23 / 38
共通ルート
桃滋楼失踪事件1
しおりを挟む
※この作品は同人ゲーム「男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組」からテキストを抜き出したノベル版です。
ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。
《教室》
体育祭が終わり、一週間後には学園祭。
学祭までの一週間は、どのクラスも夜遅くまでその準備に追われる。当然うちのクラスも例外ではない。
授業が終わってすぐ、クラス総がかりで準備に入る。
静香
「藤井、少しいいか?」
藤井
「どうした?」
静香
「予算の振り分けなのだが、準備班がもう少し欲しいと言い出してな……」
藤井
「えぇ……こっちはこれでもコネ使ってかなり減額してんのに、これ以上は減らせねーよ」
静香
「必要なのが女子制服代と言われては……返す言葉がなかった」
藤井
「あー……そりゃしずかちゃんは反論できねーなー」
静香
「誰がしずかちゃんだ、誰が」
中田
「しずかちゃーん、ちょっと来てくれー!」
静香
「誰がしずかちゃんだと何度言わせる!」
桃滋楼
「静香忙しそうだな……」
零時
「総まとめしてるからなー。つーか女子制服必要か? 男は制服にエプロンでやるんだろ?」
長野
「その件は中田率いる女好きグループが譲らなかったんだよ」
零時
「お前は反論しなかったのか?」
静香に片思いしてる長野なら、静香の味方をして馬鹿連中を説き伏せそうなもんだけど。
長野
「それはまぁ……最初は頑張ったんだけどね。逆に言い負かされたというか」
零時
「え、お前が? あの馬鹿達に? 口だけは達者なのに?」
長野
「四ッ橋は俺に喧嘩を売ってるの?」
零時
「滅相もございません」
長野
「可愛い制服を着てもらったほうが利益に繋がると言われたら……ね」
……さてはこいつ、可愛い制服着た静香が見たいだけだな?
確かに男だらけの男子校の中で、可愛い制服のウェイトレスがかなり有効な手段であるのは間違いないけど。
まーこいつじゃ言い返せないな。いや俺だったら言い返せるってわけでもないけど。
静香
「零時、桃滋楼。少し買い出し頼まれてくれないか?」
零時
「え? いいけど、突然だな」
静香
「今手が空いているのがお前たちだけなんだ。必要なものはここにメモしてある」
静香に一枚のメモ用紙を手渡される。そこにはテープやカッターのような小道具を中心に記してあった。
種類こそ少ないが量が多い。これは確かに二人で行く必要がありそうだ。
零時
「じゃ行くか、伏嶋」
桃滋楼
「おう」
二人で揃って教室を出る。
《下駄箱》
………………。
なんだろう、視線のようなものを感じる。
桃滋楼
「チッ」
伏嶋も気づいているようで、気分が悪そうに小さく舌打ちをしていた。
零時
「やっぱり気のせいじゃないのか」
桃滋楼
「体育祭以降、ずっとこんなだ」
どうやらこの視線は伏嶋に向いているらしい。耳をすますと、ヒソヒソと話す声も聞こえる。
体育祭以降……そうか、体育祭で伏嶋がまともに競技に出てたから、ちょっとした噂になってるのか。
うちのクラスの中でこそ気にならなくなったが、他ではまだ伏嶋が不良だという誤解はとけていない。
前の学校で暴力沙汰になったのは事実らしいし……そんな生徒が真面目に体育祭なんかに出ていたら、そりゃー注目もされるか。
桃滋楼
「見世物じゃねーんだっつの。胸糞わりぃ」
零時
「そういう言い方するから……」
桃滋楼
「あ?」
零時
「ナンデモナイデス」
でも、伏嶋が愚痴りたくなるのも分かる。
噂をされているというだけで良い気分ではないのに、その内容も良いものではなさそうだ。
