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第三十六話
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[第三十六話]
なんだ、今の。
王都の広場でリスポーンした俺に待っていたのは、そんな疑問だった。
「うーん、と…?」
「あれ?なんで王都にいるんだろう?」
「シズクがおかしくなって…、どうなったんだっけ?」
見ると、周りの面々も同じような表情をしていた。
「ぎゃあああっ……、え?」
トリップしていたシズクさんも意識を取り戻したようだ。
「ローズ、一体あれはなんなんだ?さっきの生き物とか、闇のフィールドとかは!」
皆と同じく死に戻りしてきたローズに、俺は詰問する。
よく分からない、黒い生き物に首を刈られたぞ。
動く間も、言葉を発する暇もなく。
「今のが私の奥義、[マカイコウタン]ですわ!」
「[マカイコウタン]?」
大してローズは、両手を広げて奥義の名を口にした。
魔界降誕で、いいんだよな?
「[マカイコウタン]は、この現世に魔界を顕現させる奥義ですわ。大体、あの広間くらいの広さで展開することができます」
ということは、あの闇が魔界の空間で、俺たちを葬ったやつが魔界の住人ということか?
確証はないが、今はそれで納得するしかない。
術者のローズですら死に戻りにあったんだ、おいそれと発動できるものじゃないしな。
「奥義が使えるのか!?…って、そもそも魔界ってなんだ?」
ライズが当然の質問をする。
メカトニカが起動して掘削活動を始め、シズクさんがおかしくなった影響で放心状態となったため、俺とローズ以外の四人は、ローズが奥義を発動したことを把握していない。
にも関わらず、新しい単語『魔界』が出てきて、ライズの頭は混乱しているに違いない。
「私も詳しくは分からないですわ。ただ感覚的に言えば、こことは異なる次元で、人ならざる者たちが住む領域らしいということだけ」
「街の図書館とかに情報がありそうだね。…それで、いつ、この奥義を覚えたの?」
続いて、フクキチが質問する。
メカトニカに対抗するため、ローズが[マカイコウタン]を使った。
察しの良い彼は、そこまでは理解できているだろう。
「あの、フライの群れの中で死に戻りする直前ですわ。どこからともなく声がやってきて、『力が欲しいか?』と聞かれたので、二つ返事で答えましたわ」
なんだ、そのチート性能を授かるときの主人公みたいなのは。
悪いが、主人公の座を譲るつもりはないぞ。
「そんなんでもらえるのか」
「トール?」
まずい。思わず口を突いて出てしまった俺の言葉に、ローズがにっこりとほほ笑んでいる。
だが、これは喜びの感情ではなさそうだ。
「すいませんでした」
「おそらく私が奥義を覚えられたのは、ローズの体に『強い』精神的負荷がかかったせいですわ」
『強い』の部分でこちらを睨みつけながら、ローズが言葉を続ける。
『フライ・センチピード』は本当に、申し訳ありませんでした。
「ですので、そう簡単に会得できるものではないでしてよ」
「なんだー。そうなのか」
ローズが断言すると、ライズが落胆した声を出す。
「ちなみに、私が[フシチョウノス]を手に入れられたときは全く別のパターンだったから、ローズちゃんの場合は結構珍しいね!」
「そうなんですか?…ちなみについでで聞きたいんですが、ナギさんはどうやって奥義を?」
「それは、秘密だよ!自分の手で見つけるのが楽しいじゃんっ!!」
どさくさに紛れてフクキチがナギさんに聞こうとしたが、上手くはぐらかされた。
「確かに、そうですよね!」
一方、ライズは分からないままがいいという性分のようだ。
先に[AnotherWorld]を遊んでいた先輩方には当然、情報のアドバンテージがある。
なんの対価も支払わずに教えてもらおうというのは、人によっては失礼に当たるかもしれない。
「とりあえず、私の奥義の話はこれで終わりですわ。もう夜が更けてきたみたいですし、解散しませんこと?」
注目の的となっているローズが話を締め、今日はお開きとなった。
「うう、私のメカトニカ…」
※※※
翌、四月十二日、金曜日。
午前中の授業が終わったお昼休み。
話題はやはり、ローズの奥義についてだった。
「しかし、一年生で奥義を覚えてる人なんて、静しかいないんじゃないか?」
「そうでしょうかね?流石に他にもいるんじゃなくて?ゲームジャンキーばかりでしょう、この高校は」
「確かに」
歯に衣着せぬ静の発言に、彰が同意する。
自身もそうだから、納得するところがあるのだろう。
かくいう俺も、その通りだが。
「ところで、私は今日園芸部の活動がありまして、インするのは難しいですわ。三人はどうですの?」
「僕は今日もがっつりやろうかな」
「俺は部活だな!」
「俺も彰と同じくがっつりだな。部活もバイトもないし」
「彰と透がうらやましいですわ。…実を言うと、[マカイコウタン]を発動させたのは、あれが初めてだったんですの」
じゃあ、俺たちは実験台だったってことか。
そんな態度が顔に出ていたのか、静はぺこりと頭を下げて…。
「実験台にしたことは謝りましてよ。ですが、あの時私の奥義にやられることを選択したのは、トールでしたわ」
と、俺に擦りつける形で謝罪した。
もしかして、俺に『選択』させたのは、こういう展開を予期していたからか?
