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なんか虚しい
しおりを挟む想い合っていて触れることが許されない間柄。
例えば政略結婚が当たり前の世の姫と騎士。
例えば義理の兄妹。義理の親子。
例えば先生と生徒。
上げればそれは切りがない。
障害があるほど燃え上がるとかいわないで。
これは障害を超えてまで結ばれることを是としない、自分にそれを許さない、ある意味融通の効かない頑固で愛すべき方々のはなし。
騎士様にしたって義理の兄様にしたって、本気で愛されていて、命さえ賭してくれると信じれても尚、触れることができないとしたら、
なんか虚しい。
それが触れてはいけないという間柄。
それでは、
想い合っていて触れ合うこともできて、でも結ばれることがない関係。
例えばなんらかの機能不全を持つ夫婦。
想い合っていても抱き合うことはできても結ばれない虚しさ。
とするならば、このカテゴリには女性のカップルも入る。
男と男はたとえ代替の器官だとしても隙間なく結ばれることができる。
でも女と女ではそもそも埋めるものを持ち合わせない。
オモチャはあくまでオモチャ、血も神経も通っていない。
指でイカせることは出来ても指自体は快感を拾わないから心は満たされても同時にイクことは出来ない。あぁ、同時にイカせるという手はあるが。
でもなんかちょっと違う。
だから同性同士のカップルは圧倒的に男性が多い。のかもしれない。
ここには不倫のカップルなんてのも含まれる。
見も心も結ばれていたとして形として結ばれる可能性が極めて困難。
唯一であると胸を張ってもなんか虚しい。
それに、結果成就できたとしてもきっと付きまとう不安。
例えば心が伴わない関係。
どんなに美しい女を星の数ほど抱いても愛することを知らない男。
愛された男に毎夜抱かれても想いを寄せる男がいる女。
これもまたなんか虚しい。
愛する人がいて、その人から愛されていて形としてちゃんと結ばれて。
だけど次第に馴れ合い、それと比例して触れ合わなくなるふたり。
触れるって案外慣れというか習慣で、慣れ合ったが故の触れ合いレスも不思議といえば不思議だけれど、触らないでいると触れなくなるし、触られたくなくなる。
触れたいという情熱の低下かもしれない。
いわゆるこれがセックスレスへの入口。
贅沢で、これもやはりなんか虚しい。
土曜の夜のセックス。
会話も無く愛の言葉も当然無く毎週繰り返される生殖活動。
もしくは夫婦生活を円満に恙無く過ごすための儀式。
ほとんど義務。
最初からディープなキスをしておっぱい揉んで乳首摘んで吸って「あん」と言ったらハイ次。
パンツ脱がせて状態確認して「あん」と言ったら入れて動いて出す。みたいな。
疲れてるからどんどん簡略化は進み、別に楽しめないから時間もどんどん短縮されて行く。
これほとんどダッチワイフ使って自慰してるのと変わらない。
自分がイケればいい。
乗られてる方も早く終わらないかなって思ってる。
だってこんなんじゃイケない。
なら早く終わらせて眠りたいって。
そのためだけの「あん」
あ~も~なんか虚しい。
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