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第22話 レッツお出かけイベント2
「私、汚されましたわ……」
あの後リトとササPによる試着という名の、俺——フィリアの強制着せ替えイベントが発生した。
ゲームならゴッソリHPが減ってるだろう。
「何落ち込んでるの? 可愛かったじゃん。スケスケで」
「スケスケは解釈違いですわ!!」
抜け抜けとのたまうササPに抗議するも、ヤツはどこ吹く風だ。
「フィリアは痴女じゃありませんのよ! もっとこう露出は少ないけれど、腰とか足首とか、華奢な身体を引き立たせるような可愛さ全振りの服が似合うんですわ! それを、あんな『布面積が少なければエッチ』だと思ってるような服を何着も着せるだなんて、プロデューサーのくせに何も分かっていませんわね!!」
「君もけっこう面倒くさいタイプのファンだよね、B君」
ちなみにもう一人の共犯者は嬉々として、試着した服全てをお会計中である。
アレ、『パジャマパーティー』開催されるたびに着せられるんだろうなあ、俺———
暗澹たる気持ちで街行く人々を眺めていると、見知った顔に気がついた。
「あれグランス様じゃありませんこと? ササPさん」
「あ、ホントだ。偶然だねえ」
グランスは街角に佇んで、ただジッとどこかを見ているようだった。
誰かと待ち合わせという雰囲気でもないな。
彼の視線の先を見て、俺はハッとした。
「ササPさん、あのお店って……」
「ああ、多分彼のお母さんが働いている店だね」
ササPも気がついたようだ。
グランスの視線の先———それは彼の母親が勤めるお菓子屋さんだった。
焼き菓子を買う女の子たちに、ニコニコと対応しているのがそうだろうか。
少し目元が似ている気がする。
「ブルケル男爵との約束なんかブッチして、会いに行けばいいのに。義理堅いねえ」
「彼はササPさんとは違うのですわ。でも同じ世界にいるのに、会えないのは可哀想ですわね……」
ゲームの中のグランスも、結局最後まで母親とは会えなかった。
ここで彼を誘って、客としてあの店に行くのはどうだろう?
しかし父親である男爵にバレて、後々面倒なことになる可能性もあるか………。
「クレアさん、フィリア様! どうしてここにいるんですか!?」
うんうん唸って考えているうちに、俺たちがグランスに見つかった。
俺は彼と演習戦で知り合ったが、もともとクレアの方は彼と同じシルワ先生のクラスで顔見知りだ。
「こんにちは、グランス君。私たちは買い物だよ。グランス君は?」
ササP——クレアが何事も無かったかのように、無邪気な笑顔を浮かべて訊ねる。
こういう切替えの速さは流石だな。
「あ……僕も似たようなものです」
こちらは目を逸らして誤魔化した。
まあ、グランスが自分の事情を俺たちに話すわけないか。
「ところで、今後のご予定は? グランス君」
「え?」
おい、クレアさん。何で彼の予定を聞いた。
俺は嫌な予感がするぞ。
「もし良かったら、私たちと一緒に串焼きを食べましょう。フィリア様の奢りで❤︎」
「!!」
「いや、そこまで僕は図々しくないです。串焼きくらい自分で払えますよ」
グランスは極めて良識的な発言を返してくれる。
しかし残念ながら、ここで己れの信念を曲げるクレア——ササPではない。
「奢ってくれますよね? フィリア様」
「いやいや、奢るのはやぶさかではありませんわ。でも、あなたの魂胆はそこではありませんわよねえ? クレアさん」
「そうですとも! 肉汁で顔や手をベトベトに汚しながら串焼きを頬張るフィリア様を、一緒に鑑賞しましょう! グランス君!!」
やっぱり目的はそこか!!
性癖がおかし過ぎるだろう! そんなマニアな集まりに賛同するのはリトぐらいだぞ!!
「え、それは僕が行っても大丈夫なんですか?」
まともだと思ってたのに、お前もか!?
しかも控え目に参加の意を示すなーっ!!
