39 / 59
第39話 凶報
「お嬢様、お嬢様! 起きてください、大変です!」
「ん、んんぅ~、あと5分……」
「フィリアお嬢様、本当に大変なことが起こったんです!!」
いつになく切迫したリトの声だった。
寝ぼけた頭が異変を察知し、重たい瞼を持ち上げる。
カーテンの隙間から僅かに溢れる光は、朝の訪れを告げてはいるが、時計を見ると起床時間よりかなり早い。
何でこんな時間に……。
視線だけでリトを探せば、真っ青な顔をした彼女が立っていた。
「………クレア様が、何者かに襲われました」
俺の頭は一気に覚醒した。
ノーティオ魔法学園の医務室には、事件の一報を受けた人々が既に集まっていた。
息急き切った俺の登場に、彼らの視線が一斉に集まる。
その中には俺の知ってる人物もいた。
「フィリア」
「ディエス殿下! 一体、クレアさんに何があったんですの!? 容態は!? 命に別状はありませんの!? どうですの!?」
「落ち着いてください、フィリア様」
「そうだぞ、フィリア! クレア嬢はまだ死んでない」
混乱の極みでディエスに詰め寄った俺を、グランスとカロルが押し止める。
「皆、揃っているようだな」
「ノクス先生!」
凶相が極まり過ぎて、もはや幽鬼のようなノクスが、医務室から現れた。
「先生! クレアさんの怪我の具合は!? 襲われたって、どういうことですの!?」
「順を追って話す。まずは彼女の容態からだ」
バンッ!!
ものすごい勢いで医務室の扉が開く。
「ラ、ラティオ先生……?」
それは、普段のゆるふわな彼女からは想像も出来ないほどの殺気だった。
ゆっくりとこちらに向いた顔は、いつもの笑顔なのに、俺の全身が総毛立つ。
「ほんっと腹立つわ~、何? あの古いよく分かんない呪文。アレどうにかしてくれないと私の治癒魔法、効きが悪いんだけど。ねえ、聞いてる? 何とかしてよノクス先生」
全然ゆるふわじゃない。
ドスの効いた低音でラティオがノクスに詰め寄る。
「あ、あの、先生。クレアさんは大丈夫ですの……?」
「あら! あら~、フィリアちゃん。クレアちゃんは死んでないからね~、そこは安心して❤︎」
彼女は俺の存在に気付くと、何事もなかったかのように怒気を収めた。
器用な人だ……。
でも先ほどの剣幕だと、状況が良くないことに変わりはないのだろう。
俺の不安を見透かして、ラティオは言葉を続けた。
「うん。フィリアちゃんが心配してるように、クレアちゃんの容態はハッキリ言って良くないの。彼女が校舎の裏で倒れてるのが見つかった時、瀕死状態でね。生きてるのが不思議なくらいだった」
「おそらく最初に両目と喉を鋭利な刃物で潰され、次いで両手脚の腱を切られ、止めに胸と腹を貫かれていた」
「酷い……」
ノクスが感情を押し殺して話す内容は、俺の想像を超える残忍さだった。
クレア——ササPの感じた苦痛や恐怖を思うと、俺まで気分が悪くなる。
俺の不調に気付いたリトが、すぐさま俺に寄り添って、無言で背中を撫でてくれた。
本当にこんな時までパーフェクトに出来るメイドで、有難くて涙が出る。
ディエスたちは俺より先に説明を受けていたのだろう。
口を挟まずに、俺たちのやりとりを見ていた。
ディエスは相変わらず無表情で、ショックは受けているのだろうが、その内心は顔に出てこない。
反対に、カロルの瞳は静かな怒りに燃えていた。
彼らの中では鍛錬の名目で一番クレアと接していたから、それも当然だろう。
グランスは怒りというより、ただ気遣うように俺を見つめていた。
そうだ。
俺だけが落ち込んで、震えている訳にはいかないんだ。
「失礼、取り乱しましたわ。続きをどうぞ、ノクス先生」
「うむ。クレア嬢が見つかったのは未明——今から一時間ほど前だ。ラティオ先生にすぐさま治癒魔法で治療してもらったのだが……」
ノクスの言葉の歯切れが悪い。
……そういえば、彼の説明の中で『魔物』という単語は一度も使われなかった。
まさか———!?
「先程、ラティオ先生は呪文とか仰いましたよね? クレアさんを襲った犯人って———」
「おそらく『人間』だ」
「!!」
俺も薄々は気付いていた。
ノクスが語った犯行時の凶器は、魔物の『牙』や『爪』ではなく『鋭利な刃物』だったから。
無意識のうちに忌避していた最悪の可能性は、今や事実として断定された。
「魔物が現れる以前の魔術師が使っていた古の呪文か、もしくは己で創作した呪文が使われていて、解読が困難だ」
「そうなの! それが私が治癒魔法を邪魔して~。ホントに何とかしてよノクス先生!」
「呪文の解除は試みているが……今すぐは難しいな。このままだと、クレア嬢の遠征参加も断念するしかないが……」
「それは当然よ! 私は身体の傷は治せるけど、心の傷までは無理よ。……あんな酷いことをされたんだもの……」
沈黙が落ちた。
俺たちは大きな戦力を失ったことになる。
『アンゴル大峡谷遠征』の日程は、先発のグラキエス騎士団がネブラ王国入りした以上、最早変えられないだろう。
そして今回、クレアを襲った犯人が魔物でないとしたら……。
「ノクス先生。ノーティオ魔法学園に、部外者の侵入は可能ですの?」
「いや。普段から侵入者感知に特化した結界が張ってある。それが昨夜は何の反応もなかった」
「それじゃあ……この学園内にいる誰かが犯人ってことですか?」
カロルが絶望的な顔をする。
ノーティオ魔法学園には現在、『アンゴル大峡谷遠征』に参加する騎士たちが集結している。
味方であるはずの人間の中に、敵が混ざっていることになる。
「何故こんなことを……動機が分かりません。クレアさん個人への私怨も考えられますが、そんな人間に彼女が負けるでしょうか?」
グランスが首を捻る。
「うん。並大抵の人間なら無理だね。僕だって相打ち覚悟じゃないと、怖くってクレア嬢に喧嘩なんか吹っ掛けられないよ」
今までどこにいたのか、ひょっこりシルワ先生が現れて、俺たちの会話に加わった。
「シルワ先生、何か犯人に繋がる痕跡は見つかったか?」
「全然だよ、ノクス先生。犯人は相当の手練れだね。まあ、今この学園に集結している連中殆どに、その条件は当て嵌まる訳だけど」
「そうだな……」
ノクスの眉間の皺が深くなる。
はーっと、彼は一度大きく嘆息すると「フィリア嬢」と、何故か俺の名をを呼んだ。
「事情が変わった。君も『アンゴル大峡谷遠征』に同行してくれ」
「えっ?」
「何故です? ノクス先生」
俺より先にグランスが問い質した。
「クレア嬢を襲った犯人の目的が『アンゴル大峡谷遠征』の失敗なら問題はない。でもこれが王族やその政策に対する恨みなら、次は関係者であるフィリアが狙われる可能性もある」
今まで黙っていたディエスが、ノクスの代わりに答えた。
「ディエス殿下……」
「そういう訳だ、フィリア嬢。そしてもう一つ。クレア嬢の容態は思わしくない。同行予定だった治癒魔法使いを数人、置いていかざるを得ない。だから今は治癒魔法を使える人間が少しでも欲しい」
「クレアちゃんの穴は私が出来るだけ埋めるから、安心してね~❤︎」
「え!? ラティオ先生が戦うんですの!?」
「もっちろん❤︎ 私、得意なのは治癒魔法だけど、相手の身体を内部から爆散させる魔法も得意なの~」
ゆるふわなくせに攻撃方法がエグいよ、ラティオ先生……。
「それで魔法学園時代、ついたあだ名が『爆裂姫』なんだよね。怖い怖い」
ノクスと顔を見合わせたシルワがボソッと呟く。
バキィッ!
嫌な音を立ててラティオのチョップがシルワの首に決まった。
「やあねえ~、昔を知ってる友だちって❤︎ ノクス先生はシルワ先生みたいに余計なことは言わないよね~?」
ラティオの問い掛け——というか最早脅しに、ノクスは高速で首を縦に振る。
ああ。
この三人、学生時代からこんな感じだったんだろうな……。
最後は先生たちのせいで緊張感がなくなったが、こうして俺——フィリアの『アンゴル大峡谷遠征』行きが、思いがけない形で決定した。
「ん、んんぅ~、あと5分……」
「フィリアお嬢様、本当に大変なことが起こったんです!!」
いつになく切迫したリトの声だった。
寝ぼけた頭が異変を察知し、重たい瞼を持ち上げる。
カーテンの隙間から僅かに溢れる光は、朝の訪れを告げてはいるが、時計を見ると起床時間よりかなり早い。
何でこんな時間に……。
視線だけでリトを探せば、真っ青な顔をした彼女が立っていた。
「………クレア様が、何者かに襲われました」
俺の頭は一気に覚醒した。
ノーティオ魔法学園の医務室には、事件の一報を受けた人々が既に集まっていた。
息急き切った俺の登場に、彼らの視線が一斉に集まる。
その中には俺の知ってる人物もいた。
「フィリア」
「ディエス殿下! 一体、クレアさんに何があったんですの!? 容態は!? 命に別状はありませんの!? どうですの!?」
「落ち着いてください、フィリア様」
「そうだぞ、フィリア! クレア嬢はまだ死んでない」
混乱の極みでディエスに詰め寄った俺を、グランスとカロルが押し止める。
「皆、揃っているようだな」
「ノクス先生!」
凶相が極まり過ぎて、もはや幽鬼のようなノクスが、医務室から現れた。
「先生! クレアさんの怪我の具合は!? 襲われたって、どういうことですの!?」
「順を追って話す。まずは彼女の容態からだ」
バンッ!!
ものすごい勢いで医務室の扉が開く。
「ラ、ラティオ先生……?」
それは、普段のゆるふわな彼女からは想像も出来ないほどの殺気だった。
ゆっくりとこちらに向いた顔は、いつもの笑顔なのに、俺の全身が総毛立つ。
「ほんっと腹立つわ~、何? あの古いよく分かんない呪文。アレどうにかしてくれないと私の治癒魔法、効きが悪いんだけど。ねえ、聞いてる? 何とかしてよノクス先生」
全然ゆるふわじゃない。
ドスの効いた低音でラティオがノクスに詰め寄る。
「あ、あの、先生。クレアさんは大丈夫ですの……?」
「あら! あら~、フィリアちゃん。クレアちゃんは死んでないからね~、そこは安心して❤︎」
彼女は俺の存在に気付くと、何事もなかったかのように怒気を収めた。
器用な人だ……。
でも先ほどの剣幕だと、状況が良くないことに変わりはないのだろう。
俺の不安を見透かして、ラティオは言葉を続けた。
「うん。フィリアちゃんが心配してるように、クレアちゃんの容態はハッキリ言って良くないの。彼女が校舎の裏で倒れてるのが見つかった時、瀕死状態でね。生きてるのが不思議なくらいだった」
「おそらく最初に両目と喉を鋭利な刃物で潰され、次いで両手脚の腱を切られ、止めに胸と腹を貫かれていた」
「酷い……」
ノクスが感情を押し殺して話す内容は、俺の想像を超える残忍さだった。
クレア——ササPの感じた苦痛や恐怖を思うと、俺まで気分が悪くなる。
俺の不調に気付いたリトが、すぐさま俺に寄り添って、無言で背中を撫でてくれた。
本当にこんな時までパーフェクトに出来るメイドで、有難くて涙が出る。
ディエスたちは俺より先に説明を受けていたのだろう。
口を挟まずに、俺たちのやりとりを見ていた。
ディエスは相変わらず無表情で、ショックは受けているのだろうが、その内心は顔に出てこない。
反対に、カロルの瞳は静かな怒りに燃えていた。
彼らの中では鍛錬の名目で一番クレアと接していたから、それも当然だろう。
グランスは怒りというより、ただ気遣うように俺を見つめていた。
そうだ。
俺だけが落ち込んで、震えている訳にはいかないんだ。
「失礼、取り乱しましたわ。続きをどうぞ、ノクス先生」
「うむ。クレア嬢が見つかったのは未明——今から一時間ほど前だ。ラティオ先生にすぐさま治癒魔法で治療してもらったのだが……」
ノクスの言葉の歯切れが悪い。
……そういえば、彼の説明の中で『魔物』という単語は一度も使われなかった。
まさか———!?
「先程、ラティオ先生は呪文とか仰いましたよね? クレアさんを襲った犯人って———」
「おそらく『人間』だ」
「!!」
俺も薄々は気付いていた。
ノクスが語った犯行時の凶器は、魔物の『牙』や『爪』ではなく『鋭利な刃物』だったから。
無意識のうちに忌避していた最悪の可能性は、今や事実として断定された。
「魔物が現れる以前の魔術師が使っていた古の呪文か、もしくは己で創作した呪文が使われていて、解読が困難だ」
「そうなの! それが私が治癒魔法を邪魔して~。ホントに何とかしてよノクス先生!」
「呪文の解除は試みているが……今すぐは難しいな。このままだと、クレア嬢の遠征参加も断念するしかないが……」
「それは当然よ! 私は身体の傷は治せるけど、心の傷までは無理よ。……あんな酷いことをされたんだもの……」
沈黙が落ちた。
俺たちは大きな戦力を失ったことになる。
『アンゴル大峡谷遠征』の日程は、先発のグラキエス騎士団がネブラ王国入りした以上、最早変えられないだろう。
そして今回、クレアを襲った犯人が魔物でないとしたら……。
「ノクス先生。ノーティオ魔法学園に、部外者の侵入は可能ですの?」
「いや。普段から侵入者感知に特化した結界が張ってある。それが昨夜は何の反応もなかった」
「それじゃあ……この学園内にいる誰かが犯人ってことですか?」
カロルが絶望的な顔をする。
ノーティオ魔法学園には現在、『アンゴル大峡谷遠征』に参加する騎士たちが集結している。
味方であるはずの人間の中に、敵が混ざっていることになる。
「何故こんなことを……動機が分かりません。クレアさん個人への私怨も考えられますが、そんな人間に彼女が負けるでしょうか?」
グランスが首を捻る。
「うん。並大抵の人間なら無理だね。僕だって相打ち覚悟じゃないと、怖くってクレア嬢に喧嘩なんか吹っ掛けられないよ」
今までどこにいたのか、ひょっこりシルワ先生が現れて、俺たちの会話に加わった。
「シルワ先生、何か犯人に繋がる痕跡は見つかったか?」
「全然だよ、ノクス先生。犯人は相当の手練れだね。まあ、今この学園に集結している連中殆どに、その条件は当て嵌まる訳だけど」
「そうだな……」
ノクスの眉間の皺が深くなる。
はーっと、彼は一度大きく嘆息すると「フィリア嬢」と、何故か俺の名をを呼んだ。
「事情が変わった。君も『アンゴル大峡谷遠征』に同行してくれ」
「えっ?」
「何故です? ノクス先生」
俺より先にグランスが問い質した。
「クレア嬢を襲った犯人の目的が『アンゴル大峡谷遠征』の失敗なら問題はない。でもこれが王族やその政策に対する恨みなら、次は関係者であるフィリアが狙われる可能性もある」
今まで黙っていたディエスが、ノクスの代わりに答えた。
「ディエス殿下……」
「そういう訳だ、フィリア嬢。そしてもう一つ。クレア嬢の容態は思わしくない。同行予定だった治癒魔法使いを数人、置いていかざるを得ない。だから今は治癒魔法を使える人間が少しでも欲しい」
「クレアちゃんの穴は私が出来るだけ埋めるから、安心してね~❤︎」
「え!? ラティオ先生が戦うんですの!?」
「もっちろん❤︎ 私、得意なのは治癒魔法だけど、相手の身体を内部から爆散させる魔法も得意なの~」
ゆるふわなくせに攻撃方法がエグいよ、ラティオ先生……。
「それで魔法学園時代、ついたあだ名が『爆裂姫』なんだよね。怖い怖い」
ノクスと顔を見合わせたシルワがボソッと呟く。
バキィッ!
嫌な音を立ててラティオのチョップがシルワの首に決まった。
「やあねえ~、昔を知ってる友だちって❤︎ ノクス先生はシルワ先生みたいに余計なことは言わないよね~?」
ラティオの問い掛け——というか最早脅しに、ノクスは高速で首を縦に振る。
ああ。
この三人、学生時代からこんな感じだったんだろうな……。
最後は先生たちのせいで緊張感がなくなったが、こうして俺——フィリアの『アンゴル大峡谷遠征』行きが、思いがけない形で決定した。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)
南野海風
ファンタジー
気がついたら、俺は乙女ゲーの悪役令嬢になってました。
こいつは悪役令嬢らしく皆に嫌われ、周囲に味方はほぼいません。
完全没落まで一年という短い期間しか残っていません。
この無理ゲーの攻略方法を、誰か教えてください。
ライトオタクを自認する高校生男子・弓原陽が辿る、悪役令嬢としての一年間。
彼は令嬢の身体を得て、この世界で何を考え、何を為すのか……彼の乙女ゲーム攻略が始まる。
※書籍化に伴いダイジェスト化しております。ご了承ください。(旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで
ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。
だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。
「私は観る側。恋はヒロインのもの」
そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。
筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。
彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。
幼馴染ヴィルの揺れる視線。
家族の温かな歓迎。
辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
「……好き」
「これは恋だ。もう、モブではいたくない」
守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、
現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。
これは――
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。
※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。
※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。
※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!
※本編は完結しました。後日談をのんびり不定期でUPしてます。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?