男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組

葉鳥(はとごろTIMES)

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学園祭の出し物

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※この作品は同人ゲーム「男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組」からテキストを抜き出したノベル版です。
 ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
 原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
 PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
 詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
 また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。



《教室》
この学校は十月の終わりに体育祭、十一月の初めに学園祭と行事が連続する。
そうすると必然的に片方に力が入り、片方は適当になるもので……体育祭を目前に控える今の時期、どのクラスも学園祭準備に勤しんでいた。
当然うちのクラスも例外じゃない。
静香
「次の時間のホームルームで、学祭の役割分担を決めろと担任から言われた」
零時
「大変だなー委員長は」
静香
「委員長制度などないというのに……面倒だ」
桃滋楼
「学園祭ってなにすんの?」
零時
「そっか、伏嶋は転校生だから聞いてないんだな」
桃滋楼
「そもそも学校行事とか出ない前提だったからな。興味もねーし」
学園祭といっても外部に声をかけるような大きなイベントはなく、クラスによる出し物がメインだ。
それぞれのクラスで一つの出し物をして、全校でどのクラスが良かったのかを投票で決め、上位三クラスには生徒会から景品が与えられる。
体育祭が適当に終わる分、学園祭に入れられている力は大きい。当然その景品もかなり豪華になっている。
今年の一位は、駅前にある焼肉食べ放題の無料券クラス人数分だったと思う。
桃滋楼
「タダで喰い放題は……すげーな」
優勝商品を聞かせれば、伏嶋も珍しく目を輝かせた。
静香
「出し物は、極力被らないよう調整するために一学期のうちに決めてある」
静香
「一学期の時点で人気そうな出し物を勝ち取っておかなければ、優勝は難しいというわけだな」
零時
「ま、その点では心配なかったな。なんせウチには静香がいるんだ」
一学期、静香は持ち前の委員長っぽさを活かし、クラスをまとめ上げ最速で出し物の申請をした。
その結果、うちのクラスは第一希望をすんなりと受領されたのだ。
桃滋楼
「で、何をするんだ?」
零時
「喫茶店だよ。超定番だけど、その分安定してるし人気も高い」
静香
「その上、営業力次第では利益も出る。優勝すれば無料の打ち上げにプラスで小遣いまで手に入る」
ちなみに、学園祭の規定によると、出し物をする上で「入場料」に値するものは取ってはいけないことになっている。
静香は優勝を狙いつつ、逃しても得をする最善の選択をしたのだ。
静香
「学祭まであと二週間。当日までのスケジュールと役割分担を決めるのも重要な仕事になる」
静香
「面倒だが、手をつけたことには最後まで責任を持って取り組むぞ。もちろん全力でな」
桃滋楼
「うお……静香がかっけぇ……」
こういう時の静香は本当に頼りになる。人の上に立つときの姿が格好いいのは確かだ。
静香は昔からこうだから、中学の時は結構女子に人気があった。
もっとも、静香本人の女子に対する関心が薄かったため、彼女ができることはなかったが。



