酒の流れる川で君を待つ

乾為天女

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第37話 最終審議の日と商店街の催し

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 最終審議の日の朝は、ふだんより空気が軽いような、重いような、不思議な感じがした。
 川べり文庫の前の通りには、早くも色とりどりののぼりが立てられている。
 「川沿いまち歩き」「屋台めぐりスタンプ」などと書かれた紙が、風に揺れてはぱたぱたと音を立てた。
 「……いつもより、朝から落ち着きませんね」
 シャッターを開けながら、奏斗がぽつりと言う。
 「そりゃそうですよ。
 商店街はお祭りみたいににぎやかになるし、
 向こうではビルの運命が話し合われるんですから」
 絵斗が、早めに出勤してきたらしく、エコバッグを肩から下げたまま笑う。
 「お祭り、って言い切っちゃうところ、ちょっと見習えないです」
 奏斗は、苦笑しつつも鍵を回した。
     ◇
 開店前の店内にスタッフが集まる。
 テーブルの上には、今日のために作った小さな立て札が並んでいた。
 『本日限定:君に恋する確率 まち歩き特別版』
 「……特別版、って何が違うんですか」
 凱理が、立て札をひっくり返して裏面まで確かめる。
 「お値段は同じです」
 璃音が即答した。
 「その代わり、
 川沿いの思い出も一緒に聞くことにしました」
 「川沿いの思い出?」
 「はい。
 いつもは、
 『君に恋する確率』っていうか、
 その人の恋愛まわりの話を聞くことが多いですけど——」
 璃音は、カウンターの上に白い小皿を並べながら、少しだけ目を細めた。
 「今日は、商店街全体の顔も見てもらいたいので。
 『川沿いで忘れられない夜』とか、
 『この街で一番好きな場所』とか、
 そういう話も一緒に聞けたらいいなって」
 「なるほど」
 花春が、立て札を一つ受け取り、入口近くのテーブルに置いた。
 「この店だけじゃなくて、
 街全体の『君に恋する確率』も、
 ちょっとだけ上がるといいですね」
 「そんな壮大な話にしました?」
 凱理が、両手を挙げてみせる。
 「でも、好きですよ、そういうやつ」
     ◇
 「では、そろそろ行きましょうか」
 店の奥から、オーナーが姿を見せた。
 ネクタイをきゅっと締め直した姿は、いつもより少しだけよそゆきに見える。
 「説明会場までは歩いて十五分くらいですね」
 「はい。
 途中の信号のタイミングも含めて、
 だいたいそれくらいかと」
 奏斗は、手元のメモを見ながら答えた。
 「信号のタイミングまで把握してるの、
 さすがだなあ」
 凱理が、感心したように肩をすくめる。
 「じゃあ、店は任せてください」
 璃音が一歩前に出た。
 「今日の昼営業は、
 『君に恋する確率・まち歩き特別版』推しでいきます。
 説明会が落ち着いたら、
 顔だけでも見せに寄ってくださいね」
 「結果が出るまで時間がかかると思うけれど……」
 オーナーは、店内をぐるりと見回した。
 「どんな話し合いになっても、
 ここが人でいっぱいになっている方が、きっと心強い」
 「その辺りは、
 任せてください」
 花春が、胸に手を当てて笑う。
 「人を呼ぶのは得意分野ですから」
 「呼びすぎて入れなくならない程度にね」
 奏斗が、わずかに苦笑する。
 「行ってきます」
 「いってらっしゃいませ」
 スタッフ全員の声が重なる。
 店の扉が開き、
 外の光が差し込んだ。
 川沿いの通りには、すでに屋台の準備をする人たちの姿が見える。
 その中へ、奏斗とオーナーの背中がゆっくりと紛れていった。
     ◇
 昼十一時。
 いつもより少し早く、川べり文庫の扉が開いた。
 通りに流れる人の数は、普段の平日とは比べものにならない。
 ベビーカーを押す親子連れ、
 おそろいの紙袋を持った大学生、
 商店街の地図を片手に歩く年配の夫婦。
 「お昼は軽めのメニューでいきます。
 パスタとサンドと、スープだけ。
 その代わり、確率メニューはいつでも出せるようにしておきましょう」
 璃音が、厨房とホールに目配せした。
 「了解」