こっちをチラチラ見てくる生徒の表情が暗く、あるいは厭らしい。
あれは「不良が更生したよ、やったね!」という噂をしている奴の顔じゃない。
多分、元々あった喧嘩がどうという噂が肥大化しているんだ。
桃滋楼
「心配しなくても、別にキレたりしねーよ」
零時
「え……?」
桃滋楼
「俺の勝手な行動で、静香達に迷惑かけたくねーし」
零時
「伏嶋……」
そうか……お前、もう一人じゃないって、分かってくれてんだな。
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めているのがなんだか微笑ましい。この顔を静香に見せてやりたかったな。
零時
「じゃ、さっさと行くか」
桃滋楼
「ああ」
こんな噂、きっと近いうちに飽きられて消えるだろう。放置が一番利口だ。そう思い、俺たちは耳をそらして校舎を出る。
だが、伏嶋への視線も噂も、翌日にはさらに悪化していた。
《教室》
零時
「伏嶋、一人でトイレ行ったけど大丈夫かな?」
藤井
「こればっかは誰かがついていくわけにもいかねーしなぁ」
静香
「…………」
静香が目を閉じて黙りこむ。口を開けば、ため込んだ不満が爆発してしまうのだろう。
どこを歩いていても付いてくる視線。酷い時は教室を覗き込み、わざと聞こえるように挑発してくる奴もいた。
元々あった「街を練り歩いては喧嘩をしている」だとか、そういう噂もやはり肥大化している。
というか、そういう悪いイメージの噂しかない。
藤井
「クラス全員伏嶋にシメられたから登校しはじめたとか、笑っちまうよな」
零時
「むしろウェイトレスの件とかで中田に脅されてたのに」
中田
「俺脅した!? マジで!?」
零時
「あと、先生がボコられた説も聞いたな。ちなみに俺は逆レイプされて心を奪われた設定らしい」
藤井
「あんなにピュアな子がんなことできるかよ。うちの子は純白の心持ってんだよ」
零時
「いつお前の子供になったんだよ」
他にも、クラスの男従えて静香を犯させただの、面白いほどに現実味のない噂ばかり。
それでも伏嶋本人を知らない第三者が聞けば信じてしまう。そうなると全然面白くもない話だ。
静香
「腹立たしいことこの上ない……」
ぎりっと血がにじむ程に拳を握りしめる静香。
静香は伏嶋の噂に気がついてからずっとこんな感じだ。誰が見てもキレている。
ずっと不登校だった友人が、最近やっと学校に馴染めてきたところだったんだ。怒るなという方が無理な話か。
静香
「本当に腹が立つ……桃滋楼の名を出すもの全員ひっ捕まえて更生させてやりたい」
零時
「落ち着けって、こういうのは音沙汰がなくなるまで放置すんのが一番なんだからさ」
静香
「分かっているが……分かりたくない」
言っていることは滅茶苦茶だが、言いたいことは伝わってくる。
このクラスの全員が同じ気持ちを抱えているに違いない。
――ガラッ
桃滋楼
「っつ……」
そんな話をしていると、トイレに行った伏嶋が腰を押さえて戻ってきた。
静香
「ど、どうした、何かあったのか!?」
桃滋楼
「うお? な、なんだよ大声出して……ちょっと転んだだけだよ」
静香
「転んだ……?」
桃滋楼
「便所帰りに自販機でコーヒー買って、振り向いたら後ろにいる奴にぶつかっただけだ」
静香
「そ、うか……なら、よかった」
伏嶋が平然と言うから、静香も荒げていた声を抑える。
でも、ぶつかったのが本当に伏嶋からとは思えない。恐らくぶつかられたか、悪くて突き飛ばされたんだろう。
伏嶋に接触するという度胸試しをする馬鹿もいるらしいからな……。
もちろん静香もその可能性に気付いているから、口ではよかったと言っても、顔は全然納得していない。
藤井
「伏嶋ってコーヒー好きだよな、いっつも飲んでるじゃん」
