24 / 38
共通ルート
桃滋楼失踪事件2
しおりを挟む
※この作品は同人ゲーム「男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組」からテキストを抜き出したノベル版です。
ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。
《廊下》
静香
「いたか!?」
零時
「いや、屋上もいない」
静香
「くっ……!」
授業が始まっても戻ってこないのはさすがにおかしいと、俺と静香は先生に許可を取って校舎の中を捜しまわった。
しかし、伏嶋の姿は一向に見つからない。
静香
「後は外と特別校舎棟だな……零時は外に行ってくれ。僕は特別棟を捜す」
零時
「ああ!」
二人正反対の方向に駆け出す。
言われたとおり外に飛び出し、グラウンドから順々に回っていく。
《中庭》
中庭を突っ切ろうとしたところで、聞き覚えのある声に足をとめた。
零時
「伏嶋……っ!?」
それは、くぐもっていてよく聞こえなかったが、女性の声だった。
この状況ではもう最悪の想像しかできない。あたりを見回し、どこから声が聞こえたのかを捜す。
零時
「…………ッ!?」
いた。
ガタイのいい男三人に抑えられ、口をふさがれている。
服は着ていたが、それも時間の問題という肌蹴方だ。
ここで俺が出ていったところで、自分より大きな男三人を相手にできるはずもない。
すぐに周りを見渡し、近くに誰かいないかを探す。
零時
「あ……」
そこから見える場所……確か今は空き教室になっている所に、見覚えのある金色が見えた。
《教室》
羅斗
「うおっ!? ぜ、ゼロ君?」
零時
「せんぱ……!」
そこには、机に腰掛け携帯をいじる草田先輩がいた。
羅斗
「ど、どうしたの。今授業中じゃん」
この時は混乱していて、深く考えずに先輩を頼った。
どうしてだか、この人なら助けてくれると思った。
零時
「伏嶋が……! そこで、襲われてて!」
羅斗
「桃ちゃんが……?」
キョトンとするが、俺が指差した方を向いて納得する。
ここの教室からでも、伏嶋にたかる三人組が少しだけ見えていた。
それでも注意して見ないと気付かないくらいで、当然会話は聞こえてこない。
羅斗
「あれは……確か隣のクラスの……」
零時
「顔見知りですか!?」
羅斗
「見たことある程度だけどね。うし、この件はおねーさんに任せなさい」
零時
「え……あ、でも」
そこでようやく、先輩一人呼んだところで解決しないことに気がつく。
今の先輩はただの女性で、とてもあんな三人に勝てるとは思えない。
それでも先輩は笑って任せろという。
零時
「俺、先生とか呼んで……」
羅斗
「いらないって。というかダメ。キミは黙ってついてきて、桃ちゃんを助けなさい」
零時
「うえ、えあ……は、はいっ」
よく分からないが、ここで口論している時間はない。
それに、先輩を信じたいとも思った。
先輩について、伏嶋のもとに向かう。
《中庭》
羅斗
「はい、ストップ」
先輩は中庭に着くなり、なんの躊躇いもなく男達と伏嶋の間に割って入った。
それには男達だけでなく、着いてきた俺もかなり驚かされる。
男
「く、草田……っ!?」
羅斗
「いかにも、うねりをあげる名器×××の草田羅斗とは私のこと!」
ビシッと決めポーズ。この人はどんな状況でもブレない。
羅斗
「キミ達三年生でしょ。下級生襲うなんて、ビッチと名高い私でもさすがに引くわ―」
この状況に怖気づくこともなく飄々としている先輩。その態度に、この場にいる全員が呆気にとられる。
羅斗
「ふぅーん……なるほどねぇ。面白がって薬盛ってみたら桃ちゃんが思いのほかエロエロで、ついムラッとして襲っちゃった、ってところ?」
零時
「く、すり……?」
羅斗
「桃ちゃんがただ襲われるわけないでしょ。妥当なところが薬かなって思ったんだけど」
だ、だからさっき突然だるそうにして……
今も伏嶋はハァハァと息を荒げ、ときどきビクビクと痙攣する。冷静に見てみると、どう考えても普通じゃない。
羅斗
「えいっ」
男
「!?」
草田先輩の言葉が図星だったらしく冷や汗を垂らし固まっていた男に、先輩は余裕の表情で飛びつく。
そのまま慣れた手つきで押し倒し、ズボンをずり下げ主張した性器を取り出し微笑んだ。
その誰もが予想していなかった行動に、男達は呆けることしかできない。もちろん俺も伏嶋も、ただポカンと見ていた。
羅斗
「ふふ、思ったより立派じゃないのー。桃ちゃんにあげるなんて勿体ないから、このビッチちゃんが貰ってあげよー」
羅斗
「ほら他の二人も来て……4P、経験させてあ・げ・る」
な、なんてことを言いだすんだあの人は!
