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第38話 声にならない好き、もう一度
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その週末、雪杜では今年最後の「九つの場所めぐり」が行われた。
「本日のルートは、冬の定番コースです」
駅前広場で、颯馬がマイクを片手に説明する。足元には前日の雪がまだ残っていて、歩くたびにきゅっきゅっと音がする。
「雪見社、足湯、酒蔵、川沿い。最後に、川沿いの焚き火のところで少しだけ時間を取ります」
「焚き火?」
参加者の一人が首をかしげる。
「はい。そこで、みなさんにお願いがありまして」
そう言って、颯馬は胸ポケットから小さな封筒を取り出した。中には、名刺サイズの厚紙がぎっしり入っている。
「この町を歩くあいだに、『あ、好きかも』って思った瞬間を、一つだけ紙に書いてください」
「好き、ですか」
「景色でも、人の言葉でも、ごはんでも、何でもかまいません。言葉が出てこなかったら、『ここ』って書いてもいいです」
最後の一言に、列の後ろのほうで琉央がわずかに肩を揺らした。
「……それ、誰かに見せるんですか」
参加者の中から、遠慮がちに声が上がる。
「読み上げられたくない方は、焚き火のときにそのまま火にくべてください」
颯馬は、少しだけ笑って答えた。
「でも、もし差し支えなければ、最後にいくつか読ませていただきたいと思っています」
「ふふ、今日は『声にならない好き』を、もう一度確かめる日って感じですね」
隣で瑠奈がつぶやく。
「はい。できれば、少しだけ声にもしてもらいたいなと思ってます」
*
雪見社の石段は、前夜につけられた足跡の上に新しい雪がうっすらと積もり、柔らかい模様を描いていた。
「ここまで登ってきただけで、もう達成感すごいですね」
息を切らしながら笑う男性に、宮司が「ここからが本番ですよ」と冗談めかして答える。
「よろしければ、お参りの前に一言、紙に書いてみてください」
境内の端には、小さな机が置かれていた。上には「今日の一言メモ」と書かれた紙とペン。
「『雪の階段を、もう一段だけ登る勇気をください』か……」
誰かが書き終えた紙をそっと箱に入れる。
「ここ、受験生の願書みたいですね」
瑠奈が笑うと、宮司も微笑んだ。
「願書も、こういう紙も、出す前はだいたい手が震えるものですよ」
その言葉に、箱の中の紙が急に宝物のように思えてきた。
*
足湯では、湯気の向こうで参加者たちが思い思いに紙に何かを書いていた。
「ここで書いたら、紙がふやけちゃいますね」
湯に足を浸しながら、笑いながら紙を持ち上げる女性がいる。
「ふやけたら、それはそれで『足湯仕様』ってことで」
瑠奈が、タオルを配りながら答えた。
「何書いたんですか」
隣に座った男性が、友達の紙をのぞき込もうとする。
「内緒です」
そう言って、紙を胸の前に隠す。
「ちなみに私は、『湯気の向こうの雪見社』って書きました」
瑠奈が自分の紙をひらひらと見せると、周りの人たちから「それラジオで聞いたやつだ」「ずるい」といった声が上がった。
「いいじゃないですか。自分で考えた言葉でも、誰かの言葉でも、『これ好き』って選んだ時点で、それはもう自分のものです」
そう言って笑う彼女の頬が、湯気以上にほんのりと赤く見えた。
*
酒蔵では、龍護がいつものようにタンクの説明をしたあと、少しだけ照れくさそうに言葉を付け足した。
「で、今日に限って言うとだな」
彼は、九つの場所のロゴが入ったラベルを指さす。
「このラベルの『9』の字を見て、『あ、好きだな』って思った瞬間があったら、それを書いといてくれ」
「ラベルですか?」
「そう。数字でも、字でも、なんでもいい。『あ、ちゃんと考えて作ったんだな』って気づいてもらえたら、俺の『好き』も報われるってもんだ」
その言葉に、参加者の中の何人かが、そっとラベルを見つめ直した。紙にペンを走らせる音が、蔵の中のひんやりした空気に小さく響く。
蔵の外に出たところで、颯馬はふと琉央の様子に目を留めた。
「書いてます?」
「……うるさい」
琉央は、ポケットに紙を押し込んだまま、そっぽを向いた。
「それ、後で読む必要ないからね」
「わかってますよ」
そう言いながらも、ポケットの中の紙を握る手に、ほんの少しだけ力がこもっているのが見えた。
*
夕方、川沿いには小さな焚き火が準備されていた。
「うわ、本物の焚き火だ」
参加者の一人が目を丸くする。
「はい。ちゃんと消防にも届け出てあります」
颯馬が笑って答えた。
「ここで、さっき書いていただいた紙を、一枚ずつ火にくべます。読み上げても構わない方は、この箱に。読まれたくない方は、直接火の中へどうぞ」
みんなが少し迷いながら紙を選び、箱と焚き火のあいだを行き来する。
「じゃあ、いくつか、読ませていただきますね」
瑠奈が、小さな声で断りを入れてから、箱の中に手を入れた。
「『足湯で知らない人と話しても、変じゃない場所だと思えたとき』」
焚き火の炎が、紙の文字を照らす。
「『雪見社の階段で、一段ごとに誰かの息が聞こえたとき』」
「『酒蔵の中の冷たい空気でも、話しているうちにあったかく感じたとき』」
紙に書かれた言葉一つひとつに、「ああ、あるある」と小さな笑い声や相槌が重なっていく。
「『九つの場所の地図を見て、知らない町なのに、知っている街みたいに思えたとき』」
その一文に、「それ自分も書きたかった」と誰かがつぶやいた。
*
「じゃあ、最後にもう一枚だけ」
箱の中には、紙が一枚だけ残っていた。
「これは……文字が、一文字しかないですね」
瑠奈は、少し目を細めて読む。
「『ここ』」
その瞬間、焚き火の周りにいた全員の視線が、誰ともなく琉央のほうに向かった。
「なんでだよ」
琉央が、あからさまに顔を背ける。
「べつに俺じゃないだろ」
「いや、ほぼ確信してますけど」
龍護が笑いながら肘でつつく。
「『ここ』って書くの、お前くらいしか想像つかねえもん」
「べつにいいだろ、『ここ』でも」
琉央は、ポケットに手を突っ込んだまま、ぼそりと言った。
「どこが一番好きかなんて、うまく言えないし。九つの場所のどこが、とかじゃなくて」
言葉を探しながら、焚き火の火をじっと見つめる。
「今ここにいることが、けっこう好きだって、それだけだから」
その不器用な一言に、焚き火の周りにいた人たちが、一斉に笑顔になった。
「……そういうの、ちゃんと『声になった好き』ですよ」
瑠奈が、紙を火の中にそっと落とす。紙は、小さな炎に包まれて、すぐに灰になった。
*
焚き火の炎が少し落ち着いたころ、颯馬はふと隣の瑠奈を見た。
「瑠奈さんは、何を書きました?」
「え」
不意に振られて、瑠奈は目を瞬いた。
「内緒って言いたいところですけど……」
彼女は、自分の紙を指先でつまんで見せた。
そこには、小さな字でこう書かれていた。
『ここ』
「え、それ、俺のパクリじゃないだろうな」
琉央がすかさず突っ込む。
「違いますよ。こっちは、ちゃんと説明が付いてます」
瑠奈は、紙の下のほうに書かれた小さな追記を指さした。
『ここで、誰かが「ここが好き」って言える場所であってほしい』
焚き火の火が、その文字を照らした。
「さつまさんは?」
瑠奈が、逆に問い返す。
颯馬は、ポケットから自分の紙を取り出した。そこには、たった三文字が書かれている。
『ここ』
「……説明、あります?」
「あります」
紙を持つ手に、ほんの少しだけ力を込める。
『ここで、「ここが好き」と言った人たちのことを、忘れないでいたい』
声に出した瞬間、焚き火の周りがふっと静かになった。
そして次の瞬間、「なんだよそれ」「ずるい」といった声とともに、笑いがはじける。
「じゃあ、三枚まとめて火にくべましょうか」
瑠奈が言うと、颯馬と琉央も頷いた。
「せーの」
三枚の「ここ」が、同時に焚き火の中に落ちる。炎が一瞬だけ高くなり、冬の星空の下に小さな火の粉が舞い上がった。
「『声にならない好き』って言ってたのに、最後は思いっきり声になりましたね」
亜矢菜が、レコーダーを持ったまま笑う。
「いいんじゃねえの。全部言っちまったら、また来年、新しい『声にならない好き』が生まれるだろ」
龍護の言葉に、誰もが静かに頷いた。
焚き火の炎は、九つの場所で生まれたたくさんの「好き」を、ゆっくりと暖め続けていた。
「本日のルートは、冬の定番コースです」
駅前広場で、颯馬がマイクを片手に説明する。足元には前日の雪がまだ残っていて、歩くたびにきゅっきゅっと音がする。
「雪見社、足湯、酒蔵、川沿い。最後に、川沿いの焚き火のところで少しだけ時間を取ります」
「焚き火?」
参加者の一人が首をかしげる。
「はい。そこで、みなさんにお願いがありまして」
そう言って、颯馬は胸ポケットから小さな封筒を取り出した。中には、名刺サイズの厚紙がぎっしり入っている。
「この町を歩くあいだに、『あ、好きかも』って思った瞬間を、一つだけ紙に書いてください」
「好き、ですか」
「景色でも、人の言葉でも、ごはんでも、何でもかまいません。言葉が出てこなかったら、『ここ』って書いてもいいです」
最後の一言に、列の後ろのほうで琉央がわずかに肩を揺らした。
「……それ、誰かに見せるんですか」
参加者の中から、遠慮がちに声が上がる。
「読み上げられたくない方は、焚き火のときにそのまま火にくべてください」
颯馬は、少しだけ笑って答えた。
「でも、もし差し支えなければ、最後にいくつか読ませていただきたいと思っています」
「ふふ、今日は『声にならない好き』を、もう一度確かめる日って感じですね」
隣で瑠奈がつぶやく。
「はい。できれば、少しだけ声にもしてもらいたいなと思ってます」
*
雪見社の石段は、前夜につけられた足跡の上に新しい雪がうっすらと積もり、柔らかい模様を描いていた。
「ここまで登ってきただけで、もう達成感すごいですね」
息を切らしながら笑う男性に、宮司が「ここからが本番ですよ」と冗談めかして答える。
「よろしければ、お参りの前に一言、紙に書いてみてください」
境内の端には、小さな机が置かれていた。上には「今日の一言メモ」と書かれた紙とペン。
「『雪の階段を、もう一段だけ登る勇気をください』か……」
誰かが書き終えた紙をそっと箱に入れる。
「ここ、受験生の願書みたいですね」
瑠奈が笑うと、宮司も微笑んだ。
「願書も、こういう紙も、出す前はだいたい手が震えるものですよ」
その言葉に、箱の中の紙が急に宝物のように思えてきた。
*
足湯では、湯気の向こうで参加者たちが思い思いに紙に何かを書いていた。
「ここで書いたら、紙がふやけちゃいますね」
湯に足を浸しながら、笑いながら紙を持ち上げる女性がいる。
「ふやけたら、それはそれで『足湯仕様』ってことで」
瑠奈が、タオルを配りながら答えた。
「何書いたんですか」
隣に座った男性が、友達の紙をのぞき込もうとする。
「内緒です」
そう言って、紙を胸の前に隠す。
「ちなみに私は、『湯気の向こうの雪見社』って書きました」
瑠奈が自分の紙をひらひらと見せると、周りの人たちから「それラジオで聞いたやつだ」「ずるい」といった声が上がった。
「いいじゃないですか。自分で考えた言葉でも、誰かの言葉でも、『これ好き』って選んだ時点で、それはもう自分のものです」
そう言って笑う彼女の頬が、湯気以上にほんのりと赤く見えた。
*
酒蔵では、龍護がいつものようにタンクの説明をしたあと、少しだけ照れくさそうに言葉を付け足した。
「で、今日に限って言うとだな」
彼は、九つの場所のロゴが入ったラベルを指さす。
「このラベルの『9』の字を見て、『あ、好きだな』って思った瞬間があったら、それを書いといてくれ」
「ラベルですか?」
「そう。数字でも、字でも、なんでもいい。『あ、ちゃんと考えて作ったんだな』って気づいてもらえたら、俺の『好き』も報われるってもんだ」
その言葉に、参加者の中の何人かが、そっとラベルを見つめ直した。紙にペンを走らせる音が、蔵の中のひんやりした空気に小さく響く。
蔵の外に出たところで、颯馬はふと琉央の様子に目を留めた。
「書いてます?」
「……うるさい」
琉央は、ポケットに紙を押し込んだまま、そっぽを向いた。
「それ、後で読む必要ないからね」
「わかってますよ」
