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6日目

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今日はいよいよ魔法学の試験だ。付け焼き刃だが、昨日は魔法省の人間にも合格をもらえたことだし、何とかなるだろう。

「アーダン様、本日も学園に参りましょう!」

「そうだな」

着替えを済ませて馬車に乗り込む。だが、ふと考え事をしていた。

「アーダン様、どうかなさいました?」

「いや、こうしてエディンと一緒に学園に行けるのも後、数日かと思うとな」

「なっ!?どうしてアーダン様はそんなことばかり言うのですか!」

「エディンはそう思わないのか?」

「そ、それはそのう…。ですが、今までそのようなことは仰りませんでしたわ」

「まあな。だが、通えるのももう少しだと思うとな…」

実際はこんなにかわいい子と学園に行けるのが楽しいだけなのだが、アーダンとしてそう言っておく。

「はぁ、本当に最近のアーダン様は。まるで別人のようですわ」

「そんなに違うか?」

「こういっては何ですが、学ぶ姿勢などが違いますわね。以前は学ぶときにはまずは自分の考えが先に来ておりました。今はどうしてその考えが出てきたのか考えられているように感じますわ」

「そっか、エディンがいると心強いな。これからもよろしくな!」

「こ、これからも。それはつまり…」

ポケ~としたエディンを見ていると馬車が止まった。

「エディン、学園に着いたぞ」

「あっ!?すみません」

エディンを降ろして教室に向かう。教室には見慣れたメイドと教師がいた。

「ん?シェリナじゃないか。どうしてここに?」

「今日は試験官としてまいりました。殿下は貴重な闇属性と伺いましたので。あまり知られるのはよくないので陛下からのご命令です」

「教師の方はいいのか?」

「アーダン様。あの方は前クレストル伯ですわ。身辺問題は問題ありません」

「そういうことですな、殿下。今日はよろしくお願いします。わしは火魔法の試験官ですじゃ」

「では早速始めましょう。殿下はどの程度闇魔法を扱えますか?」

「最近使うようになったから初級だ。昨日、魔法省から人を出してもらったんだ。一応合格は貰った」

「魔法省?ああ、彼ですね。ならば大丈夫でしょう。では、まずは火の魔法試験から済ませてください。終わり次第、闇魔法の訓練をいたします」

「試験は?」

「彼の方で合格が出ているなら改めての試験は不要です。どちらかというと私からは早期に闇魔法を使いこなせるようにとの指示を受けております」

「しかし、シェリナが闇魔法の使い手とは私も知りませんでした」

「すみません、エディン様。私は護衛も兼ねておりましたので闇魔法が使えるということは隠していたのです」

「いいえ、ずっとアーダン様を守ってくれていたのでしょう?これからもよろしくお願いします」

「はっ!」

「だが、どうして今になってそれを明かしたんだ?」

「ここ数日の殿下の様子を報告したところ、今なら告げても大丈夫だろうとのことです」

「信頼、無かったんだな」

「これからですわ、アーダン様。卒業後は慣らしも込めて式典への出席も増えますから」

「それは遠慮したいな…」

そんな会話をしながらも、試験は無事に合格した。昨日の担当官には感謝だ。
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