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第3章 学術都市
38話 学術都市の黒い竜
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城門を超えると、街の目抜き通りが眼の前に伸びていた。
広い通りの左右には同じようなものを扱った店が何軒も並んでいた。
「聖典以外の本なんて、おれ初めて見るよ」
「つうかよ通りの店、ほとんどその本とか言うのしか売ってねえよな」
日が傾き始めた頃、オレたちはこの街に着いた。
通りを行き交う人の多さは、オレからするとカルロの故郷と違わないように見える。
この街が違うところがあるとすれば、同じような服を着たやつをよく見かけるってことくらいだ。服の丈は長かったり短かったりでバラバラだが、どいつもこいつも胸に同じ模様が大きく刺繍されていた。
「とりあえず、この通り沿いにある銀の盃亭、だったけね、そこに行けばいいのだったかね」
レーテがオレとカルロを見る。
「二人共、共通語の読み書きは」
二人揃って首を横に振る。
「私が探すしか無いってことだね」
レーテがため息を一つこぼす。
「しっかし門のところで番兵が話してたやつ、あれ何だったんだろうな」
「おれもあんなの初めて見たよ。なんて言ってたっけ、えんかく通話?」
「透明な石の中に別のやつが映ってな。ちゃんと話ししてたし、なんなんだろうな、ありゃ」
城門についたときのことを思い出す。
レーテが番兵の一人に紹介状を見せると、オレたちは城壁の中の部屋に通された。
そこにはカルロくらいの大きさの透明な石が置いてあって、番兵が手をかざすと石の中に番兵でない別の人間が映っていた。
それだけでも十分驚いたんだが、その映ったやつと眼の前のやつが会話をはじめて更に驚かされた。
で、銀の盃亭だとかに迎えが行くから待っていて欲しいとのことだった。
「銀の盃、銀の盃……ああ、あった。あの店だね」
銀というよりは、薄ぼけた灰色の盃型の看板が下がっている店だった。
「一応店の名前も間違えていないし、ここでいいはずなのだけどね」
「で、どいつがそうなんだ?」
「ていうかさ、おれらどういう人が来るのか聞いてなかったよな」
そういや、それ聞いてなかったな。
店の中からは美味そうな食い物の匂いがしてくる。
「飯、飯食おうぜ!」
「賛成! おれも腹減った」
「ここで立ってても仕方ないしね」
店に入り、窓から一番離れた席に座り、レーテがフードを取る。
「さあ、食べたいものをお食べ」
「じゃあオレ肉、肉いてえ!」
側にいた店のやつを呼び止め、適当に何種類か料理を頼む。
暫く待つとテーブルの上に料理が並んでいき、その匂いに腹が鳴りそうになる。
手近な料理に手を付け頬張る。
「んー、んめぇ。魚も美味かったけど、やっぱ肉のほうがオレは好きだな」
「おいオッサン、取り分ける前に口つけんなよ。おれまだ、それ食ってねえんだぞ」
カルロは文句を言うが、早いもの勝ちの食ったもの勝ちだ。
別の料理に手を出そうとしたら、皿ごとカルロに取っていかれる。
「カルロ、皿ごと持っていくんじゃねえ」
「やだね、オッサンに好きに食わせてたらおれとネエちゃんが何も食えねえもん」
レーテはそんな俺達を見て、笑みを浮かべながら料理をつまんでいた。
「失礼します、教授からの使いできたダネルといいます。レーテさん、ですね」
「ああ、私がレーテさね」
声のした方を見る。
オレの胸くらいの背丈の、黒い鱗の竜種の男だった。街にいた奴らと同じ刺繍が胸に入った服を着た、少し気だるそうな雰囲気の男だった。黒ねえ、黒か。
「どうしたんだよオッサン。なんか渋い顔してさ」
「別に、黒い鱗かと思っただけだ」
お、睨まれた。あーこええこええ。
「その教授という人に、これから会えるのかね?」
「申し訳ないのですが、教授は本日の予定が埋まっていまして、直接お会いできないんです。明日以降であれば、時間が取れるとのことで、その連絡です」
「明日のいつなら大丈夫かね」
「昼でしたら、多少時間が取れるとのことです」
レーテがオレの方を見る。
「明日んなりゃ会えんだろ、ならそれでいいんじゃねえ」
「なあ明日になったら、ニイちゃんが迎えに来てくれんのか?」
「宿への案内と、明日学院への案内も受けています。宿の方へ、もうご案内しましょうか」
「飯食ってんのが見えんだろうが、ちったぁ待てってんだ」
「チッ」
思い切り聞こえる大きさの舌打ちが聞こえた。
「失礼ですが、この青はお連れでしょうか? 護身のためとは言え、あまり役に立たないのでは」
この黒、誰が役立たずだ。