 絵斗は、パスタソースの鍋をかき混ぜながら、
 カウンターに並んだ小皿の数を数える。
 「ホール側は、
 確率メニュー希望の人の名前と簡単な相談内容だけ、
 紙にメモして渡してくれたら助かる」
 「じゃあ、その紙は——」
 「ここに立てます」
 凱理が、昨日話題に出た小さなメモ立てを、
 誇らしげにカウンターの端へ置いた。
 「今日一日で、このメモ立てがどれくらい埋まるか。
 それも、ひとつの『確率』ですね」
 「そういうところだけ、
 妙に詩的になるんですよね、あなた」
 花春が笑いながら、入口近くの席の椅子を整える。
 「さあ、来ますよ」
 扉のベルが、小さく鳴った。
     ◇
 最初に「君に恋する確率」を頼んだのは、
 友達と二人で来た若い女性だった。
 「えっと……こういうの、初めてなんですけど」
 少し緊張した様子でメニューを握りしめている。
 「ありがとうございます。
 よければ、お話を聞かせてください」
 璃音が、いつもの柔らかな声で問いかけると、
 彼女は迷いながらも、ぽつぽつと話し始めた。
 「去年まで付き合ってた人がいて。
 別れたあとも、
 たまにこの川沿いで一緒に飲んでたんですけど……」
 「ふむふむ」
 「最近、向こうに新しい恋人ができたらしくて。
 それはいいんです。
 いいんですけど、
 なぜかその人も連れて、
 この川沿いを歩いてるんですよね」
 「場所、かぶせてきましたね」
 隣の友人が、思わず口をはさむ。
 「で、『もう未練ないから』ってちゃんと言うために、
 今日ここに来て、
 帰りに川べりを歩きながら、
 心の中でさよならするつもりで」
 そこまで聞いて、璃音は小さくうなずいた。
 「じゃあ、今日のテーマは、
 『未練を流す確率』ですね」
 「そんなのもあるんですか」
 「あります」
 即答しながら、
 璃音はメモ用紙にさらさらと文字を書いた。
 『君に恋する確率 ……20%
 でも、未練を流せる確率 80%』
 その下に、細い字で一言。
 『川沿いのいい思い出は、そのまま置いていってかまいません』
 小皿には、
 ほろ苦いチョコレートと、
 すこし酸味のあるベリーソース。
 「甘いだけだと、
 未練が残りそうなので」
 璃音の言葉に、
 彼女は思わず笑った。
 「未練を流す確率、
 80%なら……がんばれそうです」
 「残りの20%は、
 川がきっとなんとかしてくれますよ」
 凱理が、横からさらっと口を挟む。
 「今日、川、仕事多いですね」
 「こういう日は残業です」
 笑い声が、
 昼の店内にふわりと広がった。
     ◇
 次に確率メニューを頼んだのは、
 散歩の途中らしい年配の夫婦だった。
 「この紙に書けばいいのかね」
 男性が、老眼鏡をかけ直しながらペンを走らせる。
 「ええ、簡単で大丈夫です」
 花春が受け取った紙には、
 丸い字でこう書かれていた。
 『妻と笑っていられる確率』
 「……ずるいですね」
 花春が思わずつぶやく。
 「ずるいとは失礼な」
 男性は、肩をすくめて笑った。
 「この川沿いをな、
 四十年くらい、
 いっしょに歩いてきてるんだよ」
 隣でお茶を飲んでいる奥さんが、
 「そんなに?」と首をかしげる。
 「ほら、また自分で数えた年数と違うこと言ってる」
 「細かいことはいいんだよ」
 そんなやり取りに、
 周りの客もつられて微笑んだ。
 カウンターに紙が渡されると、
 絵斗と璃音が顔を見合わせる。
 「どうします?」
 「決まってます」
 璃音は、迷わずノートに書き込んだ。
 『君に恋する確率 ……100%
 ただし、毎日更新制』
 小皿には、
 小さなシュークリームを二つ。
 一つには、「きょうも」、
 もう一つには、「よろしく」と
 チョコペンで小さく書かれている。
 「これは……」
 皿を見た奥さんが、
 ふっと目を細めた。
 「毎日ちょっとずつ、
 お互いに『続けます』って押印するみたいなものだと思ってください」
 璃音がそう説明すると、
 男性は小さくうなった。
 「なるほど。
 じゃあ、明日も明後日も、
 押し忘れないようにしないとな」
 「忘れたら、
 川べり文庫で追加入力してください」
 凱理の一言に、
 夫婦は声をあげて笑った。
