六つの魔弾

弓立歩

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魔導研究所

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「お待たせいたしました」

「いや、部屋でゆっくりさせてもらったから大丈夫だ。それで、今日はどこに行けばいいんだ?おっと、王女様だからこの話し方はダメだよな?」

「いいえ、カイ様は私の命の恩人ですから構いません。今日は連絡していたかと思いますが魔導研究所へ向かいます。そこで銃について調べられるかと思います」

「研究所ってことは結構やばいものとかもあるのか?」

「どうでしょう?私も直接行くことはほとんどありませんので。ただ、研究員は部署ごとのテーマ以外にも自分のテーマを持って取り組んでいますから、危険なこともあるのかもしれません」

「シェルフィーナもよく知らないんだな」

「私は王女ですから。こういったことは大臣や所長の管轄ですので。お父様にお聞きすればわかると思うのですが…」

「ああ、そういえばそうだな。それにしてもこいつのことが分かればいいんだけどな」

「そんなに不安ですか?」

「もちろんさ!だって、弾の補充とかどうするって話だしな」

「魔力の限り撃てるのではありませんか?」

「それがな~、元々こいつは魔力とか関係のない造りなんだ。火薬っていうのを使って鉄の弾を発射するんだけど、見たこと無い機構になっててどうなってるのか気になってしょうがなくてな」

「そうですか。それでは今すぐにでも向かいましょう!」

「そうだな。立ち話をしていてもしょうがないし、行くとするか!」

 俺は護衛騎士と思われる2人の騎士に先導され、シェルフィーナと一緒に魔導研究所へと向かった。


「こちらになります」

「案内、ありがとな」

「いえ…」

「おおっ!?王女殿下、ようこそいらっしゃいました。そちらが例の…」

「ええ。私の命の恩人です。失礼のないようにお願いします」

「もちろんですとも!では、君。早速こっちに」

「あ、はい」

「わたくしも参ります」

「殿下も?しかし、よくわからない魔道具の調査は危険です」

「昨日見た限りでは暴走する感じではありませんし、大丈夫です」

「そうなのかね?」

「一応セイフティーはかけてますけど…」

「そのような安全機構があるのか?いや~、威力はあると聞いているが、中々できた人間だな!では、こちらに」

「ええ。行きましょう、カイ様」

「ああ」

 2人の後をついて行くと広い部屋に案内された。すぐ後ろには庭のようなものも見える。

「どうかされましたか?」

「意外だなって。調査って言うからもっと大勢の人間と、狭い部屋を想像してたからさ」

「まぁ!今日は紹介も兼ねておりますし、カイ様の魔道具はご本人にもよくわからないとのことです。できる限り秘密は守った方がいいかと思いまして」

「そ、そうか?気を使ってくれたんだな。ありがとう、シェルフィーナ」

「いいえ、これもカイ様のためですから」

「おほん。庭については試しに使うスペースです。魔道具の効果が想定通りか試せるようになっております。勿論、衝撃が外部に漏れないように幾重にも結界が張られていますのでご安心を」

「助かる」

「では、改めて自己紹介を致しましょう。私はこの魔導研究所の所長をしているバルトール・オイゲンです」

「バルトールの実家は伯爵家で、本人も魔術師としてかなりの使い手ですの」

「まあ、その辺の魔術師には負けぬとは思っております」

「所長を務めるから、お飾りなのかと思ったけど、実務もするんだな」

「カイ様の国ではそうですか?」

「いや、どっちもあると思うけど、俺の見た感じだと偉い人間が実務はしないイメージだな」

「そうですか。我が国では貴族こそ魔術の使い手ですからな。こうして、魔術系統の役職はほぼ貴族が占めております。所員も8割以上が貴族出身者ですな」

「ふ~ん。じゃあ、平民の肩身は狭そうだな」

「それは実力次第です。彼らも生まれは平民ですが、そのハンデを背負いながらここに来ているのですから、優秀であれば責任者になることもあります」

「実力主義ってわけか。立身出世もできるし、いいところなんだな。この国は」

「そう言っていただけてありがとうございます、カイ様。では、今度はカイ様の紹介を」

「そうだったな。俺の名前は中原甲斐。成り行きでシェルフィーナを助けてここにいるが、どうも俺の国はここから遠いし、文化も違いすぎてよくわからないんだ。変なことを言ったら教えてくれ」

「分かりました。これからもよろしくお願いします。では、早速魔道具を見せてもらってもいいですか?」

「ああ、これだ」

 俺は服のホルスターの中に持っていた銃を取り出す。

「それは?」

「この魔道具をしまっておくホルスターってやつだ。こうやって胸にしまうやつもあれば、足の横に付けるものもある」

「ふむ。よく見ればわかりますが、小型のこの魔道具なら見つかりにくいですな」

「そのようなものをお持ちだったのですね」

「ああ、気づいたらな。最初は持っていなかった気がするんだけど、よくわからないんだ」

「では、後でそちらもお調べしましょう。まずは予定通りこちらから」

「ああ、頼む」

 こうして、俺は愛銃を所長に見せた。


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