雪杜ナインプレイス 〜キミと雪見酒と、声にならない好き〜

乾為天女

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第18話 観光バスが来ない日

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 朝、駅前広場のアスファルトには、白いビニールテープで区切られた長方形がいくつも並んでいた。

 「ここまでが団体バスの乗降スペースで……こっちが待機列」

 瑠奈が、印のついた紙を片手に立ち位置を確認する。駅舎のガラスに映る自分の顔をちらりと見て、前髪を指で整えた。胸元には、「9place ご案内担当」と書かれた名札が揺れている。

 「立て看板、こっちでいいか?」

 颯馬が、木製の看板を肩に担いでやってきた。看板には大きく「ようこそ、雪杜ナインプレイスへ」と書かれている。下のほうには、今日回る予定の九つの場所の名前が、小さな丸印付きで並んでいた。

 「はい。バスのドアが開いたとき、最初に目に入るのがいいので」

 瑠奈は、少しだけ足を後ろに引き、看板の角度を確かめる。見上げた空は、雲一つない青だった。

 「天気だけは、最高なんだけどな」

 颯馬が、空を見上げてつぶやく。

 その頃、酒蔵の奥では、龍護が大きなステンレスのボウルを前に腕を組んでいた。

 「……これ、どう見ても作りすぎだよな」

 ボウルの中には、ひと口サイズに切られた大根の漬物が山になっていた。カウンターには、ちいさなグラスがきっちり三十個。その横には、「試飲はお一人一杯まで」の札。

 「団体三十名って聞いたら、三十五人分は仕込むだろ、普通は」

 そう言いながらも、龍護は漬物の山をじっと見つめた。いつもなら「まあ、余ったら俺が食う」と笑い飛ばすところだが、今朝は笑い声が少しだけ重たかった。

 「兄ちゃん、その表情、漬物よりしょっぱい」

 カウンターの向こうで琉央が、箱からグラスを取り出しながらぼそりと言う。薄い段ボールのふちでできた小さな切り傷に、絆創膏が貼られていた。

 「黙ってグラス磨け」

 そう返しつつも、龍護はため息をつき、漬物の山のてっぺんから一切れつまんで口に放り込んだ。しっかりとした塩気に、ほんのりとした甘み。今日の仕込みは、正直かなりの出来だ。

 「……これ、出せないのはもったいないな」

 小さな独り言が、冷蔵庫の低い音に紛れて消えた。

 予定では、午前十時ちょうどに、大手旅行会社の観光バスが駅前に横付けされるはずだった。ところが、九時半を過ぎても、広場に見えるのは普通乗用車と、町内会の軽トラックだけ。

 「本当に今日だよな?」

 颯馬は、スマホの画面でメールを見直した。確かに、日付も時間も「本日」となっている。駅舎の時計の針は、ゆっくりと十時に近づいていった。

 そのとき、颯馬のスマホが震えた。旅行会社の担当者からの電話だった。

 「はい、雪杜観光企画の風見です」

 聞こえてきた声は、申し訳なさそうに何度も「すみません」を繰り返した。高速道路で事故が起こり、ルートの変更を余儀なくされたこと。安全面を考えて、今回は雪杜行きを見送らざるを得ないこと。

 「そうですか……わかりました」

 電話を切った颯馬は、しばらく駅舎の壁に背を預けたまま、動かなかった。瑠奈が、不安そうに近づいてくる。

 「キャンセル……ですか?」

 「うん。バスごと、来なくなった」

 言葉に出してみると、現実味が増した。看板の「団体歓迎」の文字が、急に浮いて見える。

 「龍護さん、どうしましょう」

 「まずは伝えないとだな」

 颯馬は、駅前から酒蔵へ向かう坂道を早足で下った。途中で八百屋の前を通りかかると、店主が段ボール箱に「本日大売り出し」と手書きで貼っているところだった。

 「風見くん、バス来たか?」

 「来ないんです」

 短い報告に、店主の手が一瞬止まる。だが、すぐにマジックペンを持ち直した。

 「じゃあ、うちの野菜は町の人にたくさん食べてもらうさ。団体さんは、また今度だ」

 その言葉に、颯馬は少しだけ肩の力が抜けた。

 酒蔵に飛び込むと、龍護が真っ先に顔を上げた。

 「来たか?」

 「……来なくなりました」

 言葉が落ちると同時に、店内の空気が一瞬止まった。琉央の手から、グラスを拭いていた布がすべり落ちる。

 「高速で事故があったみたいで。ルート変更で、別の温泉地に行くそうです」

 詳しい理由を伝えると、龍護は大きく息を吐いた。

 「事故なら、仕方ないな」

 そう言いながら、すぐにカウンターの内側に回る。

 「……で、問題はこっちだ」

 ステンレスのボウルを指さす。大根の山が、無言でこちらを見返してきた。

 「今日一日分の仕込み、どうするんだ」

 龍護の言葉には、嘆きと笑いが半分ずつ混ざっていた。

 そのころ、駅のホームには一本の普通列車が滑り込んでいた。ドアが開き、数人の乗客が降りてくる。小さなスーツケースを引く女性、リュックを背負った大学生くらいの青年、カメラを首から下げた初老の男性、そして、小学生くらいの男の子を連れた父親。

 「団体さんは、来ないんだって」

 瑠奈が、駅前のベンチに腰かけながらぽつりと言う。その視線の先では、降りてきた四人が、駅舎の前で立ち止まり、どちらに行けばいいのかと周囲を見回していた。

 颯馬は、腕に抱えていたチラシの束を見下ろした。「雪杜ナインプレイス 街歩きツアー」と書かれた紙が、まだずしりと重い。

 「団体が来ないなら、今いる人に声をかければいい」

 自分で口にした言葉に、胸の中で何かがカチリと音を立てた。颯馬はベンチから立ち上がり、駅前に立つ四人に向かって歩き出した。

 「もしよければ、一緒に町を歩いてみませんか」

 そう声をかけると、四人は驚いたように振り向いた。

 「今日、本当は観光バスで来る団体さんをご案内する予定だったんです。でも事情があって来られなくなってしまって」

 颯馬は、チラシを一枚ずつ手渡しながら続ける。

 「せっかく雪杜まで来てくださったので、よかったら、その代わりに九つの場所を巡る街歩きに参加してもらえませんか。少人数ですけど、そのぶん自由度は高いです」

 大学生くらいの青年が、チラシをじっと見つめた。

 「九つって……結構歩きます?」

 「選べます。全部回るとけっこうな距離になりますけど、今日は四つか五つに絞って、ゆっくり回るコースも作れます」

 初老の男性が、ふっと目を細めた。

 「いいねえ。予定してたバスが来ないなら、それはそれで面白いほうを選んだほうがいい」

 父親らしき男性が息子の顔を見ると、男の子は「足湯いきたい」と小さな声で言った。そのひと言で、空気が少し柔らかくなる。

 「じゃあ、足湯はコースに入れましょう」

 颯馬が笑うと、瑠奈も立ち上がった。

 「よろしければ、お荷物はこちらでお預かりします。駅前の案内所でお預かりして、最後はここに戻ってくるルートです」

 少しの躊躇いの後で、四人は顔を見合わせ、頷きあった。

 「それじゃあ、お願いします」

 即席の少人数ツアーが始まった。

 最初に向かったのは、駅から少し離れたりんご園だった。団体用に確保していたテーブル席は、そのままにしておく。代わりに、園主の提案で、木陰のベンチに腰かけて話をすることになった。

