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第6話 声にならない好き、ひとつめ
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九つの場所を回りきった日の夕方、解散したあとの駅前広場には、少しだけ疲れた空気と、歩ききったあとの妙な高揚感が混ざっていた。
「じゃあ、私は役場に寄って、今日のメモをまとめてくるね」
瑠奈が手帳を掲げ、駅とは逆方向の坂を上っていく。龍護は酒蔵の配達車に乗り込み、亜矢菜は「今日のこと、ラジオのネタにできそう」と言いながら、スマホを片手に商店街の方へ消えていった。樹佳は一度だけ駅舎の時計を見上げてから、「電車の時間、調べておく」と淡々と言い、役場行きのバス停へ歩いていく。
それぞれが、自分の帰り道へ戻っていく。広場に残ったのは、颯馬ひとりだった。
「……帰るか」
そう呟きながらも、足は自然と駅舎ではなく、商店街の方へ向かっていた。今日一日、九つの場所を歩いてきたのに、まだ少しだけ歩き足りない気がした。
杉ノ町商店街のアーケードは、昼間よりも人が少ない。開いている店の前には、そろそろ店じまいの準備が始まっていた。パン屋のショーケースはほとんど空で、八百屋の台には、売れ残った白菜がいくつか転がっている。
その先に、シャッターが半分ほど下りた店があった。かつて、颯馬が小学生の頃に通い詰めた玩具店「たきざわ玩具店」だ。
金色だったはずの看板は、今はすっかり色あせて、かろうじて店名だけが読める。シャッターは一番下まで下ろされておらず、足元に大人の拳ひとつ分くらいの隙間が空いている。そこから、弱々しい蛍光灯の光が漏れていた。
「……まだ、やってるのか?」
半ば独り言のように呟き、颯馬はシャッターの前で足を止めた。耳を澄ますと、かすかに、プラスチック同士が触れ合うような音が聞こえる。
しゃがんで隙間から覗くのは、さすがに不審者じみている。そう思っていると、シャッターの向こうからガタンと音がして、内側から鍵の外れる気配がした。
「あ、ごめんなさい。今、片付け中で……」
ガラガラとシャッターが少し持ち上がり、そこから顔を出したのは、十代半ばくらいの少女だった。かつての店主・滝澤さんに雰囲気の似た、切れ長の目をした子だ。
彼女は颯馬の顔を見るなり、一瞬だけ目を丸くして、それから慌ててシャッターをもう少し上げた。
「もしかして、さつま兄ちゃん……ですか?」
「……兄ちゃん?」
久しぶりに呼ばれた懐かしい呼び名に、思わず笑いがこぼれる。
「もしかして、ミオちゃん?」
少女はこくりと頷いた。滝澤さんの孫娘、三緒。昔、店の片隅で積み木を積み上げていた小さな子が、いつの間にか颯馬の肩ほどの背丈になっている。
「ごめんなさい。もう閉めるところで……中、ちょっと散らかってます」
「散らかってる玩具屋なんて、正常運転だろ」
冗談めかして言いながら、颯馬は靴の雪を軽く払って店内に足を踏み入れた。
店の中は、記憶よりも少しだけ狭く感じた。天井近くまで積まれていたおもちゃの箱は減り、空になった棚がところどころに見える。その代わり、古いガチャガチャのカプセルを再利用した小物入れや、手描きのポップが貼られた小さなかごが並んでいた。
「じいちゃん、去年の冬に倒れてから、完全な店番はできなくなっちゃって」
三緒は、カウンターの奥にある椅子をちらりと見た。そこには、折りたたまれたひざ掛けと、読みかけの雑誌が置かれている。
「今は、昼間だけ開けて、あとは片付けたり、譲ってもらった古いおもちゃを磨いたりしてます」
「譲ってもらった?」
「うん。この町から、引っ越す人たちから。『捨てるのは忍びないから、ここに置かせて』って」
三緒はそう言いながら、足元に置かれた段ボール箱のふたを開けた。中には、少し黄ばんだボードゲームや、箱の角がすり減ったパズル、色褪せたヒーロー人形がぎゅうぎゅうに詰まっている。
「売り物になるほどきれいじゃないけど、ここで並べたら、誰か一人くらいは『懐かしい』って言ってくれるかなって」