     ◇
 午後になると、
 通りのにぎわいはさらに増していった。
 屋台からは焼きそばやたこ焼きの香りが漂い、
 川の方からは、どこかの吹奏楽部らしい演奏が聞こえてくる。
 店内も、いつの間にか満席に近かった。
 常連の顔もあれば、
 通りすがりの観光客らしい人たちもいる。
 「確率メニュー、
 今日だけで何件出てます?」
 カウンターに一瞬余裕ができたとき、
 絵斗がメモ立ての紙束を指さした。
 「今のところ……」
 奏斗の代わりに、
 璃音が数える。
 「十七件です」
 「おお」
 凱理が、思わず小さく拍手する。
 「ここ、宝くじ売り場でしたっけ」
 「宝くじとは違います」
 花春が笑いつつも、
 入口の方を見やった。
 「でも、『ここで確率を出してもらったから受かった』とか、
 『振られたけど立ち直れた』とか、
 あとから報告に来てくれる人、
 だいぶ増えましたよね」
 「全部、偶然と努力の結果です」
 璃音は、きっぱりと言った。
 「でも、
 その偶然と努力を信じるきっかけくらいには
 なってるといいですね」
 そう言いつつ、
 新しく渡された紙に目を落とす。
 『仕事をやめるか迷っている確率』
 そこに書かれた字は、
 どこか見覚えがある。
 「……あれ?」
 カウンター越しに顔を上げると、
 スーツ姿の男性がバツの悪そうな顔で座っていた。
 「お久しぶりです」
 「どうも」
 以前、「転職するかどうか」で確率メニューを頼んだ客だった。
 「前に『三割くらいは、ここじゃない場所で働いてみたい』って言ってた人ですよね」
 「覚えられてた」
 男性は、苦笑いした。
 「前のあれから、
 結局転職して。
 今日、久しぶりに前の職場の人たちと街歩きに来たら、
 この店の前を通りかかって」
 「それで、
 『仕事をやめるか迷っている確率』、ですか」
 「今の会社、悪くはないんです。
 でも、
 こないだ上司に、
 『お前、このままここでキャリア積んでいくんだよな?』って言われたとき、
 なんか、
 急に足元がふわってして」
 言葉を探すように、
 男性はグラスの水を一口飲んだ。
 「また、
 どこかで働き方を変えることになるのかなって。
 それが楽しみなのか不安なのか、
 自分でもよく分からなくなったので、
 ついここに逃げてきました」
 璃音は、しばらく黙って話を聞いていた。
 そして、
 メモ用紙に短く書き込む。
 『仕事をやめる確率 ……40%
 今の場所で、自分の働き方を変える確率 ……60%』
 その下に、もう一行。
 『どちらを選んでも、
 ここでの話は無駄になりません』
 小皿に乗せたのは、
 少し塩気の強いチーズケーキ。
 「今日は、甘いだけじゃ足りなさそうだったので」
 男性は、フォークを持つ手を止めて、
 紙の文字を何度か目で追った。
 「……ここ、
 やっぱり宝くじ売り場じゃなくて、
 保健室だと思います」
 「保健室?」
 「そう。
 学校の。
 授業サボって行くところじゃなくて、
 ちゃんと息継ぎしに行くところの」
 その言い方に、
 璃音は思わず笑った。
 「それなら、
 今日のまち歩きのパンフレットにも書いておいてほしかったですね」
 「『川沿いの保健室』」
 凱理が、すかさず口を挟む。
 「いいな、それ。
 控えめに、扉の横に貼っておきたい」
     ◇
 夕方が近づくと、
 一度落ち着いた客足が、また少しずつ増え始めた。
 仕事終わりのスーツ姿、
 制服のままの学生、
 商店街の人たちも顔を出す。
 「審議、どうなってるんでしょうね」
 グラスを洗いながら、阿紗美がぽつりと言う。
 「向こうの会場、
 もうとっくに始まってますよね」
 「はい」
 奏斗の代わりに、
 璃音が時計を見上げた。
 「予定では、
 そろそろ質疑応答に入っている頃かと」
 「数字、いっぱい飛び交ってるんだろうなあ」
 凱理が、想像するように天井を見た。
 「どの数字を見ても、
 ここで誰かが笑ってた顔までは、
 きっと分からないんですよね」
 「だから、
 こっちはこっちで見せるしかないんですよ」
 花春が、ホールを見渡す。
 「『この店があると、
 こういう時間が生まれるんです』っていうのを」