 「本当は、今日ここで一斉にりんごジュースを配る予定だったんですよ」

 瑠奈がそう話すと、園主は肩をすくめた。

 「まあ、ジュースは逃げないからな。少ない人数のほうが、ゆっくり味わってもらえていいさ」

 紙コップに注がれたりんごジュースは、陽射しに透けて淡い金色に見えた。初老の男性が一口飲み、目を丸くする。

 「……これは、ちょっとびっくりだ」

 青年も、続けて口をつけた。

 「甘いのに、後味がすっきりしてますね」

 黙ってジュースを飲んでいた瑠奈は、ふと視線をあげる。いつもなら「はい、次の場所に移動します」と声をかける時間だ。だが今日は、誰も急いでいない。

 「もしよろしければ、どうして雪杜に来ようと思ったのか、教えてもらってもいいですか?」

 瑠奈の問いかけに、初老の男性が照れくさそうに笑った。

 「若い頃にね、ここに仕事で来たことがあって。そのとき飲んだ酒の味が忘れられなくて、いつかまた来ようと思ってたんだよ」

 青年は、りんごの木の枝を見上げたまま、ぽつりと言った。

 「社会人になる前に、どこか知らない町を歩いてみたくて。地図で適当に指さしたら、ここだったんです」

 父親は、足元でりんごの影を追いかけている息子の頭をなでながら言う。

 「子どもの夏休みの自由研究です。『温泉街の仕事を調べよう』ってテーマを自分で決めてきて」

 「えらい」

 瑠奈の声には、本気の感心が込められていた。

 団体ツアーでは流してしまうような話が、ひとつひとつ丁寧に積み重なっていく。颯馬は、それを聞きながら、頭の中でさっとルートの組み直しを始めた。

 「このあと、足湯に行って、そのあと酒蔵と商店街……いや、逆のほうがいいか」

 小さな声でつぶやくと、背後から琉央の声がした。

 「酒蔵、先にしてやってくれ。兄ちゃん、漬物の山とにらめっこしてた」

 「了解」

 颯馬は即座に頷いた。

 酒蔵に着くと、龍護がカウンターの中から顔を出した。団体用に用意していたグラスが、きちんと整列している。その光景を見た初老の男性が、思わず息をのんだ。

 「これは……壮観だな」

 「本当は、ここに三十人が並ぶ予定だったんですけどね」

 龍護がそう言って笑うと、どこか肩の力が抜けたように見えた。

 「でも、そのかわりに、今日はほぼ貸し切りです。ゆっくり飲んで、ゆっくり話していってください」

 試飲用のグラスに透明な酒が注がれる。大根の漬物も、丁寧に小皿に盛り付けられた。

 「これ、本当に全部今日のために?」

 青年が目を丸くすると、龍護は少しだけ照れたように鼻の頭をかいた。

 「まあ、作りすぎたってことだ」

 ただ、それ以上の説明はしなかった。代わりに、漬物の皿を客の方へそっと押し出す。

 「残ったら、俺が責任持って食う」

 「じゃあ、遠慮なく」

 初老の男性が箸を伸ばす。ひと口噛むと、目を閉じて味わった。

 「これをつまみに飲めるなら、バスが来なかったことも悪くないな」

 その言葉に、龍護の口元がかすかに上がった。

 商店街では、亜矢菜が店先の黒板を書き換えていた。

 「『団体様ご来店予定』消して……『本日は貸し切り気分でどうぞ』っと」

 チョークを走らせる手つきは楽しそうだ。少人数の客を迎えた店主たちは、いつもよりも一言多く、言葉を添えていた。煎餅屋の奥さんは焼きたてを差し出しながら、「どこから来たの」と身を乗り出す。理髪店の親父は、「ここ座ってみな」と空いた椅子に青年を座らせ、窓からの景色を見せた。

