88 / 103
第4章 青い竜の村
86話 ひみつのともだち
しおりを挟む
おかあさんにも、おじさん、ううん、ゴーヴァンおにいちゃんやカルロおにいちゃんにも、ヒミツのともだちがいる。
「やあアズ、お早う」
おかあさんが、朝おきるより早く、まだ人がほとんどいない外に出ると、ともだちがまっている。
「おじさん!」
しろいウロコのおじさん。
みんなにヒミツのともだち。
「今日はなにするの?」
「最初に今まで教えたことをやってみようか」
「うん」
おじさんがくれた光る石を手にもって、おしえてもらった文字をかく。
「燃やせ火球」
そらへ真っ赤な火の玉がとんでいく。
たかいところまでとんで、はじけてきえる。
こんどはべつの文字をかく。
「流し喰らえ水流」
水がヘビみたいに、ぼくのまわりをクルクルまわる。
まわりながら、ぼくのずっと上にあがっていって、はじけて雨みたいになる。
「アズは魔術の才能があるのかな。教えて短いのにとても上手だ」
「えへへ」
剣の稽古でゴーヴァンおにいちゃんにほめてもらうのも好きだけど、白いおじちゃんにほめてもらうのも好き。
「じゃあ今日は、新しい魔術を教えようかな」
「本当? やった!」
「いいかい、今から書く文字をよく覚えるんだよ」
おじさんがかく文字をじっと見て、文字のかたちをおぼえる。
「走れ雷電」
おじさんが文字をかくと、カミナリがおじさんの前からじめんにおちる。
「さあ、やってごらん」
おじさんがかいたのと、同じ文字をかく。
「走れ雷電」
ぼくのまえから、おじさんよりも小さなカミナリが出る。
「やった、できたよ」
「本当にアズは魔術の才能があるな。
初めての呪文を、どれも一回で成功させてる」
おじさんが、ぼくのあたまをなでてくれる。
うれしくて、声が出そうになるけどガマンする。
だれかにみつかったら、おじさんが、もう来てくれなくなるから。
「アズなら、もっと難しい魔術もすぐに使えるようになるね」
「ほんとう? どんなことができるの?」
「アズがやりたいと思うことは、何だって出きるさ。
覚えなくちゃいけないことは沢山あるけど、覚えれば覚えただけ、魔術は出きることが増えるんだよ」
すごい!
「じゃあ、ゴーヴァンおにいちゃんよりつよくなったり、空のお星さまをみんなあつめたりできるの?」
「ああ、アズがやりたいことは何だって出来るさ」
うれしいな、そうなりたいな。
なんだってできるなら、なにからやろうかな。
すごく、すっごくたのしみだな。
そんなすごいことをおしえてくれる、そんなおじさんが、大好き。
つよいゴーヴァンおにいちゃんと同じくらい、大好き!
だから……
「ぼく、おとうさんより、おじさんのほうが好きだな」
「お父さんと喧嘩でもしたのかい?」
「おとうさん、すっごくよわそうだった。
おかあさんも、ゴーヴァンおにいちゃんも、おとうさんはつよいって言ってたのに、ぼくのこと、だっこできなかった」
きのうのよるのこと、おもいだす。
おかあさんも、ゴーヴァンおにいちゃんも、カルロおにいちゃんだって、ぼくのことだっこして、もちあげてくれる。
でも、おとうさんはできなかった。
「そうか、皆に嘘を吐かれて悲しかったんだ」
おじさんにそういわれて、少しかんがえる。
うそ? みんな? ぼくにウソ言ってたの?
やだな、そんなの。
「ああ、アズ。そんな悲しい顔はしないでおくれ。
僕まで見ていて悲しくなってしまう」
おじさんが、ぼくのあたまをなでてくれる。
「じゃあアズには、特別な魔法をおしえてあげよう」
「魔法? 魔術じゃなくて?」
「そう、魔法。昔々からある、誰だって使える不思議な力のある言葉だよ」
ふしぎな力? ぼくでもつかえるの?
「ははは、嬉しそうな顔になったね。
僕はアズはそう言う顔の方が好きだな」
おじさんがわらってくれる。
「じゃあ、特別な魔法を教えてあげる。
一回しか言わないから、ちゃんと覚えるんだよ」
いっかい!? わすれないようにしないと!
