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冒険者編
第73話 昇級
しおりを挟むギルドの受付の方に向かえば、そこには既にジオのC級の冒険者カードを持った受付娘がいた。
「あれ、早くない?」
「そうだな」
「解体場での騒ぎを聞いて、先に準備をしておきました。こちらがジオさんのC級の冒険者カードになります」
「ありがとうございます」
「書類などはこちらでやっておきましたので、現時刻を持ってジオさんはC級冒険者となります。昇格おめでとうございます」
「よかったな」
「グルッ!」
「二人ともありがとう。これで取り敢えずは目標は達成できたね」
「あぁ」
「後5日もすれば、旅を再開できる。予想以上の速度だ」
「あと少し、だね」
拳に力を込め、言葉を噛み締めながらジオが言う。
彼だって俺と同じ復讐心を抱えてるはずだ。いや、アルトリエの安全がある程度補償されていない分、俺以上かもしれない。
いつもは冷静で真面目で、俺みたいな瞳を見せることもないジオ。しかしそれでも、心の深淵から燃え上がる焔は確かに存在し、絶えず理性の壁を叩き壊さんと暴れている。
「また一歩近づいたな」
「うん」
復讐が虚しいことぐらい、二人とも理解している。この旅はそれを知って選んだ道だ。間違っていようが、悪だろうが、裁きを下すのは必要なこと。それは自分の手で下す裁きであり、自身にとっての正義の審判だ。
「なんか時間が余ったな」
「いつもだったら、夕方に帰ってくるもんね。せっかくだし、街の観光でもしない?」
「そうだな。まだ食事処と宿しか見てないし、それがいい」
「グル?」
肩に乗ってウトウトしていたゴジが「食事処」と聞いて、すぐにやる気を取り戻す。
はぁ、レストラン巡りするか。
「ゴジも、それがいいみたいだね」
「俺としては図書館とか、鍛冶屋。あとは……スラム街が見たいんだが」
「図書館、鍛冶屋は分かるよ。でも、スラム街?」
「あぁ、ちょっと見ておきたいものがあってな」
「そう、なの?」
腑に落ちないようだが、いつもこの世界基準で奇想天外な動きをしてる甲斐があってか、深く言及はしない。
「僕も図書館と鍛冶屋には興味があるし…………そうだね。まずは早めの夕食を食べてから、図書館を見に行こう。鍛冶屋は、早いところだともう閉まってるかもしれないし、明日でいい?」
「おう、それで行こう」
「グルル!」
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