「じゃあテメェは役に立つってのか」
「お前よりは役に立つだろうな。どうせ野盗や魔獣が出ても、突撃するだけなんだろう」
「ハッ、テメェこそ逃げ回るしか能がねえくせによく言うぜ」
「逃げてるんじゃない、戦術だ、戦略だ。何も考えずに突っ込むことを勇敢だとかいうのとは違う」
「だったらここで、どっちの戦い方のほうが強いか比べるか?」
「青は頭が空っぽなのか。周りの迷惑くらい考えろ」
この野郎、ああ言えばこう言いやがる。
「なあ、なんかオッサンとあのニイちゃん雰囲気わるくね? 知り合いかなにか?」
「なんでも竜種は鱗の色が違うと、仲が悪いらしいね」
コイツラはのんきに飯食いながら、話ししてやがるし。
「どうせ武器の扱いばかり覚えて、他のことに考えることを割くこともなかったんだろう。禄に何も教えられてない、青の連中の程度が知れるな」
「んだとテメェ!」
「ゴーヴァン!」
レーテが立ち上がり、オレの腕を掴んでいた。
カルロはどこか不安そうな顔でオレを見ている。
「はは、どうした、殴るつもりだったか?」
「テメェこそ腰が引けてんぞ」
余裕あるつもりだろうが、腰は引けてるし顔はひきつってる。臆病な黒ってのはよく言ったもんだ。
「すまないけどダネル、食事が済むまで少し待っててくれないかね」
「わかりました。店の外で待っていますので、声をかけてください。」
黒は頭を一度下げると、店の外へと出ていった。
レーテとカルロが同時にため息をつく。
「このまま喧嘩でも始まるのかと思ったよ、まったく」
「オッサン、今めちゃくちゃ怖い顔してしてるぞ」
「そんな怖い顔になってるのか?」
カルロが頷く。
アイツが義兄さんのことを悪く言ったわけじゃないのはわかってる。村の皆のことを悪く言ったんだ。
でもオレにとって今日まで生きることが出来たのは、義兄さんの教えが会ったからだ。狭くて暗い檻の中で、義兄さんが教え、聞かせてくれたたくさんのことが、今のオレをこうしてあらせてくれてる。
それをバカにされたんだ、怒るのが当然ってもんだろう。
「まあ、食事でもして落ち着くんだね。ダネルに案内してもらうのは、それからでいい」
「そうそう、飯でも食って頭冷やしなよ、オッサン」
「だああ、一番大きいやつ取ってんじゃねえ!」
カルロのやつ、次に食おうと思ってたやつペロリと食べつくしやがった。
もうあんな奴のことなんざ、考えるのは止めだ止め! このまま放っておいたら、カルロに全部食われちまう。
空になった皿の代わりに新しい料理を注文し、カルロとオレの飯の取り合いが始まった。
広い通りの左右には同じようなものを扱った店が何軒も並んでいた。
「聖典以外の本なんて、おれ初めて見るよ」
「つうかよ通りの店、ほとんどその本とか言うのしか売ってねえよな」
日が傾き始めた頃、オレたちはこの街に着いた。
通りを行き交う人の多さは、オレからするとカルロの故郷と違わないように見える。
この街が違うところがあるとすれば、同じような服を着たやつをよく見かけるってことくらいだ。服の丈は長かったり短かったりでバラバラだが、どいつもこいつも胸に同じ模様が大きく刺繍されていた。
「とりあえず、この通り沿いにある銀の盃亭、だったけね、そこに行けばいいのだったかね」
レーテがオレとカルロを見る。
「二人共、共通語の読み書きは」
二人揃って首を横に振る。
「私が探すしか無いってことだね」
レーテがため息を一つこぼす。
「しっかし門のところで番兵が話してたやつ、あれ何だったんだろうな」
「おれもあんなの初めて見たよ。なんて言ってたっけ、えんかく通話?」
「透明な石の中に別のやつが映ってな。ちゃんと話ししてたし、なんなんだろうな、ありゃ」
城門についたときのことを思い出す。
レーテが番兵の一人に紹介状を見せると、オレたちは城壁の中の部屋に通された。
そこにはカルロくらいの大きさの透明な石が置いてあって、番兵が手をかざすと石の中に番兵でない別の人間が映っていた。
それだけでも十分驚いたんだが、その映ったやつと眼の前のやつが会話をはじめて更に驚かされた。
で、銀の盃亭だとかに迎えが行くから待っていて欲しいとのことだった。
「銀の盃、銀の盃……ああ、あった。あの店だね」
銀というよりは、薄ぼけた灰色の盃型の看板が下がっている店だった。
「一応店の名前も間違えていないし、ここでいいはずなのだけどね」
「で、どいつがそうなんだ?」
「ていうかさ、おれらどういう人が来るのか聞いてなかったよな」
そういや、それ聞いてなかったな。
店の中からは美味そうな食い物の匂いがしてくる。
「飯、飯食おうぜ!」
「賛成! おれも腹減った」
「ここで立ってても仕方ないしね」