他の男にも手を伸ばして引き寄せ、一気に性器を露出させて口にくわえる。
もう一人のものも空いた片手で取り出し、あっという間に全員を自分の欲望に染め上げた。
男達も、何が何だか分からないといった顔で、されるがままになっている。
先輩の視線が、一瞬だけこっちに向けられた。
零時
「…………!」
そうだ、ぼーっとしてる場合じゃない!
零時
「伏嶋、立てるか?」
桃滋楼
「むり……足、がくがくして、もう……」
零時
「ぐっ…………!」
力も身長も足りない俺に、お姫様だっこなんて格好いいことができるわけがない。
肩に担ぐようにしてなんとか伏嶋を抱え上げ、のたのたと不格好にその場から逃げる。
《空き教室》
零時
「ぶはっ!」
なんとか近くの空き教室に逃げ込み、担いでいた伏嶋と共に地面にべちゃっと倒れた。
桃滋楼
「だ、大丈夫か?」
零時
「な、なんとか……」
あれが草田先輩なりの助け方なんだと気付くのに時間がかかったが、逃げられてよかった。
なんだか囮にしたみたいで良い気分ではないけど、それでも伏嶋が無事でよかった。
零時
「っとに、びびったっつーの……」
身体を起こし、隣に座りこむ伏嶋の頭をそっと撫でる。
こうして触れていると、そこに伏嶋がちゃんといると伝わっきて安心する。
桃滋楼
「う……っ」
伏嶋の目からぼたっと涙が落ちた。
こいつが泣いてるのなんて初めて見る。それだけ怖かっってことだろう。
身体の自由がきかないのに、数人の男に好き勝手されるなんて嫌に決まってる。
桃滋楼
「ごめ……おれ、こんなこと……なる、なんて……っ」
桃滋楼
「身体、うごかな、くて……触られるの、嫌だったのに……なんか、抵抗できなくて」
桃滋楼
「お前も、静香も、心配してくれてたのに……」
零時
「あ」
伏嶋の言葉で思い出し、静香にメールをする。
伏嶋は見つかったから、お前は教室に戻れ。後は俺がなんとかする。
短文だが、これだけで伝わるだろう。
零時
「ま、なんとか無事だったからいいよ」
桃滋楼
「でも、金髪置いてきて……」
零時
「あの人は半分好きで残ったようなものだから」
不安げな表情の伏嶋が珍しくて、無意識にそっと頬に触れた。
すると、伏嶋はビクンと身体を震わせ、熱い息をもらした。
それは明らかに恐怖からの反応ではない。言ってしまえば、性的な反応である。
零時
「あ……」
桃滋楼
「うあ……あ、の……」
伏嶋の顔がみるみる赤くなり、表情もとろんとしていく。
零時
「そ、そういえば薬がどうとか……そんなものいつ……」
桃滋楼
「あっ……た、多分……あの時の、コーヒー……」
桃滋楼
「俺、コーヒー買った後、あいつらのうちの一人にぶつかって……落としたんだ。そしたら、拾ってくれたんだけど、蓋あいてて……」
桃滋楼
「おかしいとは思ったんだけど、同じのだったから……あんま気にしなかった」
ってことは、伏嶋が普段飲んでるコーヒーまで調べて……明らかに計画犯罪じゃねーかよ。
というか、このままだと俺も変な気分になりそう……
零時
「お、俺教室出て外で待ってるから……おさまったら出てきてくれ」
桃滋楼
「う、うん……」
理性で欲望を押さえ込み、必死の思いで教室を出た。
《廊下》
しばらく経ってから、伏嶋は教室から出てきた。
時間が経てば落ち着くものだったのか、そんなに調子が悪そうでもない。
ああ、よかった……。
桃滋楼
「……待たせた」
零時
「じゃ、静香たちのとこ戻りますか」
桃滋楼
「ああ。心配させちまってるからな。早く顔見せないと」
《教室》
伏嶋が教室に入るなり、静香を筆頭にクラスメイト達がぞろぞろと駆け寄ってきた。
静香
「桃滋楼! 無事だったのだな!」
桃滋楼
「うおっ!? ば、ばっか飛びつくな重い……」
静香
「馬鹿はどっちだ……こんなに心配させおって」
長野
「早乙女、授業放り出して伏嶋のこと探しに行ってたんだよ。この早乙女が」
藤井
「しずかちゃんがサボるなんて初めてだっただろうに。ま、無事だったならよかったけどよ」
桃滋楼
「静香……うん、ごめんな……」
静香
「僕も、もっとしっかりお前を見ていればよかった……」
桃滋楼
「お前は十分心配してくれてたし、悪いのは俺だったよ」
桃滋楼
「今度からはちゃんと気をつける。ホント、ごめん」
静香
「そうしてくれ……こんなことが何度もあったら僕は心配しすぎて死んでしまう」
桃滋楼
「うん……」
藤井
「とにかく一件落着だな。これで安心して帰れる」
桃滋楼
「あっ」
帰り支度をはじめるクラスメイト達に、伏嶋が声をかける。
なんだろうかと皆が伏嶋を見た。伏嶋は顔を真っ赤にして一言。
桃滋楼
「あ……あり、がとう……」
その振り絞ったような微かな、だけどとても微笑ましい言葉で、この一件は幕を閉じた。
《廊下》
零時
「あれ……」
皆が帰り、俺たちも岐路につこうとした時。夕暮れの廊下に見知った顔を見つけた。
零時
「草田先輩……」
羅斗
「やっほ、ゼロ君」
零時
「なんで廊下に立って……いつもは何の躊躇いもなく入ってきてるじゃないですか」
羅斗
「んー……まぁ私もたまには空気を読んだりするわけですよ」
どうやら、さっきまでの感動シーンに水を差さないように気を使っていたらしい。
零時
「そんなことしなくても……そもそも、今回一番活躍してくれたのは先輩じゃないですか」
先輩がいなかったら、たぶん伏嶋は助かっていない。俺だけでは何もできなかったに違いない。
ビッチだったり色々ズレてる所もあるけど、根本的には優しい人なんだ、草田先輩は。
零時
「あの、さっきはありがとうございました」
羅斗
「いいのいいの。困った時は助け合いってね」
羅斗
「キミには女にしてもらった恩もあるし、あの場面で助けに入らないほど人間捨ててないってだけだよ」
羅斗
「ああ、桃ちゃんにオイタしようとしてた奴らは、もう二度とシたくないって思えるくらい搾り取っといてあげたから」
零時
「はは……」
いい人なんだけど、やっぱり色々と勿体ないな……
《居間》
翌日。
静香
「おはよう、零時」
零時
「はよ……あれ、伏嶋は?」
静香
「少し準備に戸惑っているようだったよ。まだしばらくかかりそうだったから先に行っていよう」
零時
「え……」
静香がそんなことを言うなんて、と思ったが、聞き返す間もなく家から引っ張り出され登校することになった。
《教室》
長野
「珍しいね、伏嶋が一緒じゃないなんて」
静香
「たまにはそんな日もあるさ」
学校に着いてからも、静香は伏嶋の話題をさらりと流していた。
絶対おかしい。何か隠してる。
零時