 「ほら、ここから山車が通るとき、こう見えるんだ」

 昨日の夏祭りの話に、自然と花が咲く。青年は、鏡越しに見える商店街の風景をじっと眺めた。

 川沿いの足湯についたときには、太陽は少し傾き始めていた。湯気の向こうに、山の稜線が柔らかく見える。

 「わあ……ここ、写真で見たやつだ」

 男の子が、足をちゃぽんと湯に入れた。父親も靴下を脱ぎ、隣に腰を下ろす。

 「昨日までは、ここまで来るころには団体さん全員が少しお疲れで」

 瑠奈が苦笑しながら言うと、颯馬も頷いた。

 「みんな一斉に『ふう』って声を出すんですよ。それはそれで面白いんですけど」

 今日の足湯には、「ふう」というため息の代わりに、ぽつぽつとした会話が浮かんでいた。

 「こんなふうに、ゆっくり話を聞いてもらえるとは思ってませんでした」

 父親がそう言うと、瑠奈は首を横に振る。

 「私たちのほうこそです。どうしてここを選んでくれたのか、いつも気になっていたので」

 夕方、ツアーは再び駅前に戻ってきた。空は茜色から群青色へと変わりつつある。

 「本日は、九つの場所のうち、四つだけのご案内になってしまいましたが……」

 颯馬が頭を下げると、初老の男性が手を振った。

 「いやあ、全部回るより、ずっと贅沢だったよ。ひとつひとつが、ちゃんと残るからね」

 青年も頷いた。

 「なんか、修学旅行の延長みたいで楽しかったです」

 男の子は、案内所でもらったパンフレットの端に、小さな字でメモを書き込んでいた。「酒蔵の仕事」「足湯のルール」「りんご園のしごと」――自由研究のノートが、少しずつ埋まっていく。

 「また、来てくださいね」

 瑠奈がそう言うと、初老の男性は少しだけうつむき、照れくさそうに笑った。

 「ここに移住したい、って言ったら笑われるかな」

 冗談めかした口調だったが、その目はほんの少しだけ真剣だった。

 「笑いませんよ」

 颯馬が即座に答えた。

 「もし本当にそう思ってくれたなら、そのときは案内所に寄ってください。空き家情報から、雪道の歩き方までセットでご案内します」

 「雪道の歩き方まで?」

 「そこ、大事なんで」

 にやりと笑う颯馬につられて、みんなの笑い声が駅前に広がった。

 列車が入ってくるアナウンスが流れ、四人は改札へ向かって歩き出した。

 「今日は、バスが来ない日でよかったのかもしれませんね」

 瑠奈がぽつりと言うと、隣で颯馬が首をかしげた。

 「どうして?」

 「団体さんが来ていたら、あの人たちとあんなにゆっくり話せなかったと思うので」

 颯馬は、さっきまで四人が座っていたベンチに目をやった。背もたれに残る、わずかな体温の名残。それは、数字には表れない何かだった。

 「バスが来る日も、来ない日も、どっちもちゃんと使い切れればいいんだろうな」

 自分に言い聞かせるように呟くと、ポケットの中で古いキーホルダーが小さく鳴った。

 その夜、酒蔵では、龍護が漬物のボウルを見下ろしていた。

 「どうするんだ、それ」

 琉央が問うと、龍護は短く答えた。

 「決まってる」

 小皿をいくつも並べ、ひと口サイズに分けた漬物を乗せていく。

 「宿の夕食に回してもらう。それと――」

 カウンターの端に、小さな札を書いた。「今日、バスが来なかった日のおすそ分け」。

 「団体さんが来ない日も、ちゃんと味が残ったって証拠にする」

 その言葉に、琉央は小さく鼻で笑った。

 「兄ちゃん、かっこつけ」

 「うるさい。ほら、手伝え」

 言い合いながらも、二人の手は止まらない。小さな皿が並ぶたび、今日一日の出来事が、目に見える形になっていくようだった。

 窓の外には、駅から帰ってきた四人の影が、宿の玄関へ吸い込まれていくのが見えた。その後ろ姿は、どこか軽やかだった。

 観光バスが来ない日。数字だけ見れば「失敗」の一日かもしれない。でも、九つの場所を結ぶ町のどこかには、今日の話や笑い声が、確かに残っている。

 颯馬は、そのことを思いながら、明日の予定表の余白に小さく書き込んだ。

 「バスが来ない日の使い方:要検討」

 それは、きっとこの町にとっての新しい宿題だった。

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