店に入り、窓から一番離れた席に座り、レーテがフードを取る。
「さあ、食べたいものをお食べ」
「じゃあオレ肉、肉いてえ!」
側にいた店のやつを呼び止め、適当に何種類か料理を頼む。
暫く待つとテーブルの上に料理が並んでいき、その匂いに腹が鳴りそうになる。
手近な料理に手を付け頬張る。
「んー、んめぇ。魚も美味かったけど、やっぱ肉のほうがオレは好きだな」
「おいオッサン、取り分ける前に口つけんなよ。おれまだ、それ食ってねえんだぞ」
カルロは文句を言うが、早いもの勝ちの食ったもの勝ちだ。
別の料理に手を出そうとしたら、皿ごとカルロに取っていかれる。
「カルロ、皿ごと持っていくんじゃねえ」
「やだね、オッサンに好きに食わせてたらおれとネエちゃんが何も食えねえもん」
レーテはそんな俺達を見て、笑みを浮かべながら料理をつまんでいた。
「失礼します、教授からの使いできたダネルといいます。レーテさん、ですね」
「ああ、私がレーテさね」
声のした方を見る。
オレの胸くらいの背丈の、黒い鱗の竜種の男だった。街にいた奴らと同じ刺繍が胸に入った服を着た、少し気だるそうな雰囲気の男だった。黒ねえ、黒か。
「どうしたんだよオッサン。なんか渋い顔してさ」
「別に、黒い鱗かと思っただけだ」
お、睨まれた。あーこええこええ。
「その教授という人に、これから会えるのかね?」
「申し訳ないのですが、教授は本日の予定が埋まっていまして、直接お会いできないんです。明日以降であれば、時間が取れるとのことで、その連絡です」
「明日のいつなら大丈夫かね」
「昼でしたら、多少時間が取れるとのことです」
レーテがオレの方を見る。
「明日んなりゃ会えんだろ、ならそれでいいんじゃねえ」
「なあ明日になったら、ニイちゃんが迎えに来てくれんのか?」
「宿への案内と、明日学院への案内も受けています。宿の方へ、もうご案内しましょうか」
「飯食ってんのが見えんだろうが、ちったぁ待てってんだ」
「チッ」
思い切り聞こえる大きさの舌打ちが聞こえた。
「失礼ですが、この青はお連れでしょうか? 護身のためとは言え、あまり役に立たないのでは」
この黒、誰が役立たずだ。
「じゃあテメェは役に立つってのか」
「お前よりは役に立つだろうな。どうせ野盗や魔獣が出ても、突撃するだけなんだろう」
「ハッ、テメェこそ逃げ回るしか能がねえくせによく言うぜ」
「逃げてるんじゃない、戦術だ、戦略だ。何も考えずに突っ込むことを勇敢だとかいうのとは違う」
「だったらここで、どっちの戦い方のほうが強いか比べるか?」
「青は頭が空っぽなのか。周りの迷惑くらい考えろ」
この野郎、ああ言えばこう言いやがる。
「なあ、なんかオッサンとあのニイちゃん雰囲気わるくね? 知り合いかなにか?」
「なんでも竜種は鱗の色が違うと、仲が悪いらしいね」
コイツラはのんきに飯食いながら、話ししてやがるし。
「どうせ武器の扱いばかり覚えて、他のことに考えることを割くこともなかったんだろう。禄に何も教えられてない、青の連中の程度が知れるな」
「んだとテメェ!」
「ゴーヴァン!」
レーテが立ち上がり、オレの腕を掴んでいた。
カルロはどこか不安そうな顔でオレを見ている。
「はは、どうした、殴るつもりだったか?」
「テメェこそ腰が引けてんぞ」
余裕あるつもりだろうが、腰は引けてるし顔はひきつってる。臆病な黒ってのはよく言ったもんだ。
「すまないけどダネル、食事が済むまで少し待っててくれないかね」
「わかりました。店の外で待っていますので、声をかけてください。」
黒は頭を一度下げると、店の外へと出ていった。
レーテとカルロが同時にため息をつく。
「このまま喧嘩でも始まるのかと思ったよ、まったく」
「オッサン、今めちゃくちゃ怖い顔してしてるぞ」
「そんな怖い顔になってるのか?」
カルロが頷く。
アイツが義兄さんのことを悪く言ったわけじゃないのはわかってる。村の皆のことを悪く言ったんだ。
でもオレにとって今日まで生きることが出来たのは、義兄さんの教えが会ったからだ。狭くて暗い檻の中で、義兄さんが教え、聞かせてくれたたくさんのことが、今のオレをこうしてあらせてくれてる。
それをバカにされたんだ、怒るのが当然ってもんだろう。
「まあ、食事でもして落ち着くんだね。ダネルに案内してもらうのは、それからでいい」
「そうそう、飯でも食って頭冷やしなよ、オッサン」
「だああ、一番大きいやつ取ってんじゃねえ!」
カルロのやつ、次に食おうと思ってたやつペロリと食べつくしやがった。
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