「静香、どうしたんだよ。まさか伏嶋と喧嘩でも……」
静香
「昨日あんなことがあったのにその後で喧嘩などするわけなかろうが」
零時
「じゃあ……」
静香
「そのうち分かるさ」
静香のその言葉通り、遅刻ギリギリで駆け込むように登校してきた伏嶋を見て全てを理解することになる。
――ガラッ
桃滋楼
「はぁっ、はぁ、はぁ……っ」
桃滋楼
「おっ、おは、おはよ…………」
零時
「な…………」
その姿を見たクラスの誰もが言葉を失っていた。その姿を見るのが二度目である俺ですら。
ただ静香だけは、親にでもなったかのように優しく見守っていたのだった。
伏嶋は母さんが調達してきた女子制服を着ていた。
もちろんスカートもしっかりはいている。足はタイツで隠しているが。
静香
「な? 分かっただろう?」
零時
「ああ……こりゃ登校すんのに時間がかかるわけだわ……」
桃滋楼
「なっ、なんだよっ! 皆してこっち見んな!」
藤井
「いや無理だろ……見ちゃうってこれは」
長野
「早乙女が隠すわけだよ」
中田
「何、どしたの伏嶋!? 反抗期終わったの!?」
桃滋楼
「誰が反抗期だったっつーんだ喧嘩売ってんのかコラ!」
中田
「じゃあ思春期がきたか!」
桃滋楼
「言い方キメェよ近寄んな!」
桃滋楼
「見せモンにするために着てんじゃねーんだよ! ああうっぜぇ集まんな! じっくり見んなってば!」
伏嶋がどんなに怒鳴ろうと、クラスメイト達はその珍しい光景を見てわいわい盛り上がる。もちろん伏嶋を中心に。
伏嶋にとっても、恥ずかしさはあるだろうが嫌ではないに違いない。その証拠に、いつもはすぐ飛んでくる鉄拳がない。
静香
「騒がしいが、いい光景だ」
零時
「だな」
この騒ぎは、授業のために来た教師が止めに入るまで続くのだった。
ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。
《廊下》
静香
「いたか!?」
零時
「いや、屋上もいない」
静香
「くっ……!」
授業が始まっても戻ってこないのはさすがにおかしいと、俺と静香は先生に許可を取って校舎の中を捜しまわった。
しかし、伏嶋の姿は一向に見つからない。
静香
「後は外と特別校舎棟だな……零時は外に行ってくれ。僕は特別棟を捜す」
零時
「ああ!」
二人正反対の方向に駆け出す。
言われたとおり外に飛び出し、グラウンドから順々に回っていく。
《中庭》
中庭を突っ切ろうとしたところで、聞き覚えのある声に足をとめた。
零時
「伏嶋……っ!?」
それは、くぐもっていてよく聞こえなかったが、女性の声だった。
この状況ではもう最悪の想像しかできない。あたりを見回し、どこから声が聞こえたのかを捜す。
零時
「…………ッ!?」
いた。
ガタイのいい男三人に抑えられ、口をふさがれている。
服は着ていたが、それも時間の問題という肌蹴方だ。
ここで俺が出ていったところで、自分より大きな男三人を相手にできるはずもない。
すぐに周りを見渡し、近くに誰かいないかを探す。
零時
「あ……」
そこから見える場所……確か今は空き教室になっている所に、見覚えのある金色が見えた。
《教室》
羅斗
「うおっ!? ぜ、ゼロ君?」
零時
「せんぱ……!」
そこには、机に腰掛け携帯をいじる草田先輩がいた。
羅斗