 ちょうどそのとき、
 カウンターに新しい紙が滑り込んできた。
 『この店が続いてほしい確率』
 書いた本人は、
 常連の葵だった。
 「すみません。
 こういうの、ダメですか」
 「いいえ」
 璃音は、笑って首を振った。
 「今日の中でいちばん、
 ストレートなテーマかもしれません」
 ノートのページを開く。
 迷うことなく、
 ペンを走らせた。
 『この店が続いてほしい確率 ……100%(願望)
 この店がどこかで形を変えて続いていく確率 ……測定不能(でも、信じている)』
 言葉を書きながら、
 自分で少しだけ胸が熱くなる。
 小皿には、
 おまけのクッキーを一枚多めに乗せた。
 「これは?」
 「願掛けです」
 璃音の答えに、
 葵は目を細めた。
 「じゃあ、
 私も一つ願掛けしていいですか」
 「どんな?」
 「今日ここで『君に恋する確率』を頼んだ人たちが、
 いつか全部、『笑い話だったなあ』って
 思い返せますように」
 葵の言葉に、
 スタッフ全員が黙ってうなずいた。
     ◇
 夜営業が終盤に差しかかる頃。
 客席のざわめきが少し落ち着き、
 外の通りも、屋台の片づけをする人たちの声だけになっていた。
 「……気づきました?」
 カウンターの端で、
 凱理がメモ立てを持ち上げた。
 「これ、今日一日で——」
 「三十枚ですね」
 奏斗の代わりに、
 璃音が答える。
 「うち、何屋でしたっけ」
 「飲食店です」
 即答したあとで、
 璃音はふっと笑った。
 「でもまあ、
 確率を聞きに来て、
 ついでにご飯を食べてくれるなら、
 それはそれで理想的かもしれません」
 「順番、逆じゃないですか」
 「いいんです。
 お腹と胸のどっちが先でも」
 そんな会話をしていると、
 花春がホールから戻ってきた。
 「最後のお客さん、お見送りしました。
 みんな、
 『また来ます』って言ってましたよ」
 「『また来ます』って言える場所が、
 ちゃんと残ってますように、ですね」
 阿紗美が、窓の外の川をちらりと見る。
 酒の流れる川は、
 昼間のにぎやかさをすっかり飲み込んで、
 静かに灯りを揺らしていた。
 「……そろそろ、
 説明会も終わる頃でしょうか」
 璃音が、時計を見上げる。
 胸の奥が、
 じわりと落ち着かない。
 ビルがどうなるか、
 店がどうなるか。
 今日一日、
 確率の話ばかりしてきたのに、
 いちばん気になる確率だけは、
 誰にも分からないままだ。
 「結果がどっちに転んでも」
 花春が、静かに口を開いた。
 「今日ここで出した確率たちは、
 なくならないですよね」
 「はい」
 璃音は、カウンターの上の小皿を眺めた。
 「それぞれの人の中で、
 ゆっくり効いていくはずです」
 そう言いながらも、
 自分の胸の中にある「未計測」という文字を思い出す。
 奏斗のノートに書かれた、
 小さな一言。
 ——君に恋する確率:未計測。
 今日一日、
 何度も「百パーセントですね」とか、
 「三割くらいでしょうか」とか言ってきた舌で、
 その言葉だけは、
 どうしても口に出せないままだった。
     ◇
 「そろそろ片づけ始めましょうか」
 絵斗が、鍋を火からおろしながら言う。
 「結果は、
 きっとそのうち届きます」
 「数字が出るまでの時間も、
 この店の一日の一部ですからね」
 花春が、グラスを拭きながら笑った。
 「いつも通り、
 手を動かして待ちましょう」
 「はい」
 璃音も、返事をして皿を重ね始める。
 そのときだった。
 ——カラン。
 閉店間際の静かな店内に、
 扉のベルの音が響いた。
 全員の手が、同時に止まる。
 カウンターから入口を見ると、
 夜風と一緒に、見慣れたシルエットが立っていた。
 ネクタイを少しゆるめ、
 書類の入ったバッグを肩から下げたままの、奏斗。
 「……戻りました」
 いつもと変わらない声。
 けれど、その一言の奥に、
 今日一日の重さがにじんでいるのが分かった。
 結果を聞くのは、
 もう少しだけ先。
 確率が数字になる瞬間を前に、
 店内の空気が静かに息を潜めた。
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