「いいかい、お父さんと嫌なことがあったら、こう言うんだ。
お前なんてお父さんじゃない。お前なんていらない、てね」
「やあアズ、お早う」
おかあさんが、朝おきるより早く、まだ人がほとんどいない外に出ると、ともだちがまっている。
「おじさん!」
しろいウロコのおじさん。
みんなにヒミツのともだち。
「今日はなにするの?」
「最初に今まで教えたことをやってみようか」
「うん」
おじさんがくれた光る石を手にもって、おしえてもらった文字をかく。
「燃やせ火球」
そらへ真っ赤な火の玉がとんでいく。
たかいところまでとんで、はじけてきえる。
こんどはべつの文字をかく。
「流し喰らえ水流」
水がヘビみたいに、ぼくのまわりをクルクルまわる。
まわりながら、ぼくのずっと上にあがっていって、はじけて雨みたいになる。
「アズは魔術の才能があるのかな。教えて短いのにとても上手だ」
「えへへ」
剣の稽古でゴーヴァンおにいちゃんにほめてもらうのも好きだけど、白いおじちゃんにほめてもらうのも好き。
「じゃあ今日は、新しい魔術を教えようかな」
「本当? やった!」
「いいかい、今から書く文字をよく覚えるんだよ」
おじさんがかく文字をじっと見て、文字のかたちをおぼえる。
「走れ雷電」
おじさんが文字をかくと、カミナリがおじさんの前からじめんにおちる。
「さあ、やってごらん」
おじさんがかいたのと、同じ文字をかく。
「走れ雷電」
ぼくのまえから、おじさんよりも小さなカミナリが出る。
「やった、できたよ」
「本当にアズは魔術の才能があるな。
初めての呪文を、どれも一回で成功させてる」
おじさんが、ぼくのあたまをなでてくれる。
うれしくて、声が出そうになるけどガマンする。
だれかにみつかったら、おじさんが、もう来てくれなくなるから。
「アズなら、もっと難しい魔術もすぐに使えるようになるね」
「ほんとう? どんなことができるの?」
「アズがやりたいと思うことは、何だって出きるさ。
覚えなくちゃいけないことは沢山あるけど、覚えれば覚えただけ、魔術は出きることが増えるんだよ」
すごい!
「じゃあ、ゴーヴァンおにいちゃんよりつよくなったり、空のお星さまをみんなあつめたりできるの?」
「ああ、アズがやりたいことは何だって出来るさ」
うれしいな、そうなりたいな。
なんだってできるなら、なにからやろうかな。
すごく、すっごくたのしみだな。
そんなすごいことをおしえてくれる、そんなおじさんが、大好き。
つよいゴーヴァンおにいちゃんと同じくらい、大好き!
だから……
「ぼく、おとうさんより、おじさんのほうが好きだな」
「お父さんと喧嘩でもしたのかい?」
「おとうさん、すっごくよわそうだった。
おかあさんも、ゴーヴァンおにいちゃんも、おとうさんはつよいって言ってたのに、ぼくのこと、だっこできなかった」
きのうのよるのこと、おもいだす。
おかあさんも、ゴーヴァンおにいちゃんも、カルロおにいちゃんだって、ぼくのことだっこして、もちあげてくれる。
でも、おとうさんはできなかった。
「そうか、皆に嘘を吐かれて悲しかったんだ」
おじさんにそういわれて、少しかんがえる。
うそ? みんな? ぼくにウソ言ってたの?
やだな、そんなの。
「ああ、アズ。そんな悲しい顔はしないでおくれ。
僕まで見ていて悲しくなってしまう」
おじさんが、ぼくのあたまをなでてくれる。
「じゃあアズには、特別な魔法をおしえてあげよう」
「魔法? 魔術じゃなくて?」
「そう、魔法。昔々からある、誰だって使える不思議な力のある言葉だよ」
ふしぎな力? ぼくでもつかえるの?
「ははは、嬉しそうな顔になったね。
僕はアズはそう言う顔の方が好きだな」
おじさんがわらってくれる。
「じゃあ、特別な魔法を教えてあげる。
一回しか言わないから、ちゃんと覚えるんだよ」
いっかい!? わすれないようにしないと!
「いいかい、お父さんと嫌なことがあったら、こう言うんだ。
お前なんてお父さんじゃない。お前なんていらない、てね」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる