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パーティーへの招待 3
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騎士は招待状を返すと、腰を直角に曲げ頭を下げた。
少し目立ってしまった気がするけど、仕方がないよね……。
無事?確認が済んで、城内を真っ直ぐ進んで行くと、案内役の騎士が1人付いてくれた。
物腰の柔らかい好青年で、爽やかな笑顔で挨拶をしてくれた。歩きながらパーティーでの注意事項を幾つか受ける。
特に他国の要人に対して、失礼の無いようにと念を押された。酒に酔って絡む人が割りと居るようで、気をつけて欲しいと。
もし何かトラブルが起きた時は、会場警備の騎士に声を掛ければすぐ対応してくれるそうだ。
それなら安心だけど、酔っぱらいを無傷で制圧するくらい僕でも出来る。でもギルが居るから、ギルの一睨みで終わりそうだけど。
その後は談笑しているうちに会場に到着した。
「こちらが会場です。パーティーをお楽しみください。」
役目を終えた騎士の青年は、再び爽やかな笑顔を見せ去って行った。
開け放たれた大きな扉から、会場へ足を踏み入れた。
「わぁー本当だ!すっごぉーい!」
どこかのスタジアムぐらい広い会場は、国の裕福さを表すように金銀の綺麗な装飾が施されている。
左右にはドリンクと軽食が大量に用意され、後方は休憩用のベンチが並んでいた。
前方は1メートル程上がった広い場所に、金の施された椅子が並べてあった。
そんな会場を様々な色のドレスが彩り、とても煌びやかだった。
僕達の服は紺色で、この中では地味な部類だろう。しかし銀色の細かい刺繍が多数施されたこの服は、一目見れば高級なものだと分かるもので、この会場の中でも違和感無く馴染んでいた。
驚き終えてギルを見ると、何故だか元気がない。
「どうしたの?」
「ルーク……。さっきの奴が好みだったり……?」
さっきのって、騎士の青年?愛想良く対応してたからかな?
恐る恐る聞いてきたギルが可愛くて、思わず笑ってしまった。
「ふふふっ、それはないから安心して。」
「そうか、良かった。」と、ギルは安堵の息を漏らした。
「印象良くしといた方が良いかなと思って、愛想良くしてただけだから。それにギルは僕の好み分かってるじゃない。」
「そう、だな。」
照れて目を反らしたギルも可愛いかった。
「あれ~、ルーク君?」
知ってる声がした方を見ると、馴染みの女性冒険者2人が立っていた。いつも綺麗なのに、今日はドレスアップして更に綺麗だった。
「お姉さん達も呼ばれたの?」
「ええそうなのよ。私達これでもAランクだから、それを他国に自慢する為だと思うわ。」
「そうそう、接待要員みたいな扱いで嫌になるよ~。でも可愛いルーク君に会えたから、今日はいい気分だよ!」
髪型を崩さないように優しく頭を撫でられた。
「マスターも大変ですね。多分またランクアップの事を言われるでしょうから。」
「あー、それもあったな……。」
それを聞いてギルが嫌そうな顔になる。僕は何だろうと首を傾げてギルを見上げた。
「ルーク君、マスターのランクはAでも、実力でいうとSランクなのよ。王様は自分の国にSランク冒険者がいることを自慢したくて、何度断ってもSランクになるようにってマスターに言うの。」
「そうなんだ。ギルは何でSランクになりたくないの?」
普通に考えたら、最高ランクになれるのって嬉しい事だよね?
「Sランクになるとな、他国の依頼も受けないといけないんだ。そうすると何ヵ月も家族と離れることなる。それが嫌だったんだ。今はルークと離れたくないから、Sランクになんてならなくて良い。」
そう言われたら今のランクでいて欲しいな。僕もギルと何ヵ月も離れ離れなんて嫌だし。
「二人ともラーブラブだね!」
「こら、あんまり言わないの。マスター、何かあれば私達も協力しますから、遠慮なく言ってくださいね。」
「ああ、分かった。その時は頼むな。」
お姉さん達は他の知り合いを見つけ行ってしまった。
この広い会場には来た時より倍以上の人が集まっていた。まもなく開始時刻だ。
「これより王族の方々が入場する!」
大きな通る声に会場はシーンと静まり返った。
前方の高い場所に王様、3人の王子、そして王女が入場し、椅子に腰掛けた。その中に以前会った第3王子が居たが、顔つきが凛々しく変わっていた。
「皆よく集まってくれた。今宵は他国からの客人が多く来ている。是非とも友好を深めて欲しい。ではパーティーを開始する!皆楽しんでくれ。」
王様の挨拶が終わると第1王子が下へ降りる。1人の女性の手を取り、人の捌けた会場の中央で止まるとダンスの姿勢をとった。
演奏が始まり優雅な踊りを披露し、会場中の人々を魅了していた。
だけど僕は、もっと素晴らしいシティスとクライスのダンスを知っている為、物足りなさを感じていた。
王子ペアのダンスが終わり、大きな拍手が送られると、たくさんのペアが一斉に位置取りをして、2曲目の演奏が始まった。
あちこちでぶつかる程人が多く距離が狭い。これは難易度高過ぎない?
「ルーク、これは無理だろう……。」
「そうだね……。人が減った頃に踊ろうか。」
2人で苦笑いして、一先ず喉を潤そうとドリンクのテーブルへ移動した。高そうなワインからフルーツジュースまでたくさん揃っている。
何を飲もうか話していると、険しい表情の騎士2人がこちらへ真っ直ぐ向かって来た。少し警戒するように見ていると、騎士は口を開いた。
少し目立ってしまった気がするけど、仕方がないよね……。
無事?確認が済んで、城内を真っ直ぐ進んで行くと、案内役の騎士が1人付いてくれた。
物腰の柔らかい好青年で、爽やかな笑顔で挨拶をしてくれた。歩きながらパーティーでの注意事項を幾つか受ける。
特に他国の要人に対して、失礼の無いようにと念を押された。酒に酔って絡む人が割りと居るようで、気をつけて欲しいと。
もし何かトラブルが起きた時は、会場警備の騎士に声を掛ければすぐ対応してくれるそうだ。
それなら安心だけど、酔っぱらいを無傷で制圧するくらい僕でも出来る。でもギルが居るから、ギルの一睨みで終わりそうだけど。
その後は談笑しているうちに会場に到着した。
「こちらが会場です。パーティーをお楽しみください。」
役目を終えた騎士の青年は、再び爽やかな笑顔を見せ去って行った。
開け放たれた大きな扉から、会場へ足を踏み入れた。
「わぁー本当だ!すっごぉーい!」
どこかのスタジアムぐらい広い会場は、国の裕福さを表すように金銀の綺麗な装飾が施されている。
左右にはドリンクと軽食が大量に用意され、後方は休憩用のベンチが並んでいた。
前方は1メートル程上がった広い場所に、金の施された椅子が並べてあった。
そんな会場を様々な色のドレスが彩り、とても煌びやかだった。
僕達の服は紺色で、この中では地味な部類だろう。しかし銀色の細かい刺繍が多数施されたこの服は、一目見れば高級なものだと分かるもので、この会場の中でも違和感無く馴染んでいた。
驚き終えてギルを見ると、何故だか元気がない。
「どうしたの?」
「ルーク……。さっきの奴が好みだったり……?」
さっきのって、騎士の青年?愛想良く対応してたからかな?
恐る恐る聞いてきたギルが可愛くて、思わず笑ってしまった。
「ふふふっ、それはないから安心して。」
「そうか、良かった。」と、ギルは安堵の息を漏らした。
「印象良くしといた方が良いかなと思って、愛想良くしてただけだから。それにギルは僕の好み分かってるじゃない。」
「そう、だな。」
照れて目を反らしたギルも可愛いかった。
「あれ~、ルーク君?」
知ってる声がした方を見ると、馴染みの女性冒険者2人が立っていた。いつも綺麗なのに、今日はドレスアップして更に綺麗だった。
「お姉さん達も呼ばれたの?」
「ええそうなのよ。私達これでもAランクだから、それを他国に自慢する為だと思うわ。」
「そうそう、接待要員みたいな扱いで嫌になるよ~。でも可愛いルーク君に会えたから、今日はいい気分だよ!」
髪型を崩さないように優しく頭を撫でられた。
「マスターも大変ですね。多分またランクアップの事を言われるでしょうから。」
「あー、それもあったな……。」
それを聞いてギルが嫌そうな顔になる。僕は何だろうと首を傾げてギルを見上げた。
「ルーク君、マスターのランクはAでも、実力でいうとSランクなのよ。王様は自分の国にSランク冒険者がいることを自慢したくて、何度断ってもSランクになるようにってマスターに言うの。」
「そうなんだ。ギルは何でSランクになりたくないの?」
普通に考えたら、最高ランクになれるのって嬉しい事だよね?
「Sランクになるとな、他国の依頼も受けないといけないんだ。そうすると何ヵ月も家族と離れることなる。それが嫌だったんだ。今はルークと離れたくないから、Sランクになんてならなくて良い。」
そう言われたら今のランクでいて欲しいな。僕もギルと何ヵ月も離れ離れなんて嫌だし。
「二人ともラーブラブだね!」
「こら、あんまり言わないの。マスター、何かあれば私達も協力しますから、遠慮なく言ってくださいね。」
「ああ、分かった。その時は頼むな。」
お姉さん達は他の知り合いを見つけ行ってしまった。
この広い会場には来た時より倍以上の人が集まっていた。まもなく開始時刻だ。
「これより王族の方々が入場する!」
大きな通る声に会場はシーンと静まり返った。
前方の高い場所に王様、3人の王子、そして王女が入場し、椅子に腰掛けた。その中に以前会った第3王子が居たが、顔つきが凛々しく変わっていた。
「皆よく集まってくれた。今宵は他国からの客人が多く来ている。是非とも友好を深めて欲しい。ではパーティーを開始する!皆楽しんでくれ。」
王様の挨拶が終わると第1王子が下へ降りる。1人の女性の手を取り、人の捌けた会場の中央で止まるとダンスの姿勢をとった。
演奏が始まり優雅な踊りを披露し、会場中の人々を魅了していた。
だけど僕は、もっと素晴らしいシティスとクライスのダンスを知っている為、物足りなさを感じていた。
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「ルーク、これは無理だろう……。」
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2人で苦笑いして、一先ず喉を潤そうとドリンクのテーブルへ移動した。高そうなワインからフルーツジュースまでたくさん揃っている。
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