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死後の世界…?
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「痛いなぁ……。」
買い物に向かう為、自転車を走らせながら溜め息混じりに呟く。
持病が辛い。体のあちこちに出る痛みに、吐き気やダルさ等…。仕事を辞める前からだから、もうかれこれ3年は付き合わされている。病院に通院するも、精神的なものらしく良くはならない。
メンタルクリニックに行ってみたら?と医者に言われたが、そんなお金など無い。
問題のある人と組まされ、嫌がらせされたことによる心身の不調で仕事を辞めてからは専業主婦となった。夫に扶養してもらって有難いと思うが、精神的には辛い。
元々親から差別されて育った私と、結婚してくれた優しい夫。
でも今では、俺の方が会社で辛いのに、俺が仕事を辞められない、辞めたら生活出来ない、お前の方が若いのに働かない、お金がないから欲しいものが買えない等、攻撃をくらう日々。
どうせただ調子悪いだけだろ?と理解してもらえないのも辛い。
そんな辛い日々でも、癒しはある。漫画や小説を読めばその世界に行けて、辛い現実から逃避出来る。特にファンタジーが好きだ。お金が掛からずに幸せな気分になれる。
私は少し変わっていて、女でありながら可愛い女性が好き。夫に変態だと言われても隠すことはしなかった。ふわふわした雰囲気で頭が良くて、しっかりしてて実は強くて……。そんな好みの女性に会えたら、その掌で転がされたい!みたいなことを思ってみたり……。
なんてね。今日も何とか家事は頑張ろうと、無理のない範囲でやっている状態だ。
「ハァ、痛いし、暑いし……。」
痛みに加え、猛暑での夏バテも合わさるとより辛い。汗が吹き出し、首を伝いシャツの中へと流れていく。
暑い……、何かクラクラしてきたかも……。そういえば水分そんなに飲んで無かったかな……?
青信号になり、交差点を渡ろうとペダルに掛けた足に力を入れる。
少しふらついたその時、よそ見をしていた車がスピードを落とさず右折し、向かってきた。
「危ない!!」
通行人の言葉が聞こえるも、思考の鈍った私になす術は無かった。
ドン!という音とともに視界はモノクロでスローになる。視界の中心には高速でフィルム映画のようなものが流れていく。
これが噂の走馬灯か……。まぁまぁな人生だったな。大切にしてくれる家族、健康な体が欲しかったな……。
おかしな世界を見ながら、この先を思い、安堵の笑みを浮かべた。何故なら、もうすぐこの苦しみから解放されるから……。
「キャー!」
「おい!救急車呼べ!」
ドサリと地面に激しく叩きつけられた。痛みは感じない、何も聞こえない……。モノクロだった視界は徐々に暗くなり、私の人生がそこで幕を閉じた。
ーーあれ……?暗い……狭い……動けない……。
動かそうとしてみるも、体を何かでギュウギュウ押さえつけられているらしく、ビクともしない。
ここは何処?私は死んだはず……。
さらに強い力で押され、苦しくなってきた。
何なの?一体誰がこんな嫌がらせしているの!?
イライラして、叫びたくても叫べない状況の中、頭を強く掴まれ引っ張られた。
何!?今度は何なの!?
あれだけ押されていた力が無くなると、急に明るくなって、体が軽くなった。
ああ、苦しかったぁ。
ほっとして周りを見るも、ぼやけて良く見えない。
不思議に思っていると、体をあちこち触られたり、動かされたり、拭かれたり……。
ひゃー!私介護されてるの!?もしかして事故の後遺症で全身麻痺とかになっちゃった!?
手足をバタつかせて抵抗しても、何の効果も無かった。
体は動くから全身麻痺ではない?でも介護……?
困惑していると、口に何か液体が入ってきた。
甘い……?美味しい、何これ!?もっと欲しい!
アピールするように、口をパクパクさせると、また液体が口に入ってきた。
美味しい!もっともっと!
今度は何が柔らかいものを咥えさせられた。
これは……?美味しい味が少しするけど何かグニグニしてる。口や舌を動かして探るも、良く分からない。ヤケになって吸ってみたら、さっきの美味しい液体が口の中にたくさん溢れた。
美味しい、最高!ゴクゴクと止まることなく飲み続けた。
途中で口を無理矢理開けられて、咥えたものから離された。
何で!?まだ飲んでるのに!邪魔しないで!
身体を動かされて、パクパクしている口にまた咥えさせられた。さっきよりも飲みやすく、ゴクゴクと勢い良く飲む。
何なの、全くもう!ああ、美味しい!
