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第四十一章「草加市」
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草加松原の松並木は、いつもなら涼やかな風が吹き抜け、葉擦れの音が旅人の耳をくすぐる場所だ。けれど今、その風が止まっていた。松の葉は色褪せ、かすかに黄ばんでいるようにも見える。旧日光街道を辿る旅人の足音は重く、どこか寂しげだった。
その松並木の中央に、ぽつりと佇む祠がある。そこには本来、「松の心」と呼ばれる御神体が祀られていた。しかし今、その場所は空っぽだった。しめ縄だけが、虚しく風のない空気に揺れていた。
詠太は、黙ってその祠を見つめていた。無言で、ただ目を細めて、何かを見透かすような視線を送り続けていた。その横には、志歩が立っていた。慎重に、彼の心を壊さぬように寄り添いながらも、視線は祠の奥へと注がれている。
「松の心が盗まれたのは、数日前だったわね。風が止んでから、町の中に音が響かなくなったって」
志歩の言葉に、詠太はゆっくりと頷いた。「松の葉がざわめかなくなると、街の音も静まるんだな。せんべい焼く音まで、小さくなった気がするよ」
「まりなが、草加神社に行ってみてって言ってた。あそこに、昔“松原の詩句”が封じられた絵馬があるかもしれないって」
詠太はふと顔を上げた。灰色がかった空を見上げながら、心のどこかに、ひと筋の不安を感じていた。
「行こう。せんべいの香りが薄れた草加は、草加じゃない」
そのとき、後ろから声がかかった。
「詩句を探すなら、まず音頭を覚えなきゃな」現れたのは碧だった。静かな声、だが言葉には芯がある。彼の隣にはまりながいた。二人は、詠太たちの前にそっと立ち、微笑みながら言った。
「草加神社に、草加音頭の節が残ってるって聞いたよ」まりなが言う。「石碑に刻まれた節回し。あれを探して、正しく奏でることができれば、松の心は応えてくれるはず」
「……詩句を集めて、音頭で呼ぶ。それが、風を戻す鍵か」
志歩が頷いた。「そして、“松ノ舞”を完成させる」
詠太はゆっくりと息を吐いた。松の葉がかすかに揺れたような気がした。
「草加神社へ行こう。街に、せんべいと音頭の音を取り戻すために」
旧日光街道をゆっくりと歩きながら、詠太たちは草加神社へ向かっていた。街道の石畳にはかつて無数の旅人が刻んだ足音が染み込んでいるはずだが、今はその気配が遠く、地面から響いてくる音もどこかぼやけていた。
「足音が、響かないね」志歩がそっとつぶやいた。
「石が音を返さなくなってる。たぶん、風が通らないからだ」碧が低く言った。どこか不安げな色が、その横顔に滲んでいた。
道の両側に並ぶのは、せんべいを焼く老舗たち。いつもはパチパチと炭火の音と香ばしい匂いでにぎわっているはずのその通りも、今はどこか沈黙していた。軒先に吊るされた暖簾も風に揺れず、焼き台の音も、火の粉の弾ける音も聞こえてこない。
詠太は歩みを止め、一軒の店を見つめた。そこは碧の家——せんべい工房「松風堂」だった。入口の障子が少しだけ開いており、いつもならその隙間から甘辛い匂いが漏れてくるはずだった。
「……やっぱり、匂いが薄い」まりなが、そっと鼻先を押さえながら言った。
碧は黙って、工房の中に入っていった。後を追った四人が見たのは、炭火が消えかけた焼き台と、積み上げられたままの生地だった。
「今朝も、火が起きなくてさ」碧は焼き台の前にしゃがみ込み、灰を指で掻いた。「炭も湿ってないし、天気も悪くない。でも、何度やっても火が立ち上がらないんだ」
「炭火の音って、“街の音”のひとつだよね」志歩が言った。「火のささやきと、焼き目の香り、それが草加の日常だったはず」
「……だからこそ、“松の心”がなくなったってことが、街全体にこんなに響くんだ」
まりなが工房の奥から、一枚の古い板を持ってきた。それは煤けてはいたが、見覚えのある形——絵馬だった。
「この絵馬……裏に文字が彫ってある」彼女が指でなぞりながら読む。「“松原の詩句、音頭にのせて風を導け”」
詠太が絵馬をじっと見つめた。目を閉じ、指でなぞる。言葉ではなく、そこに残る“リズム”を感じ取ろうとしているようだった。
「……草加音頭だ。この節回し、昔、盆踊りで聞いたことがある。けど、それだけじゃ足りない。“舞”が必要だ」
「草加神社の境内に、音頭の石碑がある。あそこに行けば、節の本当の形がわかるかもしれない」まりなが言った。
詠太は絵馬を胸元に仕舞い、顔を上げた。「じゃあ行こう。今度こそ、松の守り神“マツノ・カムイ”に届く音を鳴らすんだ」
草加神社の参道は、かつてのにぎわいの面影を残しながらも、今はひっそりとしていた。立派な鳥居をくぐると、神域特有の空気の変化が感じられる。だが、どこか閉ざされたような気配もあった。
拝殿の脇にある広場の一角に、その石碑はあった。風化して苔むしていたが、彫られた文字はまだ読めた。まりなが指でなぞる。
「草加音頭——♪ まーつのーこーころーに そーよーかぜー ♪」
志歩が、そっとその節を口ずさんだ。静かな旋律、しかしどこか揺るぎのない強さがある。碧が拍を取り始め、詠太がそれに合わせて足を鳴らす。音が、地を伝い、木々を揺らす。
その瞬間、松の葉がふわりと揺れた。
「今の……!」まりなが声を上げた。
「響いたんだ。松に」
詠太の声は確信に満ちていた。
「音が……松に届いたんだよ」詠太は木々を見上げながら言った。わずかに風が戻ってきたような気配があった。空はまだ灰色に沈んでいたが、松の葉がほのかに音を立てて揺れていた。
神社の境内はその変化に静かに応えていた。空気が少しずつ軽くなり、鳥の鳴き声すら戻ってきたかのように感じられた。
「これだけじゃ……足りない。でも、やっぱり音頭の節が鍵だね」志歩が言った。
「舞だな」碧が言った。「正しく音頭を奏でて、それに合わせて“松ノ舞”を完成させる。でなきゃ“マツノ・カムイ”には届かない」
「私、教えられると思う」まりながふっと微笑む。「うちの母さん、昔“松ノ舞”の保存会で踊ってたの。私も、小さい頃に見てたし……体が覚えてる気がする」
彼女は拝殿の前に立ち、ゆっくりと足を踏み出した。最初はぎこちなかったが、やがて動きが水のように滑らかになり、腕の所作、足さばきが自然と流れ始めた。
「……まるで風そのものだ」志歩が見とれたように呟く。
まりなは舞いながら、口ずさむように草加音頭を重ねた。
「まーつのーこーころーにー、そーよーかぜー……」
それに詠太と碧が太鼓の拍子で応える。志歩も足元をそろえ、まりなの動きに合わせて徐々に舞に加わっていく。音頭が満ち、舞が重なり、境内全体が揺らめくように活気を帯びていった。
「やっぱり、みんなでやるのが“松ノ舞”なんだ」まりなが笑った。
そのとき、境内の奥の森がざわめいた。風ではなく、音でもなく、霊的な“気”のうねりのようなもの。
「来る……“松霊”だ」碧が身構える。
松の並木の最奥から、朧げな姿が浮かび上がった。木の幹が集まってできたような巨大な影。仮初めの身体を持つが、その芯には“松の心”が宿っていると分かる。
「試されてる……私たちの“音”と“心”が」志歩が呟いた。
「やるしかない」詠太が太鼓を叩く。鼓動のようなリズムが地を伝い、空を打つ。まりなの舞がさらに深くなり、碧の太鼓がそれを支える。志歩は声を重ね、草加音頭の節回しを正しく響かせる。
“松霊”は動きを止めた。ゆっくりと、何かを見極めるように、彼らを見つめていた。
「今よ……!」まりなが高く跳ね、空に手を掲げるように舞いを締めた。
その瞬間、“松の心”が浮かび上がった。光を帯びた球体が、松霊の胸から抜け出し、ふわりと宙に浮かんだ。
「戻った……!」詠太の声に、風が答えた。
ザァァァッ……
松並木全体が揺れ、失われていた風が、街へと戻っていく。旧日光街道の石畳が足音を返し始め、商店街のせんべい屋から炭火の香りが戻ってきた。
「……終わったんだな」碧がぽつりと呟いた。
詠太は、松霊が残していった“光”を見つけた。落ち葉の中にきらりと光るそれを拾い上げると、小さな結晶だった。松の葉のような形をしたその結晶は、手の中で温かく光っていた。
「これは……“草加市の輝”だ」まりなが囁いた。
それは、風の祝福と共に戻ってきた街の心だった。
翌日、草加の町には活気が戻った。草加せんべいを焼く音、草加音頭を流す祭りの準備、そして、松並木を渡るあの涼風。
かつての日常が、もう一度始まっていた。
【アイテム:草加市の輝】入手
その松並木の中央に、ぽつりと佇む祠がある。そこには本来、「松の心」と呼ばれる御神体が祀られていた。しかし今、その場所は空っぽだった。しめ縄だけが、虚しく風のない空気に揺れていた。
詠太は、黙ってその祠を見つめていた。無言で、ただ目を細めて、何かを見透かすような視線を送り続けていた。その横には、志歩が立っていた。慎重に、彼の心を壊さぬように寄り添いながらも、視線は祠の奥へと注がれている。
「松の心が盗まれたのは、数日前だったわね。風が止んでから、町の中に音が響かなくなったって」
志歩の言葉に、詠太はゆっくりと頷いた。「松の葉がざわめかなくなると、街の音も静まるんだな。せんべい焼く音まで、小さくなった気がするよ」
「まりなが、草加神社に行ってみてって言ってた。あそこに、昔“松原の詩句”が封じられた絵馬があるかもしれないって」
詠太はふと顔を上げた。灰色がかった空を見上げながら、心のどこかに、ひと筋の不安を感じていた。
「行こう。せんべいの香りが薄れた草加は、草加じゃない」
そのとき、後ろから声がかかった。
「詩句を探すなら、まず音頭を覚えなきゃな」現れたのは碧だった。静かな声、だが言葉には芯がある。彼の隣にはまりながいた。二人は、詠太たちの前にそっと立ち、微笑みながら言った。
「草加神社に、草加音頭の節が残ってるって聞いたよ」まりなが言う。「石碑に刻まれた節回し。あれを探して、正しく奏でることができれば、松の心は応えてくれるはず」
「……詩句を集めて、音頭で呼ぶ。それが、風を戻す鍵か」
志歩が頷いた。「そして、“松ノ舞”を完成させる」
詠太はゆっくりと息を吐いた。松の葉がかすかに揺れたような気がした。
「草加神社へ行こう。街に、せんべいと音頭の音を取り戻すために」
旧日光街道をゆっくりと歩きながら、詠太たちは草加神社へ向かっていた。街道の石畳にはかつて無数の旅人が刻んだ足音が染み込んでいるはずだが、今はその気配が遠く、地面から響いてくる音もどこかぼやけていた。
「足音が、響かないね」志歩がそっとつぶやいた。
「石が音を返さなくなってる。たぶん、風が通らないからだ」碧が低く言った。どこか不安げな色が、その横顔に滲んでいた。
道の両側に並ぶのは、せんべいを焼く老舗たち。いつもはパチパチと炭火の音と香ばしい匂いでにぎわっているはずのその通りも、今はどこか沈黙していた。軒先に吊るされた暖簾も風に揺れず、焼き台の音も、火の粉の弾ける音も聞こえてこない。
詠太は歩みを止め、一軒の店を見つめた。そこは碧の家——せんべい工房「松風堂」だった。入口の障子が少しだけ開いており、いつもならその隙間から甘辛い匂いが漏れてくるはずだった。
「……やっぱり、匂いが薄い」まりなが、そっと鼻先を押さえながら言った。
碧は黙って、工房の中に入っていった。後を追った四人が見たのは、炭火が消えかけた焼き台と、積み上げられたままの生地だった。
「今朝も、火が起きなくてさ」碧は焼き台の前にしゃがみ込み、灰を指で掻いた。「炭も湿ってないし、天気も悪くない。でも、何度やっても火が立ち上がらないんだ」
「炭火の音って、“街の音”のひとつだよね」志歩が言った。「火のささやきと、焼き目の香り、それが草加の日常だったはず」
「……だからこそ、“松の心”がなくなったってことが、街全体にこんなに響くんだ」
まりなが工房の奥から、一枚の古い板を持ってきた。それは煤けてはいたが、見覚えのある形——絵馬だった。
「この絵馬……裏に文字が彫ってある」彼女が指でなぞりながら読む。「“松原の詩句、音頭にのせて風を導け”」
詠太が絵馬をじっと見つめた。目を閉じ、指でなぞる。言葉ではなく、そこに残る“リズム”を感じ取ろうとしているようだった。
「……草加音頭だ。この節回し、昔、盆踊りで聞いたことがある。けど、それだけじゃ足りない。“舞”が必要だ」
「草加神社の境内に、音頭の石碑がある。あそこに行けば、節の本当の形がわかるかもしれない」まりなが言った。
詠太は絵馬を胸元に仕舞い、顔を上げた。「じゃあ行こう。今度こそ、松の守り神“マツノ・カムイ”に届く音を鳴らすんだ」
草加神社の参道は、かつてのにぎわいの面影を残しながらも、今はひっそりとしていた。立派な鳥居をくぐると、神域特有の空気の変化が感じられる。だが、どこか閉ざされたような気配もあった。
拝殿の脇にある広場の一角に、その石碑はあった。風化して苔むしていたが、彫られた文字はまだ読めた。まりなが指でなぞる。
「草加音頭——♪ まーつのーこーころーに そーよーかぜー ♪」
志歩が、そっとその節を口ずさんだ。静かな旋律、しかしどこか揺るぎのない強さがある。碧が拍を取り始め、詠太がそれに合わせて足を鳴らす。音が、地を伝い、木々を揺らす。
その瞬間、松の葉がふわりと揺れた。
「今の……!」まりなが声を上げた。
「響いたんだ。松に」
詠太の声は確信に満ちていた。
「音が……松に届いたんだよ」詠太は木々を見上げながら言った。わずかに風が戻ってきたような気配があった。空はまだ灰色に沈んでいたが、松の葉がほのかに音を立てて揺れていた。
神社の境内はその変化に静かに応えていた。空気が少しずつ軽くなり、鳥の鳴き声すら戻ってきたかのように感じられた。
「これだけじゃ……足りない。でも、やっぱり音頭の節が鍵だね」志歩が言った。
「舞だな」碧が言った。「正しく音頭を奏でて、それに合わせて“松ノ舞”を完成させる。でなきゃ“マツノ・カムイ”には届かない」
「私、教えられると思う」まりながふっと微笑む。「うちの母さん、昔“松ノ舞”の保存会で踊ってたの。私も、小さい頃に見てたし……体が覚えてる気がする」
彼女は拝殿の前に立ち、ゆっくりと足を踏み出した。最初はぎこちなかったが、やがて動きが水のように滑らかになり、腕の所作、足さばきが自然と流れ始めた。
「……まるで風そのものだ」志歩が見とれたように呟く。
まりなは舞いながら、口ずさむように草加音頭を重ねた。
「まーつのーこーころーにー、そーよーかぜー……」
それに詠太と碧が太鼓の拍子で応える。志歩も足元をそろえ、まりなの動きに合わせて徐々に舞に加わっていく。音頭が満ち、舞が重なり、境内全体が揺らめくように活気を帯びていった。
「やっぱり、みんなでやるのが“松ノ舞”なんだ」まりなが笑った。
そのとき、境内の奥の森がざわめいた。風ではなく、音でもなく、霊的な“気”のうねりのようなもの。
「来る……“松霊”だ」碧が身構える。
松の並木の最奥から、朧げな姿が浮かび上がった。木の幹が集まってできたような巨大な影。仮初めの身体を持つが、その芯には“松の心”が宿っていると分かる。
「試されてる……私たちの“音”と“心”が」志歩が呟いた。
「やるしかない」詠太が太鼓を叩く。鼓動のようなリズムが地を伝い、空を打つ。まりなの舞がさらに深くなり、碧の太鼓がそれを支える。志歩は声を重ね、草加音頭の節回しを正しく響かせる。
“松霊”は動きを止めた。ゆっくりと、何かを見極めるように、彼らを見つめていた。
「今よ……!」まりなが高く跳ね、空に手を掲げるように舞いを締めた。
その瞬間、“松の心”が浮かび上がった。光を帯びた球体が、松霊の胸から抜け出し、ふわりと宙に浮かんだ。
「戻った……!」詠太の声に、風が答えた。
ザァァァッ……
松並木全体が揺れ、失われていた風が、街へと戻っていく。旧日光街道の石畳が足音を返し始め、商店街のせんべい屋から炭火の香りが戻ってきた。
「……終わったんだな」碧がぽつりと呟いた。
詠太は、松霊が残していった“光”を見つけた。落ち葉の中にきらりと光るそれを拾い上げると、小さな結晶だった。松の葉のような形をしたその結晶は、手の中で温かく光っていた。
「これは……“草加市の輝”だ」まりなが囁いた。
それは、風の祝福と共に戻ってきた街の心だった。
翌日、草加の町には活気が戻った。草加せんべいを焼く音、草加音頭を流す祭りの準備、そして、松並木を渡るあの涼風。
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