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第4章 青い竜の村
97話 おとうさん
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おとうさんの剣が、なんども、なんどもおじさんにはじかれる。
おとうさんの剣は、ゴーヴァンおにいちゃんと手合わせしたときより、ずっと早くて、ずっと強くって、でもおじさんには届かなくって。
「ひひ、ひゃはははは、何? 馬鹿? 家族揃って馬鹿なの?」
おとうさんは何も言いかえさない。
ただしずかに、剣をふるだけだ。
「羽虫みたいに鬱陶しいな、舞え風切鳥」
おとうさんの体中から血が出る。
やめて! やめて!
しんじゃう! おとうさんがしんじゃう!
「うっ、うー! うぅー!」
やめてって言いたいのに、口をしばられてるから、なにもこえを出せない。
「アズ、うーうー煩いから、少し静かにしてくれないかい」
角をつかまれて、むりやり、おじさんの方を見せられる。
「君お父さんはね、ここで死ぬんだよ。
アズを助けに来たから、僕に殺されるんだ。
あの図体がでかい奴も、一緒にいる黒い鱗のやつも死ぬんだ。
でも安心するといい、アズも明日には死ねるんだからね」
いやだ、いやだよ。
どうして、そんなこと言うの?
どうして、そんなうれしそうに言うの?
「アズに触るなと言っただろう」
おとうさんが剣じゃなくて、短剣を手におじさんに切りかかる。
「闇に閉ざせ暗影」
おとうさんのカゲがドロみたいに、体中をかくしてしまう。
ドロみたいなカゲはすぐにきえたけど、おとうさんが切りかかるのを止める。
「どうせその短剣、ルクレツィアの奴から渡されたんだろう。
大方、破魔の印でも刻まれてるんだろうけど、触れなければ意味ないよね」
おねがいやめて! やめて!
「捕らえ刻め水爪」
ゆかの上に水が出てくる。
だめ! だめだめだめ!
おとうさんをころさないで!
手をひらくみたいに、水がひらく。
とじる、おもったら、おとうさんの体が、水のそとにあった。
「避けた? ありえない、穿け氷槍」
たくさんのツララが、おとうさんにとんでいく。
体をケモノみたいにひくくして、ゆかの上をかけるおとうさん。
「どうして当たらない! 爆ぜろ炎弾」
おじさんがいろんな魔術をつかうけど、おとうさんには、ちゃんとあたってなかった。
ううん。すこしずつ、すこしずつだけど、おとうさんは、こっちにちかづいて来てる。
「何で、見えないのに」
「見えない程度で優位に立ったと思うな」
「ちぃっ! 舞え風切鳥」
おとうさんの体中から血がふきでる。
それでも、おとうさんは止まらない。
「アズ、もう少しだけ待っててくれ」
おとうさんが、おじさんにくっつきそうなくらい、ちかくまで来てた。
氷をわったみたいな音がした。
おとうさんのかたてには、おれた短剣。もうかたほうの手には剣。
なにかがおちる音がした。
「ぃひぎゃあああああああぁっぁぁぁぁあぁあぁああ!!」
おじさんのワンドをもっていた手がなくなってた。
「僕の手っ! 僕の手がぁぁあぁあっぁあぁぁばがぁっ!」
手がなくなったおじさんを、おとうさんがおもいっきりけりとばす。
「アズ」
おとうさんが、ぼくのそばにしゃがむ。
ぼくをしばっていた布を、はずしてくれた。
「怖かったろう。ごめんな、俺のせいで怖い思いをさせて」
おとうさんが、ぼくをだきおこしてくれた。
ぼくをだっこしてくれなかったときとは、ちがった。
「おどぅざん」
目からナミダが出てきた。
「ごめ、なざい、おどうざっのこど、いらだいっで」
「いいんだ、アズは何も悪くない。俺が弱いのが嫌だったんだよな。
アズの自慢のお父さんになれるくらい、強くなるから」
おとうさんは、つよいよ。
じまんの、おとうさんだよ。
「あ……ぅあああああ!」
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
おとうさんなんかじゃないって言って、ごめんなさい。
いらないなんて言って、ごめんなさい。
おとうさんに言いたいのに、言いたくて言いたくてしかたないのに、なくことしかできなかった。
おとうさんが、ぼくのことをギュッとだっこしてくれた。
つよいせんしになるのには、ないちゃいけないのに、なくのが止まらなかった。
おとうさんのうでが、体が、すごくあたたかかった。
おとうさん、ごめんなさい。
おとうさん、だいすき。
おとうさんの剣は、ゴーヴァンおにいちゃんと手合わせしたときより、ずっと早くて、ずっと強くって、でもおじさんには届かなくって。
「ひひ、ひゃはははは、何? 馬鹿? 家族揃って馬鹿なの?」
おとうさんは何も言いかえさない。
ただしずかに、剣をふるだけだ。
「羽虫みたいに鬱陶しいな、舞え風切鳥」
おとうさんの体中から血が出る。
やめて! やめて!