夢中で吸い続け少し疲れてきた頃、眠気が襲ってきた。
そういえば……私どうなったのかな……?いいや……、寝てから考えよう……。
眠った私は、知らないうちに天使のような寝顔で周囲の人を魅了していた。
それが私の新たな人生の始まりだった。
買い物に向かう為、自転車を走らせながら溜め息混じりに呟く。
持病が辛い。体のあちこちに出る痛みに、吐き気やダルさ等…。仕事を辞める前からだから、もうかれこれ3年は付き合わされている。病院に通院するも、精神的なものらしく良くはならない。
メンタルクリニックに行ってみたら?と医者に言われたが、そんなお金など無い。
問題のある人と組まされ、嫌がらせされたことによる心身の不調で仕事を辞めてからは専業主婦となった。夫に扶養してもらって有難いと思うが、精神的には辛い。
元々親から差別されて育った私と、結婚してくれた優しい夫。
でも今では、俺の方が会社で辛いのに、俺が仕事を辞められない、辞めたら生活出来ない、お前の方が若いのに働かない、お金がないから欲しいものが買えない等、攻撃をくらう日々。
どうせただ調子悪いだけだろ?と理解してもらえないのも辛い。
そんな辛い日々でも、癒しはある。漫画や小説を読めばその世界に行けて、辛い現実から逃避出来る。特にファンタジーが好きだ。お金が掛からずに幸せな気分になれる。
私は少し変わっていて、女でありながら可愛い女性が好き。夫に変態だと言われても隠すことはしなかった。ふわふわした雰囲気で頭が良くて、しっかりしてて実は強くて……。そんな好みの女性に会えたら、その掌で転がされたい!みたいなことを思ってみたり……。
なんてね。今日も何とか家事は頑張ろうと、無理のない範囲でやっている状態だ。
「ハァ、痛いし、暑いし……。」
痛みに加え、猛暑での夏バテも合わさるとより辛い。汗が吹き出し、首を伝いシャツの中へと流れていく。
暑い……、何かクラクラしてきたかも……。そういえば水分そんなに飲んで無かったかな……?
青信号になり、交差点を渡ろうとペダルに掛けた足に力を入れる。
少しふらついたその時、よそ見をしていた車がスピードを落とさず右折し、向かってきた。
「危ない!!」
通行人の言葉が聞こえるも、思考の鈍った私になす術は無かった。
ドン!という音とともに視界はモノクロでスローになる。視界の中心には高速でフィルム映画のようなものが流れていく。
これが噂の走馬灯か……。まぁまぁな人生だったな。大切にしてくれる家族、健康な体が欲しかったな……。
おかしな世界を見ながら、この先を思い、安堵の笑みを浮かべた。何故なら、もうすぐこの苦しみから解放されるから……。
「キャー!」
「おい!救急車呼べ!」
ドサリと地面に激しく叩きつけられた。痛みは感じない、何も聞こえない……。モノクロだった視界は徐々に暗くなり、私の人生がそこで幕を閉じた。
ーーあれ……?暗い……狭い……動けない……。
動かそうとしてみるも、体を何かでギュウギュウ押さえつけられているらしく、ビクともしない。
ここは何処?私は死んだはず……。
さらに強い力で押され、苦しくなってきた。
何なの?一体誰がこんな嫌がらせしているの!?
イライラして、叫びたくても叫べない状況の中、頭を強く掴まれ引っ張られた。
何!?今度は何なの!?
あれだけ押されていた力が無くなると、急に明るくなって、体が軽くなった。
ああ、苦しかったぁ。
ほっとして周りを見るも、ぼやけて良く見えない。
不思議に思っていると、体をあちこち触られたり、動かされたり、拭かれたり……。
ひゃー!私介護されてるの!?もしかして事故の後遺症で全身麻痺とかになっちゃった!?
手足をバタつかせて抵抗しても、何の効果も無かった。
体は動くから全身麻痺ではない?でも介護……?
困惑していると、口に何か液体が入ってきた。
甘い……?美味しい、何これ!?もっと欲しい!
アピールするように、口をパクパクさせると、また液体が口に入ってきた。
美味しい!もっともっと!
今度は何が柔らかいものを咥えさせられた。
これは……?美味しい味が少しするけど何かグニグニしてる。口や舌を動かして探るも、良く分からない。ヤケになって吸ってみたら、さっきの美味しい液体が口の中にたくさん溢れた。
美味しい、最高!ゴクゴクと止まることなく飲み続けた。
途中で口を無理矢理開けられて、咥えたものから離された。
何で!?まだ飲んでるのに!邪魔しないで!
身体を動かされて、パクパクしている口にまた咥えさせられた。さっきよりも飲みやすく、ゴクゴクと勢い良く飲む。
何なの、全くもう!ああ、美味しい!
夢中で吸い続け少し疲れてきた頃、眠気が襲ってきた。
そういえば……私どうなったのかな……?いいや……、寝てから考えよう……。
眠った私は、知らないうちに天使のような寝顔で周囲の人を魅了していた。
それが私の新たな人生の始まりだった。
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