雰囲気の悪さを払拭するためか、藤井がさらりと話題を変えた。
桃滋楼
「まぁ……小さいころからフツーに常飲してたし」
伏嶋は毎日必ずブラックコーヒーを買う。キャップのある少し大きめの缶で。
零時
「俺今でもブラックとか無理なんだけど」
桃滋楼
「俺は逆にブラック以外飲めなくなったな。ミルクとか入れられると無理」
藤井
「こだわりとかあんの?」
桃滋楼
「別に。飲めれば何でもいい」
話題を変えてしまえば、誰もあえて暗くなる話題には戻さない。
こうして自分たちの心を誤魔化しながら、周りが飽きるのを待つしかないのだ。
それが最善。だけど、最善の選択が必ず良い結果をもたらすわけでもない。
《教室》
桃滋楼
「ん……ふ…………」
桃滋楼
「はぁ……あ? んん……っ」
静香
「桃滋楼……? 顔が赤いようだが、体調でも悪いのか?」
桃滋楼
「いや……わかんね…………なんか、あっつい……」
昼休みに入る頃に、伏嶋の体調が突然悪くなった。
顔を真っ赤にして、熱の籠った吐息をもらす。
静香
「風邪か? もしかしたらこの前僕がうつしたかもしれんな」
桃滋楼
「あー……だりぃ……」
静香
「保健室に行くか?」
桃滋楼
「いい……外行って涼む。あつい」
静香
「ついていこうか?」
桃滋楼
「過保護すぎだろ、涼んでくるだけだっつのに」
静香
「そうかも、しれないが……」
桃滋楼
「ちょっと、一人になりたい」
静香
「そう、か……なら無理についていくのも悪いな」
静香が折れ、伏嶋は一人ふらふらと教室を出ていく。
静香
「大丈夫だろうか……」
零時
「心配しすぎだって。まぁ、状況は悪いけど」
とは言ったものの、実は俺もかなり心配していた。
今まで何もなかったんだから、大丈夫だろうと自分に言い聞かせないと、こっそり後をつけてしまいそうだ。
そんなストーカーみたいなこともできないし、大人しくしているべきなんだろうけど。
しかし、一時間後に俺はこの判断を後悔することになる。
一時間後。チャイムが鳴り、午後の授業が始まりを告げる。
伏嶋は、教室に戻ってこなかった。
ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。
《教室》
体育祭が終わり、一週間後には学園祭。
学祭までの一週間は、どのクラスも夜遅くまでその準備に追われる。当然うちのクラスも例外ではない。
授業が終わってすぐ、クラス総がかりで準備に入る。
静香
「藤井、少しいいか?」
藤井
「どうした?」
静香
「予算の振り分けなのだが、準備班がもう少し欲しいと言い出してな……」
藤井
「えぇ……こっちはこれでもコネ使ってかなり減額してんのに、これ以上は減らせねーよ」
静香
「必要なのが女子制服代と言われては……返す言葉がなかった」
藤井
「あー……そりゃしずかちゃんは反論できねーなー」
静香
「誰がしずかちゃんだ、誰が」
中田
「しずかちゃーん、ちょっと来てくれー!」
静香
「誰がしずかちゃんだと何度言わせる!」
桃滋楼
「静香忙しそうだな……」
零時
「総まとめしてるからなー。つーか女子制服必要か? 男は制服にエプロンでやるんだろ?」
長野
「その件は中田率いる女好きグループが譲らなかったんだよ」
零時
「お前は反論しなかったのか?」
静香に片思いしてる長野なら、静香の味方をして馬鹿連中を説き伏せそうなもんだけど。
長野
「それはまぁ……最初は頑張ったんだけどね。逆に言い負かされたというか」
零時
「え、お前が? あの馬鹿達に? 口だけは達者なのに?」
長野
「四ッ橋は俺に喧嘩を売ってるの?」
零時
「滅相もございません」
長野
「可愛い制服を着てもらったほうが利益に繋がると言われたら……ね」
……さてはこいつ、可愛い制服着た静香が見たいだけだな?