そう言いながらも、ポケットの中の紙を握る手に、ほんの少しだけ力がこもっているのが見えた。
*
夕方、川沿いには小さな焚き火が準備されていた。
「うわ、本物の焚き火だ」
参加者の一人が目を丸くする。
「はい。ちゃんと消防にも届け出てあります」
颯馬が笑って答えた。
「ここで、さっき書いていただいた紙を、一枚ずつ火にくべます。読み上げても構わない方は、この箱に。読まれたくない方は、直接火の中へどうぞ」
みんなが少し迷いながら紙を選び、箱と焚き火のあいだを行き来する。
「じゃあ、いくつか、読ませていただきますね」
瑠奈が、小さな声で断りを入れてから、箱の中に手を入れた。
「『足湯で知らない人と話しても、変じゃない場所だと思えたとき』」
焚き火の炎が、紙の文字を照らす。
「『雪見社の階段で、一段ごとに誰かの息が聞こえたとき』」
「『酒蔵の中の冷たい空気でも、話しているうちにあったかく感じたとき』」
紙に書かれた言葉一つひとつに、「ああ、あるある」と小さな笑い声や相槌が重なっていく。
「『九つの場所の地図を見て、知らない町なのに、知っている街みたいに思えたとき』」
その一文に、「それ自分も書きたかった」と誰かがつぶやいた。
*
「じゃあ、最後にもう一枚だけ」
箱の中には、紙が一枚だけ残っていた。
「これは……文字が、一文字しかないですね」
瑠奈は、少し目を細めて読む。
「『ここ』」
その瞬間、焚き火の周りにいた全員の視線が、誰ともなく琉央のほうに向かった。
「なんでだよ」
琉央が、あからさまに顔を背ける。
「べつに俺じゃないだろ」
「いや、ほぼ確信してますけど」
龍護が笑いながら肘でつつく。
「『ここ』って書くの、お前くらいしか想像つかねえもん」
「べつにいいだろ、『ここ』でも」
琉央は、ポケットに手を突っ込んだまま、ぼそりと言った。
「どこが一番好きかなんて、うまく言えないし。九つの場所のどこが、とかじゃなくて」
言葉を探しながら、焚き火の火をじっと見つめる。
「今ここにいることが、けっこう好きだって、それだけだから」
その不器用な一言に、焚き火の周りにいた人たちが、一斉に笑顔になった。
「……そういうの、ちゃんと『声になった好き』ですよ」
瑠奈が、紙を火の中にそっと落とす。紙は、小さな炎に包まれて、すぐに灰になった。
*
焚き火の炎が少し落ち着いたころ、颯馬はふと隣の瑠奈を見た。
「瑠奈さんは、何を書きました?」
「え」
不意に振られて、瑠奈は目を瞬いた。
「内緒って言いたいところですけど……」
彼女は、自分の紙を指先でつまんで見せた。
そこには、小さな字でこう書かれていた。
『ここ』
「え、それ、俺のパクリじゃないだろうな」
琉央がすかさず突っ込む。
「違いますよ。こっちは、ちゃんと説明が付いてます」
瑠奈は、紙の下のほうに書かれた小さな追記を指さした。
『ここで、誰かが「ここが好き」って言える場所であってほしい』
焚き火の火が、その文字を照らした。
「さつまさんは?」
瑠奈が、逆に問い返す。
颯馬は、ポケットから自分の紙を取り出した。そこには、たった三文字が書かれている。
『ここ』
「……説明、あります?」
「あります」
紙を持つ手に、ほんの少しだけ力を込める。
『ここで、「ここが好き」と言った人たちのことを、忘れないでいたい』
声に出した瞬間、焚き火の周りがふっと静かになった。
そして次の瞬間、「なんだよそれ」「ずるい」といった声とともに、笑いがはじける。
「じゃあ、三枚まとめて火にくべましょうか」
瑠奈が言うと、颯馬と琉央も頷いた。
「せーの」
三枚の「ここ」が、同時に焚き火の中に落ちる。炎が一瞬だけ高くなり、冬の星空の下に小さな火の粉が舞い上がった。
「『声にならない好き』って言ってたのに、最後は思いっきり声になりましたね」
亜矢菜が、レコーダーを持ったまま笑う。
「いいんじゃねえの。全部言っちまったら、また来年、新しい『声にならない好き』が生まれるだろ」
龍護の言葉に、誰もが静かに頷いた。
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