前作元ランカーの遊戯

結使

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5試合目一戦目

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『おぉ、ストレート勝ち!』
『つっよ』
『あの動きしてる相手に当てられる自信ないわ……』
『二戦目はどっちが勝つか分からない良い勝負だった』

「戦闘中お茶っ子寄りの実況してたから最後にちょっと言うとオーロラは戦法もエイム精度もちゃんとしてて地盤がしっかりしてる。練習をしっかりしてる真面目ちゃんタイプって感じかな。だからこそ一戦目は想定外のお茶っ子の超機動特化に動揺したと思ってる」

 最高ランクに達するほどに戦い慣れて戦法も確立、エイム精度も高い。戦闘に必要な地盤がしっかりとしていた。何と言うかちゃんとしているプレイヤー
 だからこそお茶っ子のような想定外の編成と戦いに動揺して対応出来なかったのだと考えている
 僕もあれと初めて戦った時は驚きと困惑でマトモに戦えなかった

『確かにあれを初めて見て対応は難しいな。ランク戦で戦った事があるとかでもなければ』
「オーロラはどっちの枠?」
『今作最高ランク到達者』
「あぁ、お茶っ子は出遅れ勢だから最高ランクまだ行ってない。ならタイミング的にもランク戦で戦った事ないと思うんだよね」

 既に最高ランクに到達しているという事は早い段階からランク戦をやっていただろう
 お茶っ子は出遅れ勢、それを考えるとランク戦で2人が当たる機会は無かったと考えられる

『よく知ってるな』
「実は今作のランク戦で戦ってフルボッコにされました~」
『フルボッコにされたか』
「それはもう」

 それまでランク戦は初期機体で戦ってたとは言わない。有名になり過ぎてるし神威とは対戦済みで普通にバレる
 最も対戦後にガチの機体引っ張り出してお茶っ子と戦ったけど油断して負けたし

「おっと、ちょっと脱線したね。二戦目では先程言った動揺は見られなかった」

 それも一戦目の話、二戦目では既に対策を立てて挑んでいた
 一戦だけであれに対応してきたのだから凄い
 (席外した時に考えたのかな)

「接近されてもいいように距離を少し離して戦っていたしあの高機動に攻撃を当ててた。お茶っ子が負けるとは思えないとは言ったけれど勝てる可能性は充分にあった、だからこそ惜しい! 最後! 追い詰められて焦っちゃったね」
『二丁ほぼ同時にリロード入った時か。確かにあれはそれまで無かったミスだな』
「そう! そこ、逆に追い詰められた時ほど冷静になれれば確実に強くなれる……とまぁ実況したから偉そうに語ってみました」
『良い解説だったと思うぞ。他の試合の実況はするか? クロは一回戦最後だし』
「無理! 疲れた! 試合までのんびりする~」

 疲れた。まぁ別に連続で試合実況は出来るが疲れるし面倒くさい
 (話してる間にボイチェンに不具合起きると怖いし)

『そうか、分かった。解説助かった』
「それじゃ大会運営ファイトー」

 通話を抜けてボイチェンを解除して元の通話サーバーに戻ると既にお茶っ子が戻ってきていた
 入った事に気付いたお茶っ子が声を掛けてくる

『実況お疲れ!』
「疲れた。お茶っ子一回戦突破おめでとう」
『ストレート勝ち! だけど最後本当に危なかった』
「体力どのくらい残ってた?」
『何と12%、あそこでリロード入らなかったら負けてたかも』
「思ってたよりギリギリだね」
『本当にギリギリ、私のって珍しいけど解説要る程?』
「まぁゲームやってない人やエンジョイ勢だと分からないかも? 呼ばれたのは繋ぎの為だと思うけどね。解説はオマケ」
『なるほどぉ』

『5試合目 9番10番準備が出来たら戦闘ルームへ』

 次の試合が始まる。次はイトさんが戦う試合だ
 イトさんが今作使う機体が気になる。互いに勝ち続ければ準決勝で戦う相手だから

「おっ、次の試合、イトさんだね」
『イトちゃんだー。どう予想する?』
「前より強くなってるだろうし多分勝ち上がるよ」
『だよね。イトちゃん強いし』
「そういえばイトさんって半年間どのくらいプレイしてたか分かる? 大体」
『2ヶ月くらいは全然出来なかったらしいけどそれ以外の時はプレイ時間あんまり変わらなかった印象』
「そっか、ならよかった。あの人がやり込んでたら勝てる自信ない」
『確かに、絶対もっと強くなる』

 黒と赤が混じった色の機体、細くもなく太くもない。特徴が少ないシンプルな見た目
 (前と同じ機体だ。確か腕レベル高かった気するけど解放済みなんだ)
 前と同じなら少し機動寄り中間に近い性能の機体、使っている武器はアサルトライフルタイプ二丁
 対戦相手は機動特化型の機体、武器はショットガンとアサルトライフル

「相手片方ショットガン持ちだ。これは距離詰めてくるね」
『テンプレ編成、あのショットガンは射程ちょっと長い奴だね』
「へぇ、そうなんだ。射程が長いかぁ」
『確か散弾の拡散が狭いから射程が長い代わりに威力ちょっと低め』

 お茶っ子が知っているという事は神威辺りがこの武器を使った事あるのだろう
 今作でも一番自分に合う武器を試行錯誤しているのだろう

「ならちょっと遠い近距離で撃ち合いかなぁ。近接武器が当たらないくらいの距離維持しそう」

 ショットガンは射程が短いとはいえ近接武器よりは長い。だけど近距離戦をする時、近接武器の当たる距離に入って戦うケースが多い

『近接武器痛いもんね』
「武器で変動するけど基本威力高めに設定されてるからね。使わない人の方が多いけど」

 試合が開始された
 対戦相手はブーストを炊いて接近する。近接武器の間合いよりは遠い距離を維持して撃ち合う
 イトさんも離れずその距離を保って戦っている
 互いに攻撃を避けて攻撃を加えている、回避し切れずに攻撃を受けて互いに体力が削れていく

『良い勝負』
「削れ具合は同じくらい、このまま続くならどちらが勝つか分からないね」
『このままだとね』

 傍からは互角の戦いが繰り広げられている……ように見える
 イトさんが何を考えているか分からないがこのまま終わらない、そういう人だ
 お互いの体力が50%を切った時、イトさんの動きが突然変わる

『あっ、イトちゃん動いた』
「動いたね。ここからだ」

 ブーストを炊いて後ろに移動する、対戦相手は距離を離されないように接近する
 接近してきた事を確認して直ぐに前に突っ込む。そして接近した時、近接武器を取り出して殴り掛かり攻撃を与えた
 一度引いて相手を誘ったのだ。ショットガンを持つ相手なら引っかかりやすい
 背後に回り二丁の銃で撃ちまくり振り向いた瞬間にもう一度近接武器で攻撃を叩き込む。ブーストで距離を取りまだ弾が残っている状態で片方の銃をリロードする
 そして中距離で撃ち合う。中距離戦闘は相手にとっては片方を封じられているようなもの、先程の攻撃で削れた体力もあって劣勢
 イトさんは距離を保ち撃って撃破してポイントを獲得した
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