確かに男だらけの男子校の中で、可愛い制服のウェイトレスがかなり有効な手段であるのは間違いないけど。
まーこいつじゃ言い返せないな。いや俺だったら言い返せるってわけでもないけど。
静香
「零時、桃滋楼。少し買い出し頼まれてくれないか?」
零時
「え? いいけど、突然だな」
静香
「今手が空いているのがお前たちだけなんだ。必要なものはここにメモしてある」
静香に一枚のメモ用紙を手渡される。そこにはテープやカッターのような小道具を中心に記してあった。
種類こそ少ないが量が多い。これは確かに二人で行く必要がありそうだ。
零時
「じゃ行くか、伏嶋」
桃滋楼
「おう」
二人で揃って教室を出る。
《下駄箱》
………………。
なんだろう、視線のようなものを感じる。
桃滋楼
「チッ」
伏嶋も気づいているようで、気分が悪そうに小さく舌打ちをしていた。
零時
「やっぱり気のせいじゃないのか」
桃滋楼
「体育祭以降、ずっとこんなだ」
どうやらこの視線は伏嶋に向いているらしい。耳をすますと、ヒソヒソと話す声も聞こえる。
体育祭以降……そうか、体育祭で伏嶋がまともに競技に出てたから、ちょっとした噂になってるのか。
うちのクラスの中でこそ気にならなくなったが、他ではまだ伏嶋が不良だという誤解はとけていない。
前の学校で暴力沙汰になったのは事実らしいし……そんな生徒が真面目に体育祭なんかに出ていたら、そりゃー注目もされるか。
桃滋楼
「見世物じゃねーんだっつの。胸糞わりぃ」
零時
「そういう言い方するから……」
桃滋楼
「あ?」
零時
「ナンデモナイデス」
でも、伏嶋が愚痴りたくなるのも分かる。
噂をされているというだけで良い気分ではないのに、その内容も良いものではなさそうだ。
こっちをチラチラ見てくる生徒の表情が暗く、あるいは厭らしい。
あれは「不良が更生したよ、やったね!」という噂をしている奴の顔じゃない。
多分、元々あった喧嘩がどうという噂が肥大化しているんだ。
桃滋楼
「心配しなくても、別にキレたりしねーよ」
零時
「え……?」
桃滋楼
「俺の勝手な行動で、静香達に迷惑かけたくねーし」
零時
「伏嶋……」
そうか……お前、もう一人じゃないって、分かってくれてんだな。
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めているのがなんだか微笑ましい。この顔を静香に見せてやりたかったな。
零時
「じゃ、さっさと行くか」
桃滋楼
「ああ」
こんな噂、きっと近いうちに飽きられて消えるだろう。放置が一番利口だ。そう思い、俺たちは耳をそらして校舎を出る。
だが、伏嶋への視線も噂も、翌日にはさらに悪化していた。
《教室》
零時
「伏嶋、一人でトイレ行ったけど大丈夫かな?」
藤井
「こればっかは誰かがついていくわけにもいかねーしなぁ」
静香
「…………」
静香が目を閉じて黙りこむ。口を開けば、ため込んだ不満が爆発してしまうのだろう。
どこを歩いていても付いてくる視線。酷い時は教室を覗き込み、わざと聞こえるように挑発してくる奴もいた。
元々あった「街を練り歩いては喧嘩をしている」だとか、そういう噂もやはり肥大化している。
というか、そういう悪いイメージの噂しかない。
藤井
「クラス全員伏嶋にシメられたから登校しはじめたとか、笑っちまうよな」
零時
「むしろウェイトレスの件とかで中田に脅されてたのに」
中田
「俺脅した!? マジで!?」
零時
「あと、先生がボコられた説も聞いたな。ちなみに俺は逆レイプされて心を奪われた設定らしい」
藤井
「あんなにピュアな子がんなことできるかよ。うちの子は純白の心持ってんだよ」
零時
「いつお前の子供になったんだよ」
他にも、クラスの男従えて静香を犯させただの、面白いほどに現実味のない噂ばかり。
それでも伏嶋本人を知らない第三者が聞けば信じてしまう。そうなると全然面白くもない話だ。
静香
