皆様のおかげで平和を保ちつつ時間は過ぎていったのです。
お・わ・り
--------------------------------
第2皇子レギオンを選択しますか? → はい
「彼女の優しい気持ちを理解しようともしない、君のことはこれ以上放ってはおけない。アルマナに危害を加えるなら僕も黙ってはいない!」
「レギオン皇子…」
これよこれ!年下甘々皇子がヒロインのためにその弱さを克服して一人前の男になる!熱いわ!でももうちょっと成長途中も見たかったところもあるのよね。昨日は私も毒に驚いて弱気になってたから、まさかあんなに男らしくなるなんて…。
「そんな、レギオン皇子まで…。お優しいあなたまでどうしてアルマナなどをかばうのです?」
「たかが、異母姉妹というだけで危害を加え続けた人間のいう事じゃないと思うよ」
「わ、私は…そう!私はお母様に言われただけです!自分の意思ではありませんわ!」
「ふっ、アルマナに普段から高貴なものの宿命とか言っておいて、自分に降りかかったらそれか。恥を知れ!」
「エ、エディール皇子どうか信じてください!私は…私は…」
「経緯がどうあれあなたは道を踏み外した。そして、僕はアルマナに危害を加えた君には同情しないよ」
がくりとうなだれるフィアナ。これで、長く続いた日々も終わりね…。
「レギオン!ここは任せるぞ、私は今すぐ夫人を捕らえねばならん!」
「はい!エディール王太子殿下!」
レギオン皇子が公式の場で初めて臣下の礼を取った。今回の1件を見事解決したという事で名実ともに彼が次代の皇帝だろう。それを皇子は態度で示し、これ以上の後継者の混乱が起きないようにしたのだ。
あれから、もうずいぶん経った。結局、お母様は即処刑、お姉さまは山奥の修道院にいれられたと発表があった。一度だけでも会いたいと言ったのだけど、あまりに奥地で身分を考えれば対応できないと断られてしまった。
「聞きたいこともあったし、ゲームの通りなら幽閉のはずなのに…。でも、大筋は違わないわけだし仕方がない」
私は深く考えるのをやめて、公爵となったレギオンさまの帰りを待つのだった。
「どう?ここの生活は慣れた?」
「…」
「相変わらずつまらない反応だね。こっちは気を使っているっていうのに」
「なぜ…こんなことを?」
「あの女は始末できたけど、君を処刑することは叶わなかったからね。あの女の血を引いてるから当然だよ」
「早く、殺せば、いいでしょう…」
「そんなことしたら、兄上にもアルマナにも報告が行くだろう。それじゃあ、僕のしてることがばれちゃうじゃないか」
汚い地下牢の中で私はもう長いこと身動きを取れなくされている。食事は流動食を無理に食べさせられる。抵抗も面倒になり今では進んで食べているけど。
「こんな姿を知ったらあの子が悲しむわよ」
「君に言われる筋合いはない!あれは僕のだよ…」
あの子は何なのだろう。人形のような私よりずっと運命に縛られて過ごしている。私にはもうどうすることもできないけれど、せめて祈ろう。最後の瞬間までこの悪魔の正体に気づかぬよう…。
The End
本編から離れ、多分に結論ありきの内容となることをご了承ください。
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「侯爵令嬢フィアナ=レディーン!妹であるアルマナへの度重なる悪逆な行為許されるものではない!このエディール=フリードリヒが裁いてくれる!!」
「殿下…。ここは殿下を初めとする卒業を祝う場ですわ。そのようないわれなき非難を糾弾する場ではないかと…」
「いわれなき非難だと?私が何も知らぬと思っておるのか!」
「エディール様。私は大丈夫ですから…。どうかこのままで。私一人が耐えればよいのです」ヨヨヨ
私はアルマナ=レディーン。レディーン侯爵家の次女だ。今はお姉さまの断罪イベントの真っ最中。これこそ私が待ち続けた瞬間だわ。10歳のころから前世の記憶が目覚めて早数年。ようやくこれで私の推しとの目くるめく幸せライフの始まりよ。会場ではエディール様の集めた証拠があれよあれよと山積みになっていく。お姉さまとお母様…あいつとばばぁの年貢の納め時ね。
