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第2章:仲間達の帰還
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しばらくすると、
制服に着替えた千春さんが戻ってきた。
セーラー服の時と違って、大人に見える。
「お待たせ~!」
ノリの軽そうな明るい声は、相変わらずだ。
千春さんは振り返ると、
「そんで、ほら!
柊、この照れ屋!! 早く入れ、こら」
と部屋の入り口に向かって怒鳴る。
柊さんも、帰ってきたんだ。
「俺は、もうこのチームの一員では……」
死角にいるのか、声は聞こえるが姿は見えない。
「そんなこと思ってるの、アンタだけだから!
いいから入れっ!」
小さい声で何かボソボソ言って、
部屋の外から動こうとしない柊さんの腕を掴んで
千春さんは彼を強引に部屋に入れた。
「おっかえり~、柊!」
千春さんが言うと、みんな嬉しそうな、
そして懐かしそうな笑みを浮かべた。
「おかえり」
「おかえりなさい」
仲間達が、彼を迎える。
「…………」
柊さんは、困った顔をした。
「ほら、柊。
家に帰ってきて挨拶されたときは、
何て言うんだ?」
催促するように、空山さんが言う。
「た……ただいま」
もの凄く小さな声で、柊さんは呟いた。
「初めまして、柊さん。
お世話になってます」
綾が駆け寄って、挨拶する。
「いや、俺は……特に何も……」
「お仕事お疲れ様です」
「…………」
綾に言われて、柊さんは少し微笑んだように見える。
わ、私も何か挨拶しなくっちゃ。
私は、ゆっくりと柊さんの方へ
歩いていった。
「あの……」
「…………」
「言ってたとおり、先生じゃ無かったんですね。
疑ってごめんなさい」
何を言っているの、私。
ここはまず、お礼を言うところなのに。
助けてくれて……ありがとうって。
「ああ、俺は教師ではない。
あの世界の本物は、それを志しているようだが」
「あの、それで……」
「どうした?」
「先生じゃないから、
“柊さん”になりますね、やっぱり」
違う。
私が言うべき事は、こんな事じゃないのに。
「そうだな。そうしてくれ」
お礼のひとつもろくに言えない私なのに、
柊さんは気にしていないようで。
人を助ける仕事をしてる人って
心が広いんだなぁ。
「良かったなー、柊!」
千春さんが、柊さんの背中を
バッシーンと強く叩いた。
「千春……お前な」
「思ったより早く、夢がひとつ叶ったじゃん!」
「……夢?」
「あっはは~、照れちゃって」
柊さんと千春さんがどういう関係なのか
よく知らないけど、
どつき漫才をする仲なのは間違いなさそうだ。
制服に着替えた千春さんが戻ってきた。
セーラー服の時と違って、大人に見える。
「お待たせ~!」
ノリの軽そうな明るい声は、相変わらずだ。
千春さんは振り返ると、
「そんで、ほら!
柊、この照れ屋!! 早く入れ、こら」
と部屋の入り口に向かって怒鳴る。
柊さんも、帰ってきたんだ。
「俺は、もうこのチームの一員では……」
死角にいるのか、声は聞こえるが姿は見えない。
「そんなこと思ってるの、アンタだけだから!
いいから入れっ!」
小さい声で何かボソボソ言って、
部屋の外から動こうとしない柊さんの腕を掴んで
千春さんは彼を強引に部屋に入れた。
「おっかえり~、柊!」
千春さんが言うと、みんな嬉しそうな、
そして懐かしそうな笑みを浮かべた。
「おかえり」
「おかえりなさい」
仲間達が、彼を迎える。
「…………」
柊さんは、困った顔をした。
「ほら、柊。
家に帰ってきて挨拶されたときは、
何て言うんだ?」
催促するように、空山さんが言う。
「た……ただいま」
もの凄く小さな声で、柊さんは呟いた。
「初めまして、柊さん。
お世話になってます」
綾が駆け寄って、挨拶する。
「いや、俺は……特に何も……」
「お仕事お疲れ様です」
「…………」
綾に言われて、柊さんは少し微笑んだように見える。
わ、私も何か挨拶しなくっちゃ。
私は、ゆっくりと柊さんの方へ
歩いていった。
「あの……」
「…………」
「言ってたとおり、先生じゃ無かったんですね。
疑ってごめんなさい」
何を言っているの、私。
ここはまず、お礼を言うところなのに。
助けてくれて……ありがとうって。
「ああ、俺は教師ではない。
あの世界の本物は、それを志しているようだが」
「あの、それで……」
「どうした?」
「先生じゃないから、
“柊さん”になりますね、やっぱり」
違う。
私が言うべき事は、こんな事じゃないのに。
「そうだな。そうしてくれ」
お礼のひとつもろくに言えない私なのに、
柊さんは気にしていないようで。
人を助ける仕事をしてる人って
心が広いんだなぁ。
「良かったなー、柊!」
千春さんが、柊さんの背中を
バッシーンと強く叩いた。
「千春……お前な」
「思ったより早く、夢がひとつ叶ったじゃん!」
「……夢?」
「あっはは~、照れちゃって」
柊さんと千春さんがどういう関係なのか
よく知らないけど、
どつき漫才をする仲なのは間違いなさそうだ。
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