彼女は、箱から取り出した人形のほこりを、柔らかい布でそっと拭う。その手つきは、商品というより、家族写真でも扱うかのように慎重だった。
「俺も、ここで何回か『懐かしい』って言ってたわ」
颯馬は、カウンターの横にあるガラスケースを覗き込む。そこには、昔と同じように、小さなキーホルダーがいくつも並んでいた。動物や星、キャラクターもの。今どきの人気キャラはほとんどなく、どこか時代から取り残されたラインナップだ。
その中に、一つだけ見覚えのあるデザインがあった。
「あれ?」
雪だるまと小さな駅舎が並んだシルエット。その上に、「ゆきもり」とひらがなで刻まれている。町のキャラクターがまだ正式に決まっていなかった頃、商工会が半ば勢いで作ったという、幻のキーホルダーだ。
「これ、まだ残ってたのか」
「さつま兄ちゃん、それ好きでしたよね」
三緒が、ケースの鍵を開けて、そのキーホルダーを取り出した。透明なアクリルの端が、ところどころ細かく欠けている。
「最後のひとつです。……どうぞ」
差し出されたキーホルダーを前に、颯馬は思わず身を引いた。
「いや、さすがにタダで受け取るわけには」
「いいです。売るより、知ってる人に持っててほしいから」
三緒は、ことばを選ぶようにゆっくりとそう言った。視線はキーホルダーに向けたまま、顔はほんの少しだけ俯いている。
「じいちゃん、この絵、けっこう気に入ってて。『ちゃんとしたキャラクターにならなかったけど、これも雪杜らしい顔だ』って、ずっとレジの横にぶら下げてたから」
聞いているうちに、胸のどこかがきゅっと締めつけられるような感覚がした。颯馬は、受け取ったキーホルダーを指先でそっとなぞる。雪だるまの輪郭の中に、幼い頃の冬の匂いが詰まっている気がした。
「……ありがとう」
そう言うまでに、思った以上に時間がかかってしまった。言ったあとで、自分の声が少し震えていたことに気づく。
三緒は「いえ」と、かすかに笑った。それ以上、余計なことは何も言わない。ただ、キーホルダーの紐の部分をもう一度だけきゅっと引き締めてから、颯馬の手のひらにそっと乗せた。
言葉にはならない、けれど確かにここにある好意。店を守ろうとする気持ちと、この町にまだ何かを残しておきたいという願い。その全部を、手のひらの中の小さなアクリルがまとめて引き受けているように思えた。
「じいちゃん、きっと喜びます」
「今も、ここに?」
「今日はデイサービスです。でも、帰ってきたら絶対、『さつまが来た』って話します」
三緒は、カウンターの上に置かれた古いレジに視線を落とした。そこには、滝澤さんの名前が薄く掠れた名札が立てかけてある。
「さつま兄ちゃん、また来ますか?」
不意に向けられた問いかけに、颯馬は少しだけ驚いた。三緒は、真正面からこちらを見ず、レジの端あたりを見つめたまま質問している。
「……九つの場所の散歩道に、この店も入れたい。だから、その下見ってことで、何回か来ると思う」
冗談半分、仕事半分のつもりで答えると、三緒はほんの一瞬だけ目を見開いた。それから、いつもの控えめな声で「はい」とだけ返す。
「そのとき、売り物になるか分からないけど、また何か並べておきます」
「売り物かどうかは、歩く人が決めるからな」
颯馬はそう言って、キーホルダーをポケットにしまった。布越しにも、プラスチックの冷たさと、金属の輪っかの重みが分かる。
店を出てシャッターが閉まる音を背中で聞きながら、颯馬は商店街をゆっくり歩いた。アーケードの蛍光灯が一つ、また一つと消えていき、空の色が群青から墨のような黒へと変わっていく。
ポケットの中で、さっき受け取ったキーホルダーを指先でもう一度つまんでみる。雪だるまの輪郭の中に、うまく言葉にできないものがたくさん詰まっている気がした。
「……声にならない好き、か」
昼間、白波岬で話した「ご当地らしさ」のことを思い出す。景色でも、食べ物でも、人でもなく、そのどれにもちゃんと触れている感情。
誰かの口からはっきりと聞こえるわけじゃないのに、確かに伝わってくる「ここが好き」という気持ち。
それを、どうやって散歩の中に乗せればいいのか。答えはまだ分からない。それでも、ポケットの中の小さな重みが、「ここにある」と静かに主張している。
