男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組

葉鳥(はとごろTIMES)

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プロローグ

伏嶋桃滋楼2

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※この作品は同人ゲーム「男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組」からテキストを抜き出したノベル版です。
 ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
 原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
 PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
 詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
 また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。



《教室》
静香
「はぁ……っ…………」
静香の体調は二時間ほどで一気に悪化した。
零時
「だ、大丈夫かよ……なんか酷そうだけど」
静香
「んん……頭、痛い……だるい……」
零時
「やっぱり風邪ひいてたんだな」
静香
「そう、みたいだ……大したことないとか言っておいて情けないが、辛い……」
零時
「今からでも帰るか?」
静香
「いや……少し休んだら回復するかもしれないしな……昼までは保健室で寝かせてもらうよ」
零時
「そっか。じゃ肩貸すよ」
静香
「すまない……」
零時
「逆に貸さねー方が後味悪いからいいって」



《廊下》
フラフラと立ち上がる静香を支え、保健室へと連れて行く。
一人にするのは少し怖かったが、さすがに付きっ切りで見ているわけにもいかない。
それに、保健室は教室より比較的安全だ。
保健室といえば隠れて性行為をするのにもってこいだと思われがちだが、それはフィクションの中の話。
ベッドは後処理が大変で証拠が残る。相思相愛での行為ならともかく、レイプには適さない。
それに授業中は保健医が在中している。
うちの生徒は基本馬鹿ばっかだが、すぐバレる犯罪行為に手を出すほどではない。
中には犯罪だろうとしたがる奴もいるかもしれないが、できるだけ休み時間に顔を出すようにすれば大丈夫だろう。
念のため静香にも「何かあったらすぐに連絡しろ」と伝えて一人教室に戻る。



《教室》
クラスメイト
「あ、レージどこ行ってたんだよ」
零時
「静香が調子悪そうだったから保健室連れてってたんだよ」
クラスメイト
「あー、しずかちゃん今日フラフラしてたしな」
クラスメイト
「それより、今日も伏嶋が登校してんだって!」
零時
「え……」
クラスメイト
「さっき但馬が見たんだってよ。教室には来ないみたいだけど」
零時
「マジかよ」
連続で登校してくるなんて珍しい……
教室にも授業にも顔を出さないのを登校と呼んでいいのかは謎だが、学校に来ているというだけでも怖い。
できれば今日も会わずに過ごしたいもんだ。



《廊下》
鐘の音が昼休みの開始を告げると同時に保健室へと向かう。
静香のやつ、少しは回復したかな? まだ辛そうだったらこの時間に帰らせたほうがいいかもしれない。
そんなことを考えながら保健室の前まで行き……扉を開けようと手をかけたところで動きを止める。

「……んな…………で……」

「…………が……から…………」

中から声が聞こえる。静香と……知らない男の声だ。
嫌な予感がする。全身にじわりと嫌な汗がにじんだ。
恐る恐る扉に力を入れれば、鍵はかかっておらずカラリと音を立て開いた。


《保健室》
真っ先に目に飛び込んだのは、ベッドに座る静香とそれに覆いかぶさる赤い髪の男の姿。
静香
「いい加減離れ……って、零時!?」
赤髪
「あ?」
零時
「なっ……!?」
静香
「し、零時……あ、あの、これは……」
静香が何かを言いかけるが、それを聞く前に身体が動いていた。
背を向けている男の肩を掴み、こっちを向かせようと力を込める。


その瞬間、光がはじけた。
赤髪
「うわっ!?」
零時
「っ!」
俺はこれが何なのか、もう分かっている。
しまった、と後悔する頃にはもう遅い。


赤髪
「な……」
男は、確認するまでもなく性別が転換していた。
短かった髪も伸びているし、背も明らかに縮んでいる。
零時
「あ……ああ…………」
静香
「な、なんてことだ……」
やってしまった。咄嗟のこととはいえ、とてもマズイ。
赤髪
「なんだ、今の……って俺の声キモっ! え、な、何だよコレ!?」
赤髪
「声って言うか、身体も……え? え?」
男だった人物は、変わってしまった声と身体を見てただ呆然とする。
どうしよう。ヤバイ、ついに知らない人まで女にしちまった。どうしようどうしよう。
今までは静香や騒みたいな身近な人だったから許されたが、これは駄目だ。
零時
「う、わ、ごめ、ごめんなさ……」
静香
「零時落ち着け、目が回ってるぞ!」
零時
「で、でも、だって……」
静香
「いいから深呼吸でもしておけ。それから桃滋楼も、無理だとは思うがどうか冷静になってくれ」
トー、ジロー……?
赤髪
「れ、冷静っつったって……な、何が……俺これ、どうなって……」
静香
「説明するから、少し待っててくれないか?」
赤髪
「あ、ああ……」
静香
「零時」
静香に呼ばれ、びくりと身体が震える。
零時
「せ、静香、俺……知らない奴こんなことにして、どうしたら……」
静香
「だからまず落ち着け。それと、こいつはお前も知っている。というかクラスメイトだろうが」
零時
「え……?」
でも、全然見覚えない男だったぞ? クラスメイト?
静香
「桃滋楼……伏嶋桃滋楼だ。分かるだろう?」
零時
「ふ、せじ……うえぇっ!?」
伏嶋ってあの伏嶋!? 不良で不登校の問題児である、あの!?
この可愛い女の子になってしまったのが、街へと繰り出しては喧嘩をしていると噂の伏嶋だっていうのか!?
というか、そんなのと二人で保健室にいて、静香は……
零時
「お、お前は大丈夫なのか!? 無事だったのか!?」
静香
「ああ、風邪薬を飲んだら面白いくらいに体調が良くなった」
零時
「そうでなく、性的な意味で!」
静香
「う……あの状況ではそう勘違いされても仕方なかったが……」
零時
「かんち、がい?」
静香
「桃滋楼とはその……寮が同室でな。実はそこそこ仲がいい」
…………へっ?
静香
「周りがあまりにも桃滋楼を怖がるから、今まで言い出せなかったんだ」
静香
「ここにも僕が呼んだ。寮の部屋から薬を取ってきてくれと頼んで」
零時
「でも、上に乗られてたし……」
静香
「どのくらい熱があるんだ、と額に額を当てられていた所で偶然お前が入ってきたんだ」
零時
「そ、そんな……漫画みたいな……」
というか、だとすると俺は何もしていない伏嶋に掴みかかった挙句、女にしたって事なのか?
なんてこった……最悪だ最悪すぎるうわああどうしよおおおお!
静香
「今回は勘違いさせた僕も悪い。お前はただ、僕を心配してくれただけだろう?」
静香
「桃滋楼には僕から説明するし、僕も謝る。だから……気に病むな」
零時
「静香……」
静香
「さて、待たせたな桃滋楼」
桃滋楼
「いや……えと…………」
静香
「全部説明する。馬鹿みたいなことを言うが信じてくれ」
それから、静香は伏嶋に全てを説明した。
俺は自分のしてしまったことに怯えて混乱していただけだったが、全て静香がフォローしてくれた。
「自分も悪いから」なんて言われたが、それが静香の気遣いであることくらい分かる。
あまりにも情けなさすぎる。これだから童貞なんだ俺は。
桃滋楼
「……その、魔法だなんだって胡散臭い話を全部信じろってか?」
静香
「信じなくても、僕やお前がこうして女になっている現実は変わらない」
静香
「受け入れろ……なんて言われても無理なことは承知だ。すまない」
静香
「僕達にはもう謝罪することしかできない」
桃滋楼
「………………」
桃滋楼
「馬鹿じゃねーのかって言いたいけど、相手が静香じゃそんな言葉で片付けられねぇ」
桃滋楼
「本当、なんだな……」
伏嶋がギッと俺を睨む。その鋭い目つきに思わず身体がびくついてしまう。
零時
「ご、ごめんなさい……」
桃滋楼
「ハァ……信じられねぇけど、こんな身体見せられたら納得するしかねぇよ」
桃滋楼
「静香がんな嘘つくわけねぇし、そんな顔で謝られたらよぉ……」
零時
「う……」
桃滋楼
「あぁクッソ、これじゃ俺が苛めてるみてーじゃねーか!」
桃滋楼
「泣きそうな顔しやがって、泣きてぇのは俺だっつーの」
桃滋楼
「こんな身体でこれからどうすりゃいいんだ、畜生」
零時
「すみません……」
桃滋楼
「だから謝んなっつってんだろクソうぜぇな! ぶっ飛ばすぞ!」
零時
「ヒィッ!」
こ、怖い! この人むっちゃ怖い!
見た目は美少女なのに……いやそれは俺が悪いんだけどごめんなさい。
桃滋楼
「謝罪なんかいらねーんだよ。どうせ謝罪されたくらいじゃ許せることじゃねぇ」
桃滋楼
「俺は静香みてーにイイ子じゃねぇから人生ひっくり返されて納得なんかできねぇし」
静香
「僕は別にイイ子だから納得しているわけじゃない」
桃滋楼
「それは知らねーけどよ」
桃滋楼
「とにかく、これ以上謝ったら殴る。うぜぇ」
零時
「ごめ……」
――バキッ!
零時
「いってえぇぇえぇ!!」
殴った! ホントに殴った! しかも顔面!
桃滋楼
「フン」
静香
「そういうやり方をするから誤解を招いて変な噂が立つんだ」
静香
「本当は不良なんかじゃないし、学校にも普通に通いたいくせに」
桃滋楼
「う、うっせーよ」
零時
「……? え、じゃあ噂になってることは全部デマなのか?」
静香
「全部かどうかは知らないが、少なくとも僕は乱暴されたことないな」
桃滋楼
「どんな噂が立ってんのか知らねーけど、見境なく喧嘩はしてねーよ」
桃滋楼
「まぁ、売られたら買うけどよ」
ああ、買うんだ……
桃滋楼
「あと、転校の理由が前の学校での暴力沙汰ってのは本当だな」
そこ本当なんだ……それだけで十分怖いです。
桃滋楼
「しかし、こんな身体じゃしばらくは外歩けねぇな……どうしたもんか」
零時
「で、できればあんま一人でいてほしくないんですけど……」
桃滋楼
「あぁ? 何様で俺の行動に文句つけてんだコラ」
零時
「いや文句とかではなく、ただ危ないからって意味で……!」
桃滋楼
「危ない? 何でだよ」
零時
「だって、女の子が男だらけの所にいるわけでその……色々……貞操が」
桃滋楼
「なっ…………!?」
桃滋楼
「なな、な、何言いやがるんだ! そ、そんな……うぁう」
なんと意外なことか、伏嶋は俺の言ったことを理解すると顔を真っ赤にして俯いてしまった。
これは静香以上にピュアな反応だ。ちょっと可愛い。このギャップがやばい。俺にそんなこと思う資格ないけど。
桃滋楼
「べ、別に俺は問題ねーし。お、おそ、われてもその……ぶちのめせばいいって話だろ?」
静香
「力も落ちているから男相手には無謀だと思うが」
桃滋楼
「じ、じゃあどうしろっつーんだよ!」
だから一人でいないでくれ、なんていい返せるはずもなく閉口する。
「不良不登校問題児」だなんて呼ばれて、悪い噂ばかり立てられて、そりゃあ学校に来たくない気持ちも分かる。
そんな人に「一緒にいてくれ」だなんて言える度胸俺にはないです、はい。
静香
「いい機会だ、これからはちゃんと教室に登校して来ればいい」
桃滋楼
「なっ!?」
俺が言えないことをアッサリと言った! 静香すげえぇ!
こ、こいつには恐怖心ってものがないのか? あ、そういえば仲良いんだっけこいつら。
静香
「一人でいて襲われるよりはいいだろう。僕も零時も一緒にいる。怖いことなんかないさ」
桃滋楼
「誰も怖いとか言ってねーよ!」
静香
「じゃあそうすればいい。僕はお前と一緒に学校生活を送りたいぞ?」
桃滋楼
「うっ……」
どうやら伏嶋は真っ直ぐな言葉に弱いらしい。顔を赤くして困り果てている。
特に静香は聞いてるほうが恥ずかしくなるようなことをハッキリ言うからなぁ。
桃滋楼
「くっ……ああもう、なんなんだよ! 居たたまれなさすぎんだろ! わーったよ!」
桃滋楼
「仕方なくだからな! 本当は勝手に人のことボロクソ言ってくれる輩のいる場所になんか行きたくねーんだ!」
静香
「ああ、それでいいぞ」
桃滋楼
「クッソ……」


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