転生したら森の主人になりました

上野佐栁

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転生したら森の主人になりました4

転生したら森の主人になりました終わりゆく戦いその1

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 「私は貴方を救わない」
 「は?何言って......」
 「出来れば貴方の心だけは救いたかった。でも今の話を聞いて気が変わった。今から全力で貴方をぶっ倒す!」
 「言ってくれるじゃない。あんたは知らないでしょうが、私の力相当つよー......ぐはっ!?」
 私は最後まで話を聞かずにタロットの妹の腹を切り裂いた。
 「ガハッ!はぁーはぁー......ぐっ!」
 「ごめんね。ううん。違うね。貴方に謝罪する必要はない」
 「な、なん......なの......よ」
 「ずっと思ってた。今までの戦いで本気で戦って居たのかなぁって......でも今は本気で戦っているって思うから。それだけは感謝するよ」
 「い、いら......ない......か、感謝ね。ぐっ!」
 空から落ちてない。まだ戦う気力は残っているみたいだ。私は甘い。いつも敵に情けをかけてしまう。いつもそうだ。タイガには敵に情けは必要ないって言うくせに自分は......。
 「あ、あん......たな......んか蹴散......ら......して......」
 「もういい」
 「タロット?」
 「あ、兄様⁇」
 「お前に本当の真実を教えてやるよ」
 「ほ、本当......の......真実?」
 「ああ。お前を殺したのは俺だ」
 「はあ!?タロット!?」
 「いやいやいやいやいやいやいや!?待て待て待て待て!俺は知らんぞ。まじで、こいつを殺した覚えないぞ」
 「......」
 じゃあ別の世界のタロットは血は繋がってなくても自分の妹を殺したってこと?
 「あ、兄様⁇う、嘘だ......よね?嘘......って言って......よ」
 「俺はお前を妹なんて思ってないからな」
 「......っ!?」
 「あの時は快感だったな」
 「......あれ?」
 「ラフォーレ?どうした?」
 「う、ううん。今は何でもない」
 気のせいだろうか?一瞬タロットの力とは別の力を感じた?
 「お前の泣き叫ぶ声や大声でみっともなく命乞いをするお前を見るのは......」
 「あ、ああ......あああ......」
 この言葉を失いそのまま崩れ落ちてしまったタロットの妹。
 「やっぱり......」
 「私?どうしたの?さっきから......」
 「貴方誰なの?」
 「......え」
 「は?」
 「へっ?」
 「貴方はタロットだけど、タロットじゃない。誰なの⁇」
 「ラフォーレ?何言ってるんだ?」
 「ぷっ!」
 「タロット?」
 「ぷあははは‼︎流石だな⁇ラフォーレ.ア.ウッド。この俺の正体に気付くとは流石は俺の娘だ」
 「......え?」
 「俺だよ。お前の父親だ」
 「嘘だ‼︎」
 「別の世界での俺は死の番人ではない。世界のことわりを元に戻るだの役割さ」
 「世界のことわり⁇」
 「ああ。お前は世界のことわりをひっくり返した。どう転んでも死ぬ運命のお前はそれをことごとく破り捨てて来た。だからこうして殺しに来たんだよ」
 「じゃあタロットは?タロットはどうなったの?」
 「どうなった?そんなの取り込んだに決まっているだろ?此処の世界のタロットも取り込むつもりだ」
 「......っ‼︎」
 「俺はどんな理由があろうともことわりをひっくり返す奴は嫌いだ」
 ああ。忘れて居た。私の父親は世間体を気にする人だった。だからこの世界のことわりを元に戻そうとしているのだ。
 「でも此処のお父さんは私を認めてくれた」
 「この世界の俺はおかしい。だから始末した」
 「は?始末した?」
 「ああそうだ。あんな甘ったれたのやつに成り下がりやがって......」
 「貴方が本当の父親だとしても私は全力で貴方を止める!」
 「ほぉう?お前如きが俺に勝てるなどと思われていることに腹が立つ」
 「タロットを本当に取り込んだとしたら許せない」
 「お前は誰かのためだけに動く機会人形みたいだな」
 「は?」
 何を言っているの?
 「自分の意志では動けない。自分で行動するのが怖い。だからこうして、仲間が動くのを待っている。だからお前は誰も救えないだよ」
 自分の意志⁇そういえば、自分で動いたことあったかなぁ?いやある。一度だけある。皆んなを助けたい。皆んなとまた会いたいって強く願ったことがある。アワーが作り出したら偽物の世界。そこでは私は自分の意志で動いて居た。
 「悪いけど負けられないの」
 「は?何言っているんだ⁇負けられない⁇お前は負ける運命さ」
 「もし私が死ぬ運命だとしたならその運命を運命返ししてやるんだから!」
 「意味がわからない」  
 「これは私の意志!私自身で、私が決めたことでお父さん貴方を......殺します」
 胸が張り裂けそうだ。実の親を殺すっと決めるのはきつい。だからせめて、苦しまないように殺す。そう決めたのであった。
 次に続く
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