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第十三章「山形市 〜風を忘れた踊り場とアラハバキの再生〜」
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山形駅前の風景は、穏やかだった。霞城公園から伸びる街路樹が柔らかく風に揺れ、蔵王連峰の残雪が午後の陽射しにきらめいていた。だが、その平穏さの下に、確かな異変が忍び寄っていることを、瑛士は感じ取っていた。
「なんが……寒気すんな」
呟きながら彼は上着の襟を立てた。5月とは思えぬ肌寒さが、街のあちこちに潜んでいた。蔵王山から流れてくるはずの暖かい風が、ここ数日ピタリと止まり、山形市全体が乾いた“冷え”に包まれているように感じられていた。
そんな折、鈴音からの連絡が入った。
《霞城公園の梅林、全部花が落ちたの。満開からわずか二日で……見に来て。何か、ただごとじゃない》
言葉の端に、震えが混じっていた。鈴音のことをよく知る瑛士にとって、それがどれほどの異常かは一瞬でわかった。彼女は感情を強く外に出さない。それが声に滲むときは、すでに深く心を抉られているときだ。
霞城公園に向かう途中、商店街では玉こんにゃくの湯気が妙に上がらず、花笠饅頭の包装紙が、風にすら乗れず路上に落ちていた。
「……こりゃ、“舞”が止まったな」
ぼそりと呟いたその声に、背後から「やっぱり来たか」と応える声が重なった。
「駿汰か」
「山形の“花笠の風”が止まったんだ。“山の神”が機嫌損ねたって噂もある。けど俺には、もっと根が深い話だと思える。……誰かが、“風の音”を盗んだ」
「風の音?」
「そう。山形花笠まつりの囃子、“花笠音頭”の節の中に、“風の音”をなぞらえた箇所がある。だけど、この一週間、誰が叩いてもその音だけが鳴らない」
鈴音が合流した。霞城公園の梅林は、確かに異様な姿をしていた。まるで、花を咲かせることそのものが“許されていない”かのように、枝は枯れ、地面には一枚も花びらが残っていなかった。
「……“サンザシの神域”で、なにか起きてるかもしれない」
「それって、蔵王温泉の上の……」
「うん。昔、“花笠の精霊”を呼ぶ時、必ずそこを通ったって。資料館の古い伝承に、そう書いてあった」
「じゃあ、そこに向かうしかねぇべ」
「行こう。神を怒らせたのが誰かじゃなくて――どうやって“謝るか”が大事なんだよな」
瑛士はそう言い、駿汰、鈴音とともに、静まり返った梅林を後にした。風はやまない。だが、どこかで“舞う準備”をしている気配だけが、確かにあった。
蔵王温泉へ向かうバスの中は静まり返っていた。窓の外に広がる山肌には、ところどころ雪が残り、春と冬の境目が揺れていた。道の途中、かつての樹氷原を横目に見ながら、瑛士は何度も手帳を見返していた。
「“サンザシの神域”って、どのあたりだっけ」
「蔵王ロープウェイの終点から、さらに奥。“見えない踊り場”って呼ばれてる場所さ。地図にゃ載ってねえけど、昔の“花笠修祓式”じゃ必ずそこを経由してた」
駿汰の言葉に、鈴音が補足を加える。
「そこの風をもらわなきゃ、花笠は回らないって。……回すだけじゃだめなんだ。“舞わせる”ってのは、風が手を貸してくれるってことなのよ」
バスが終点に着くと、三人は蔵王温泉街を通り抜け、硫黄の香り漂う坂を登り始めた。雪解け水が道端を流れている。だが、その水音があまりにも淡く、どこか遠ざかるような響きだった。
「風の気配がしねえな……このへんまで来れば、山風に顔を叩かれるくらいが普通なのに」
瑛士が眉をひそめると、駿汰はゆっくりと頷いた。
「風の神、アラハバキ・カムイは、山の気配といっしょに生きてる。花笠の囃子を聞かせれば、出てくるって昔の“封じ札”に書いてあった」
「封じ札……あれ、資料館にあったやつ?」
「そう。それと“花笠四拍子”を合わせると、“風の渦”を呼べるって。封を解くための踊りと節なんだ」
「でもあの四拍子、今の花笠音頭とは違う。封じられた節があって、地元の祭り連でもほとんど伝わってない」
「……なら、思い出さなきゃだめだな」
三人はロープウェイで終点まで登ったあと、さらに奥へと足を踏み入れた。地図にない道。苔むした石の階段。空には雲が垂れ込め、鳥の声も聞こえない。
やがて、“見えない踊り場”にたどり着いた。
そこは不思議な空間だった。霧が舞い、風がどこにも吹いていないのに、髪の先がふわりと揺れる。足元には踏まれたような草の跡。誰かが、ここで舞っていた痕跡が残っていた。
「ここで……踊るのか」
瑛士が一歩前へ出た。
「俺が踊る。風を呼ぶのは、俺の役目だ」
「おめ、踊れんのか?」
駿汰が目を丸くした。
「昔、地区の祭連で教わったんだ。封じ拍子じゃねえけど、手の流れと足の形なら覚えてる。そっから、感じるしかねえ」
瑛士は上着を脱ぎ、息を吐き、両足を広げた。雪解け水のしみた草を踏むと、土のにおいが胸に届く。
「花笠 風よ 舞い戻れ……」
彼の唄はかすれていた。だが、その声に合わせて手が滑らかに空を切り、足が刻んだ拍子が地面に響いた。
「そっちじゃねえ、右!」
「早え! 花が回らねえ!」
「うるせぇ、風がいまこっちに来てんだ!」
彼は半ば喧嘩腰で踊り続けた。だが――その姿が、たしかに風を引き寄せていた。
空が鳴った。
一筋の風が、山肌を駆けて“見えない踊り場”に届いた。草がなびき、木々がざわめき、霧が巻き上がる。
そして、そこに現れた。
アラハバキ・カムイ。
それは、人の形をしていた。だが身体は風でできており、髪は雪解け水のように揺れ、目には山の稜線を映していた。
「……風が、戻ってきたんだな」
鈴音がそっと呟いた。
アラハバキ・カムイは言葉を発しなかったが、その手のひらに、小さな結晶が現れた。それは透明で、花笠のような模様を帯びていた。
瑛士は結晶を受け取った。
「……山形市の輝、か」
「まさに、花のような風だったね」
結晶は瑛士の掌の中で、ほんの少しだけ回転していた。それはまるで、笠がゆるやかに舞っているかのようだった。
下山した彼らの背中に、風が吹いた。霞城公園の梅林には、翌朝、新しい花が一輪だけ咲いていた。
(終)
【アイテム:山形市の輝】入手
「なんが……寒気すんな」
呟きながら彼は上着の襟を立てた。5月とは思えぬ肌寒さが、街のあちこちに潜んでいた。蔵王山から流れてくるはずの暖かい風が、ここ数日ピタリと止まり、山形市全体が乾いた“冷え”に包まれているように感じられていた。
そんな折、鈴音からの連絡が入った。
《霞城公園の梅林、全部花が落ちたの。満開からわずか二日で……見に来て。何か、ただごとじゃない》
言葉の端に、震えが混じっていた。鈴音のことをよく知る瑛士にとって、それがどれほどの異常かは一瞬でわかった。彼女は感情を強く外に出さない。それが声に滲むときは、すでに深く心を抉られているときだ。
霞城公園に向かう途中、商店街では玉こんにゃくの湯気が妙に上がらず、花笠饅頭の包装紙が、風にすら乗れず路上に落ちていた。
「……こりゃ、“舞”が止まったな」
ぼそりと呟いたその声に、背後から「やっぱり来たか」と応える声が重なった。
「駿汰か」
「山形の“花笠の風”が止まったんだ。“山の神”が機嫌損ねたって噂もある。けど俺には、もっと根が深い話だと思える。……誰かが、“風の音”を盗んだ」
「風の音?」
「そう。山形花笠まつりの囃子、“花笠音頭”の節の中に、“風の音”をなぞらえた箇所がある。だけど、この一週間、誰が叩いてもその音だけが鳴らない」
鈴音が合流した。霞城公園の梅林は、確かに異様な姿をしていた。まるで、花を咲かせることそのものが“許されていない”かのように、枝は枯れ、地面には一枚も花びらが残っていなかった。
「……“サンザシの神域”で、なにか起きてるかもしれない」
「それって、蔵王温泉の上の……」
「うん。昔、“花笠の精霊”を呼ぶ時、必ずそこを通ったって。資料館の古い伝承に、そう書いてあった」
「じゃあ、そこに向かうしかねぇべ」
「行こう。神を怒らせたのが誰かじゃなくて――どうやって“謝るか”が大事なんだよな」
瑛士はそう言い、駿汰、鈴音とともに、静まり返った梅林を後にした。風はやまない。だが、どこかで“舞う準備”をしている気配だけが、確かにあった。
蔵王温泉へ向かうバスの中は静まり返っていた。窓の外に広がる山肌には、ところどころ雪が残り、春と冬の境目が揺れていた。道の途中、かつての樹氷原を横目に見ながら、瑛士は何度も手帳を見返していた。
「“サンザシの神域”って、どのあたりだっけ」
「蔵王ロープウェイの終点から、さらに奥。“見えない踊り場”って呼ばれてる場所さ。地図にゃ載ってねえけど、昔の“花笠修祓式”じゃ必ずそこを経由してた」
駿汰の言葉に、鈴音が補足を加える。
「そこの風をもらわなきゃ、花笠は回らないって。……回すだけじゃだめなんだ。“舞わせる”ってのは、風が手を貸してくれるってことなのよ」
バスが終点に着くと、三人は蔵王温泉街を通り抜け、硫黄の香り漂う坂を登り始めた。雪解け水が道端を流れている。だが、その水音があまりにも淡く、どこか遠ざかるような響きだった。
「風の気配がしねえな……このへんまで来れば、山風に顔を叩かれるくらいが普通なのに」
瑛士が眉をひそめると、駿汰はゆっくりと頷いた。
「風の神、アラハバキ・カムイは、山の気配といっしょに生きてる。花笠の囃子を聞かせれば、出てくるって昔の“封じ札”に書いてあった」
「封じ札……あれ、資料館にあったやつ?」
「そう。それと“花笠四拍子”を合わせると、“風の渦”を呼べるって。封を解くための踊りと節なんだ」
「でもあの四拍子、今の花笠音頭とは違う。封じられた節があって、地元の祭り連でもほとんど伝わってない」
「……なら、思い出さなきゃだめだな」
三人はロープウェイで終点まで登ったあと、さらに奥へと足を踏み入れた。地図にない道。苔むした石の階段。空には雲が垂れ込め、鳥の声も聞こえない。
やがて、“見えない踊り場”にたどり着いた。
そこは不思議な空間だった。霧が舞い、風がどこにも吹いていないのに、髪の先がふわりと揺れる。足元には踏まれたような草の跡。誰かが、ここで舞っていた痕跡が残っていた。
「ここで……踊るのか」
瑛士が一歩前へ出た。
「俺が踊る。風を呼ぶのは、俺の役目だ」
「おめ、踊れんのか?」
駿汰が目を丸くした。
「昔、地区の祭連で教わったんだ。封じ拍子じゃねえけど、手の流れと足の形なら覚えてる。そっから、感じるしかねえ」
瑛士は上着を脱ぎ、息を吐き、両足を広げた。雪解け水のしみた草を踏むと、土のにおいが胸に届く。
「花笠 風よ 舞い戻れ……」
彼の唄はかすれていた。だが、その声に合わせて手が滑らかに空を切り、足が刻んだ拍子が地面に響いた。
「そっちじゃねえ、右!」
「早え! 花が回らねえ!」
「うるせぇ、風がいまこっちに来てんだ!」
彼は半ば喧嘩腰で踊り続けた。だが――その姿が、たしかに風を引き寄せていた。
空が鳴った。
一筋の風が、山肌を駆けて“見えない踊り場”に届いた。草がなびき、木々がざわめき、霧が巻き上がる。
そして、そこに現れた。
アラハバキ・カムイ。
それは、人の形をしていた。だが身体は風でできており、髪は雪解け水のように揺れ、目には山の稜線を映していた。
「……風が、戻ってきたんだな」
鈴音がそっと呟いた。
アラハバキ・カムイは言葉を発しなかったが、その手のひらに、小さな結晶が現れた。それは透明で、花笠のような模様を帯びていた。
瑛士は結晶を受け取った。
「……山形市の輝、か」
「まさに、花のような風だったね」
結晶は瑛士の掌の中で、ほんの少しだけ回転していた。それはまるで、笠がゆるやかに舞っているかのようだった。
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(終)
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