《教室》
静香
「というわけで、当日までのスケジュールはこうなる」
ホームルームが始まると、静香は黒板に学園祭までのスケジュールを書いて見せた。
静香がクラスのまとめ役になるのは暗黙の了解のようなもので、そのことに対しては今更誰も文句など言わない。
静香
「ここから細かい予定を組み込んでいくが、今のところで何か意見があるものはいるか?」
特に意見は上がらない。当然だ。書かれているスケジュールは、もうすでに細かく決められている。
しかも無茶な予定もない、適切な進行。さすが静香だ。
静香
「では、役割分担に入る。大きく分け、当日の調理班と接客班、前日までの準備班だ」
静香
「調理班は藤井をリーダーにして決めようと思うのだが、いいか?」
藤井
「おー、任せろ!」
藤井は親戚が喫茶店を経営している関係で、材料から調理法まで知り尽くしている。
それはクラスの人間なら誰もが知っていたことなので、全員がすんなり受け入れた。
藤井
「まさか霞さんを追っかけていた頃の経験がここで活かされようとは……」
ちなみに、喫茶店経営に詳しくなった理由は、美人の年上イトコに会いたくて通い詰めた結果らしい。
静香
「調理班希望がいたら言ってくれ。実力と希望を考慮して分担したいからな」
静香の言葉で、数人が調理班に名乗り出た。今の時代男が料理できることも珍しくない。
ま、包丁すらまともに握ったことがない俺には関係ない話ですけどね。料理? なにそれ食えるの?
ついでに言うと静香も料理の類はできない。火加減の調整が苦手らしく、過熱が必要な料理は何を作っても失敗する。
静香
「ふむ……藤井を合わせて五人か。あと一人か二人欲しいところだが……」
静香
「そういえば、桃滋楼も料理できただろう」
桃滋楼
「俺?」
どうでもよさそうに聞いていた伏嶋が、名指しされて間の抜けた返事を返す。
クラスに復帰したのはいいが、やはり学校行事への興味はないままだったらしい。明らかに自分は無関係ですって顔をしている。
静香
「寮で一度だけ作ってくれたろう。上手だったじゃないか」
桃滋楼
「あんなの、作り方の通りにやるだけじゃねーかよ」
静香はそれすらできない。俺もだけど。
藤井
「作り方通りができるなら大丈夫だって。難しいことは俺やるし」
藤井
「せっかくだから伏嶋も一緒に頑張ろうぜ」
復帰した最初こそ怖がられていた伏嶋だが、今ではクラスの人間の大半が受け入れている。
まだクラス外には伏嶋を誤解している人間が多いが、ここは殆どが味方だ。
だから、こうして手を差し伸べてやれる。
桃滋楼
「……まぁ、いーけどさ」

「駄目だろ!」
桃滋楼
「!?」
突然、藤井と伏嶋の間に一人が割って入った。
藤井
「中田……?」
割り込んだのは、野球部に所属する、馬鹿で有名な中田だ。
中田
「お前は馬鹿なのか? 伏嶋調理班に入れるとか、何考えてんだ」
藤井
「ちょ……そういう言い方はねーだろ」
中田
「いやあるね! 絶対認めないね!」
中田
「せっかくの女子なのに、裏方に回すとかアホじゃねーの!?」
もう一度言う。中田は、馬鹿で有名である。
中田
「女子ッ! ウェイトレス! 確かに喫茶店は人気だが、男だらけのむさ苦しさじゃ来る客も来ない!」
中田
「元々外部女子をターゲットにするとかいう話だったけどよ、お前ら鏡見ろよ! 無理だよ!」
教室のいたる所から悲痛に呻く声が上がった。
中田
「そこで俺は、静ちゃん桃ちゃんウェイトレス化計画を提案する!」
桃滋楼
「はあああああ!?」
伏嶋は否定の意を込めた叫びを上げたが、クラスの過半数がそれをかき消すように歓喜に吠えた。
桃滋楼
「いや何勝手に言ってんだよ! ざっけんなぶっ飛ばすぞ!」
中田
「ぶっ飛ばされるくらいでウェイトレスしてくれるならどうぞ! 右頬空いてますから、ほら!」
桃滋楼
「そんなこと言われたら殴るに殴れねーだろおおおおおお!」
静香
「ま、まぁまぁ桃滋楼落ち着け」
桃滋楼
「落ち着けるか! 無理だからな、俺絶対無理! ウェイトレス以前に接客とか絶対できねーし!」
それは多いに同感。あの伏嶋が接客している所は想像できない。
静香
「僕は元々接客班にいくつもりだったからいいが……確かに桃滋楼には難しいかもな」
中田
「しずかちゃんウェイトレスキターーーーーー!!」
静香
「誰がしずかちゃんだ接客やめるぞ」
中田、瞬時に土下座。
長野
「早乙女、接客班やんの……?」
ここで以前静香に告白したと噂の長野が反応した。
静香
「ああ……中田ではないが、僕が出れば確かに集客率は上がるだろう」
静香
「ここで女子は物珍しいという自覚はある。優勝を狙う以上、気が進まないという理由で接客から逃げたくない」
長野
「そっ、か……」
長野の奴、ちょっと頬染めてんじゃねーよ。フラれても諦めきれてないのが見え見えだな。いや別に静香と長野がどうなっても俺には関係ないけどさ。
長野
「じゃあ、俺も接客班やるよ」
静香
「え……」
零時
「なっ……」
中田
「おお? しずかちゃん狙いの長野クンは欲望に忠実ですか?」
長野
「うるさいな、なんとでも言っとけよ」
静香
「その、なんだ……拒否する理由はないな。長野は敬語上手いし、常識人だし」
な、なんだこの展開は……そしてこの胸にぽっかり穴が空いたような感覚は……
くそ……なんというか、長年可愛がっていた犬に逃げられた気持ちだ。
桃滋楼
「…………!」
零時
「伏嶋?」
なんか今、変なことを閃いたって顔をしたけど。
桃滋楼
「じゃあ俺、四ッ橋がやるんだったらやってもいいぜ」
零時
「うえぇっ!?」
伏嶋のその言葉に、俺だけでなくクラスの全員が間抜けな声を上げた。
伏嶋は何故かにやにやして俺を見ている。何故だろう、女子に指名されたのに嬉しくない。嫌な予感しかしない。
藤井
「レージ、まさか伏嶋とそういう……」
中田
「まじかよおおおお何でレージなんだよおおおおお」
零時
「違う違う! 伏嶋なんてこと言ってくれるんだ! あと長野、隠れてガッツポーズすんな!」
桃滋楼
「四ッ橋、嫌なら嫌って言っていいんだぜ?」
こ、コイツ……自分が嫌がっても聞き入れてもらえなさそうだからって、俺に押しつけようって魂胆か!
ふん、その手には乗ってやらないぞ。いつまでも伏嶋を怖がっている俺だと思うな。
零時
「じゃー俺接客班」
桃滋楼
「ただし接客ん時は女装な」
零時
「絶対嫌です!」
桃滋楼
「そうだろそうだろ、それでいいんだぜ!」
この野郎……この前のことがあるから冗談にならねーし! そうそう何度も女装なんてするか!
静香
「しないのか」
何で残念そうなんですかあんたは!
長野
「言われてみると、四ッ橋もウェイトレスいけそうかもな」
零時
「長野……! お前顔が邪だぞ」
長野
「俺としてはほら、お前が男でないほうが都合いいからさ。早乙女も見たそうだし」
開き直り方が清々しいですね! 死ね!
桃滋楼
「おいおい無理すんなよ四ッ橋。俺と一緒に裏方しようぜ」
藤井
「…………オレンジの制服が似合いそうだな」
零時
「やめて藤井、俺を見ながらそんなこと呟かないで!」
中田
「男の娘ってやつ流行りだからいいんじゃねー? おっとこのこ!」
零時
「馬鹿が考えなしに発言すんじゃねーよ!」
中田の馬鹿発言を気に、男の娘コールが教室中に広がった。こういう時に男子校のノリは恐ろしい。なにこのクラス怖い。
桃滋楼
「あれ……な、なんで女装する感じになってんだ? 駄目だぞ四ッ橋、絶対すんな!」

「「「おーとこのこー! おーとこのこー!」」」
零時
「う……うぅぅ…………っ!」
伏嶋とクラスメイト達の声が脳内をぐるぐると駆け回る。
う、うわああああ頭がおかしくなるうううううう!
零時
「よ……」
桃滋楼
「よ?」
零時
「よっしゃーーー! 俺の色気見やがれってんだーーーーー!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」
俺は運命を受け入れた。
こうなったら全力で優勝を引っ掴んで、終わった後にやけ食いしてやる!
桃滋楼
「な……そんな…………」
静香
「先に言いだしたのは桃滋楼だ。こればかりはお前も受け入れるしかないだろう」
桃滋楼
「うあ……あぁぁ……」
零時
「へこむなって伏嶋! 俺も一緒に頑張るからさ!」
そう言って、うつむきそうな伏嶋の手をぎゅっと握る。
桃滋楼
「へあっ!?」
零時
「もう開き直って俺ら三人で看板娘してやろうぜ! いぇあーーー!」
桃滋楼
「四ッ橋……」
桃滋楼
「めっちゃ涙出てる」
悲しすぎて騒ぐことしかできない哀れな俺を笑ってほしい。
桃滋楼
「そうだよな、お前も嫌なのに俺のせいで女装とかになって……」
桃滋楼
「お、俺も頑張る……! 看板娘は嫌だけど!」
静香
「桃滋楼……」
零時
「ぃよっしゃああああああああああああ! 学祭は宴じゃあああああああああああ!!」
こうして、俺は再び公衆の面前で女装することが決定したのだった。
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