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桃滋楼失踪事件1
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※この作品は同人ゲーム「男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組」からテキストを抜き出したノベル版です。
ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。
《教室》
体育祭が終わり、一週間後には学園祭。
学祭までの一週間は、どのクラスも夜遅くまでその準備に追われる。当然うちのクラスも例外ではない。
授業が終わってすぐ、クラス総がかりで準備に入る。
静香
「藤井、少しいいか?」
藤井
「どうした?」
静香
「予算の振り分けなのだが、準備班がもう少し欲しいと言い出してな……」
藤井
「えぇ……こっちはこれでもコネ使ってかなり減額してんのに、これ以上は減らせねーよ」
静香
「必要なのが女子制服代と言われては……返す言葉がなかった」
藤井
「あー……そりゃしずかちゃんは反論できねーなー」
静香
「誰がしずかちゃんだ、誰が」
中田
「しずかちゃーん、ちょっと来てくれー!」
静香
「誰がしずかちゃんだと何度言わせる!」
桃滋楼
「静香忙しそうだな……」
零時
「総まとめしてるからなー。つーか女子制服必要か? 男は制服にエプロンでやるんだろ?」
長野
「その件は中田率いる女好きグループが譲らなかったんだよ」
零時
「お前は反論しなかったのか?」
静香に片思いしてる長野なら、静香の味方をして馬鹿連中を説き伏せそうなもんだけど。
長野
「それはまぁ……最初は頑張ったんだけどね。逆に言い負かされたというか」
零時
「え、お前が? あの馬鹿達に? 口だけは達者なのに?」
長野
「四ッ橋は俺に喧嘩を売ってるの?」
零時
「滅相もございません」
長野
「可愛い制服を着てもらったほうが利益に繋がると言われたら……ね」
……さてはこいつ、可愛い制服着た静香が見たいだけだな?
確かに男だらけの男子校の中で、可愛い制服のウェイトレスがかなり有効な手段であるのは間違いないけど。
まーこいつじゃ言い返せないな。いや俺だったら言い返せるってわけでもないけど。
静香
「零時、桃滋楼。少し買い出し頼まれてくれないか?」
零時
「え? いいけど、突然だな」
静香
「今手が空いているのがお前たちだけなんだ。必要なものはここにメモしてある」
静香に一枚のメモ用紙を手渡される。そこにはテープやカッターのような小道具を中心に記してあった。
種類こそ少ないが量が多い。これは確かに二人で行く必要がありそうだ。
零時
「じゃ行くか、伏嶋」
桃滋楼
「おう」
二人で揃って教室を出る。
《下駄箱》
………………。
なんだろう、視線のようなものを感じる。
桃滋楼
「チッ」
伏嶋も気づいているようで、気分が悪そうに小さく舌打ちをしていた。
零時
「やっぱり気のせいじゃないのか」
桃滋楼
「体育祭以降、ずっとこんなだ」
どうやらこの視線は伏嶋に向いているらしい。耳をすますと、ヒソヒソと話す声も聞こえる。
体育祭以降……そうか、体育祭で伏嶋がまともに競技に出てたから、ちょっとした噂になってるのか。
うちのクラスの中でこそ気にならなくなったが、他ではまだ伏嶋が不良だという誤解はとけていない。
前の学校で暴力沙汰になったのは事実らしいし……そんな生徒が真面目に体育祭なんかに出ていたら、そりゃー注目もされるか。
桃滋楼
「見世物じゃねーんだっつの。胸糞わりぃ」
零時
「そういう言い方するから……」
桃滋楼
「あ?」
零時
「ナンデモナイデス」
でも、伏嶋が愚痴りたくなるのも分かる。