しんじゃう! おとうさんがしんじゃう!
「うっ、うー! うぅー!」
やめてって言いたいのに、口をしばられてるから、なにもこえを出せない。
「アズ、うーうー煩いから、少し静かにしてくれないかい」
角をつかまれて、むりやり、おじさんの方を見せられる。
「君お父さんはね、ここで死ぬんだよ。
アズを助けに来たから、僕に殺されるんだ。
あの図体がでかい奴も、一緒にいる黒い鱗のやつも死ぬんだ。
でも安心するといい、アズも明日には死ねるんだからね」
いやだ、いやだよ。
どうして、そんなこと言うの?
どうして、そんなうれしそうに言うの?
「アズに触るなと言っただろう」
おとうさんが剣じゃなくて、短剣を手におじさんに切りかかる。
「闇に閉ざせ暗影」
おとうさんのカゲがドロみたいに、体中をかくしてしまう。
ドロみたいなカゲはすぐにきえたけど、おとうさんが切りかかるのを止める。
「どうせその短剣、ルクレツィアの奴から渡されたんだろう。
大方、破魔の印でも刻まれてるんだろうけど、触れなければ意味ないよね」
おねがいやめて! やめて!
「捕らえ刻め水爪」
ゆかの上に水が出てくる。
だめ! だめだめだめ!
おとうさんをころさないで!
手をひらくみたいに、水がひらく。
とじる、おもったら、おとうさんの体が、水のそとにあった。
「避けた? ありえない、穿け氷槍」
たくさんのツララが、おとうさんにとんでいく。
体をケモノみたいにひくくして、ゆかの上をかけるおとうさん。
「どうして当たらない! 爆ぜろ炎弾」
おじさんがいろんな魔術をつかうけど、おとうさんには、ちゃんとあたってなかった。
ううん。すこしずつ、すこしずつだけど、おとうさんは、こっちにちかづいて来てる。
「何で、見えないのに」
「見えない程度で優位に立ったと思うな」
「ちぃっ! 舞え風切鳥」
おとうさんの体中から血がふきでる。
それでも、おとうさんは止まらない。
「アズ、もう少しだけ待っててくれ」
おとうさんが、おじさんにくっつきそうなくらい、ちかくまで来てた。
氷をわったみたいな音がした。
おとうさんのかたてには、おれた短剣。もうかたほうの手には剣。
なにかがおちる音がした。
「ぃひぎゃあああああああぁっぁぁぁぁあぁあぁああ!!」
おじさんのワンドをもっていた手がなくなってた。
「僕の手っ! 僕の手がぁぁあぁあっぁあぁぁばがぁっ!」
手がなくなったおじさんを、おとうさんがおもいっきりけりとばす。
「アズ」
おとうさんが、ぼくのそばにしゃがむ。
ぼくをしばっていた布を、はずしてくれた。
「怖かったろう。ごめんな、俺のせいで怖い思いをさせて」
おとうさんが、ぼくをだきおこしてくれた。
ぼくをだっこしてくれなかったときとは、ちがった。
「おどぅざん」
目からナミダが出てきた。
「ごめ、なざい、おどうざっのこど、いらだいっで」
「いいんだ、アズは何も悪くない。俺が弱いのが嫌だったんだよな。
アズの自慢のお父さんになれるくらい、強くなるから」
おとうさんは、つよいよ。
じまんの、おとうさんだよ。
「あ……ぅあああああ!」
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
おとうさんなんかじゃないって言って、ごめんなさい。
いらないなんて言って、ごめんなさい。
おとうさんに言いたいのに、言いたくて言いたくてしかたないのに、なくことしかできなかった。
おとうさんが、ぼくのことをギュッとだっこしてくれた。
つよいせんしになるのには、ないちゃいけないのに、なくのが止まらなかった。
おとうさんのうでが、体が、すごくあたたかかった。
おとうさん、ごめんなさい。
おとうさん、だいすき。
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