「透うううっ!じゃあのとき俺らは実質、トールにキルされたってことじゃないか!」
「そうだよ、透!なんでそんなことしたのさ!」
途端に、昇と彰が詰め寄ってくる。
ダメだ。
二人の意識の中から、シズクさんの発狂前後の記憶が抜け落ちている。
これじゃあ、なにを言っても聞いてくれないだろう。
俺は適当に、「ローズがなにかあるって言ってたから…」と責任転嫁し、カツ丼のカツを一口食むのだった。
※※※
あの後、なんとか昇と彰をごまかし、昼休みを終えた。
そして午後の授業もそつなくこなし、帰宅。
時刻は十六時。今日も、[AnotherWorld]だ。
俺は早速チェリーギアとコントローラを装着し、もう一つの世界にダイブする。
王都中央広場からのログインとなる。
「一応、確認しておくか」
俺は棒立ちのまま、メニューを開いてインベントリを見てみる。
[フシチョウノス]発動時のデスでも、しっかりペナルティが乗るらしい。
所持タメルはもともとゼロだったので、死に戻りによる所持金へのペナルティはなかった。
しかし、アイテムは別だ。
「げっ…」
合計五回のデスで、あれだけあった素材アイテムが全てなくなっていた。
くそっ、倉庫や家のようなものがあれば預けておけるのにな。
一応、死に戻り対策のためにアイテムを預けられる貸倉庫みたいなものがあるにはあるが、レンタル料金が高い。
対して、家は法外な値段がするが、長期的な目で見れば家の方が安上がりで済む。
「なにはともあれ、先立つものはタメルか…」
よって、家を買えるほどのお金を貯めた方が現実的だ。
自分の家があれば、死に戻りでアイテムが減ることがなくなるし、所持タメルも気にしなくていい。
あとは、試験管も新しく買いたい。
最初は二十本なんて多すぎると思っていたが、今じゃ物足りなくなっている。
調薬ギルドに行けば売ってるか?
「『野外調薬キッド』のお礼をしたり、調薬に関する本なんかも見てみたいしな」
ただ、買い物をするなら、調薬ギルドに行く前にお金を手に入れておいた方が効率的だろう。
「よし」
そうと決まれば、貯金のため、依頼を受けに冒険者ギルドに行こう。
俺は今日やることを決め、ギルドに向けて歩き始めるのだった。
なんだ、今の。
王都の広場でリスポーンした俺に待っていたのは、そんな疑問だった。
「うーん、と…?」
「あれ?なんで王都にいるんだろう?」
「シズクがおかしくなって…、どうなったんだっけ?」
見ると、周りの面々も同じような表情をしていた。
「ぎゃあああっ……、え?」
トリップしていたシズクさんも意識を取り戻したようだ。
「ローズ、一体あれはなんなんだ?さっきの生き物とか、闇のフィールドとかは!」
皆と同じく死に戻りしてきたローズに、俺は詰問する。
よく分からない、黒い生き物に首を刈られたぞ。
動く間も、言葉を発する暇もなく。
「今のが私の奥義、[マカイコウタン]ですわ!」
「[マカイコウタン]?」
大してローズは、両手を広げて奥義の名を口にした。
魔界降誕で、いいんだよな?
「[マカイコウタン]は、この現世に魔界を顕現させる奥義ですわ。大体、あの広間くらいの広さで展開することができます」
ということは、あの闇が魔界の空間で、俺たちを葬ったやつが魔界の住人ということか?
確証はないが、今はそれで納得するしかない。
術者のローズですら死に戻りにあったんだ、おいそれと発動できるものじゃないしな。
「奥義が使えるのか!?…って、そもそも魔界ってなんだ?」
ライズが当然の質問をする。
メカトニカが起動して掘削活動を始め、シズクさんがおかしくなった影響で放心状態となったため、俺とローズ以外の四人は、ローズが奥義を発動したことを把握していない。
にも関わらず、新しい単語『魔界』が出てきて、ライズの頭は混乱しているに違いない。
「私も詳しくは分からないですわ。ただ感覚的に言えば、こことは異なる次元で、人ならざる者たちが住む領域らしいということだけ」
「街の図書館とかに情報がありそうだね。…それで、いつ、この奥義を覚えたの?」
続いて、フクキチが質問する。
メカトニカに対抗するため、ローズが[マカイコウタン]を使った。
察しの良い彼は、そこまでは理解できているだろう。
「あの、フライの群れの中で死に戻りする直前ですわ。どこからともなく声がやってきて、『力が欲しいか?』と聞かれたので、二つ返事で答えましたわ」
なんだ、そのチート性能を授かるときの主人公みたいなのは。
悪いが、主人公の座を譲るつもりはないぞ。
「そんなんでもらえるのか」
「トール?」
まずい。思わず口を突いて出てしまった俺の言葉に、ローズがにっこりとほほ笑んでいる。
だが、これは喜びの感情ではなさそうだ。
「すいませんでした」
「おそらく私が奥義を覚えられたのは、ローズの体に『強い』精神的負荷がかかったせいですわ」
『強い』の部分でこちらを睨みつけながら、ローズが言葉を続ける。
『フライ・センチピード』は本当に、申し訳ありませんでした。
「ですので、そう簡単に会得できるものではないでしてよ」
「なんだー。そうなのか」
ローズが断言すると、ライズが落胆した声を出す。
「ちなみに、私が[フシチョウノス]を手に入れられたときは全く別のパターンだったから、ローズちゃんの場合は結構珍しいね!」
「そうなんですか?…ちなみについでで聞きたいんですが、ナギさんはどうやって奥義を?」
「それは、秘密だよ!自分の手で見つけるのが楽しいじゃんっ!!」
どさくさに紛れてフクキチがナギさんに聞こうとしたが、上手くはぐらかされた。
「確かに、そうですよね!」
一方、ライズは分からないままがいいという性分のようだ。
先に[AnotherWorld]を遊んでいた先輩方には当然、情報のアドバンテージがある。
なんの対価も支払わずに教えてもらおうというのは、人によっては失礼に当たるかもしれない。
「とりあえず、私の奥義の話はこれで終わりですわ。もう夜が更けてきたみたいですし、解散しませんこと?」
注目の的となっているローズが話を締め、今日はお開きとなった。
「うう、私のメカトニカ…」
※※※
翌、四月十二日、金曜日。
午前中の授業が終わったお昼休み。
話題はやはり、ローズの奥義についてだった。
「しかし、一年生で奥義を覚えてる人なんて、静しかいないんじゃないか?」
「そうでしょうかね?流石に他にもいるんじゃなくて?ゲームジャンキーばかりでしょう、この高校は」
「確かに」
歯に衣着せぬ静の発言に、彰が同意する。
自身もそうだから、納得するところがあるのだろう。
かくいう俺も、その通りだが。
「ところで、私は今日園芸部の活動がありまして、インするのは難しいですわ。三人はどうですの?」
「僕は今日もがっつりやろうかな」
「俺は部活だな!」
「俺も彰と同じくがっつりだな。部活もバイトもないし」
「彰と透がうらやましいですわ。…実を言うと、[マカイコウタン]を発動させたのは、あれが初めてだったんですの」
じゃあ、俺たちは実験台だったってことか。
そんな態度が顔に出ていたのか、静はぺこりと頭を下げて…。
「実験台にしたことは謝りましてよ。ですが、あの時私の奥義にやられることを選択したのは、トールでしたわ」
と、俺に擦りつける形で謝罪した。
もしかして、俺に『選択』させたのは、こういう展開を予期していたからか?
「透うううっ!じゃあのとき俺らは実質、トールにキルされたってことじゃないか!」
「そうだよ、透!なんでそんなことしたのさ!」
途端に、昇と彰が詰め寄ってくる。
ダメだ。
二人の意識の中から、シズクさんの発狂前後の記憶が抜け落ちている。
これじゃあ、なにを言っても聞いてくれないだろう。
俺は適当に、「ローズがなにかあるって言ってたから…」と責任転嫁し、カツ丼のカツを一口食むのだった。
※※※
あの後、なんとか昇と彰をごまかし、昼休みを終えた。
そして午後の授業もそつなくこなし、帰宅。
時刻は十六時。今日も、[AnotherWorld]だ。
俺は早速チェリーギアとコントローラを装着し、もう一つの世界にダイブする。
王都中央広場からのログインとなる。
「一応、確認しておくか」
俺は棒立ちのまま、メニューを開いてインベントリを見てみる。
[フシチョウノス]発動時のデスでも、しっかりペナルティが乗るらしい。
所持タメルはもともとゼロだったので、死に戻りによる所持金へのペナルティはなかった。
しかし、アイテムは別だ。
「げっ…」
合計五回のデスで、あれだけあった素材アイテムが全てなくなっていた。
くそっ、倉庫や家のようなものがあれば預けておけるのにな。
一応、死に戻り対策のためにアイテムを預けられる貸倉庫みたいなものがあるにはあるが、レンタル料金が高い。
対して、家は法外な値段がするが、長期的な目で見れば家の方が安上がりで済む。
「なにはともあれ、先立つものはタメルか…」
よって、家を買えるほどのお金を貯めた方が現実的だ。
自分の家があれば、死に戻りでアイテムが減ることがなくなるし、所持タメルも気にしなくていい。
あとは、試験管も新しく買いたい。
最初は二十本なんて多すぎると思っていたが、今じゃ物足りなくなっている。
調薬ギルドに行けば売ってるか?
「『野外調薬キッド』のお礼をしたり、調薬に関する本なんかも見てみたいしな」
ただ、買い物をするなら、調薬ギルドに行く前にお金を手に入れておいた方が効率的だろう。
「よし」
そうと決まれば、貯金のため、依頼を受けに冒険者ギルドに行こう。
俺は今日やることを決め、ギルドに向けて歩き始めるのだった。
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