ことあるごとにいじめてきたり、とうとう毒を盛るなんて侯爵家の恥だわ。私が十分な教育を受けられなかったのもあいつらが邪魔をしたからよ。特にあのばばぁは許せない!一度だけ部屋の奥を除いたら命令を聞かないあいつを鞭でぶっていた。娘すら道具扱い何てなんなのよ。
「その様な証拠で罪を認めさせようとは面白いですわね。それに、侯爵家のことに王家がわざわざ首を突っ込むなんてどうかと思いますわ」
「これを見てもそれが言えるかな?」
最後に皇子が出した証拠の物件こそ、隣国との密約だ。領地の一部を割譲する代わりに電撃作戦で皇都を落とし、各地を手中に収めるというものだ。その代わりに侯爵家は皇子を婿に迎え、領地の一部を割り増しして安堵するという覚書だ。ちゃんとカギのかかった金庫に入っていて、簡単には開けられないものだけど、記憶持ちの私の手には何の問題もなかったわ。
「そ、それは!お母様が厳重に保管していたはず…アルマナ!お前は家を売るのですか?」
「お姉さま。私はお母様とお姉さまにいじめられるだけでなく、昨日はとうとう毒まで盛られました。そんな私に家を大事にせよとどうして思えましょうか?」
物語が佳境に入っていく。そんな中、私が選んだ相手は…。
第1皇子エディールを選択しますか? → はい
「そ、そなたら母娘はそこまで腐っていたのか!証拠は十分だ!衛兵今すぐにフィアナをとらえよ。近衛よ!私についてこい。今すぐ侯爵家に行って賊を捕らえる!」
「はっ!」
すぐにお姉さまは衛兵に連れていかれ、皇子は邸に向かうため指示を出す。
「アルマナ少しだけ待っていてくれ。すぐに元凶は捕まえる。グラム!守りは任せる。皇城までお連れしろ!」
「命に代えても!さぁ、アルマナ様…」
私は騎士団長の息子のグラム様に連れられて皇城へと向かう。そこで、皇帝陛下に謁見することとなった。
「此度は家のこととはいえ、災難であったな。わしも、あのようなものを国母としようなどとは目が腐っておったわ」
陛下はわなわなと手が震えておられる。現皇帝陛下は身内に甘いが、それ以外のものには公平かつ容赦がないという噂だ。のちに家族となるお姉さまを大変かわいがっていらっしゃったから、裏切られた気持ちなのだろう。
「陛下、こうなった以上は新たな婚約者を見つけねばなりません」
「それはそうだが何もこの場で…」
「いいえ、同じだけの影響力できっと同じだけの才能を持つものがここにいるではいませんか」
そういって皇妃さまが私を見る。うんうん、シナリオ通りだ。
「ふむ…確かに。此度の件で侯爵家の影響は下がるが、むしろ大きすぎたことを思えば問題はないな。よし、アルマナ=レディーンよ。そなたが次のエディールの婚約者だ!」
「あ、ありがとうございます」
私は涙を流して陛下の声に応える。認められたうれしさからではない、シナリオ通りに進んで思いがかなったからだ。それから3日後、今日はとうとうお姉さまとお母様の処刑の日だ。処刑は公開で行われる。私は家族として最後の瞬間に立ち会うことに決めた。シナリオ通りに進めたかったという事もあるけれど、最後にお姉さまに聞きたいことがあったからだ。
「わ、私は侯爵家の夫人よ。レディーンの夫人と知っているの?」
「お母様、もうレディーンは子爵家ですよ。それにお父様も退かれて今は分家のものが継いでいます」
「お前の、お前の言うことなど信じるものか!」
その後もギャーギャー言っているお母様がうるさいのでさるぐつわがはめられる。私は最後という事でお姉さまに声をかけた。
「あなたは私のことが嫌いでしたか?」
「私には妹はいない。我が家には母と使用人と人形だけよ。私は人形を傷付けないと殺されるの」
ああ、やっぱり。姉はいつも私にいろいろなことをする。最初はすごく冷たい目でひどいことをやる人だと思っていた。だけど、記憶が手に入ってから違和感に気づいた。姉は感情をこめて私を見てなどいないと。そうすることが自分の役割なんだと。
「最後に話せてよかったわ」
「…一つだけお願いがあるの」
「かなえられることなら…」
いまさら何を望むのだろう?