噂をされているというだけで良い気分ではないのに、その内容も良いものではなさそうだ。
こっちをチラチラ見てくる生徒の表情が暗く、あるいは厭らしい。
あれは「不良が更生したよ、やったね!」という噂をしている奴の顔じゃない。
多分、元々あった喧嘩がどうという噂が肥大化しているんだ。
桃滋楼
「心配しなくても、別にキレたりしねーよ」
零時
「え……?」
桃滋楼
「俺の勝手な行動で、静香達に迷惑かけたくねーし」
零時
「伏嶋……」
そうか……お前、もう一人じゃないって、分かってくれてんだな。
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めているのがなんだか微笑ましい。この顔を静香に見せてやりたかったな。
零時
「じゃ、さっさと行くか」
桃滋楼
「ああ」
こんな噂、きっと近いうちに飽きられて消えるだろう。放置が一番利口だ。そう思い、俺たちは耳をそらして校舎を出る。
だが、伏嶋への視線も噂も、翌日にはさらに悪化していた。
《教室》
零時
「伏嶋、一人でトイレ行ったけど大丈夫かな?」
藤井
「こればっかは誰かがついていくわけにもいかねーしなぁ」
静香
「…………」
静香が目を閉じて黙りこむ。口を開けば、ため込んだ不満が爆発してしまうのだろう。
どこを歩いていても付いてくる視線。酷い時は教室を覗き込み、わざと聞こえるように挑発してくる奴もいた。
元々あった「街を練り歩いては喧嘩をしている」だとか、そういう噂もやはり肥大化している。
というか、そういう悪いイメージの噂しかない。
藤井
「クラス全員伏嶋にシメられたから登校しはじめたとか、笑っちまうよな」
零時
「むしろウェイトレスの件とかで中田に脅されてたのに」
中田
「俺脅した!? マジで!?」
零時
「あと、先生がボコられた説も聞いたな。ちなみに俺は逆レイプされて心を奪われた設定らしい」
藤井
「あんなにピュアな子がんなことできるかよ。うちの子は純白の心持ってんだよ」
零時
「いつお前の子供になったんだよ」
他にも、クラスの男従えて静香を犯させただの、面白いほどに現実味のない噂ばかり。
それでも伏嶋本人を知らない第三者が聞けば信じてしまう。そうなると全然面白くもない話だ。
静香
「腹立たしいことこの上ない……」
ぎりっと血がにじむ程に拳を握りしめる静香。
静香は伏嶋の噂に気がついてからずっとこんな感じだ。誰が見てもキレている。
ずっと不登校だった友人が、最近やっと学校に馴染めてきたところだったんだ。怒るなという方が無理な話か。
静香
「本当に腹が立つ……桃滋楼の名を出すもの全員ひっ捕まえて更生させてやりたい」
零時
「落ち着けって、こういうのは音沙汰がなくなるまで放置すんのが一番なんだからさ」
静香
「分かっているが……分かりたくない」
言っていることは滅茶苦茶だが、言いたいことは伝わってくる。
このクラスの全員が同じ気持ちを抱えているに違いない。
――ガラッ
桃滋楼
「っつ……」
そんな話をしていると、トイレに行った伏嶋が腰を押さえて戻ってきた。
静香
「ど、どうした、何かあったのか!?」
桃滋楼
「うお? な、なんだよ大声出して……ちょっと転んだだけだよ」
静香
「転んだ……?」
桃滋楼
「便所帰りに自販機でコーヒー買って、振り向いたら後ろにいる奴にぶつかっただけだ」
静香
「そ、うか……なら、よかった」
伏嶋が平然と言うから、静香も荒げていた声を抑える。
でも、ぶつかったのが本当に伏嶋からとは思えない。恐らくぶつかられたか、悪くて突き飛ばされたんだろう。
伏嶋に接触するという度胸試しをする馬鹿もいるらしいからな……。
もちろん静香もその可能性に気付いているから、口ではよかったと言っても、顔は全然納得していない。
藤井
「伏嶋ってコーヒー好きだよな、いっつも飲んでるじゃん」
雰囲気の悪さを払拭するためか、藤井がさらりと話題を変えた。
桃滋楼
「まぁ……小さいころからフツーに常飲してたし」
伏嶋は毎日必ずブラックコーヒーを買う。キャップのある少し大きめの缶で。
零時
「俺今でもブラックとか無理なんだけど」
桃滋楼
「俺は逆にブラック以外飲めなくなったな。ミルクとか入れられると無理」
藤井
「こだわりとかあんの?」
桃滋楼
「別に。飲めれば何でもいい」
話題を変えてしまえば、誰もあえて暗くなる話題には戻さない。
こうして自分たちの心を誤魔化しながら、周りが飽きるのを待つしかないのだ。
それが最善。だけど、最善の選択が必ず良い結果をもたらすわけでもない。
《教室》
桃滋楼
「ん……ふ…………」
桃滋楼
「はぁ……あ? んん……っ」
静香
「桃滋楼……? 顔が赤いようだが、体調でも悪いのか?」
桃滋楼
「いや……わかんね…………なんか、あっつい……」
昼休みに入る頃に、伏嶋の体調が突然悪くなった。
顔を真っ赤にして、熱の籠った吐息をもらす。
静香
「風邪か? もしかしたらこの前僕がうつしたかもしれんな」
桃滋楼
「あー……だりぃ……」
静香
「保健室に行くか?」
桃滋楼
「いい……外行って涼む。あつい」
静香
「ついていこうか?」
桃滋楼
「過保護すぎだろ、涼んでくるだけだっつのに」
静香
「そうかも、しれないが……」
桃滋楼
「ちょっと、一人になりたい」
静香
「そう、か……なら無理についていくのも悪いな」
静香が折れ、伏嶋は一人ふらふらと教室を出ていく。
静香
「大丈夫だろうか……」
零時
「心配しすぎだって。まぁ、状況は悪いけど」
とは言ったものの、実は俺もかなり心配していた。
今まで何もなかったんだから、大丈夫だろうと自分に言い聞かせないと、こっそり後をつけてしまいそうだ。
そんなストーカーみたいなこともできないし、大人しくしているべきなんだろうけど。
しかし、一時間後に俺はこの判断を後悔することになる。
一時間後。チャイムが鳴り、午後の授業が始まりを告げる。
伏嶋は、教室に戻ってこなかった。
ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。
《教室》
体育祭が終わり、一週間後には学園祭。
学祭までの一週間は、どのクラスも夜遅くまでその準備に追われる。当然うちのクラスも例外ではない。
授業が終わってすぐ、クラス総がかりで準備に入る。
静香
「藤井、少しいいか?」
藤井
「どうした?」
静香
「予算の振り分けなのだが、準備班がもう少し欲しいと言い出してな……」
藤井
「えぇ……こっちはこれでもコネ使ってかなり減額してんのに、これ以上は減らせねーよ」
静香
「必要なのが女子制服代と言われては……返す言葉がなかった」
藤井
「あー……そりゃしずかちゃんは反論できねーなー」
静香
「誰がしずかちゃんだ、誰が」
中田
「しずかちゃーん、ちょっと来てくれー!」
静香
「誰がしずかちゃんだと何度言わせる!」
桃滋楼
「静香忙しそうだな……」
零時
「総まとめしてるからなー。つーか女子制服必要か? 男は制服にエプロンでやるんだろ?」
長野
「その件は中田率いる女好きグループが譲らなかったんだよ」
零時
「お前は反論しなかったのか?」
静香に片思いしてる長野なら、静香の味方をして馬鹿連中を説き伏せそうなもんだけど。
長野
「それはまぁ……最初は頑張ったんだけどね。逆に言い負かされたというか」
零時
「え、お前が? あの馬鹿達に? 口だけは達者なのに?」
長野
「四ッ橋は俺に喧嘩を売ってるの?」
零時
「滅相もございません」
長野
「可愛い制服を着てもらったほうが利益に繋がると言われたら……ね」
……さてはこいつ、可愛い制服着た静香が見たいだけだな?
確かに男だらけの男子校の中で、可愛い制服のウェイトレスがかなり有効な手段であるのは間違いないけど。
まーこいつじゃ言い返せないな。いや俺だったら言い返せるってわけでもないけど。
静香
「零時、桃滋楼。少し買い出し頼まれてくれないか?」
零時
「え? いいけど、突然だな」
静香
「今手が空いているのがお前たちだけなんだ。必要なものはここにメモしてある」
静香に一枚のメモ用紙を手渡される。そこにはテープやカッターのような小道具を中心に記してあった。
種類こそ少ないが量が多い。これは確かに二人で行く必要がありそうだ。
零時
「じゃ行くか、伏嶋」
桃滋楼
「おう」
二人で揃って教室を出る。
《下駄箱》
………………。
なんだろう、視線のようなものを感じる。
桃滋楼
「チッ」
伏嶋も気づいているようで、気分が悪そうに小さく舌打ちをしていた。
零時
「やっぱり気のせいじゃないのか」
桃滋楼
「体育祭以降、ずっとこんなだ」
どうやらこの視線は伏嶋に向いているらしい。耳をすますと、ヒソヒソと話す声も聞こえる。
体育祭以降……そうか、体育祭で伏嶋がまともに競技に出てたから、ちょっとした噂になってるのか。
うちのクラスの中でこそ気にならなくなったが、他ではまだ伏嶋が不良だという誤解はとけていない。
前の学校で暴力沙汰になったのは事実らしいし……そんな生徒が真面目に体育祭なんかに出ていたら、そりゃー注目もされるか。
桃滋楼
「見世物じゃねーんだっつの。胸糞わりぃ」
零時
「そういう言い方するから……」
桃滋楼
「あ?」
零時
「ナンデモナイデス」
でも、伏嶋が愚痴りたくなるのも分かる。
噂をされているというだけで良い気分ではないのに、その内容も良いものではなさそうだ。
こっちをチラチラ見てくる生徒の表情が暗く、あるいは厭らしい。
あれは「不良が更生したよ、やったね!」という噂をしている奴の顔じゃない。
多分、元々あった喧嘩がどうという噂が肥大化しているんだ。
桃滋楼
「心配しなくても、別にキレたりしねーよ」
零時
「え……?」
桃滋楼
「俺の勝手な行動で、静香達に迷惑かけたくねーし」
零時
「伏嶋……」
そうか……お前、もう一人じゃないって、分かってくれてんだな。
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めているのがなんだか微笑ましい。この顔を静香に見せてやりたかったな。
零時
「じゃ、さっさと行くか」
桃滋楼
「ああ」
こんな噂、きっと近いうちに飽きられて消えるだろう。放置が一番利口だ。そう思い、俺たちは耳をそらして校舎を出る。
だが、伏嶋への視線も噂も、翌日にはさらに悪化していた。
《教室》
零時
「伏嶋、一人でトイレ行ったけど大丈夫かな?」
藤井
「こればっかは誰かがついていくわけにもいかねーしなぁ」
静香
「…………」
静香が目を閉じて黙りこむ。口を開けば、ため込んだ不満が爆発してしまうのだろう。
どこを歩いていても付いてくる視線。酷い時は教室を覗き込み、わざと聞こえるように挑発してくる奴もいた。
元々あった「街を練り歩いては喧嘩をしている」だとか、そういう噂もやはり肥大化している。
というか、そういう悪いイメージの噂しかない。
藤井
「クラス全員伏嶋にシメられたから登校しはじめたとか、笑っちまうよな」
零時
「むしろウェイトレスの件とかで中田に脅されてたのに」
中田
「俺脅した!? マジで!?」
零時
「あと、先生がボコられた説も聞いたな。ちなみに俺は逆レイプされて心を奪われた設定らしい」
藤井
「あんなにピュアな子がんなことできるかよ。うちの子は純白の心持ってんだよ」
零時
「いつお前の子供になったんだよ」
他にも、クラスの男従えて静香を犯させただの、面白いほどに現実味のない噂ばかり。
それでも伏嶋本人を知らない第三者が聞けば信じてしまう。そうなると全然面白くもない話だ。
静香
「腹立たしいことこの上ない……」
ぎりっと血がにじむ程に拳を握りしめる静香。
静香は伏嶋の噂に気がついてからずっとこんな感じだ。誰が見てもキレている。
ずっと不登校だった友人が、最近やっと学校に馴染めてきたところだったんだ。怒るなという方が無理な話か。
静香
「本当に腹が立つ……桃滋楼の名を出すもの全員ひっ捕まえて更生させてやりたい」
零時
「落ち着けって、こういうのは音沙汰がなくなるまで放置すんのが一番なんだからさ」
静香
「分かっているが……分かりたくない」
言っていることは滅茶苦茶だが、言いたいことは伝わってくる。
このクラスの全員が同じ気持ちを抱えているに違いない。
――ガラッ
桃滋楼
「っつ……」
そんな話をしていると、トイレに行った伏嶋が腰を押さえて戻ってきた。
静香
「ど、どうした、何かあったのか!?」
桃滋楼
「うお? な、なんだよ大声出して……ちょっと転んだだけだよ」
静香
「転んだ……?」
桃滋楼
「便所帰りに自販機でコーヒー買って、振り向いたら後ろにいる奴にぶつかっただけだ」
静香
「そ、うか……なら、よかった」
伏嶋が平然と言うから、静香も荒げていた声を抑える。
でも、ぶつかったのが本当に伏嶋からとは思えない。恐らくぶつかられたか、悪くて突き飛ばされたんだろう。
伏嶋に接触するという度胸試しをする馬鹿もいるらしいからな……。
もちろん静香もその可能性に気付いているから、口ではよかったと言っても、顔は全然納得していない。
藤井
「伏嶋ってコーヒー好きだよな、いっつも飲んでるじゃん」
雰囲気の悪さを払拭するためか、藤井がさらりと話題を変えた。
桃滋楼
「まぁ……小さいころからフツーに常飲してたし」
伏嶋は毎日必ずブラックコーヒーを買う。キャップのある少し大きめの缶で。
零時
「俺今でもブラックとか無理なんだけど」
桃滋楼
「俺は逆にブラック以外飲めなくなったな。ミルクとか入れられると無理」
藤井
「こだわりとかあんの?」
桃滋楼
「別に。飲めれば何でもいい」
話題を変えてしまえば、誰もあえて暗くなる話題には戻さない。
こうして自分たちの心を誤魔化しながら、周りが飽きるのを待つしかないのだ。
それが最善。だけど、最善の選択が必ず良い結果をもたらすわけでもない。
《教室》
桃滋楼
「ん……ふ…………」
桃滋楼
「はぁ……あ? んん……っ」
静香
「桃滋楼……? 顔が赤いようだが、体調でも悪いのか?」
桃滋楼
「いや……わかんね…………なんか、あっつい……」
昼休みに入る頃に、伏嶋の体調が突然悪くなった。
顔を真っ赤にして、熱の籠った吐息をもらす。
静香
「風邪か? もしかしたらこの前僕がうつしたかもしれんな」
桃滋楼
「あー……だりぃ……」
静香
「保健室に行くか?」
桃滋楼
「いい……外行って涼む。あつい」
静香
「ついていこうか?」
桃滋楼
「過保護すぎだろ、涼んでくるだけだっつのに」
静香
「そうかも、しれないが……」
桃滋楼
「ちょっと、一人になりたい」
静香
「そう、か……なら無理についていくのも悪いな」
静香が折れ、伏嶋は一人ふらふらと教室を出ていく。
静香
「大丈夫だろうか……」
零時
「心配しすぎだって。まぁ、状況は悪いけど」
とは言ったものの、実は俺もかなり心配していた。
今まで何もなかったんだから、大丈夫だろうと自分に言い聞かせないと、こっそり後をつけてしまいそうだ。
そんなストーカーみたいなこともできないし、大人しくしているべきなんだろうけど。
しかし、一時間後に俺はこの判断を後悔することになる。
一時間後。チャイムが鳴り、午後の授業が始まりを告げる。
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