「ど、どうしたの。今授業中じゃん」
この時は混乱していて、深く考えずに先輩を頼った。
どうしてだか、この人なら助けてくれると思った。
零時
「伏嶋が……! そこで、襲われてて!」
羅斗
「桃ちゃんが……?」
キョトンとするが、俺が指差した方を向いて納得する。
ここの教室からでも、伏嶋にたかる三人組が少しだけ見えていた。
それでも注意して見ないと気付かないくらいで、当然会話は聞こえてこない。
羅斗
「あれは……確か隣のクラスの……」
零時
「顔見知りですか!?」
羅斗
「見たことある程度だけどね。うし、この件はおねーさんに任せなさい」
零時
「え……あ、でも」
そこでようやく、先輩一人呼んだところで解決しないことに気がつく。
今の先輩はただの女性で、とてもあんな三人に勝てるとは思えない。
それでも先輩は笑って任せろという。
零時
「俺、先生とか呼んで……」
羅斗
「いらないって。というかダメ。キミは黙ってついてきて、桃ちゃんを助けなさい」
零時
「うえ、えあ……は、はいっ」
よく分からないが、ここで口論している時間はない。
それに、先輩を信じたいとも思った。
先輩について、伏嶋のもとに向かう。
《中庭》
羅斗
「はい、ストップ」
先輩は中庭に着くなり、なんの躊躇いもなく男達と伏嶋の間に割って入った。
それには男達だけでなく、着いてきた俺もかなり驚かされる。
男
「く、草田……っ!?」
羅斗
「いかにも、うねりをあげる名器×××の草田羅斗とは私のこと!」
ビシッと決めポーズ。この人はどんな状況でもブレない。
羅斗
「キミ達三年生でしょ。下級生襲うなんて、ビッチと名高い私でもさすがに引くわ―」
この状況に怖気づくこともなく飄々としている先輩。その態度に、この場にいる全員が呆気にとられる。
羅斗
「ふぅーん……なるほどねぇ。面白がって薬盛ってみたら桃ちゃんが思いのほかエロエロで、ついムラッとして襲っちゃった、ってところ?」
零時
「く、すり……?」
羅斗
「桃ちゃんがただ襲われるわけないでしょ。妥当なところが薬かなって思ったんだけど」
だ、だからさっき突然だるそうにして……
今も伏嶋はハァハァと息を荒げ、ときどきビクビクと痙攣する。冷静に見てみると、どう考えても普通じゃない。
羅斗
「えいっ」
男
「!?」
草田先輩の言葉が図星だったらしく冷や汗を垂らし固まっていた男に、先輩は余裕の表情で飛びつく。
そのまま慣れた手つきで押し倒し、ズボンをずり下げ主張した性器を取り出し微笑んだ。
その誰もが予想していなかった行動に、男達は呆けることしかできない。もちろん俺も伏嶋も、ただポカンと見ていた。
羅斗
「ふふ、思ったより立派じゃないのー。桃ちゃんにあげるなんて勿体ないから、このビッチちゃんが貰ってあげよー」
羅斗
「ほら他の二人も来て……4P、経験させてあ・げ・る」
な、なんてことを言いだすんだあの人は!
他の男にも手を伸ばして引き寄せ、一気に性器を露出させて口にくわえる。
もう一人のものも空いた片手で取り出し、あっという間に全員を自分の欲望に染め上げた。
男達も、何が何だか分からないといった顔で、されるがままになっている。
先輩の視線が、一瞬だけこっちに向けられた。
零時
「…………!」
そうだ、ぼーっとしてる場合じゃない!