「腹立たしいことこの上ない……」
ぎりっと血がにじむ程に拳を握りしめる静香。
静香は伏嶋の噂に気がついてからずっとこんな感じだ。誰が見てもキレている。
ずっと不登校だった友人が、最近やっと学校に馴染めてきたところだったんだ。怒るなという方が無理な話か。
静香
「本当に腹が立つ……桃滋楼の名を出すもの全員ひっ捕まえて更生させてやりたい」
零時
「落ち着けって、こういうのは音沙汰がなくなるまで放置すんのが一番なんだからさ」
静香
「分かっているが……分かりたくない」
言っていることは滅茶苦茶だが、言いたいことは伝わってくる。
このクラスの全員が同じ気持ちを抱えているに違いない。
――ガラッ
桃滋楼
「っつ……」
そんな話をしていると、トイレに行った伏嶋が腰を押さえて戻ってきた。
静香
「ど、どうした、何かあったのか!?」
桃滋楼
「うお? な、なんだよ大声出して……ちょっと転んだだけだよ」
静香
「転んだ……?」
桃滋楼
「便所帰りに自販機でコーヒー買って、振り向いたら後ろにいる奴にぶつかっただけだ」
静香
「そ、うか……なら、よかった」
伏嶋が平然と言うから、静香も荒げていた声を抑える。
でも、ぶつかったのが本当に伏嶋からとは思えない。恐らくぶつかられたか、悪くて突き飛ばされたんだろう。
伏嶋に接触するという度胸試しをする馬鹿もいるらしいからな……。
もちろん静香もその可能性に気付いているから、口ではよかったと言っても、顔は全然納得していない。
藤井
「伏嶋ってコーヒー好きだよな、いっつも飲んでるじゃん」
雰囲気の悪さを払拭するためか、藤井がさらりと話題を変えた。
桃滋楼
「まぁ……小さいころからフツーに常飲してたし」
伏嶋は毎日必ずブラックコーヒーを買う。キャップのある少し大きめの缶で。
零時
「俺今でもブラックとか無理なんだけど」
桃滋楼
「俺は逆にブラック以外飲めなくなったな。ミルクとか入れられると無理」
藤井
「こだわりとかあんの?」
桃滋楼
「別に。飲めれば何でもいい」
話題を変えてしまえば、誰もあえて暗くなる話題には戻さない。
こうして自分たちの心を誤魔化しながら、周りが飽きるのを待つしかないのだ。
それが最善。だけど、最善の選択が必ず良い結果をもたらすわけでもない。
《教室》
桃滋楼
「ん……ふ…………」
桃滋楼
「はぁ……あ? んん……っ」
静香
「桃滋楼……? 顔が赤いようだが、体調でも悪いのか?」
桃滋楼
「いや……わかんね…………なんか、あっつい……」
昼休みに入る頃に、伏嶋の体調が突然悪くなった。
顔を真っ赤にして、熱の籠った吐息をもらす。
静香
「風邪か? もしかしたらこの前僕がうつしたかもしれんな」
桃滋楼
「あー……だりぃ……」
静香
「保健室に行くか?」
桃滋楼
「いい……外行って涼む。あつい」
静香
「ついていこうか?」
桃滋楼
「過保護すぎだろ、涼んでくるだけだっつのに」
静香
「そうかも、しれないが……」
桃滋楼
「ちょっと、一人になりたい」
静香
「そう、か……なら無理についていくのも悪いな」
静香が折れ、伏嶋は一人ふらふらと教室を出ていく。
静香
「大丈夫だろうか……」
零時
「心配しすぎだって。まぁ、状況は悪いけど」
とは言ったものの、実は俺もかなり心配していた。
今まで何もなかったんだから、大丈夫だろうと自分に言い聞かせないと、こっそり後をつけてしまいそうだ。
そんなストーカーみたいなこともできないし、大人しくしているべきなんだろうけど。
しかし、一時間後に俺はこの判断を後悔することになる。
一時間後。チャイムが鳴り、午後の授業が始まりを告げる。
伏嶋は、教室に戻ってこなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編7が完結しました!(2026.1.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる