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第4章 青い竜の村
88話 父子の距離
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「使えば使うほど、便利な武器だと感じるな。
休めば矢が補充される弓なんて、狩りの強い味方になる」
義兄さんは目を覚まして十日もたたないうちに、オレの所へ来ては魔砲を撃ったり、アズの剣の稽古に付き合ったりしていた。
今日も二人で的を撃ったり、アズの稽古をしたりしている。
「狩りか。もうしばらく行ってねえな」
「狩りに行くの? ぼくも行きたい!」
オレがアズくらいの頃には、義兄さんについて狩りに行ったりしてたっけ。
義兄さんとアズと一緒に狩りか、楽しみが増えるな。
「ダメだ、アズにはまだ危険だからな」
アズが不満そうな声を上げる。
「オレと義兄さんがいるんだ、いざとなってもアズのことは守ってやれるだろ
それにオレなんて、アズくらいの頃には義兄さんと一緒に狩りに行ってじゃねえか」
「それは、そうなんだが」
義兄さんが返事を返してこない。
何かを考えているかのように、少し床を見た後にオレの顔を見る。
「なあゴーヴァン、俺が目を覚ました時に手合わせをしてもらう約束をしたこと、覚えてるか」
「モチロンだ、覚えてるに決まってるだろ」
「今、手合わせしてもらえるか」
「おとうさんとゴーヴァンおにいちゃんがたたかうの!?」
おお、アズも嬉しそうな顔しやがって。
「どこまで剣を振れるか、自分でもわからないんだがな」
義兄さんとまともに剣を交えるのは、何年ぶりだろう。
病み上がりのようなものだから昔みたいに剣は振れないのはわかっているけど、それでもどうしようもなく楽しい気持ちになってくる。
互いに木剣を持ち、部屋の中央に立つ。
木剣を構える義兄さんを見て、どう攻めたものかと考える。
構えは間違いなく義兄さんの構えだ。
義兄さんから剣を教わって同じ構えのはずなのに、どう攻めたらいいのかわからない。
「どうした。かかってこないなら、こっちから行くぞ」
言うと同時に義兄さんが大きく踏み込む。
「っく!」
腿の内側を狙って切り上げられた一撃を後ろに飛びながら切り払う。
払った瞬間に義兄さんの木剣が大きく跳ねるのを見て、一撃が軽いことを感じる。
切り払った腕の勢いを一気に殺し、義兄さんの脇へ斜めに切り上げる。
義兄さんはヘビが絡み食らいつくように、オレの腕をすり抜けるような突きを繰り出す。
「んぉっ!」
オレの顔を狙っているが、剣に鋭さがない。
首を大きく傾け一撃が顔をかすめていくのを感じると同時に、オレの攻撃が義兄さんに当たった感触を感じる。
「ぐっ!」
当たりは浅いが、体を折る義兄さん。
「悪い義兄さん! 強く撃ちすぎ……イテッ!」
駆け寄ったオレの頭を義兄さんの木剣が軽く叩く。
「いつも言ってただろ、相手を倒すまで油断するんじゃないって」
「義兄さん」
「冗談だ。強くなったな、ゴーヴァン」
「すごい! ゴーヴァンおにいちゃん、すごい!」
義兄さんの言葉に何と言っていいのかわからない気持ちになっていると、アズがオレに抱きついてきた。
「ゴーヴァンおにいちゃん、おとうさんあっという間に勝っちゃった! ……おとうさん、負けてかっこわるい」
アズの視線に義兄さんがバツの悪い顔をする。
「アズ、お前の父さんはまだ起きてから間がないから勝てなかっただけだ。
体が慣れて鍛えればオレなんて……」
「アズだって青の氏族の子なんだ、強い者を好ましく思うのは当然だ。
ダメだな、まだまだ鍛えないと」
アズを見る義兄さんの顔が、どこか悲しいような寂しそうな顔に見えた。
この後はいつものように魔砲の撃ち方の訓練とアズの剣の訓練をしていたが、義兄さんがアズに剣を教えている時、アズの態度がどこか見ず知らずの他人に対するようなものに見えた。
アズが疲れて眠ってしまい、今日は義兄さんを送って帰ることにした。
義兄さんがアズを抱き上げながら、寂しそうな顔でオレを見る。
「こんな事を言うと、お前に怒られるんだろうが」
義兄さんはオレが見たことのないような顔で、オレを見てくる。
「アズにはお前が子供の頃のように、接せられないんだ。
危険な場所に連れて行こうと考えられないし、正直、剣を握らせることにも抵抗がある。
お前には剣を教えることも狩りに連れて行くことも平気だったのに、自分の子供なのだと思うと、どうしてもな」
「そりゃ、アズがまだ子供だからだろ。
危ない所に連れて行きたくないって考えるのは、おかしいことじゃないだろ」
どこか悲しそうな顔で笑う義兄さん。
「そう、なんだろうか。
なあ、ゴーヴァン。親というのは、離れていた自分の子供と、どういう風に接すればいいんだろうな」
休めば矢が補充される弓なんて、狩りの強い味方になる」
義兄さんは目を覚まして十日もたたないうちに、オレの所へ来ては魔砲を撃ったり、アズの剣の稽古に付き合ったりしていた。
今日も二人で的を撃ったり、アズの稽古をしたりしている。
「狩りか。もうしばらく行ってねえな」
「狩りに行くの? ぼくも行きたい!」
オレがアズくらいの頃には、義兄さんについて狩りに行ったりしてたっけ。
義兄さんとアズと一緒に狩りか、楽しみが増えるな。
「ダメだ、アズにはまだ危険だからな」
アズが不満そうな声を上げる。
「オレと義兄さんがいるんだ、いざとなってもアズのことは守ってやれるだろ
それにオレなんて、アズくらいの頃には義兄さんと一緒に狩りに行ってじゃねえか」
「それは、そうなんだが」
義兄さんが返事を返してこない。
何かを考えているかのように、少し床を見た後にオレの顔を見る。
「なあゴーヴァン、俺が目を覚ました時に手合わせをしてもらう約束をしたこと、覚えてるか」
「モチロンだ、覚えてるに決まってるだろ」
「今、手合わせしてもらえるか」
「おとうさんとゴーヴァンおにいちゃんがたたかうの!?」
おお、アズも嬉しそうな顔しやがって。
「どこまで剣を振れるか、自分でもわからないんだがな」
義兄さんとまともに剣を交えるのは、何年ぶりだろう。
病み上がりのようなものだから昔みたいに剣は振れないのはわかっているけど、それでもどうしようもなく楽しい気持ちになってくる。
互いに木剣を持ち、部屋の中央に立つ。
木剣を構える義兄さんを見て、どう攻めたものかと考える。
構えは間違いなく義兄さんの構えだ。
義兄さんから剣を教わって同じ構えのはずなのに、どう攻めたらいいのかわからない。
「どうした。かかってこないなら、こっちから行くぞ」
言うと同時に義兄さんが大きく踏み込む。
「っく!」
腿の内側を狙って切り上げられた一撃を後ろに飛びながら切り払う。
払った瞬間に義兄さんの木剣が大きく跳ねるのを見て、一撃が軽いことを感じる。
切り払った腕の勢いを一気に殺し、義兄さんの脇へ斜めに切り上げる。
義兄さんはヘビが絡み食らいつくように、オレの腕をすり抜けるような突きを繰り出す。
「んぉっ!」
オレの顔を狙っているが、剣に鋭さがない。
首を大きく傾け一撃が顔をかすめていくのを感じると同時に、オレの攻撃が義兄さんに当たった感触を感じる。
「ぐっ!」
当たりは浅いが、体を折る義兄さん。
「悪い義兄さん! 強く撃ちすぎ……イテッ!」
駆け寄ったオレの頭を義兄さんの木剣が軽く叩く。
「いつも言ってただろ、相手を倒すまで油断するんじゃないって」
「義兄さん」
「冗談だ。強くなったな、ゴーヴァン」
「すごい! ゴーヴァンおにいちゃん、すごい!」
義兄さんの言葉に何と言っていいのかわからない気持ちになっていると、アズがオレに抱きついてきた。
「ゴーヴァンおにいちゃん、おとうさんあっという間に勝っちゃった! ……おとうさん、負けてかっこわるい」
アズの視線に義兄さんがバツの悪い顔をする。
「アズ、お前の父さんはまだ起きてから間がないから勝てなかっただけだ。
体が慣れて鍛えればオレなんて……」
「アズだって青の氏族の子なんだ、強い者を好ましく思うのは当然だ。
ダメだな、まだまだ鍛えないと」
アズを見る義兄さんの顔が、どこか悲しいような寂しそうな顔に見えた。
この後はいつものように魔砲の撃ち方の訓練とアズの剣の訓練をしていたが、義兄さんがアズに剣を教えている時、アズの態度がどこか見ず知らずの他人に対するようなものに見えた。
アズが疲れて眠ってしまい、今日は義兄さんを送って帰ることにした。
義兄さんがアズを抱き上げながら、寂しそうな顔でオレを見る。
「こんな事を言うと、お前に怒られるんだろうが」
義兄さんはオレが見たことのないような顔で、オレを見てくる。
「アズにはお前が子供の頃のように、接せられないんだ。
危険な場所に連れて行こうと考えられないし、正直、剣を握らせることにも抵抗がある。
お前には剣を教えることも狩りに連れて行くことも平気だったのに、自分の子供なのだと思うと、どうしてもな」
「そりゃ、アズがまだ子供だからだろ。
危ない所に連れて行きたくないって考えるのは、おかしいことじゃないだろ」
どこか悲しそうな顔で笑う義兄さん。
「そう、なんだろうか。
なあ、ゴーヴァン。親というのは、離れていた自分の子供と、どういう風に接すればいいんだろうな」
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