駅へ向かう足取りは、来るときよりも少しだけ軽くなっていた。九つの場所の図にはまだ描かれていない、小さな丸がひとつ、心の中に浮かんでいる。
「じゃあ、私は役場に寄って、今日のメモをまとめてくるね」
瑠奈が手帳を掲げ、駅とは逆方向の坂を上っていく。龍護は酒蔵の配達車に乗り込み、亜矢菜は「今日のこと、ラジオのネタにできそう」と言いながら、スマホを片手に商店街の方へ消えていった。樹佳は一度だけ駅舎の時計を見上げてから、「電車の時間、調べておく」と淡々と言い、役場行きのバス停へ歩いていく。
それぞれが、自分の帰り道へ戻っていく。広場に残ったのは、颯馬ひとりだった。
「……帰るか」
そう呟きながらも、足は自然と駅舎ではなく、商店街の方へ向かっていた。今日一日、九つの場所を歩いてきたのに、まだ少しだけ歩き足りない気がした。
杉ノ町商店街のアーケードは、昼間よりも人が少ない。開いている店の前には、そろそろ店じまいの準備が始まっていた。パン屋のショーケースはほとんど空で、八百屋の台には、売れ残った白菜がいくつか転がっている。
その先に、シャッターが半分ほど下りた店があった。かつて、颯馬が小学生の頃に通い詰めた玩具店「たきざわ玩具店」だ。
金色だったはずの看板は、今はすっかり色あせて、かろうじて店名だけが読める。シャッターは一番下まで下ろされておらず、足元に大人の拳ひとつ分くらいの隙間が空いている。そこから、弱々しい蛍光灯の光が漏れていた。
「……まだ、やってるのか?」
半ば独り言のように呟き、颯馬はシャッターの前で足を止めた。耳を澄ますと、かすかに、プラスチック同士が触れ合うような音が聞こえる。
しゃがんで隙間から覗くのは、さすがに不審者じみている。そう思っていると、シャッターの向こうからガタンと音がして、内側から鍵の外れる気配がした。
「あ、ごめんなさい。今、片付け中で……」
ガラガラとシャッターが少し持ち上がり、そこから顔を出したのは、十代半ばくらいの少女だった。かつての店主・滝澤さんに雰囲気の似た、切れ長の目をした子だ。
彼女は颯馬の顔を見るなり、一瞬だけ目を丸くして、それから慌ててシャッターをもう少し上げた。
「もしかして、さつま兄ちゃん……ですか?」
「……兄ちゃん?」
久しぶりに呼ばれた懐かしい呼び名に、思わず笑いがこぼれる。
「もしかして、ミオちゃん?」
少女はこくりと頷いた。滝澤さんの孫娘、三緒。昔、店の片隅で積み木を積み上げていた小さな子が、いつの間にか颯馬の肩ほどの背丈になっている。
「ごめんなさい。もう閉めるところで……中、ちょっと散らかってます」
「散らかってる玩具屋なんて、正常運転だろ」
冗談めかして言いながら、颯馬は靴の雪を軽く払って店内に足を踏み入れた。
店の中は、記憶よりも少しだけ狭く感じた。天井近くまで積まれていたおもちゃの箱は減り、空になった棚がところどころに見える。その代わり、古いガチャガチャのカプセルを再利用した小物入れや、手描きのポップが貼られた小さなかごが並んでいた。
「じいちゃん、去年の冬に倒れてから、完全な店番はできなくなっちゃって」
三緒は、カウンターの奥にある椅子をちらりと見た。そこには、折りたたまれたひざ掛けと、読みかけの雑誌が置かれている。
「今は、昼間だけ開けて、あとは片付けたり、譲ってもらった古いおもちゃを磨いたりしてます」
「譲ってもらった?」
「うん。この町から、引っ越す人たちから。『捨てるのは忍びないから、ここに置かせて』って」
三緒はそう言いながら、足元に置かれた段ボール箱のふたを開けた。中には、少し黄ばんだボードゲームや、箱の角がすり減ったパズル、色褪せたヒーロー人形がぎゅうぎゅうに詰まっている。
「売り物になるほどきれいじゃないけど、ここで並べたら、誰か一人くらいは『懐かしい』って言ってくれるかなって」
彼女は、箱から取り出した人形のほこりを、柔らかい布でそっと拭う。その手つきは、商品というより、家族写真でも扱うかのように慎重だった。
「俺も、ここで何回か『懐かしい』って言ってたわ」