「私の刑を先に執行してほしいの」
何がやりたいのか私にはよくわからなかったけど、陛下に確認して認めてもらった。そして、その時が来ると急にお姉さまは笑い出した。
「あはははは、お母様。これで私が地獄に先に行きますわ。あっちであったら慈悲のかけらもくれてやらないから!」
そのお母様を見る目は憎悪に彩られていた。まるで、お姉さまの生まれてから人形として生きてきた、感情の爆発のようだった。刑はそのまま執行された。お母様の時にはもはや口を開くものはどこにもいなかった。ただ、しめやかに行われたのだった。
「終わったね…」
「はい、殿下」
私はエンディングの通りに今はエディール殿下の婚約者として一緒に学んでいる。邪魔者もいなくなって清々したけど、お姉さまのことを未だに思い出すときがある。彼女はこのお話の一番の被害者かもしれない。あんな風に育つことのないよう私たちは頑張らなきゃ。
「どうしたんだい急に立ち止まって?」
「殿下とこれからのことを考えていたんです」
「ああ、来週の視察のこと?婚約発表して初めてだから緊張してるんだね」
「ちがいますよぉ!2人の子供の話ですよ」
「気が早いね、アルマナは。それにその言葉遣い」
「へーきです。今は二人っきりですし、それに2人なら時間なんてきっとあっという間に過ぎちゃいますよ」
こうして、私たちは結ばれ、皇国は更なる発展をといいたかったのですが、殿下は有能とまでは言えず領土は変わらず、幾度か隣国と小競り合いも起きました。しかし、グラム様やレングラン様をはじめとする皆様のおかげで平和を保ちつつ時間は過ぎていったのです。
お・わ・り
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第2皇子レギオンを選択しますか? → はい
「彼女の優しい気持ちを理解しようともしない、君のことはこれ以上放ってはおけない。アルマナに危害を加えるなら僕も黙ってはいない!」
「レギオン皇子…」
これよこれ!年下甘々皇子がヒロインのためにその弱さを克服して一人前の男になる!熱いわ!でももうちょっと成長途中も見たかったところもあるのよね。昨日は私も毒に驚いて弱気になってたから、まさかあんなに男らしくなるなんて…。
「そんな、レギオン皇子まで…。お優しいあなたまでどうしてアルマナなどをかばうのです?」
「たかが、異母姉妹というだけで危害を加え続けた人間のいう事じゃないと思うよ」
「わ、私は…そう!私はお母様に言われただけです!自分の意思ではありませんわ!」
「ふっ、アルマナに普段から高貴なものの宿命とか言っておいて、自分に降りかかったらそれか。恥を知れ!」
「エ、エディール皇子どうか信じてください!私は…私は…」
「経緯がどうあれあなたは道を踏み外した。そして、僕はアルマナに危害を加えた君には同情しないよ」
がくりとうなだれるフィアナ。これで、長く続いた日々も終わりね…。
「レギオン!ここは任せるぞ、私は今すぐ夫人を捕らえねばならん!」
「はい!エディール王太子殿下!」
レギオン皇子が公式の場で初めて臣下の礼を取った。今回の1件を見事解決したという事で名実ともに彼が次代の皇帝だろう。それを皇子は態度で示し、これ以上の後継者の混乱が起きないようにしたのだ。
あれから、もうずいぶん経った。結局、お母様は即処刑、お姉さまは山奥の修道院にいれられたと発表があった。一度だけでも会いたいと言ったのだけど、あまりに奥地で身分を考えれば対応できないと断られてしまった。
「聞きたいこともあったし、ゲームの通りなら幽閉のはずなのに…。でも、大筋は違わないわけだし仕方がない」
私は深く考えるのをやめて、公爵となったレギオンさまの帰りを待つのだった。
「どう?ここの生活は慣れた?」
「…」
「相変わらずつまらない反応だね。こっちは気を使っているっていうのに」
「なぜ…こんなことを?」
「あの女は始末できたけど、君を処刑することは叶わなかったからね。あの女の血を引いてるから当然だよ」
「早く、殺せば、いいでしょう…」
「そんなことしたら、兄上にもアルマナにも報告が行くだろう。それじゃあ、僕のしてることがばれちゃうじゃないか」
汚い地下牢の中で私はもう長いこと身動きを取れなくされている。食事は流動食を無理に食べさせられる。抵抗も面倒になり今では進んで食べているけど。
「こんな姿を知ったらあの子が悲しむわよ」
「君に言われる筋合いはない!あれは僕のだよ…」
あの子は何なのだろう。人形のような私よりずっと運命に縛られて過ごしている。私にはもうどうすることもできないけれど、せめて祈ろう。最後の瞬間までこの悪魔の正体に気づかぬよう…。
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