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冒険者編
第32話 殺人
しおりを挟む「お前!お前お前お前お前!俺たちはともかくフォックスハント侯爵までコケにしやがって!こうなったら、二人とも地獄行きだ!」
そうか。俺を殺すのか。
頑張れよ!
「ダメです!逃げてください!僕が目的なんです。僕のせいで誰かが不幸になるのは……もう見たくないんです!お願いします。逃げてください!」
隣の少年もこんな感じだ。ずっと逃げろ逃げろ言ってくる。まぁ、心配してくれてるのは嬉しいけどね。
はぁ。戦うか。でも、コイツら戦っても楽しそうじゃないんだよな。まぁ、それ以外の選択肢なさそうだし。まずは少年に落ち着いてもらうか。
「そこの君。心配してくれてありがとう。でもコイツら雑魚だから、俺がなんとかする」
「なんとかするって……彼らは鍛え抜かれた兵士ですよ」
「大丈夫だって」
さて、ゴジは……まだ出て来そうに無いな。
だったら刀を構えて、あとはそうだな、師匠の仮面を付けよう。本当に私兵なら貴族を相手にすることになる。その場合は顔がバレない方が都合がいい。
「なんだ妙な仮面をつけて?俺らと殺り合うのか?」
「そうだけど」
「おいおいおいおい。俺ら兵士5人を相手にするのか?勝てないぞ。それに……」
「それに?」
「お前、人殺したことないだろ」
「え、あるよ?」
「適当なこと言ってんじゃねぇ!人を殺すってのはすごく重いことなんだぞ。一生記憶に残るぐらい、なっ!」
「お前が言うな!?」
剣を振りかぶりながら言うセリフじゃねぇよ。
でもあの時の記憶、消えかけてるな。あの時のことで鮮明に記憶に残ってるのは、女神に対する復讐心と最後に見たアリスの顔ぐらいか?
今までは魔物の相手しかしてなかったしなぁ。一生記憶に残ることもなく、何なら忘れかけてるし。
ヤベッ、もう目の前じゃん。……あっ、体が勝手に反応しちゃう。
「グハッ……な、んで」
「ありゃぁ~こりゃダメだ。俺の体が条件反射で殺しちゃうし、何一つ感じることがない。もう、人間としてダメかもしれない。あぁ、これアリスに見られたらどうしよう。フラれるかもしれない。やばいやばいやばいやばいやばい!これ結構やばいぞ!フラれたらどうしよう!」
洞窟だと毎日が殺すか殺されるかだったから、条件反射で襲ってくるもの全てが迎撃される。その上で同族を殺しても何も感じない。もうダメだこれ。
はぁ、気分転換に残りの奴らもやるか。
残り4人、少しぐらいは楽しませてくれよな。
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