颯馬は、カウンターの横にあるガラスケースを覗き込む。そこには、昔と同じように、小さなキーホルダーがいくつも並んでいた。動物や星、キャラクターもの。今どきの人気キャラはほとんどなく、どこか時代から取り残されたラインナップだ。
その中に、一つだけ見覚えのあるデザインがあった。
「あれ?」
雪だるまと小さな駅舎が並んだシルエット。その上に、「ゆきもり」とひらがなで刻まれている。町のキャラクターがまだ正式に決まっていなかった頃、商工会が半ば勢いで作ったという、幻のキーホルダーだ。
「これ、まだ残ってたのか」
「さつま兄ちゃん、それ好きでしたよね」
三緒が、ケースの鍵を開けて、そのキーホルダーを取り出した。透明なアクリルの端が、ところどころ細かく欠けている。
「最後のひとつです。……どうぞ」
差し出されたキーホルダーを前に、颯馬は思わず身を引いた。
「いや、さすがにタダで受け取るわけには」
「いいです。売るより、知ってる人に持っててほしいから」
三緒は、ことばを選ぶようにゆっくりとそう言った。視線はキーホルダーに向けたまま、顔はほんの少しだけ俯いている。
「じいちゃん、この絵、けっこう気に入ってて。『ちゃんとしたキャラクターにならなかったけど、これも雪杜らしい顔だ』って、ずっとレジの横にぶら下げてたから」
聞いているうちに、胸のどこかがきゅっと締めつけられるような感覚がした。颯馬は、受け取ったキーホルダーを指先でそっとなぞる。雪だるまの輪郭の中に、幼い頃の冬の匂いが詰まっている気がした。
「……ありがとう」
そう言うまでに、思った以上に時間がかかってしまった。言ったあとで、自分の声が少し震えていたことに気づく。
三緒は「いえ」と、かすかに笑った。それ以上、余計なことは何も言わない。ただ、キーホルダーの紐の部分をもう一度だけきゅっと引き締めてから、颯馬の手のひらにそっと乗せた。
言葉にはならない、けれど確かにここにある好意。店を守ろうとする気持ちと、この町にまだ何かを残しておきたいという願い。その全部を、手のひらの中の小さなアクリルがまとめて引き受けているように思えた。
「じいちゃん、きっと喜びます」
「今も、ここに?」
「今日はデイサービスです。でも、帰ってきたら絶対、『さつまが来た』って話します」
三緒は、カウンターの上に置かれた古いレジに視線を落とした。そこには、滝澤さんの名前が薄く掠れた名札が立てかけてある。
「さつま兄ちゃん、また来ますか?」
不意に向けられた問いかけに、颯馬は少しだけ驚いた。三緒は、真正面からこちらを見ず、レジの端あたりを見つめたまま質問している。
「……九つの場所の散歩道に、この店も入れたい。だから、その下見ってことで、何回か来ると思う」
冗談半分、仕事半分のつもりで答えると、三緒はほんの一瞬だけ目を見開いた。それから、いつもの控えめな声で「はい」とだけ返す。
「そのとき、売り物になるか分からないけど、また何か並べておきます」
「売り物かどうかは、歩く人が決めるからな」
颯馬はそう言って、キーホルダーをポケットにしまった。布越しにも、プラスチックの冷たさと、金属の輪っかの重みが分かる。
店を出てシャッターが閉まる音を背中で聞きながら、颯馬は商店街をゆっくり歩いた。アーケードの蛍光灯が一つ、また一つと消えていき、空の色が群青から墨のような黒へと変わっていく。
ポケットの中で、さっき受け取ったキーホルダーを指先でもう一度つまんでみる。雪だるまの輪郭の中に、うまく言葉にできないものがたくさん詰まっている気がした。
「……声にならない好き、か」
昼間、白波岬で話した「ご当地らしさ」のことを思い出す。景色でも、食べ物でも、人でもなく、そのどれにもちゃんと触れている感情。
誰かの口からはっきりと聞こえるわけじゃないのに、確かに伝わってくる「ここが好き」という気持ち。
それを、どうやって散歩の中に乗せればいいのか。答えはまだ分からない。それでも、ポケットの中の小さな重みが、「ここにある」と静かに主張している。
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