VRMMO [AnotherWorld]
今年十六歳になる柊透(ひいらぎとおる)は期待に胸を膨らませていた。
彼がこの春から通うのは、最新鋭のVR技術が活用されたわが国最先端の高校であるからだ。
しかも驚くべきことに、スポンサーのゲームメーカーが提供するVRゲームを仲間とプレイする、VRゲーム部なる部活動が存在するのだ。これがワクワクせずにいられるだろうか。
そのゲームの名前は[AnotherWorld]。二年前に高校が竣工し、学生を受け入れた去年の八月に発売した。専用のVRデバイスと落ち着いた空間が必要とはいえ、[AnotherWorld]は爆発的にヒットした。
この[AnotherWorld]、ソフト自体はネットアプリですぐに購入できるものの、VRヘッドセットは”モノ”であるが故に在庫に上限がある。大人気ゲームの宿命か、喉から手が出るほど欲しいのに家電量販店でも通販でも品切れで手に入れられなかった透は、発売から半年以上たった現在でもこのゲームを遊べていない人間の一人だった。
別にそのゲームをしたいからという理由で大事な高校の進路を決めたというわけではないが、せっかく遊べるのなら遊んでみたい。
これは、そんな邪な気持ちを胸に、高校生活に臨む透の物語。
彼がこの春から通うのは、最新鋭のVR技術が活用されたわが国最先端の高校であるからだ。
しかも驚くべきことに、スポンサーのゲームメーカーが提供するVRゲームを仲間とプレイする、VRゲーム部なる部活動が存在するのだ。これがワクワクせずにいられるだろうか。
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