無言で抗議の視線を送ったら「ベトベトになる前に僕が拭いてあげます」と、フォローになってないフォローをされた。
しかも折り悪く、焼きたてホカホカの串焼き四本を手に、リトがこっちに向かって来た。
………うん、串焼きは本当に美味しかったんだ。串焼きは……。
あの後リトとササPによる試着という名の、俺——フィリアの強制着せ替えイベントが発生した。
ゲームならゴッソリHPが減ってるだろう。
「何落ち込んでるの? 可愛かったじゃん。スケスケで」
「スケスケは解釈違いですわ!!」
抜け抜けとのたまうササPに抗議するも、ヤツはどこ吹く風だ。
「フィリアは痴女じゃありませんのよ! もっとこう露出は少ないけれど、腰とか足首とか、華奢な身体を引き立たせるような可愛さ全振りの服が似合うんですわ! それを、あんな『布面積が少なければエッチ』だと思ってるような服を何着も着せるだなんて、プロデューサーのくせに何も分かっていませんわね!!」
「君もけっこう面倒くさいタイプのファンだよね、B君」
ちなみにもう一人の共犯者は嬉々として、試着した服全てをお会計中である。
アレ、『パジャマパーティー』開催されるたびに着せられるんだろうなあ、俺———
暗澹たる気持ちで街行く人々を眺めていると、見知った顔に気がついた。
「あれグランス様じゃありませんこと? ササPさん」
「あ、ホントだ。偶然だねえ」
グランスは街角に佇んで、ただジッとどこかを見ているようだった。
誰かと待ち合わせという雰囲気でもないな。
彼の視線の先を見て、俺はハッとした。
「ササPさん、あのお店って……」
「ああ、多分彼のお母さんが働いている店だね」
ササPも気がついたようだ。
グランスの視線の先———それは彼の母親が勤めるお菓子屋さんだった。
焼き菓子を買う女の子たちに、ニコニコと対応しているのがそうだろうか。
少し目元が似ている気がする。
「ブルケル男爵との約束なんかブッチして、会いに行けばいいのに。義理堅いねえ」
「彼はササPさんとは違うのですわ。でも同じ世界にいるのに、会えないのは可哀想ですわね……」
ゲームの中のグランスも、結局最後まで母親とは会えなかった。
ここで彼を誘って、客としてあの店に行くのはどうだろう?
しかし父親である男爵にバレて、後々面倒なことになる可能性もあるか………。
「クレアさん、フィリア様! どうしてここにいるんですか!?」
うんうん唸って考えているうちに、俺たちがグランスに見つかった。
俺は彼と演習戦で知り合ったが、もともとクレアの方は彼と同じシルワ先生のクラスで顔見知りだ。
「こんにちは、グランス君。私たちは買い物だよ。グランス君は?」
ササP——クレアが何事も無かったかのように、無邪気な笑顔を浮かべて訊ねる。
こういう切替えの速さは流石だな。
「あ……僕も似たようなものです」
こちらは目を逸らして誤魔化した。
まあ、グランスが自分の事情を俺たちに話すわけないか。
「ところで、今後のご予定は? グランス君」
「え?」
おい、クレアさん。何で彼の予定を聞いた。
俺は嫌な予感がするぞ。
「もし良かったら、私たちと一緒に串焼きを食べましょう。フィリア様の奢りで❤︎」
「!!」
「いや、そこまで僕は図々しくないです。串焼きくらい自分で払えますよ」
グランスは極めて良識的な発言を返してくれる。
しかし残念ながら、ここで己れの信念を曲げるクレア——ササPではない。
「奢ってくれますよね? フィリア様」
「いやいや、奢るのはやぶさかではありませんわ。でも、あなたの魂胆はそこではありませんわよねえ? クレアさん」
「そうですとも! 肉汁で顔や手をベトベトに汚しながら串焼きを頬張るフィリア様を、一緒に鑑賞しましょう! グランス君!!」
やっぱり目的はそこか!!
性癖がおかし過ぎるだろう! そんなマニアな集まりに賛同するのはリトぐらいだぞ!!
「え、それは僕が行っても大丈夫なんですか?」
まともだと思ってたのに、お前もか!?
しかも控え目に参加の意を示すなーっ!!
無言で抗議の視線を送ったら「ベトベトになる前に僕が拭いてあげます」と、フォローになってないフォローをされた。
しかも折り悪く、焼きたてホカホカの串焼き四本を手に、リトがこっちに向かって来た。
………うん、串焼きは本当に美味しかったんだ。串焼きは……。
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