零時
「伏嶋、立てるか?」
桃滋楼
「むり……足、がくがくして、もう……」
零時
「ぐっ…………!」
力も身長も足りない俺に、お姫様だっこなんて格好いいことができるわけがない。
肩に担ぐようにしてなんとか伏嶋を抱え上げ、のたのたと不格好にその場から逃げる。
《空き教室》
零時
「ぶはっ!」
なんとか近くの空き教室に逃げ込み、担いでいた伏嶋と共に地面にべちゃっと倒れた。
桃滋楼
「だ、大丈夫か?」
零時
「な、なんとか……」
あれが草田先輩なりの助け方なんだと気付くのに時間がかかったが、逃げられてよかった。
なんだか囮にしたみたいで良い気分ではないけど、それでも伏嶋が無事でよかった。
零時
「っとに、びびったっつーの……」
身体を起こし、隣に座りこむ伏嶋の頭をそっと撫でる。
こうして触れていると、そこに伏嶋がちゃんといると伝わっきて安心する。
桃滋楼
「う……っ」
伏嶋の目からぼたっと涙が落ちた。
こいつが泣いてるのなんて初めて見る。それだけ怖かっってことだろう。
身体の自由がきかないのに、数人の男に好き勝手されるなんて嫌に決まってる。
桃滋楼
「ごめ……おれ、こんなこと……なる、なんて……っ」
桃滋楼
「身体、うごかな、くて……触られるの、嫌だったのに……なんか、抵抗できなくて」
桃滋楼
「お前も、静香も、心配してくれてたのに……」
零時
「あ」
伏嶋の言葉で思い出し、静香にメールをする。
伏嶋は見つかったから、お前は教室に戻れ。後は俺がなんとかする。
短文だが、これだけで伝わるだろう。
零時
「ま、なんとか無事だったからいいよ」
桃滋楼
「でも、金髪置いてきて……」
零時
「あの人は半分好きで残ったようなものだから」
不安げな表情の伏嶋が珍しくて、無意識にそっと頬に触れた。
すると、伏嶋はビクンと身体を震わせ、熱い息をもらした。
それは明らかに恐怖からの反応ではない。言ってしまえば、性的な反応である。
零時
「あ……」
桃滋楼
「うあ……あ、の……」
伏嶋の顔がみるみる赤くなり、表情もとろんとしていく。
零時
「そ、そういえば薬がどうとか……そんなものいつ……」
桃滋楼
「あっ……た、多分……あの時の、コーヒー……」
桃滋楼
「俺、コーヒー買った後、あいつらのうちの一人にぶつかって……落としたんだ。そしたら、拾ってくれたんだけど、蓋あいてて……」
桃滋楼
「おかしいとは思ったんだけど、同じのだったから……あんま気にしなかった」
ってことは、伏嶋が普段飲んでるコーヒーまで調べて……明らかに計画犯罪じゃねーかよ。
というか、このままだと俺も変な気分になりそう……
零時
「お、俺教室出て外で待ってるから……おさまったら出てきてくれ」
桃滋楼
「う、うん……」
理性で欲望を押さえ込み、必死の思いで教室を出た。
《廊下》
しばらく経ってから、伏嶋は教室から出てきた。
時間が経てば落ち着くものだったのか、そんなに調子が悪そうでもない。
ああ、よかった……。
桃滋楼
「……待たせた」
零時
「じゃ、静香たちのとこ戻りますか」
桃滋楼
「ああ。心配させちまってるからな。早く顔見せないと」
《教室》
伏嶋が教室に入るなり、静香を筆頭にクラスメイト達がぞろぞろと駆け寄ってきた。
静香
「桃滋楼! 無事だったのだな!」
桃滋楼
「うおっ!? ば、ばっか飛びつくな重い……」
静香
「馬鹿はどっちだ……こんなに心配させおって」
長野
「早乙女、授業放り出して伏嶋のこと探しに行ってたんだよ。この早乙女が」
藤井
「しずかちゃんがサボるなんて初めてだっただろうに。ま、無事だったならよかったけどよ」
桃滋楼
「静香……うん、ごめんな……」
静香
「僕も、もっとしっかりお前を見ていればよかった……」
桃滋楼
「お前は十分心配してくれてたし、悪いのは俺だったよ」
桃滋楼
「今度からはちゃんと気をつける。ホント、ごめん」
静香
「そうしてくれ……こんなことが何度もあったら僕は心配しすぎて死んでしまう」
桃滋楼
「うん……」
藤井
「とにかく一件落着だな。これで安心して帰れる」
桃滋楼
「あっ」
帰り支度をはじめるクラスメイト達に、伏嶋が声をかける。
なんだろうかと皆が伏嶋を見た。伏嶋は顔を真っ赤にして一言。
桃滋楼
「あ……あり、がとう……」
その振り絞ったような微かな、だけどとても微笑ましい言葉で、この一件は幕を閉じた。
《廊下》
零時
「あれ……」
皆が帰り、俺たちも岐路につこうとした時。夕暮れの廊下に見知った顔を見つけた。
零時
「草田先輩……」
羅斗
「やっほ、ゼロ君」
零時
「なんで廊下に立って……いつもは何の躊躇いもなく入ってきてるじゃないですか」
羅斗
「んー……まぁ私もたまには空気を読んだりするわけですよ」
どうやら、さっきまでの感動シーンに水を差さないように気を使っていたらしい。
零時
「そんなことしなくても……そもそも、今回一番活躍してくれたのは先輩じゃないですか」
先輩がいなかったら、たぶん伏嶋は助かっていない。俺だけでは何もできなかったに違いない。
ビッチだったり色々ズレてる所もあるけど、根本的には優しい人なんだ、草田先輩は。
零時
「あの、さっきはありがとうございました」
羅斗
「いいのいいの。困った時は助け合いってね」
羅斗
「キミには女にしてもらった恩もあるし、あの場面で助けに入らないほど人間捨ててないってだけだよ」
羅斗
「ああ、桃ちゃんにオイタしようとしてた奴らは、もう二度とシたくないって思えるくらい搾り取っといてあげたから」
零時
「はは……」
いい人なんだけど、やっぱり色々と勿体ないな……
《居間》
翌日。
静香
「おはよう、零時」
零時
「はよ……あれ、伏嶋は?」
静香
「少し準備に戸惑っているようだったよ。まだしばらくかかりそうだったから先に行っていよう」
零時
「え……」
静香がそんなことを言うなんて、と思ったが、聞き返す間もなく家から引っ張り出され登校することになった。
《教室》
長野
「珍しいね、伏嶋が一緒じゃないなんて」
静香
「たまにはそんな日もあるさ」
学校に着いてからも、静香は伏嶋の話題をさらりと流していた。
絶対おかしい。何か隠してる。
零時
「静香、どうしたんだよ。まさか伏嶋と喧嘩でも……」
静香
「昨日あんなことがあったのにその後で喧嘩などするわけなかろうが」
零時
「じゃあ……」
静香
「そのうち分かるさ」
静香のその言葉通り、遅刻ギリギリで駆け込むように登校してきた伏嶋を見て全てを理解することになる。
――ガラッ
桃滋楼
「はぁっ、はぁ、はぁ……っ」
桃滋楼
「おっ、おは、おはよ…………」
零時
「な…………」
その姿を見たクラスの誰もが言葉を失っていた。その姿を見るのが二度目である俺ですら。
ただ静香だけは、親にでもなったかのように優しく見守っていたのだった。
伏嶋は母さんが調達してきた女子制服を着ていた。
もちろんスカートもしっかりはいている。足はタイツで隠しているが。
静香
「な? 分かっただろう?」
零時
「ああ……こりゃ登校すんのに時間がかかるわけだわ……」
桃滋楼
「なっ、なんだよっ! 皆してこっち見んな!」
藤井
「いや無理だろ……見ちゃうってこれは」
長野
「早乙女が隠すわけだよ」
中田
「何、どしたの伏嶋!? 反抗期終わったの!?」
桃滋楼
「誰が反抗期だったっつーんだ喧嘩売ってんのかコラ!」
中田
「じゃあ思春期がきたか!」
桃滋楼
「言い方キメェよ近寄んな!」
桃滋楼
「見せモンにするために着てんじゃねーんだよ! ああうっぜぇ集まんな! じっくり見んなってば!」
伏嶋がどんなに怒鳴ろうと、クラスメイト達はその珍しい光景を見てわいわい盛り上がる。もちろん伏嶋を中心に。
伏嶋にとっても、恥ずかしさはあるだろうが嫌ではないに違いない。その証拠に、いつもはすぐ飛んでくる鉄拳がない。
静香
「騒がしいが、いい光景だ」
零時
「だな」
この騒ぎは、授業のために来た教師が止めに入るまで続くのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる