絶対令嬢の私が浮気されたから婚約破棄を突きつけたら、イケメン王子が婿になりました

クー

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第2話

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「・・・・ジェシカ。すまない。リゼと結婚することになった」

 予想もしていない言葉が愛する人から返ってきて、しばらく呆然と虚空を見つめていた。
・・・いえ、正確には「愛していた」人ね。

デジカ帝国の秋は涼しく、夕暮れには高台に鎮座されている真実の塔から見える景色が絶景なのです。
わざわざ1万グラスも離れたグスタフ公国から、真実の塔の展望を眺めるためだけに訪れる観光客も耐えないほどですわ。
夜には満天の星空が広がり、月の女神アイシェが最後の時を過ごすのに選んだ場所としても有名な名高き塔なのです。
大切な人を永遠に愛することを誓いあった、そんな幻想的な真実の塔が、まさか婚約者に浮気を告白されるなんて皮肉なものね。。。

「学術会のトップに長年君臨していたエリオット、貴方にこんな質問をするのも可笑しな話なのだけど、・・・なぜ?」

空気は果てしなく澄んでいて、空はこんなにもキレイなの。
だから、いつもと違って勇気を出せたのかもしれないわね。
聞くのは怖くなかった、と言えばウソになるわ。だって子供の頃から愛していた大切な幼馴染なんだもの。

「・・・親が決めたことなんだ。家督を継ぐためには、純粋魔法の血が濃いと名高いジルベール家としか結婚を認めないと言われた。だからごめん。ジェシカ。別れて欲しい。」

「そんな、、、突然過ぎない?エリオット。それに私だって、魔法には自信があるわよ?確かにリゼと比べれば見劣りするかもしれないけど、学術会での成績は常に上位をキープしていたわ?」

そう、私はリゼと常に張り合っていたわ。あの子が常に突っかかってくる立場ではあったけれども、
それでもお互い切磋琢磨しあえる仲だった。
リゼに負けたことは無かったし、それはエリオットも知っているはず。

「・・・他の血が混ざっているんだ。君は。」

「はい・・・?」

話が唐突すぎて理解できないわ。
他の血が混ざってる?何を言ってるのかしら?
私は純粋魔法使いとして帝国の王の直属魔法使いとして選ばれたシャルドネーク家の娘なのに?

「エリオット。私の家柄を知ってるでしょう?こう言ってはなんだけど、リゼのジルベール家とは格が違うわ。
もちろん、リゼも帝国一の純粋魔法使いの家として長年帝国を支えてきたのは知っての通りだけれど。
シャルドネーク家は、帝国直属の純粋魔法使い。王が認めているのよ?」

そう。シャルドネーク家はその魔力の強さから、他国の王子から求婚されるぐらいに欲しがられる血筋なのだ。
どんな男もほっとく訳がない。それほど純粋魔法の血筋は誰もが欲しがるいわば才能だから。
もちろん、才能に溺れずに努力は誰よりもしたと自負しているわ。

でも、混ざってるとは、一体何が混ざっているのかしら?

「混ざっているとは何のことかしら?先日飲んだバスクダのお砂糖を入れたモンロ紅茶でも私の中に混ざっているのかしら?」

悲しさを紛らわすために、精一杯の冗談をエリオットに向けた。

「・・・君にはガジェスの血が混ざってるんだ。ジェシカ。」

愛しき人の透き通るような唇から発せられた発語を、唖然としながら聞いていた。
デジカ帝国を優しく包む夕暮れの光がまた皮肉にも、エリオットの言葉に現実味をもたらすのだった。



















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