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第4章 青い竜の村
74話 白い影
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義兄さんの所からの帰り、レーテのことをダネルに聞いた。
「彼女、今そんなことをさせられているのか?」
「ルクレツィアからはそう聞いた」
「いくら死なない体だからって、やらせることがおかしいだろう」
やっぱり、そう思うよな。
「連れ出すわけにはいかねえのか?」
「教導会から付きまとわられると言っていたんだろう。だとしたら下手に連れ出すのは止めたほうがいい」
「その教導会っての、そんなに面倒な連中なのか?」
ダネルが心底思いだしたくないような顔をする。
「面倒といえば面倒だな。
天上の神の愛とやらを説いているくせに自分たち以外の考えは認めようとしない。
熱心な信者からは祖霊のことすら否定されたんだぞ。流石に僕も大声で怒鳴った」
いや、それ殴ってもいいやつだろ。
「連中、教団騎士とかいう戦士の集団までいるからな。いくらレーテさんや教授が夜は力で勝るとは言ってもずっと付きまとわれるんだ。関係を持たずにいられるならそうしたいだろう」
そういやレーテのヤツは昔、追われてたことがあったんだっけか。
追われたくなくて、死なないから毒も飲むか……オレにはそんな気持ちは、やっぱ分からねえ。
なんにしても、一度レーテ本人と話すのがイチバンだな。
姉さんに預けた服、今日か明日にでも取りに来るって言ってたよな。確か。
夕日に赤く染まる街を歩いて家、というかルクレツィアの家に帰ると、玄関先で何かをやっていたアズの姿が見えた。
「おじちゃん、おかえりなさい」
玄関先で何をやって遊んでいたのか、アズがオレを見つけ駆け寄ってくる。
「オウ、アズ。いま帰ったぞ」
駆け寄ってくるアズを受け止めると、両手を白く染めていた。
「アズ、オメェなにやってたんだ?」
「あのね、しろいおじちゃんとおえかきしてたの。これくれたんだ」
「随分たくさんのチョークをもらったんだね」
チョークってのは、アズが手に持ってる白い棒やらカケラのことか。
しかし白いおじちゃんねえ、どこのどんなやつだ?
「へえ、なんか色々かいたんだな」
「これ、おかあさんで、おとうさん。でね、これがおじさん」
はっはっは。悪いアズ、何かいてあるんだかよくわかんね。
アズが地面にかいたよくわからないものを見て、なぜかダネルの顔が厳しくなっていく。
「あらゴーヴァン、ダネル君。お帰りなさい」
後ろから姉さんの声が聞こえた。
振り返ると買い物の帰りなんだろう、手に持ったカゴからあれこれ食い物が見えた。
「姉さん、出かけてたのか」
「ええ、ルクレツィアさんに言われて買い物に行ってたの。あらアズ、あの人は?」
アズが首を横に振る。
「まさかシアラさん知らない人にアズくんを預けて?」
「ルクレツィアさんの知り合いっていう白の人が来て、この子をしばらく見てくれるって言うから」
「何やってるんです! ここはあなたのいた村じゃないんです! 自分の見知った相手でもないのに子供を預けたりしないでください!
ついこの間まで自分の家族がどうなっていたのか思い出してください!」
なんだなんだ、ダネルのヤツ急に!?
「オイ、どうしたんだよ急に……うおっ!」
「いずれ、子供、貰う、ユリウス。アズ君の落書きに混じって魔術言語でそう書いてある。」
ダネルに襟首を捕まれ、耳元で囁かれる。
凍った湖に突き落とされたみたいに、全身に寒気が走った。
その後はダネルが姉さんに、知らないヤツに子供を預けることの怖さをあれこれ話してた。
ダネルの話しを聞いて、姉さんの顔が暗くなっていくのがよくわかった。
アズを抱きしめながら、ごめんねと何度も繰り返す。
しまいにはオレも姉さんに抱きしめられて、震える姉さんの肩を撫でてやったりしてた。
「オイ、ダネル」
「しかたないだろう。本当のことなんだ」
だからって程度とか加減ってもんがあるだろうが。
姉さん、顔色悪くなってきてねえか。
「しかしシアラさんがその感じだとお前も同じことをしそうで怖いな」
さすがに知らないヤツにアズを預けたり……いや、そう言う状況になったことないから、わかんねえ。
けどユリウスはオレとアズの血が繋がってるってことは知らないはずだし、義兄さんの子ってことも知らないはず。
てことはルクレツィアに関係があると思ってんのか?
「家主がいま帰ったぞ。みんな揃って何してるんだ」
「ただいま。ニイちゃん、いつもこんな色々やってたのかよ」
「こんな時間にすまないね。お邪魔するよ」
「ルクレツィア、カルロ。レーテも」
丁度いいところに帰ってきやがった。
「実は……」
ユリウスらしいやつが来たこと、アズを貰うと書いてあったことを姉さんには聞こえないよう、ルクレツィアの耳元で伝える。
「はぁっ!? ユリウスのやつが来ただ!」
声デケえよ!
「アイツ、私の家の場所なんて知ってたのか。危なくないか、それ。あいつ今、この街のお尋ね者だぞ」
オイ、止めろ。姉さんが本気で顔色悪くなってきてるぞ。
「彼女、今そんなことをさせられているのか?」
「ルクレツィアからはそう聞いた」
「いくら死なない体だからって、やらせることがおかしいだろう」
やっぱり、そう思うよな。
「連れ出すわけにはいかねえのか?」
「教導会から付きまとわられると言っていたんだろう。だとしたら下手に連れ出すのは止めたほうがいい」
「その教導会っての、そんなに面倒な連中なのか?」
ダネルが心底思いだしたくないような顔をする。
「面倒といえば面倒だな。
天上の神の愛とやらを説いているくせに自分たち以外の考えは認めようとしない。
熱心な信者からは祖霊のことすら否定されたんだぞ。流石に僕も大声で怒鳴った」
いや、それ殴ってもいいやつだろ。
「連中、教団騎士とかいう戦士の集団までいるからな。いくらレーテさんや教授が夜は力で勝るとは言ってもずっと付きまとわれるんだ。関係を持たずにいられるならそうしたいだろう」
そういやレーテのヤツは昔、追われてたことがあったんだっけか。
追われたくなくて、死なないから毒も飲むか……オレにはそんな気持ちは、やっぱ分からねえ。
なんにしても、一度レーテ本人と話すのがイチバンだな。
姉さんに預けた服、今日か明日にでも取りに来るって言ってたよな。確か。
夕日に赤く染まる街を歩いて家、というかルクレツィアの家に帰ると、玄関先で何かをやっていたアズの姿が見えた。
「おじちゃん、おかえりなさい」
玄関先で何をやって遊んでいたのか、アズがオレを見つけ駆け寄ってくる。
「オウ、アズ。いま帰ったぞ」
駆け寄ってくるアズを受け止めると、両手を白く染めていた。
「アズ、オメェなにやってたんだ?」
「あのね、しろいおじちゃんとおえかきしてたの。これくれたんだ」
「随分たくさんのチョークをもらったんだね」
チョークってのは、アズが手に持ってる白い棒やらカケラのことか。
しかし白いおじちゃんねえ、どこのどんなやつだ?
「へえ、なんか色々かいたんだな」
「これ、おかあさんで、おとうさん。でね、これがおじさん」
はっはっは。悪いアズ、何かいてあるんだかよくわかんね。
アズが地面にかいたよくわからないものを見て、なぜかダネルの顔が厳しくなっていく。
「あらゴーヴァン、ダネル君。お帰りなさい」
後ろから姉さんの声が聞こえた。
振り返ると買い物の帰りなんだろう、手に持ったカゴからあれこれ食い物が見えた。
「姉さん、出かけてたのか」
「ええ、ルクレツィアさんに言われて買い物に行ってたの。あらアズ、あの人は?」
アズが首を横に振る。
「まさかシアラさん知らない人にアズくんを預けて?」
「ルクレツィアさんの知り合いっていう白の人が来て、この子をしばらく見てくれるって言うから」
「何やってるんです! ここはあなたのいた村じゃないんです! 自分の見知った相手でもないのに子供を預けたりしないでください!
ついこの間まで自分の家族がどうなっていたのか思い出してください!」
なんだなんだ、ダネルのヤツ急に!?
「オイ、どうしたんだよ急に……うおっ!」
「いずれ、子供、貰う、ユリウス。アズ君の落書きに混じって魔術言語でそう書いてある。」
ダネルに襟首を捕まれ、耳元で囁かれる。
凍った湖に突き落とされたみたいに、全身に寒気が走った。
その後はダネルが姉さんに、知らないヤツに子供を預けることの怖さをあれこれ話してた。
ダネルの話しを聞いて、姉さんの顔が暗くなっていくのがよくわかった。
アズを抱きしめながら、ごめんねと何度も繰り返す。
しまいにはオレも姉さんに抱きしめられて、震える姉さんの肩を撫でてやったりしてた。
「オイ、ダネル」
「しかたないだろう。本当のことなんだ」
だからって程度とか加減ってもんがあるだろうが。
姉さん、顔色悪くなってきてねえか。
「しかしシアラさんがその感じだとお前も同じことをしそうで怖いな」
さすがに知らないヤツにアズを預けたり……いや、そう言う状況になったことないから、わかんねえ。
けどユリウスはオレとアズの血が繋がってるってことは知らないはずだし、義兄さんの子ってことも知らないはず。
てことはルクレツィアに関係があると思ってんのか?
「家主がいま帰ったぞ。みんな揃って何してるんだ」
「ただいま。ニイちゃん、いつもこんな色々やってたのかよ」
「こんな時間にすまないね。お邪魔するよ」
「ルクレツィア、カルロ。レーテも」
丁度いいところに帰ってきやがった。
「実は……」
ユリウスらしいやつが来たこと、アズを貰うと書いてあったことを姉さんには聞こえないよう、ルクレツィアの耳元で伝える。
「はぁっ!? ユリウスのやつが来ただ!」
声デケえよ!
「アイツ、私の家の場所なんて知ってたのか。危なくないか、それ。あいつ今、この街のお尋ね者だぞ」
オイ、止めろ。姉さんが本気で顔色悪くなってきてるぞ。
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