4 / 11
1-2 夏也side.
しおりを挟む
暁久との久しぶりの勉強。毎日一緒に勉強していた時のことを思い出す。
__________________
あの頃、彼と一緒に勉強し始めて少し経った頃から、暁久を見る度に心臓の鼓動が速くなるようになった。最初はこの速くなる鼓動の正体に気が付かなかった。
でも少し経って、「ああ、これは恋なんだ」と気づいた。
暁久を好きになるなんて最初は考えてもみなかった。だから正体がわからなかったんだ、と合点がいった。
正直、僕はそれまで好きな人ができたことがなかった。それも“恋”というものに気が付かなかった理由の1つだろう。僕は恋をして初めてその楽しさや辛さ、痛みを知った。
『自分の気持ちが伝えたい。でも、暁久に引かれたくない。』
そんな想いがずっと頭の中を駆け巡る。いっそ、伝えられないのなら心の奥に仕舞いこんでしまおうかとも考えた。でもできなかった。やっぱり好きだから、好きな人を好きだという気持ちは無かった事になんかできなかった。だからいつか、僕の気持ちが伝えられる心の準備が出来たら伝えようと思う。
__________________
アイスを一緒に食べながら歩く帰り道。僕はやっぱりパピコを選んだ。僕にとってこのアイスは暁久との思い出そのものだ。
「俺とのパピコのエピソード聞いたから、これからパピコ見るたびに夏也のこと思い出せるわ!」
太陽のように眩しすぎるくらいの笑顔で暁久が言う。
「アイス見るたびに思い出してくれるとか嬉しいわ!」
僕は冗談交じりに少し皮肉めいて返答する。暁久を好いていることを悟られないように。
そしてお互い笑いあう。
僕にとっては、そんな関係があたたかくも切ない。
その後、僕たちはアイスを食べ終わった後少しだけ歩いてお互いの家に帰るべく帰路に着いた。
一人で歩いているといろいろなことが頭をよぎる。今日の晩御飯は何かなとか、課題が多いなとか、暁久のこととか。久しぶりに暁久と過ごした放課後がとても楽しかった。
ずっとこんな毎日だったらいいのに。そんなことを思う僕は贅沢過ぎるだろうか。
__________________
あの頃、彼と一緒に勉強し始めて少し経った頃から、暁久を見る度に心臓の鼓動が速くなるようになった。最初はこの速くなる鼓動の正体に気が付かなかった。
でも少し経って、「ああ、これは恋なんだ」と気づいた。
暁久を好きになるなんて最初は考えてもみなかった。だから正体がわからなかったんだ、と合点がいった。
正直、僕はそれまで好きな人ができたことがなかった。それも“恋”というものに気が付かなかった理由の1つだろう。僕は恋をして初めてその楽しさや辛さ、痛みを知った。
『自分の気持ちが伝えたい。でも、暁久に引かれたくない。』
そんな想いがずっと頭の中を駆け巡る。いっそ、伝えられないのなら心の奥に仕舞いこんでしまおうかとも考えた。でもできなかった。やっぱり好きだから、好きな人を好きだという気持ちは無かった事になんかできなかった。だからいつか、僕の気持ちが伝えられる心の準備が出来たら伝えようと思う。
__________________
アイスを一緒に食べながら歩く帰り道。僕はやっぱりパピコを選んだ。僕にとってこのアイスは暁久との思い出そのものだ。
「俺とのパピコのエピソード聞いたから、これからパピコ見るたびに夏也のこと思い出せるわ!」
太陽のように眩しすぎるくらいの笑顔で暁久が言う。
「アイス見るたびに思い出してくれるとか嬉しいわ!」
僕は冗談交じりに少し皮肉めいて返答する。暁久を好いていることを悟られないように。
そしてお互い笑いあう。
僕にとっては、そんな関係があたたかくも切ない。
その後、僕たちはアイスを食べ終わった後少しだけ歩いてお互いの家に帰るべく帰路に着いた。
一人で歩いているといろいろなことが頭をよぎる。今日の晩御飯は何かなとか、課題が多いなとか、暁久のこととか。久しぶりに暁久と過ごした放課後がとても楽しかった。
ずっとこんな毎日だったらいいのに。そんなことを思う僕は贅沢過ぎるだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる